マルクトは先生を待つ間、辺りを見回してみた。まず目につくものは何と言っても書類の山だ。
とても一人の人間が負担できる量ではないように感じる。これを毎日処理していたのだとしたらあの人間は思ったよりも超人なのかもしれない
「...っ!」
暫くオフィスを見て回っているととても気になるものを発見した。それは無性にマルクトの気を引いた。
「これは...?」
その機械のてっぺんにボタンがついていたので押して見る。
ウィィィィィィィィン─────
機械が急に動き出しマルクトは少し驚いた。機械から何やら茶色い液体が流れ出ている。それを少し指を翳してついた液体を舐めてみた。
「うっ...」
その液体は少し苦く...いや大分苦かった。言うまでもなくマルクトが気を惹かれた機械...それはコーヒーメーカーだった。しかしあまりの苦さにすこし涙が出てしまったマルクトであった。
閑話休題。
「ぜぇ...はぁ...はあ...はぁ...うっ!?ゴホッ...ゲホッ...」
「先生...大丈夫ですか?」
全速力で戻って息を切らし散らかしている先生の背中をさすりながらなだめる。しばらくすると先生の息が戻り始めてきた。かつて妹たちの背中をさすった記憶を思い出し感傷に浸りそうになっていると
「ありがとう...子どもの頃お母さんにやってもらったときのことを思い出すよ...///じゃなくて!!!!!マルクト...!!!はい!これ!!」
興奮冷めやらぬ様子で取ってきた書類を興奮気味にマルクトに手渡す。
「
「ああ。なんとこれをちょろっと書くだけで先生になれるんだ」
「...先生ってそんな簡単になれるものなのですか?」
「本当はもっといろいろな申請とか書類を書かないといけないんだけど...そこはまあ
「そう...なのですね。では...」
そして先生から渡された書類を書いていく。人生で始めて書類というものを書いた(まあこれから死ぬほど書類を処理して行くことになるのだが...)。初体験に少し気分が高揚していく。そしてふと浮かんだ疑問を先生に問う。
「そうだ先生、一つ聞いてもよろしいですか妹達の入学書類はどうするのですか?」
「それはね!心配しないで!!!ちゃんと用意してあるよ。目覚め次第書いてもらって正式にキヴォトスの住民として迎え入れるつもりだよ!!!」
その言葉を聞いて安心した。妹たちにもこれからの選択肢を用意してくれている。その辺先生は抜かりなかった。こういうところは信用できる大人だと感じる。しかし...
「よかったです。しかしやけにハイテンションですね...」
前から先生は変な人だと思っていたが今はもっとおかしい。なんか絶妙に顔もニヤついていてちょっと
「そりゃあハイテンションになるってもんだよ!!!!だってマルクトが先生になってくれるって言ってくれたし、何より今、笑顔だよ?マルクト」
「...っ」
自分では気づかなかったが自然と笑顔になっていた。これからの先生としてやっていくことに胸が高まっていたのであろうか。そんな自分を見て喜ぶ先生を見て、またどこか嬉しくなる。変な気分だ。先生といると今まで知らなかった事や初めての経験をすることが多い。
「やはり先生は...すごい人ですね」
「ふふっ伊達に先生やってないからね」
〜数分後〜
「先生、書き終わりました。」
「見せてみて。...うん、ばっちりだね。これで正式にマルクトはシャーレの先生として就任したわけだけど、どうだい?」
「あまり実感が湧きませんが、先生はどうですか?」
「うーんそうだね...シャーレの制服でも着てみる?ほら、今の格好だとちょっと不便じゃない?」
「不便に感じた事はありませんが先生が言うのならそうなのでしょう。その制服とやらを用意してもらえますか?」
「はい!!!!お任せください!!!」
「そのテンションは本当に何なんですか...?」
マルクトは少し呆れたような表情になるが先生は全く気にしていない。どれだけ自分に先生になってほしかったんだろうか...
また先生がどっか言ってしまったので机の上においてある書類に目をやる。
書いてあるのは爆発で損壊した建物の報告や、クーデターによる書記長の失脚の報告、今季の横領総額など多岐にわたる。ほとんどよくわからない内容のものばかりだったが...
それにしても量が多い。中にはいちいち先生に報告するまでもないような微細な報告も大量にあったのでそういうものを受け付けないようにすれば負担も減るのではないかと思う。
「一体何なんですか...この報告は...『プリンが一日に1つしか食べられないから改善してほしい』?しかも似たような内容が何十件も...」
しかも中には本当に重要な内容が記されている書類もあるため非常に質が悪い。
これを毎日一人でやっていることの異常さをあらためて再確認し、先生の責任の重さとすごさに少しばかり尊敬するのであった。
そうこうしていると─────
「ぜぇ...はぁ...はあ...はぁ...うっ...!?ゴホッ...ゲホッ...」
「先生...大丈夫ですか?って...さっき同じような流れを見た気がします...見たところ何かを持ってきたようには見えませんが...」
「ああ、服のデザインを考えてもらってきたんだ。鋼鉄大陸のときにも居たミドリって子に。なんせ女性の制服デザインは私には全くわからないからね」
「理解しました。しかしデザインしてもらったのはわかるんですが今からどうするんですか?」
「マルクトのテクスチャーを再構築するんだ。この
「そんなことが...可能なのですか?」
「そうだよ、意外に先生も役に立つだろう?」
「ええ、本当に、意外にですが」
「ええ!!!!!なんかひどくない?????」
「ひどいのは我に対する反応なのでは...?何故我に対してはこのような対応なのですか...」
マルクトはまたもや困惑している。鋼鉄大陸で見せた妹たちへの対応や生徒たちへの対応とまるで違う。(ケイと呼ばれている生徒と対応が少し似通っている気もする)先生は、やっぱり変な人であると認識を改める。
「それはね...やっぱり恥ずかしいから無し//!!!」
言えない...マルクトに
先生はこの事は絶対に墓場まで持っていくことを決意した。
「やはり...変な人ですね」
呆れているのは確かなのだがそこにはかつて妹達に向けていたような慈愛の心が少しだけだが含まれていた。それを先生もマルクトも気がついていなかった───────
初めて小説を投稿してみて分かったことは、小説を書く事は楽しい!って事と初めてお気に入り登録してもらえた時くっっっっっっっっっっっっそ嬉しかったってことです。三日坊主になったり失踪しないように頑張ります。ブルアカのbgm集を聞きながら書いてます。