ギルガメッシュの指揮下かつギルガメッシュと共に戦っている時限定の臨戦ホシノ。
ギルガメッシュの宝具・スキルの影響でキヴォトス随一の戦闘能力を持つだけでなく、防御特化と攻撃特化の形態を戦闘中に入れ替えるバトルスイッチ型の戦闘スタイルで戦う。
敵の攻撃には自動で防御形態に変化し、ギルガメッシュの天の鎖の特性を利用して高い神秘を持つホシノをその場に固定する事で要塞化。
ホシノのショットガンの火薬をラピスラズリにし、ショットガンそのもの王の財宝として保管する事で擬似的な『王の号砲』として機能させ、威力を底上げしたその威力は、散弾1発1発が対物ライフル並みの威力になっている。
最強にして偉大なる王からの信頼によって、臣下としての自分を確立しており、この時間軸においてはユメが存命であるため、メンタルに弱点が無く、正に数多の可能性を収束させた完璧なるアビドスの生徒会長として完成した小鳥遊ホシノである。
デカグラマトンの預言者『ビナー』との戦闘がギルガメッシュの指揮の下、ホシノとシロコとノノミは戦闘を開始する。
「想像以上に硬いな」
「硬くてもダメージは入ってるはず」
「はい、この調子でいきますよ!」
3人が戦う背後で、ギルガメッシュは指示を飛ばし、陣形が固まった頃に王律鍵バヴ=イルを天に掲げる。すると、空に向かって赤い直線と阿弥陀構造の模様が浮かび上がり、空からその阿弥陀構造の中を一つの光が降りて来る。
その光景に3人だけでなく、ビナーすらも動きが止まる。
光がギルガメッシュの手元まで降りて来ると、ギルガメッシュはその光の中に手を入れ、なにを掴む。そして、空間にヒビが入り、空間が割れた瞬間にその手には三つの円筒からなるランスのような形状をした剣が握られていた。
ビナーを含め、その場にいる全員がその剣『乖離剣エア』の圧倒的な威圧感と異質感を感じとり、ビナーはすぐにギルガメッシュに狙いを変える。
「我をこの場で最も脅威となると判断した事は褒めてやろう。だが、我を狙おうが我が臣下達を狙おうが同じことよ」
ビナーが口内にエネルギーを集め始めると、ギルガメッシュは容赦無くエアから赤い風を発生させてビナーのレーザーを押し除けて口内の装置を破壊する。
「慢心はせんぞ?」
無数のゲートから大量の武具が放たれ、ホシノ達はギルガメッシュの射線上に入らない様に側面から削る。
シロコとノノミの攻撃にはびくともしないビナーだったが、ギルガメッシュに気を取られ、無防備となった側面に攻撃を主体としたホシノの火力にビナーの装甲が一撃で砕ける。
それによりビナーはホシノも脅威だと判断し、ギルガメッシュとホシノに的を絞ってミサイルを発射する。
「その程度の弾幕がこの我に届くと思ったか」
ギルガメッシュに向けられたミサイルは王の財宝により全て撃ち落とされ、ホシノを狙ったミサイルも即座に盾を展開する事で防ぎ切る。
「貴様は相手の数も数えられんのか?」
時間はかかったが、全く狙われない事でシロコとノノミがホシノとは反対側の装甲を破壊し、シロコ達ですら有効打を与えられる状態になる。
ビナーの意識が一瞬ギルガメッシュから離れた瞬間、ギルガメッシュはエアを天に掲げる。
「原初を語る。天地は分かれ、無は開闢を
エアの円筒が回転を始め、ギルガメッシュを中心に竜巻を引き起こし、天候を変化させて雷と雨を降らせる。
空間に亀裂を発生させ、赤い風はエアの先端に収束する。
「『
赤い風が収束し始めた時点でビナーは交戦を諦め、即座に撤退しようとするが、時既に遅し。
エアの最大出力は逃げるビナーの半身を消し炭にし、巨大な大穴を作り出す。
それで終わりかと思われた時、ビナーは半身の状態で地面に潜り、大地を揺らして逃走を計る、
「最早これを出すまでも無いのだが、エアでは広範囲を消し過ぎるか。であるならば、しかとその目に焼き付け、感涙するが良い!!」
ギルガメッシュの上半身の鎧がパージされ、全身に神代回帰の刻印が浮かび上がり、魔力が大幅に上昇する。
エアや王の財宝のゲートが消え、ギルガメッシュの背後に巨大なゲートが六芒星型に展開され、その中心に更に巨大なゲートが開く。
「最早玄室の鍵は無い。人類最古にして最大の神殺しを、此処に!震撼せしめよ!」
六芒星型のゲートからは先端に中央のゲートに繋がった鎖がついた黄金の柱の様なモノが出現し、中央の巨大なゲートからは巨大な黄金の剣のような形をした矢が装填される。
「『
その宝具はシュメル神話の始まりである主神・マルドゥークの大弓。シュメル神話における母なる原初の女神『ティアマト』を退けた、最古にして最大の神殺しを再現する。正真正銘、ギルガメッシュ最強の神特効宝具。
放たれた矢は地中を逃亡するビナーの頭部を正確に射抜き、周囲の地形諸共消滅させる。
ホシノ達は初めて見るギルガメッシュの本気の戦闘に最早ドン引きである。
「破壊ならまだ分かりますけど、地形ごと消滅って……そんな事あるんですね。頑張ってくださいね、シロコちゃん」
「!?」
今年こそ勝つと言ってしまったシロコは、今後もギルガメッシュに挑み続けなければならない。こんなものを見せられた後に勝負を挑めというのは、流石のシロコにも酷なものだった。
「うへ〜……そりゃあ市街地じゃ使えないよね」
ホシノがエヌマ・エリシュで出来た大穴を見ると、表面がガラス化しており、その表面が崩れる事で何かを発見する。
「あれ?なんだろあれ」
「ほお、あの道化め、これを探していたのだな」
それは巨大な船のようなモノで、明らかに文明レベルが異なるオーパーツといった外見だった。
ギルガメッシュはホシノ達と協力してその船を掘り出し、大穴を埋め立てる。
その船は起動しなかったものの、アビドス砂漠で見つかったので古代の遺物として生徒会の谷と呼ばれる場所にある展示館に飾る事にした。
そこでは既にまともに動かない欠陥列車砲などの、アビドス砂漠で見つけた遺物を適当に飾ってあるので半ば砂漠で見つけた粗大ゴミ置き場となっていた。
アビドスが抱えるほぼ全ての問題が解決して3ヶ月。アビドスリゾートの営業も順調そのもの、懸念点すら無くなって完全に軌道に乗った頃。
ギルガメッシュはキヴォトスという土地の在り方に基づいて、アビドス生徒会に全ての権限を移す。
「これ以上我がこの土地を導く必要もあるまい」
「どこかに行くんですか?」
ホシノはそう言いつつ、荷物をまとめ始める。
「まて、お前は連れていかんぞ」
「え?」
「当然であろう?お前は我が臣下であること以前にアビドスの生徒会長、ここを離れる訳にもいくまい」
ホシノは当たり前の様にギルガメッシュについて行くつもりだったが、ギルガメッシュに言われて生徒会長になった事を少し後悔した。とは言え、ユメから託された地位であるため、無我にも出来ない。
ギルガメッシュから全ての資料を引き継ぎ、ホシノは気を引きしめて生徒会長としてアビドスを守っていくという意思を固める。
「それに、お前には我以上に支えなければならん存在がいる」
「?」
「アビドスリゾートの営業権等はアビドス生徒会のものだが、現状の事実的な社長はあの阿呆だ」
「え?」
ギルガメッシュが作った会社に入社したユメだったが、ギルガメッシュは会社の社長を定める際に最初の就職者だったユメを社長にしたので、アビドス生徒会が全力を持って支えなければすぐに崩壊するといっても過言ではない。
結局、卒業してもホシノはユメを支える定めにあるということだ。
「なに、阿呆の方が御し易いとも言える」
「目を離したら明後日の方向に転がって行く人が御し易いわけないじゃないですか!?」
ホシノは慌ててアビドスリゾートの管理会社の建物に走り、社長室に飛び込む。
そこには真っ赤なスーツを着てふんぞりかえっているユメがいた。
「何してるんですかユメ先輩」
「あ、ホシノちゃん。なんかね?王様が今日からお前が社長だってここに入れてくれたんだけど、社長ってどんな格好したら良いんだろう?ってなってさ」
ユメにとって組織のトップ、支配者とはギルガメッシュの事であり、卒業式の時に真っ赤なスーツを着ていたので真似して真っ赤なスーツを着てみたらしい。
「そんなことしてたらまた先生に怒られますよ?」
「最後に怒られるのはちょっと嫌だなぁ」
「たわけ、誰が最後と言ったか」
ギルガメッシュが遅れて社長室に歩いて来る。
「あ、王様」
「卒業しても阿呆は治らんな。しかし、貴様何故ここにいる?」
「「え?」」
ギルガメッシュはユメのことだからお飾り社長として社長室で引きこもっているとは思っておらず、暇があれば社員の手伝いに行っていると踏んでいた。
「それが……」
ユメは確かにギルガメッシュの予想通り、社員の手伝いの為に社内を駆け回り、ずっこけて書類の山を崩し、コーヒーを配ろうにもずっこけてコーヒーをばら撒き、社内清掃を初めてもバケツを蹴飛ばして水浸しにしたりと、これでもかとポンコツをかまして社員によって社長室に幽閉されたのだった。
「貴様はどこまでポンコツなのか……」
「えへへ」
「褒めている様に聞こえたか!たわけ!!」
「ひぃん!!」
「貴様、この3ヶ月、何をしていた」
「え、えっと……」
社長室を抜け出して手伝いをしようとすれば怒られるので、せめて仕事を応援しようと社長室を抜け出し、机の足に足を引っ掛けて転んで社員に体当たりして怒られまた社長室に幽閉されたりしていた。
「そう言えば、生徒会室も物が散乱していたな」
「片付けも出来ませんからね」
「酷い!?片付けくらい出来るよ!赤ちゃんじゃないんだから」
ユメはそう言いながら散乱した机に置かれた書類にハンコを押そうとして首を傾げる。
「ハンコどこ行ったっけ」
机の引き出しを開けてハンコを探し始め、ホシノも一緒にハンコを探してようやく見つけた場所は机の下、床に落として机の下に転がっていっていた。
ギルガメッシュは社員とホシノが支えるなら何とかなるかと思っていたが、この選択は失敗だったかもしれないと少し思った。
「はあ、これは定期的に顔を出さねばまた没落しそうだな」
「そんな事させませんよ」
「では、ホシノよ。この阿呆の事は任せたぞ。我はしばらくキヴォトスを旅する。気になる事もあるしな」
「分かりました、先生が戻って来るまで、ユメ先輩をポンコツから真人間にして見せます」
「私ってしっかりしてるとは言わないけど、そんなにポンコツかな?」
「キヴォトスで転び過ぎて膝に絆創膏そんなにつけてる人見た事ありませんよ」
ギルガメッシュはホシノにユメを任せ、社長室を出て行く。
ギルガメッシュが社長室で言った気になる事とは、アビドスで復興作業をしている時に度々感じていた複数の視線。
それが何者によるものなのかを突き止める為に、しばらくアビドスを離れる事にした。
もしもそれが英霊によるものならば、有効射程2500kmの弓兵などもいる為、アビドスにいるよりも探しに行く方が安全だとして、旅する事を選んだ。
原初切開く創世の鏃(ウトゥ・ドゥルアンキ)
シュメル神話の始まりである主神・マルドゥークの大弓。
本来は冠位戴冠戦におけるグランドアーチャー『ギルガメッシュ・ネイキッド』が使用する宝具であり、慢心もしない、出し惜しみもしない、神性のランクダウンすらない全力中の全力を出した英雄王の大技である。
キヴォトスでは某連邦生徒会長が神性のランクダウンを半ば無理やり元に戻した結果、霊基としてはこれに非常に近い状態にある。つまり、使えるのだ。