海斗side
「うおおおおおお!」
「最カワだよ!黒ちゃん!」
めぐ姉の出番も終わり現在、オープニングセレモニーとして黒枝たちチア部がパフォーマンスを披露している。それにしても
「.............」
相模、お前いくらなんでも緊張しすぎ。お前の出番って次の次の次ぐらいだろ?
「相模」
「.....ッ、な、なに?」
「そんな肩肘張ってないでもっとリラックスリラックス。じゃねえと去年のめぐ姉みたいになっちまうぞ」
「ちょっと!なんでいまそれ引っ張り出すかな!?」
いや~去年のめぐ姉は本当に傑作だった。緊張しすぎて”今年のスローガンは”を”今年のシャトルランは”って.....
「ぷっ」
「いま絶対馬鹿にしたでしょ!?」
「だって今年のシャトルランって.....そんなもん勝手に走ってろって話だろ.....ふっ」
「か~い~ちゃ~ん!」
「海斗...いい加減にしろ。........腹が砕けそうだ」
「木戸君まで!?もう!二人して!!!」
めぐ姉はポコポコと俺らを殴り始める。まあ、擬音を聞いてわかると思うがまったく痛くない
「まあ、とにかくもっとリラックスした方がいいぜ」
「......うん」
頷いてはくれたがまだまだ緊張はほぐれてないな。
「海斗君、そろそろ時間なんじゃない?」
「やっべ」
俺はポッケの中にあるカーネーションの整理券を力強く握る。はあ、俺も相模のこと言えねえな
「いいなあ~”カーネーション”の料理を食べれるなんて」
「安心しろ。あとで味の感想ぐらいは聞かせてやるよ」
「鬼畜だね」
「相模さん、そろそろスタンバイを」
「う、うん」
相模は緊張した足取りで雪ノ下の隣に立つ
「じゃあ俺も行くかね」
そんで俺も若干重い足取りで目的地に歩いていく。お、ちょうどパフォーマンスも終わったばっかりだし俺が体育館から出ても目立たねえな。ラッキー
「では続いて文化祭実行委員長よりご挨拶です」
めぐ姉と入れ替わりで相模が舞台袖から出てくる
「おいおい、アイツ大丈夫か?」
さっきよりガッチガチじゃん
「すう」
ん、ちょっと待て!そんなに息を吸い込んだら
「み.....!」キ~ン
案の定、相模の大声によりマイクからは高温が響き渡り。周りの生徒はそれを面白ハプニングと捉え笑い始める。去年のめぐ姉はうまく切り返していたが様子を見る限り今の相模じゃそれはできなさそうだな
「仕方ねえ....」
このまま見て見ぬふりすんのもなんか気分悪いし
俺はその場でめちゃくちゃでけえくしゃみをした。しかもちゃんと紙縒りを使った正真正銘本物のくしゃみだ
「アハハハハハ!黒崎、おまえのくしゃみなんなんだよ!?」
「ばっくしょんって!黒崎君のくしゃみ可愛くないにもほどがあるでしょ!アハハ!」
「黒崎先輩、よかったらこれ使います?ふふっ」
「ああ、サンキュ。でも恥ずかしすぎて今すぐここを立ち去りてえからダイジョブ」
「黒崎ばくしょんに改名しちまえよ!」
「それかばくしょん大魔王とか!」
「誰がばくしょん大魔王だ!クソッたれ!!!」
俺はもうダッシュしてその場を去る
「もう海ちゃんたら.....ではばくしょん大魔王が退場したことですし、相模委員長気を取り直してお願いします!」
めぐ姉、お前もかい
「クソ、一個貸しだかんな相模!!!/////////////」
「かっこいいじゃん、さすが僕の息子」
相模side
「誰がばくしょん大魔王だ!クソッたれ!!!」
黒崎君....もしかして助けてくれたの?
『....うるさい!』
『私のそばにこないで!』
なんで、なんで今更。私は黒崎君の手を......
「ではばくしょん大魔王が退場したことですし。相模委員長気を取り直してお願いします!」
「は、はい!」
なんでよ。そんなの私...........また
海斗side
「うわっ、すげえ.....」
カーネーションの出店が置いてある場所に着くとそこには綺麗かつ豪華そうな椅子と机が配置してあった。さながらオープンカフェっやつだな
「ほんと私たちラッキーだよね!」
「やっぱり日ごろの行いがいいからだよね!」
「俺、もしかして3年間の運使っちまったかも....いや!それでもいい!!!」
並んでいる生徒の様子を見るにジェラードさんの店って本当にすげえんだな
「海君!」
俺が最後尾まで移動しようとすると列の中から結衣の声が聞こえてくる
「結衣、お前も当選してたんだな」
「うん。ほんとにラッキーだよ!」
結衣は笑顔でその場で跳ねる
「はああ....これからママのごはんで満足できるかなアタシ」
「悲しいこと言うなよ。お前のママさん泣くぞ?」
去年、晩飯ごちそうになったけどめちゃくちゃ美味かったぞ。特にあのサバの味噌煮は格別だった
「まあ、そういうことなら今度店でお前に振舞おうとしてたさつまいものスイーツはいらねえな」
「え....!」
「はあ残念残念。普通の俺が作った普通のスイーツなんて結衣様のお眼鏡にかなうわけねえもんな」
「うそ、うそうそ!嘘だから!ママの料理も海君の料理もアタシ好きだから!!!絶対一生好きだから!!!!」
「お、おう。悪かった...だから揺らすのはやめてくれ....!」
脳みそシェイクになっちまう.....!
「アハハ、二人とも本当に仲いいね」
「葉山......頼む。笑ってないで助けて......」
「結衣、そろそろ黒崎を離してやってくれ」
ふう、やっと解放された
「黒崎、もしよかったら一緒にいかないか?」
「ああ。それじゃ結衣また後でな」
「うん!あ、あとさつまいものスイーツ今度食べに行くから完成したら絶対教えてよね!」
「あいよ」
俺は結衣に手を振り最後尾に移動する
「ていうかお前も当選してたのな」
「まあね。というか黒崎はどうしてその整理券を?確か募集用紙が配られたとき休んでたよな?」
「ああ...雪乃んちに泊まったときか」
「.........!」
う~ん、なんて説明するか。ジェラードさんも言ってた通り俺がここにいるのって超特別扱いだし.....正直に言ったら自慢みたいになっちまうかな?いやでも嘘つくのもちげえか
「実は.....」
「........ッ」
正直に説明しようとすると突然葉山は俺の肩を力強く掴んでくる
「うお、なんだよ!?」
「どういうことか説明してもらうぞ、黒崎....!」
しまった。葉山が雪乃のこと好きだったの完全に忘れてた.......俺の馬鹿
「わかった!話す、話すって!だからいい加減離しやがれ.....!」
「.......くっ!」
ったく、いってえな。爪ちょっと刺さったぞコラ
「お前が考えてることは何も起きてねえよ。ただあの時は緊急事態だったから」
俺はあの時のことを説明した。すると葉山の表情は次第にいつもの爽やかなものに戻っていく
「な?変なことなんてしてなかっただろ?」
「...........」
「疑い深いやつだな。神に誓ってなんにもやましいことなんてしてねえって」
じゃあなにか?俺が雪乃の裸でも見たりなんかしたとでも思ってるのか?まったく心外だぜ。そんなこと...........
『そ、そういうことはもっと早く言いなさい!バかいと君!』
あ.........
「ウン、ソンナコトシテナイヨ」
「なんだその怪しい片言は!?」
「アヤシクナンテナイヨ。ダイジョブ、オレウソツカナイ」
「黒崎!」
いやマジな話やましいことなんて一切してない。ただ看病して料理作って背中拭いて話聞いて陽さんと電話して一緒に寝ただけだ.......うん、それだけだ
「まさかお前も雪乃ちゃんのことが」
「いやそれはない。マジでないから安心してくれ」
「.....そんな畳み掛けるようにに否定されても困る」
じゃあどうしろと?
「雪乃とはただの友達だ」
「........友達」
「ああ」
俺の言葉を聞くと葉山をようやく落ち着きを取り戻した
「いらっしゃいませ。本日はお越しくださりありがとうございます」
しばらくすると俺たちは最前列になりカーネーションの従業員の方が挨拶をしてくれた
「整理券をお願いいたします」
「はい」
「.....はい」
「......52番と100......!」
従業員の男性はインカムで連絡を取り始める。なんかあったのか?
「あの....」
「大変お待たせして申し訳ございません。席のご案内をさせていただきますのでどうぞこちらに」
俺と葉山はそれぞれの席に案内されることになる
「こちらでございます」
俺が案内されたのはキッチンの目の前。つまり誰よりも近くで調理を見れるというわけだ
「........見てろってわけか」
明らかにこれ狙ってるよな?馬鹿な俺でもわかる
「やあ」
「...........」
ジェラードさんが俺の目の前を通り過ぎる
「皆さま。本日はお越しくださりありがとうございます。私、本日料理長を務めさせていただきますジェラード・セルゼルセンと申します。よろしくお願いいたします」
「本物のジェラード様だ....!かっこいい!」
「世界一の料理人。すげえオーラが違うな!」
ジェラードさんが胸に手を当てお辞儀をすると周りが小さく沸き始める
「この度はこの総武高校の文化祭にこのような形で参加できたことをよろこばしく感じております」
ジェラードさんがそう言うと周りに料理人の人たちが集まってくる
「では私のつまらぬ挨拶はここまでといたしましょう。..........騎士たちよ!身命を賭し使命を果たせ!!!」
「Oui, Chef!」
こうしてジェラードさん達が料理を始めていく
葉山side
「................」
俺は遠くの席から見つめていた。調理をじゃない
「すっげえ.....!」
目を輝かせながらカーネーションの人たちを見つめる、黒崎を。本来ならカーネーションの調理を見られる。こんな貴重なもの誰であっても見逃すはずがない。にもかかわらず俺はアイツを穴が開くほど見続ける
「黒崎.....」
『ゆきのん、こっち終わったよ』
『ありがとう結衣さん。本当に頼りになるわ.......そこの男と違って』
『........すいません』
雪乃ちゃんが復活したその日、黒崎は文実に遅れてやってきた。曰く、アイツは彼女と約束をしていたにも関わらずそれを反故にしてしまったらしい
『そのもう正座解いていいか?そろそろ足が』
『ダメよ。今日の貴方の仕事はそこで正座をすることよ』
『それなんの意味が?』
『私の気分が晴れる』
『この鬼畜副委員長!ってうわあ!?』
黒崎は立ち上がり雪乃ちゃんに抗議しようとしたが足がしびれていたためその場で転んでしまう
『ふっ、罪人にふさわしい末路ね』
『ゆきのん、そろそろ許してあげたら?』
『いいや。まだこのままでいいし。かーくんはすぐに約束を破る男だからそれをそろそろ自覚させないと』
『ゆ、ゆーちゃん.....』
『ふんっ!』
黒崎は優美子に助けを求めるがあえなく撃沈
『まあいいわ。貴方の無様な姿を見て多少は気分が晴れたから今日の所は許してあげる。感謝なさい』
『.....ありがとうございます。お嬢様』
『明日は必ず来なさい。わかった?』
そうしてその日の文実は解散した。そして次の日の委員会
『....頑張って』
『律儀なやつ....』
雪乃ちゃんは黒崎にお菓子をあげていた。その時の彼女の表情はとても優しいものだった。雪乃ちゃんとは長年の付き合いだけどあんなおだやかな表情は初めて見た。あの顔を見てわかった。彼女は心の拠り所を見つけたのだと......そしてそれが俺ではなく黒崎であるということ
『...........ッ』
俺では雪乃ちゃんをあんな風に笑顔にできなかった。だが黒崎は.......
「.....クソッ」
海斗side
「お待たせいたしました」
「うおおお....!」
ジェラードさんの料理も完成し俺たちの机に料理がどんどん置かれていく
「それでは料理の説明をさせていただきます」
料理の説明を聞くが正直見たことのねえ料理しかねえからいまいち説明が入ってこねえ。えっと...キャビアを包んだロールとプチシュー、赤ワインとフランボワーズのソースを添えた鴨の煮込みソーセージ、そんでデザートに秋の紅葉を模したケーキ。
「この匂いは柑橘系か?葉っぱはみかんいや乾燥オレンジを使ってんのか」
「そのとおり」
分析をしているとジェラードさんが近づいてくる
「柑橘系は乾燥させると酸味よりも甘みの方が強くなり特にオレンジはその傾向にある。みかんは...」
「酸味と苦みが出てくる、だからスポンジケーキにはむかねえ」
「ほう。よく勉強してある」
「喫茶店の従業員なめんな」
「ふ、そうか」
ジェラードさんは笑みを浮かべ元の位置に戻っていく。......今のはいくらなんでも失礼だった
『だからね、私......』
「はあ...今頃ばあちゃん怒ってるかな」
「説明の方は以上となります。では皆さま、どうぞお召し上がりください」
ジェラードさんがお辞儀をすると俺たちは一斉に料理を口に入れていく。すると
「美味しい!」
「うまい!うますぎる!!!」
「このお肉、本当に美味しい!あ、でも二切しかないから慎重に食べないと....」
絶賛の声が周りから聞こえてくる。俺もさっそくキャビアロールを口に入れる
「うめえ.....」
キャビアの塩味とロールの甘さがちょうどいい。それにこのプチシュー、中身に何か入ってるわけじゃねえがサクサクしてて食べてて楽しい。あとこのソーセージが特に最高だな。気づくと俺の皿はどんどん減っていきあっというまにデザートにたどりついてしまった。その様子を見ていたのかジェラードさんは手で口を抑えていた
「あの野郎...!」
アンタの料理が美味すぎるから悪い。そうだ、絶対にそうだ。異論は認めねえ。デザートも食い終わり俺の机の上の料理はものの数分でなくなってしまうのだった
「どうだった?」
数十分後、あの場にいた全員が料理を食べ終わり解散した後ジェラードさんは再び俺に話しかけてきた
「美味かったっす。多分今まで食べた料理の中で2番目に」
「二番目か。一番を聞いてもいいかい?」
「...黒崎麗奈の料理」
「.............」
俺らの間に微妙な空気が流れる
「確かに。私の料理はあの人のものには及ばない」
「ああ。もう10年以上あの味を味わってねえ。恋しくてたまらねえよ」
「......私もだ」
ジェラードさんは俺の言葉を聞き表情を暗くする
「すみません、今のはちょっと意地が悪すぎました」
「いいや。気にしないでくれ」
俺たちの間に流れる空気がさっきよりも微妙なものになる
「....俺、そろそろ戻ります。今日はごちそうさまでした」
この気まずい空間から逃げるように俺は速足で歩こうとすると後ろから手を引っ張られる
「あの..そろそろ、戻りたいんですけど本気でマジで」
「文化祭が終わったら話がしたい」
ええ....
「頼む」
「.........はあ、今日の打ち上げが18時30からなんでそれまでに終わるんだったらいいっすよ」
「感謝する」
「じゃあ俺、今度こそ行くんで!」
俺は手を振りほどき走る。クッソ、なんでせっかくの文化祭なのにこんな思いをしなきゃならんのだ!行くって決めたの俺だけど......
「ふう....」
一息をついているとスマホが震える。通知を見てみるとそこには大量の販促メールだった
「ちょうどいい。気分かえるために全店舗制覇してやるよ!」
まずは伊藤先輩がやってる焼きそば屋に行ってやるぜ!!!
「海斗さん!」
この元気のいい声は....
「小町!」
「はい、小町です!お久しぶりですね海斗さん!!!」
「おっと...」
小町は勢いよく俺に抱き着いてくる。
「相変わらず元気でやってるようだな。一人で来たのか?」
「はい!海斗さんに会いに...あ、違う!いや違わないけど!!!」
「落ち着けって。あれだろ八幡に会いに来たんだろ?」
やっぱり年上と話すのは緊張するのか間違えて八幡じゃなくて俺に会いに来たって言ってたぞ。ははっ、可愛い奴
「それじゃあもしよかったら俺とまわらねえか?色々案内もできるしもちろんごちそうもするぜ?」
「本当ですか!?ぜひお願いします!!!」
まさかここまで喜んでくれるとは......
「いつまでもここで立ち話も何だし早速行くか。基本、飯系は外なんだがまずは何を食いたい?」
「う~ん、海斗さんのおススメでお願いします!」
おススメか.....ハニートースト?いやあれは食パンの上にクリームを垂れ流しただけだから後半ただのパンだし。甘酒?いやいやていうかそもそもなんで文化祭で甘酒なんだよ?もっといいものあったろ
「そうだな....あ、ちょうどいいやつがあるな。こっちだ」
「ふぇ/////////」
「いきなり悪いな。外は人が多いからなこうやって手つながねえとはぐれちまう。あ、手汗とか大丈夫か?」
「は、はい。ダイジョウブです.....////////」
あともう少しの辛抱だ。我慢してくれ.....お、発見発見
「よ、木戸先輩」
「....ああ、お前か」
しばらく歩くと最後尾の看板を持つ木戸先輩を発見する。そう木戸先輩たちのクラスは綿あめの出店を出してる。これだったら小町も満足してくれるだろ
「それとこちらは?」
「比企谷小町です!よろしくお願いします!!」
「比企谷...ああ、アイツの妹か。俺は木戸忠邦、そこにいる強面と君の兄の一個上だ。よろしく」
誰が強面だ。アンタもそう変わんねえだろうが
「それにしても...兄妹と言ってもあまり似ていないな」
「よく言われます。兄はそのちょっとひねくれているので」
「ひねくれている?俺はそう思わないな。確かに小町さんが言った部分を完全には否定できないがアイツは多角的に物事を見ることができるやつだと俺は思う」
「あ、それ俺も思ってた。あとアイツ優しいよな」
この間、雪乃から聞いたけどアイツ、結衣の家のサブレを身を挺した護ったんだろ?普通じゃできねえよ
「.............」
「どうした?」
「いえ。ただ嬉しいんです。お兄ちゃん、あんな性格だからあまり友達もいなくて本当は優しいのに誤解されがちだったんです。でも木戸さんや海斗さんは本当のお兄ちゃんを見てくれていて...それがほんとうに嬉しい」
小町は俺たちに頭を下げる
「おい、どうした!?」
「これからもどうか兄をよろしくお願いします」
「え、いやいや!よろしくもなにもねえよ!な、木戸先輩もなにか...っていねえし!」
アイツ、逃げやがったな....!
「まあその、俺はこれからもアイツとそれと小町とも仲良くしたいと思ってるし....こっちこそよろしくな」
「.....!はい!」
俺は何恥ずかしいことを。まったく本当にいい妹をもったなアイツ。しばらくすると列は進んでいきとうとう俺たちの番になった
「お待たせしました~お、黒崎じゃん。それとこちらは?」
「俺のクラスメイトの妹」
「あ、そうなのか。ようこそ総武祭へ。どうか今日は楽しんでいってくれ」
「佐々木、交代だ」
「ほ~い、そんじゃああと頼む」
佐々木先輩は木戸先輩から看板をもらい列の後ろの方へと進んでいく
「さっきぶりだな」
「アンタ、さっきはよくもにげてくれやがったな....!」
「逃げてない。追加の砂糖を持ってきてほしいと頼まれたから取りに行ってただけだ」
木戸先輩はわざとらしく大量の砂糖が入った段ボールを指さす
「まあそんなことはどうでもいい。ほらできたぞ」
「...おう、ん?なんか色違くね?」
俺たちが渡されたのは白ではなくピンク色の綿菓子だった
「ん?ああ、すまない。手元が狂って本来使う予定のなかったものを入れてしまった。だが安心してくれ色は違うが味は同じだ」
「まあ、それならいいんだけど」
「今回は俺のミスだ。料金はいらん」
「マジか。ラッキー!」
ありがてえ。さすが我らの木戸先輩!
「小町さん」
「はい」
「意外なことにアイツを狙うやつは多い。頑張ってくれ」
「うえあ!?///////な、な。ななな...なんでわかったんですか..!」
「.......恋をする者同士のシンパシーってやつだろうな」
「え、木戸さんも?」
「まあな」
あの二人もう打ち解けてるし
「じゃあ次の所に行くか」
「はい!では木戸さん、ありがとうございました!」
「ああ」
こうして俺たちは綿あめを持ちその場を後にする
「......頑張れ」
「何を頑張るの?」
「.....城廻、お前も来たのか」
「うん。綿あめ一つお願いします」
「喜んで」
「美味しかった~」
「そりゃよかった」
結局、俺と小町で全制覇。幸い、俺の手持ちもなんとか持ってメンツを保つことにも成功
「全部ごちそうになっちゃってすみません...」
「いいんだよ。むしろせっかく来てくれたんだ思う存分奢られとけ。それより食事の次は中に行く予定なんだがどうする一緒に行くか?」
「ぜひお願いし」
「いいやそれには及ばない」
後ろからおどろおどろしい声が聞こえてくる
「お兄ちゃん!?」
「お前やったな。とうとう一線超えちゃったな」
「はい?」
「とぼけんじゃねえ...!」
「やめてお兄ちゃん!」
「小町、大丈夫か。何もされなかったか?」
「何もされてないよ!むしろごちそうしてもらったの!」
「ほう....」
いたいたい..足踏むのやめてくれ
「まずは胃をつかむってか?なるほどそうまでして小町を手に入れたいか?」
「お願い、いますぐ黙って」
「なんか誤解してねえか?俺は別に小町を手に入れたいわけじゃ」
「.......!」ガーン
「あ?なんだお前。それは小町はかわいくねえって言いてえのか?いい度胸してんなマジで」
「は?いやいや小町は普通に可愛いだろ」
「.......!!!」パアア
「お前兄の俺を前にして堂々とナンパか?いいの殺っちゃうよ?いっちょ天誅いっとくか?」
小町のことになると途端にIQ下がるのなんなの?足痛いし
「なにやってんの、アンタたち?」
「川崎...!」
「川崎邪魔すんな。今俺は大事な妹を護るために....」
「はあ....ま、ちょうどいいか。黒崎、そろそろ出番だから来て」
「お、もうそんな時間か」
いよいよだな....!
「海斗さん、出番って?」
「ああ、俺ライブやるんだよ」
「ライブ!?じゃあ今すぐ体育館に行かないと席が取られちゃう!すみません、小町はここで失礼します!!!」
「あ、行っちまった」
せっかく関係者に渡せる整理券持ってたんだけどな
「やっぱり川崎は家族に渡したのか?」
「まあね。アンタは?直哉さんには渡したの?」
「”いらん”の一つ返事で返された」
「....なんというか...らしいといえばらしい」
「お前らなに俺のことスルーしてくれてんだ?」
いいや、お前のこと忘れてねえよ?もちろん足の痛みもな。ということで
「はい、お前は強制的に俺たちのライブを見に来る刑に処す」
「え、お、おい!」
「んじゃそういうことで。あ、もし来なかったらこの学校からマッカンが全て消えると思ってくれ!」
「しれっと恐ろしこと言い残してくんじゃねえ!ていうか俺、委員だから必要ないんだが」
へへっ、さっきの仕返しだ馬鹿野郎
「川崎、着替えたらすぐ行くからお前は体育館で待っててくれ」
「わかった。でもその前に」
川崎は俺にあるものを投げ渡す
「へえ、すげえな。これ」
「別に...劇の衣装の余りで作っただけだから」
「リストバンドを?衣装と全然素材違くね?」
「う、うるさい///////」
ふっ、最初は仕方なくとかどっちでもいいとか言ってたけどお前、結構このバンド気に入ってんだろ?このシャイガールめ
「あんがとな、沙希。めちゃくちゃ嬉しいよ」
「....絶対成功させるよ」
「あたりめえだろ」
俺は沙希と別れ更衣室に移動する
「よし....!」
「ではいよいよ最後の演目です!」
司会の声が響き渡る中、舞台袖では海斗、彩加、沙希、義輝、平塚の5人が円を作っていた
「さあ、いよいよ本番なわけなんだが何か一言あるか?」
海斗に一言を求められた彩加は他4人のメンバーの目をまっすぐ見る
「材木座君」
「うむ」
「川崎さん」
「ん」
「平塚先生」
「ああ」
「そして、海斗」
「おう」
彩加は右手を前に出す。それに4人も応える
「戸塚君、そろそろ準備を」
「うん」
彩加は若干震える足で前に歩き出す。それに海斗たちもついていく
「よ、大トリ様御一行!」
「頑張ってくれ」
「............」
彩加たちの一つ前にライブを終えた葉山たちが彩加たちに激励の言葉を贈る。そんな中、優美子は彩加に手のひらを差し出した
「三浦さん...」
「期待してっからね」
「うん」
彩加は優美子の前を通り過ぎる際、ハイタッチを交わしついに舞台にあがる
「..........ッ」
舞台にあがると目の前には大勢の人が目に入り。それを見た彩加は息を飲んでしまう。だがその瞬間、左隣からギターの音が鳴る、その音の方向を見ると海斗が右手でグッドマークを作っていた
「.............」
「.....ありがとう」
「トリをかざるのは.........
『来い、彩加!』
彩加の声に会場の熱量は最高潮になる
「いくよ、みんな!」
総武高校文化祭、クライマックスに突入。
読んでくださりありがとうございました!
木戸先輩のイラストはPicrewの「とりあえず青年を作る」を使わせていただきました。https://picrew.me/share?cd=OXFQ3sKNSJ #Picrew #とりあえず青年を作る
次回で文化祭編は終了します。........多分
ではさっそくいきましょう、「マル秘エピソードのコーナー」!!!
①”ゲソゲソのかまぼこ”さんより質問で「今回の文化祭編で海斗の友人としてたくさんのオリキャラを出していましたが以降出番はあるのでしょうか。個人的に神戸と木戸先輩が刺さっているため普通にレギュラー化して欲しいです」とのことでした。ご質問ありがとうございます。今回、オリキャラの木戸先輩の立ち絵を公開させていただきましたがこのように立ち絵が公開されたキャラは基本的にこの後も出番あります。そのため木戸先輩は準レギュ確定です!
②文実で海斗が雪乃にマカロンをもらった直後の話
「うん、美味いな」
「当たり前でしょ。私の可愛い雪乃ちゃんが作ったんだから」
「......なんか顔が怖い」
「べっつに~ただ、あの時本当に何もしてないかをチェックしに来ただけ」
「何もしてねえって....」
「なんてね。冗談だよ」
「結衣さん、ここの部分をお願いしてもいいかしら?」
「もちろんだよ!」
「ふふっ....ありがとうね、海斗君」
「え、何が?」
③作者は自炊はしていますがそこまで料理に詳しくありません。そのため作中に出てきた料理に関する知識は6,7割ぐらい適当です。しくよろお願いします
降水確率.....0%