「ふう......」
俺の名前は黒崎海斗。千葉県にある総武高等学校に通っている普通の男子高校生だ。ちなみに高2な。おそらく人生において青春の絶頂ともいえる高校生活の放課後、俺は一体何をしているのかと言うと
「じいさん、こんなもんか?」
「ええ。助かりました。いつもありがとうございます、黒崎君。それにしてもいつ見ても素晴らしい技術ですね」
「隣の重松じいさんの盆栽とかも手伝ってるからな。サイズが少し違うだけで要領はおんなじだ」
用務員のじいさんの代わりに木の葉っぱを切っていた。え、なんでそんなことしてるかって?
「ですがいつも申し訳ないです。貴方の貴重な時間を奪ってしまって」
「気にすんな。それより腰を治すことに専念しろって」
用務員のじいさんが腰をやっちまってな....雑草を抜くにしろ、葉っぱを切るにしろあまりにも辛そうだったからここ2週間ぐらい手を貸してるってわけだ。というより用務員ワンオペって何気にやばい気がするのはおれだけだろうか
「精が出るな、黒崎」
「平先」
平先こと平塚静先生、俺のクラスの担任だ。いつもバシッと白衣とスーツで決めてて割とかっこいい人だと思う。..........独身いや、独神だけど
「んん~、なんか失礼なこと考えてないか?」
「まさか、滅相もない」
「お疲れ様です、平塚先生。今日はお早いですね」
「え、ああ~、今日は合コ....ではなく友人の集まりがありまして、それでは私はこれで」
合コンか。まあ、なんだ、素敵な人が見つかることを祈る。正直この人は顔もスタイルもそして性格もかなり良い方だと思う.....なんで誰もアタックしないんだ、普通にもったいないだろ
「それじゃあ俺も帰るわ。この梯子とはさみはいつもんとこ置いてけばいいよな?」
「いいですよ、そのぐらい私が」
「別にいいってこんぐらい。それじゃあな、じいさん。腰早く治せよ」
こうして俺は梯子とはさみを持ちじいさんと別れる。そして帰りの準備も終わり俺は自転車に乗ってあるところに向かうのだった
「じじい、来たぞ」
「おせぇぞ!」
「おせぇぞってまだ俺のシフトの10分前じゃねえか」
俺はかなり年季の入った喫茶店に入る。そして入った瞬間、この店の店長である俺のじじいの怒号が飛ぶ。まじで毎回うるせえと思いながら2階に上がり自分のロッカーを開けエプロンを身につける。まあ、察しの通り俺はこのボロい喫茶店でバイトしてんだ。正直時給はあんまり高くねえが終わったあとの賄いがかなり助かってる。俺、両親海外で仕送りで暮らしてるし
「こんにちは~」
「いらっしゃい、郁恵ばあちゃん。今日はどうする?」
準備が終わり下に降りると店のドアが開く。するとそこにはここの常連の郁恵ばあちゃんの姿があった
「そうね~、それじゃあいつものをお願いしてもいいかしら?」
「了解だ。じじい、郁恵ばあちゃんにいつもの!」
「あいよ!」
俺はばあちゃんを席に案内しじじいに注文を伝える。ちなみに郁恵ばあちゃんはいつもじじい特製のビーフシチューを好んで食べてる
「ばあちゃん、飲み物どうする?」
「それじゃあアイスコーヒーをお願い」
「あいよ」
そうだ、いつも来てくれる礼に
「お待たせしました。こちらアイスコーヒーとサービスのチョコチップクッキーでございます」
「まあ...!とても美味しそうなクッキーね」
「いつも来てくれるからな。サービスってことで」
「ありがとう。それじゃあさっそく...美味しいわ!」
「よし!」
ふう、よかった。かなり苦労したからなこのクッキー。それに舌がこえてる郁恵ばあちゃんからの高評価だ。クッキーはもう完全にマスターしたと言っても過言じゃねえだろ
「さすが海斗君ね。将来パティシエにでもなるのかしら?」
「ならないならない。あくまでこれは趣味だよ」
「あらそうなの、もったいないわ~」
「海斗てめえ!また勝手に材料使いやがったな!?」
「使ってねえわ!全部自腹で買ったもんだ!それよりビーフシチューは!?」
「もうとっくにできてらあ!」
「早く言え!クソじじい!」
俺は厨房からビーフシチューをもらいそのままばあちゃんに持っていく
「お待たせしました。じじ...店長特性ビーフシチューでございます」
「ありがとう。それにしても本当に仲がいいわね貴方達」
「けっ、こんなクソ生意気な孫と仲がいい?とうとうボケたか、郁恵」
「あら、ひどい。仮にもお客様にむかってなんて口を聞くのかしら」
まったくもってその通りだ。このじじい、よくこんな態度で今までこの店回して来れたな。まあ、このクソ正直なところがお客に受けてんのか...
「こんにちは」
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?はい、わかりました、こちらへどうぞ」
だからこの店は見た目はボロいけど
「見てこれ、黒崎超ウケない?」
「何がウケるかわからねえが楽しそうでなによりだ」
老若男女問わず
「こんにちは」
「よお、留美」
「またここで宿題やっていい?」
「ちょっと待ってろ。じじい、留美来た、カウンター使っていいか?」
「端の席ならいいぞ」
「だってよ」
「ありがとう」
「飲み物はどうする?」
「オレンジジュースで」
「あいよ」
色んな人が
「それでさ....」
「そんな難しい話わかんねえよ」
「アハハ、ごめんね~。でも仕方ないじゃん君、聞き上手なんだもん」
やってくる、そう色んな人が
「んんっ!」
夜20時、店を閉める時間になった
「海斗、表の看板しまってきてくれ」
「へ~い」
外に出て看板を片付けようと思った瞬間、看板に見知っている人が寄りかかっていいるのを確認した
「平先!?アンタ、なにやってんだこんなところで?」
「う~ん、....お前は........く、黒崎いいいいいいいい!」
「わぷっ...!」
なんなんだ?突然平先が泣きながら抱き着いてきた、ていうか、酒くさっ!
「アンタ、酔ってんだろ!?」
「うええええええん!私ってそんなにダメかなぁ...」
「おい、学校とキャラが違いすぎんだろ!?ていうか、離れろ...!」
「遅い!看板一つ片すのにどんだけ時間食ってん.....だ」
あ、やばい
「この馬鹿孫が!まさかてめえ、女を泣かせやがったのか!」
「ちげえよ!」
「うあああん!」
「だあああ!めんっどくせぇ!!!!!」
とりあえず俺は今にも鉄拳ふるってきそうなじじいと子どもみたいに泣きわめている平先をなんとか宥める。そしてこのまま帰すのは危険だし、というかほっとけねえし平先を中に入れるのだった
「俺は上で今日の帳簿を記録する。だからお前はその嬢ちゃんを介抱してやれ」
「ああ。......食材なんか使っていいか?」
「卵、鶏むね、米...それとチーズだったら使っていい」
その材料だったら、まああれだな
「ううっ.....」
カウンターに突っ伏し涙を流す平先.....十中八九合コンでなんかあったな
「ほら、水だ。いまちょっと軽く飯作ってやるから待ってろ」
「....うん」
さて、作りますか俺特製のとろとろオムライス。つってもチキンライスにチーズまぶして卵をのせるだけのクソ簡単な料理なんだけどな
「...お前、料理できるのか?」
「これでも俺この喫茶店のホール兼キッチンだからな。近所のばあちゃんや子どもたちからも美味いって評判だから味の保証はするぜ?ほら、お待ち」
「...ッ、これは」
出されたオムライスに平先釘付けになっていた
「冷めないうちに食え。俺のおごりだ」
「...いただきます」
平先はゆっくりとオムライスを口に運んでいく。.......あれ、なんだなぜ急に動きを止める?まさか、口にあわなかったか
「...ううっ、うまい...!おいしいよぉぉ...!」
「なんで泣く!?」
「心が暖かいよぉ...」
こりゃ相当キテるな
「そのなんだ、今日の合...集まりでなんかあったのか?愚痴なら付き合うぜ?」
「黒崎...お前は本当にいい子だなあ...私に周りにもお前みたいな男がいればなぁ」
オムライスを食いながら平先は今日の合コンのことを話してくれた。内容は彼女の名誉のために伏せるがこれだけははっきり言える
「ソイツ、カスだな」
「そうだ!なにが”結婚?いやいやアンタはただの愛人26号だから”だ!あの〇〇〇野郎!」
「ていうか、それ普通に不倫だよな。奥さんが不憫でならねえ」
「いいか、黒崎!男も女も顔だけで選んではダメだぞ!顔なんて5年後には変貌してるんだからな!大事なのは中身だ中身!」
いや変貌って...でもまあ、言ってることはなんとなくわかる気がする
「はあ、私みたいな女にはきっと結婚は向いていないんだろうな...」
「そんな悲観的になるなよ。それにアンタは容姿は整ってる方だし性格も悪くねえ...結婚すんのも時間の問題だろ。だから今回はその時じゃなかったってことで切り替えていこうぜ」
「黒崎、お前は本ッ当に...!」
「ほら、ホットチョコレート。これ飲んだら今日は帰ろう、タクシー呼んどくから」
「今日は本当にありがとうな、黒崎」
「おう」
話しもそれまでにし食器をを洗っている途中で外に黒いタクシーが止まったのを確認した
「おい、おい平先。タクシー来たぞ、起きろ」
「ううん.....この度は.....参加くださり....ありがとうございます」
「起こしにくくなる夢見てんじゃねえよ...」
さっきの話を聞いたあとだと起こしにくいわ
「ようやく落ち着いたか...」
「じじい」
「洗いモンは俺がやっといてやる。お前はその嬢ちゃんを送ってやれ」
「マジで言ってんのか。一応教師と生徒だぞ」
「関係ねえ、その前に嬢ちゃんは女だ。こんな夜に女一人は危険だろうが」
「でもタクシー乗るから」
「...さびしい....」
「「...........」」
「.......わかったよ。じゃあ俺この人送ったらそのまま家に帰るからな」
俺は平先を肩に乗せそのままタクシーに乗車する。そしてしばらく経ちあるマンションに到着し彼女を部屋まで送る
「ほら、部屋ついたぞ」
「う~ん、ベッドに連れてってくれ」
「ええ、俺一応男なんだけど」
俺はしぶしぶ彼女の寝室に入り先生をベッドに寝かせそのまま帰宅する
「なんかどっと疲れた.....」
そして週明け
「で、なんすか?」
「その、先週は助かった。本当にありがとう」
「別にいいって。俺もじじいも勝手にやったことだ」
俺は放課後、平先に呼び出されていた。内容はお叱りではなくただの感謝と謝罪だった、彼女曰くお礼になにか奢りたいらしい。気持ちとしてはありがたいが先生が一生徒になにかをごちそうするのはまずいだろう...だったら
「校庭にある空いている花壇があるよな」
「ああ。それがどうした?」
「それ俺に使わせてくれねえか?」
「...すまない、それは私の一存では決められないな。だがどうして?」
「野菜と果物を育てたい」
「おじいさまのためか?」
「それは半分。もう半分は俺の食費削減と趣味だな」
野菜の物価も最近エグイし。それにクッキーはもうマスターしたから今度は野菜でなんか作ってみたい
「わかった。他でもない君の頼みだ、校長に掛け合ってみよう」
「サンキュー!そんじゃあ俺、これから友人と出かけるからこれで」
「ああ。気をつけてな」
「...失礼します」
俺が席から立ち上がるとその後ろには物静かな男子生徒がいた。同じクラスの確か名前は比企谷だったはず。あれ、でもクラスのやつらはヒキタニって言ってるよな...!あれ、どっちだ?一回も喋ったことないからわからねえよ!
「来たか...」
「...ッス」
どうするこのまま無言で横切るのはあれだし....でもどっちだ?比企谷かヒキタニか?......ええい、ままよ!
「じゃあな、比企谷。また明日」
「...........ッ」
目、そらされたぁ!?ってことは二分の一外した!!!!!これじゃあ俺、めちゃくちゃ失礼なやつじゃねえか!
「おーい!海斗!」
「はあ...やっちまった...」
「どうしたの?すごい落ち込んでるけど」
「彩加、俺クラスメイトの名前間違えて覚えてた...」
「そうなの?」
「それに謝らずそのまま横切っちまった.....最低だ、俺」
「そんなことないよ!海斗も悪気はなかったんでしょ?だから、大丈夫だよ。もし気になってるなら明日謝ればいいし」
いま俺を励ましてくれているのは男子の名前は戸塚彩加。見た目は完全に女子だがれっきとした男の子だ。コイツは総武でできた初めての友達で優しく真面目なやつだ。今はテニス部を全力で頑張っている
「そうだな。悪い。そんじゃあ今日はどこいく?」
「今日は新しいウェアを見たいな」
こうして俺たちは校門を抜け歩き出すのだった。
これは極普通の俺が色々なもん背負ってるめんどくせえ奴らと関わっていく物語だ。
読んでくださりありがとうございます!
まだ一話目でまだ書きたいことがないので今回はこれで失礼します。
ららぽーとの中華がうめえ。特に桃まん