「お姉様、お姉様はさ──────────」
あの子たちの問い
今では、我の………
それこそ、先生たちの言う『生きる意味』なのでしょうか
「ん、こんな所でなにしてるの」
「我は…」
「我に目的などないのです。ただ、生きることとは何か────それを、探しているのです」
「ん、生きること…か。」
「名前は?」
「我のですか?」
「他に誰かいるの?」
「…そうですね。」
「我は、マルクトと言います」
「そっか…マルクト…」
「ん、私に着いてきて」
「取りあえずこのままだと、三日もあれば干からびる」
「干からびるとはなんでしょうか?」
「ん、それは…」
「『生きること』が出来なくなる…ってことかな」
「っ…!」
「そんな顔しないで大丈夫」
「私についてくればいい」
「ありがとう…ございます」
「我は、まだ貴女の名を聞いていませんでした」
「ん、私は────」
『砂狼シロコ』
我が出会ったその方は、我に生きる意味を与えてくれたような気がします
「ん、ここが私たちの学校」
「アビドス高等学校」
「アビドス…初めて聞きました」
「ん、でかシロコ」
「今度は、誰を連れてきたの」
「砂漠を彷徨ってたから、助けてあげただけ」
朝の陽射しが部屋に充ちる
ここには、二人の少女がいる
「おはようございます~」
「あれ?その方は…」
「ん、マルクトさん」
「砂漠を彷徨ってたから、ここに連れてきてあげたの」
「おっきなシロコちゃん…」
「ん、ホシノ先輩がなんて言うか…」
「ホシノ先輩なら、心配いらない」
「もう連絡入れてあるから」
「どうしてそこまで…」
「なんか境遇が似てる気がする」
「ただそれだけだけど…」
「我と、シロコさんがですか?」
「ん、そう」
「何か理由があって、あそこに居たんでしょ?」
「我は…我に『生きて』と言ってくれた人がいたんです」
「でも、我には『生きる』ことがわからないんです」
「『生きる』って、何なのでしょうか」
「ある方は、この世界に抗うこと」
「またある方は、なりたいものになるためだと言っていました」
「我は、なにをしたら…どうしたら『生きる』ことができるのでしょうか」
「ん、これは持論だけど…」
「私は、仲間と一緒にいることだと…思う」
「仲間と…ですか」
「大切な先輩や、友達は…もしかしたら今だけしか会えないかもしれないから」
「大切な人、大切な先輩、大切な世界は今が一番輝いてるから」
「今が一番輝く…」
「我も、輝いていますか?」
「ん、比喩だから輝いてはないけど」
「でも、今の貴方はものすごく輝けそうな気がする」
「そうなのですね…」
「うへ~みんなおはよう~」
「ホシノ先輩!」
「ん、おはよう。ホシノ先輩」
「お、おっきなシロコちゃん!」
「久しぶりだね~」
「あれ?隣の子は?」
「マルクトさん、私がここまで連れてきた」
「うへ…誘拐ってやつ?」
「ホシノ先輩、人聞きが悪い」
「ごめん、ごめん!冗談だよ~」
「冗談だから!おじさんの胸揉まないで~」
「ノノミ、セリカたちは?」
「今日は、少し遅れるようですよ~」
「そうなんだ」
「ん、ホシノ先輩がセリカたちより早く来るの珍しい」
「シ…シロコちゃん!おじさんだって早く来るときは早く来るよぉ~」
「みなさん…我は」
「我は、もう少し『生きる』意味を探そうと思います」
「みなさんと居ると、不思議と仲間と居ることが大事なのだと…強く感じます」
「みなさん、ありがとうございました」
「我はもう出ます。お世話になりました」
「ん、その前に」
「これ、お守り」
「目出し帽?」
「6の数字が打ってありますが…」
「それは、私たちの大切なアイテム」
「だけど、これから旅をする貴方に」
「好運を祈って──────」
「シロコさん…」
「ありがとうございます」
「大切にします…//」
「ん、そうしてくれると嬉しい」
こうして、我はまた新たな出逢いをしたのです
────────────────────────完