3年F組!金ピカ先生!   作:【酒豪】御酒乱マン

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全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)
 常時発動型の宝具。
 星の輝きの如く地上の隅々へと行き渡り、すべてを見通す、最古の英雄・英雄王ギルガメッシュの精神性が宝具として昇華されたモノ。
 相手の真名や宝具はおろか、幾重に隠された真実さえも一瞥で見通してみせる。
 真名解放すれば最適戦術を導く「指示」として働き、自陣全体の攻撃力と防御力を同時に引き上げる。
 先生としての指揮能力はこの宝具とスキル『カリスマA+』によって生徒の能力を限界以上まで引き上げるので、どれだけ戦力差があろうとも生徒対生徒ならばギルガメッシュが指揮した方が勝利する。それが例え、ユメとホシノの2人対三大校の最高戦力の組織全員が相手だったとしても。


3話 アビドスリゾート建設計画

 アビドス最大の問題を解決し、ギルガメッシュはアビドスの本格的な立て直しに動き始めた。

 金の問題はすぐに解決出来るが、環境の問題となるとギルガメッシュにも早期解決は難しい。

 砂嵐に砂漠に現れる巨大な鉄の蛇ビナー、その他にもアビドスには過去に覇権を握っていた事もあり、様々な遺産が眠っている可能性があるため、迂闊に開発も出来ない。

 

「やる事が多過ぎて何から手をつけたら良いか分からないよ!」

「やっぱり、人がいない事には」

「たわけ、こんな場所に人が集まるものか。まずはオアシスを復活させる」

 

 ギルガメッシュはそう言って2人を連れて、かつてオアシスがあった場所に向かう。

 

「前にここは掘りましたよ?」

「おおかた、それも1日やそこらであろう」

「そうですね」

 

 ギルガメッシュはオアシスが本当に干上がったのか、砂嵐によって埋まったのかを確かめる為に、上空に巨大なゲートを出現させる。

 その中から『千山斬り拓く翠の地平(イガリマ)』という100mを超える巨大な剣を出現させる。

 

「でっ!?」

「おっきい剣だ!!?」

 

 イガリマをオアシスに向けて射出することで、周囲の砂を吹き飛ばしてイガリマを回収する。すると、イガリマが開けた穴から綺麗な水が噴き出す。

 

「出た!?」

「干上がってなかったんですね」

「ユメよ、舐めてみると良い」

 

 ギルガメッシュの言うとおり、ユメがその水を舐めてみるとかなり塩気が強く、顔を顰める。

 

「うぇ……しょっぱい。お水欲しい……」

「まさか本当に水が噴き出るなんて」

 

 ホシノは水筒に入れて来た水をユメに手渡しつつ、ギルガメッシュの方を見る。

 

「お前が破き捨てた砂祭りのポスターを覚えているか?」

「……はい」

 

 ホシノはとても気まずそうに視線を逸らす。

 

「祭りとして定着するほど長い期間、その規模を変えずに残り続けたと言うことは供給源がある。そう思っていただけだ。水源に繋がっていないのなら、水路を作って擬似的にオアシスを作るつもりでいたわ」

 

 ギルガメッシュはそう言いながら振り返って歩き始め、ホシノが不思議に思っていると、突然足場が崩れてホシノとユメは湧き上がった水源に落ちた。

 ギルガメッシュは復活したオアシスの近くにビーチチェアに腰掛け、2人が上がってくるのを待つ。

 

「酷い目に遭いましたよ……」

「砂漠での死因の上位に溺死があるって本当なんだね……」

 

 2人はスク水姿で制服を絞りながら上がってくる。

 

「……なぜそんな格好をしている」

「オアシスと言ったらこれかなって」

「水が噴き出るかも知れませんからね」

「まあ良い、オアシスを復活させたならば次だ」

 

 

 

 

 ギルガメッシュはまず、まともな生活圏の確保を始める。

 街と砂漠の間を整地して防砂林や防風柵の設置、砂に埋もれた廃墟を撤去して新たに住宅を建て直す。

 どれも短期間で出来るものではないが、ギルガメッシュは多額の予算を投じて重機や工具などを買い揃え、自らが保有する陣地作成のスキルを使ってアビドスの街の復興を急ぐ。

 

「王様ってなんでも出来るんだね?」

「王だから出来るのではない。我だから出来るのだ」

 

 自信満々にそう言いながら、安全第一と書かれた金色のヘルメットを被り重機を乗り回すギルガメッシュを見て、ホシノはギルガメッシュは思ったよりも単純な人なのかも知らないと思った。

 その後も数々の重機を意気揚々と乗り回し、あっという間に廃墟街をブルドーザーで更地にして土地を整理し、復興作業を続ける。

 更に、夜になると街の治安維持の為にギルガメッシュはホシノと共に不良狩りを行っていた。ユメはその頃、家で爆睡していた。

 

「寝なくて大丈夫なんですか?」

「湧いた蛆の駆逐など本来王の役目ではないが、王である以前に我が子であるお前に治安の維持を任せて眠るだと?笑えん冗談だ」

 

 ギルガメッシュはそう言いつつ、疲労の蓄積によって確かなダメージを負っていた。だからこそ、不良は運が無かった。

 何度も夜に自治区で問題を起こす不良の排除を続けた事で、良い加減うんざりして来たギルガメッシュは黄金の鎧を身に纏い、1000を超える門で空を覆った。

 宝物庫の最奥に眠る剣こそ使わないものの、それは間違いなく英雄王の本気であり、この世界に召喚された際のイレギュラーによって神霊の域にいるギルガメッシュを一不良が相手する事になるなど、不幸以外の何ものでもない。

 そんな英雄王の怒りにより、アビドスには光り輝く黄金の神がいるとして、不良が問題を起こす頻度は目に見えて減っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 2ヶ月ほどが経ち、もうすぐ冬になるという頃には砂漠と街の間には防砂林を植え終わり、砂に埋もれた廃墟は無くなって綺麗な街並みのゴーストタウンが完成した。

 ホシノは土木作業が多く、切るのも面倒なので長く伸びた髪を後ろで束ねるようになり、ユメはロングヘアーがお揃いだと喜んだ。

 精神的な余裕も出て来た事と、ギルガメッシュがどちらかと言うとその方が良いと判断した事で、全体的に緩い雰囲気に変わっていった。

 

「ようやくここまで来ましたね!」

「こんなものは土台に過ぎん。これよりアビドス復興計画改め、アビドスリゾート建設計画を開始する!」

「「アビドスリゾート建設計画?」」

 

 ギルガメッシュが打ち立てたアビドスの復興計画とは即ち、アビドスの砂漠と海が隣接した地形を活用したリゾート化計画である。

 財と人の集まる都を作る。それこそ過去の、否、史上最も繁栄したアビドスとなる、そう言ってギルガメッシュは色々な事業を自ら立ち上げると宣言した。

 

「人が多ければより多く財が集まる?否、人の欲が集まる場所にこそ財が集まるのだ。娯楽施設とその娯楽施設を行き来するための鉄道事業、自然や遺跡を見学する観光業、観光客の為のホテル業、それらにより与え財によって都市の活性化を計る。果てはキヴォトス最大のリゾート地として覇権を握るのだ!」

 

 ギルガメッシュの演説を聞いてホシノとユメ、そしてもう1人長いベージュの髪の少女ノノミが拍手をし、ギルガメッシュは上機嫌だった。

 

「ところでこの子誰です?」

「私立ネフティス中学校、十六夜ノノミ。ネフティスグループの令嬢。そうであろう?」

「噂通り凄い人ですね!そうです、私は十六夜ノノミです」

「当然であろう。貴様もこの土地の人間なのだから、王である我が存在を知らぬ筈がなかろう」

 

 ギルガメッシュはアビドスの復興計画、アビドスリゾート建設計画を残り少ない地域住民にも話しており、住民達からも慕われる、アビドスの王となっていた。

 そうとなれば当然ギルガメッシュは住民を民として認識し、全てを記憶する。民を導く存在として、そのカリスマを遺憾無く発揮していた。

 

「アビドスの借金を2日で完済、2週間ほどで売り払われた土地を買い戻し、2ヶ月で荒れ果てたアビドスの土地を整えたアビドスの王様」

「アビドスの住人にそう思われてたんですね、先生」

「王様はもう凄いってレベルじゃないもんね」

 

 ノノミは進路としてハイランダー鉄道学園への入学が決まっていたのだが、アビドスの復興計画についてギルガメッシュが近隣住民に演説している所に遭遇し、そっちを蹴ってアビドスの復興計画、アビドスリゾート建設計画に参加する為に入学する事を決めたらしい。

 

「そう言えば近隣住民の人達に工事とかの説明をしたり、色々してたね。あんなに住民の人が熱狂してるところ初めて見たよ」

「そう言う洗脳みたいでしたね」

「じゃあノノミちゃんも洗脳されて来たの!?」

「洗脳などしておらんわたわけ!!」

「ひんっ!」

 

 ユメはギルガメッシュに拳骨され、地面に転がりまわる。

 

「みっともないのでやめて下さいよ、ユメ先輩」

「ホシノちゃん!頭へこんでない!?大丈夫!?」

「へこんでるわけ……カッパ?」

「そんなことに!?」

「冗談ですよ」

 

 その様子を見てノノミは笑い、ユメ達も笑い合っていた。

 ギルガメッシュはまだ社会に出ていない子供なのだからこれで良いと思いつつ、早速黄金ヘルメットを装着して作業を始めていた。

 

「そろそろ私達も作業を始めましょうか〜」

「そうだね」

「え?業者とかは」

「「?」」

 

 ユメとホシノは揃って不思議そうな顔をしてギルガメッシュを指差す。

 そこには無人で動き回る重機50台とそれを操るギルガメッシュが、高笑いしながらテキパキ作業していた。

 

「いる?」

「あれどうなってるんですか!?」

「王様は「アレらは我が作り統括するもの、その気になれば重機の50台程度1人でも動かせるわ!」って言ってたよ?」

「買ったんじゃないんですか!?」

「買ったのは私とホシノちゃんのだけだよ?あとは自作」

 

 作業効率を考え、ギルガメッシュは自分が魔力で操れる重機を宝具として作り出し、アビドスの広大な土地の整備を2ヶ月で完遂させたのである。

 

「私も何かお手伝い出来ることは」

「多分させてもらえないよ。王様、結構そういうところ気にするからね」

「中学生だと明確に子供扱いされるからね〜」

 

 街の子供に手伝いを申し出られた事もあるギルガメッシュだが、中学生は幼童として世の中を自分の目で見て、ものの道理を学び、自分で考えて行動出来るようになるまでは子供らしく遊んだりする事が仕事だと言って作業に参加させはしなかった。

 その上、とにかく仕事が早く、大人にはこの街の為になる様に仕事の相談になったりアドバイスをしたり、子供にはせがまれれば一緒に遊んだりと人々の生活を精神的にも物理的にも救い上げた事で、王として羨望の眼差しを向けらるに至った。

 

「なんというか、本当に王様ですね」

「怒ったらアビドスで1番怖い人でもあるけどね」

 

 ホシノは夜の不良狩りの際にギルガメッシュの本気と怒りを見ており、その力はもはや人知の及ばない人々が神と崇める存在そのものと考えていた。本人は神扱いされると怒るので言わないが。

 それからユメとホシノはアビドスリゾート建設計画の為に作業を始め、ノノミは少し離れた場所からそれを眺めていた。




王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)
 英雄王ギルガメッシュの代名詞とも言える宝具。 黄金の都バビロニアの宝物庫と、それに繋がる鍵剣(王律鍵バヴ=イル)。
 まだ人の領域が限られた世界だった神代。王は地上のすべての財宝を集め、これを納める宝物庫を建造した。
 後の世に生まれるであろう様々な宝の原典。人間の知恵、人間の叡智が確かである証左。人々はこれを"神の門"と呼び讃えた。
 むべなるかな。これらを納めた「蔵」そのものが、収納した財宝を上回る神秘となったのだから。
 アビドスに来てからは重機や安全第一と書かれた黄金のヘルメットが出て来たり、ホシノをこれで射出する『王権の守護者は飛翔せり(ホルスミサイル)』などという宝具を使って不良狩りをしていたりする。案外ノリノリなのかも知れない。
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