もしかしてお前らちょっとメンドくさいな?   作:鴨凹

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大阪・京都旅行から帰ってきました!めちゃくちゃ楽しかったです!

今回は少し長めです。

では本編どうぞ!


それって結構危ない橋じゃね?絶対こっちの方が安全だって

「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

 

20時。最後のお客さんを見送ったあと俺は店を閉める準備を始める。電光看板を店の中に運びOPENと書かれている小鳥の形を模している小さな木製の看板をCLOSEにして中に入る

 

「ふう~。今日も動いた動いたっと」

 

最近、嬉しいことにここに来るお客さんの数が増えてきている。それに比例して忙しさも増したけど......まあそれも俺たちが提供するものを美味しいと笑って食べてくれるとお客さんがいると思うとこんな疲れ、屁でもないか

 

「海斗」

「なんだ?」

「今日、少し残れ。話がある」

 

そういいじじいは厨房の中に入り俺の賄いを作り上げていく。こうして俺はエプロンを上の階のロッカーに戻し荷物を持って賄いのチキン南蛮と白米、サラダが置いてあるカウンターの席に座る。あ、ちなみにこのチキン南蛮は普段提供してないから注意な

 

「それで話ってなんだよ?」

「最近ここの店の調子がいいことはお前もわかってるな?」

「おう」

「癪ではあるがこれはお前が考えた新メニューとお前自身の存在がでかいと思ってる」

「はっ、やっとわかったか!だから去年からずっと言ってんだろ?商品のレパートリーを増やしていくべきだって」

「うるせえ!なにがイチゴパフェにエッグサンド、照り焼きクレープだ!こんなもの俺にとって全て邪道だこの野郎!」

「へえ~、だけど今日一番頼まれたのは考案の”鶏の照り焼きクレープ”みたいですけどねええ」

 

最近俺が考案したこの照り焼きクレープ、鶏の照り焼きとたまねぎを包んだクレープに味変用にタルタルソースを皿に添えたものだ。それがめちゃくちゃウケたのかここ数日はこの商品のオーダーが一番多い

 

「チッ、だがその邪道が客の奴らにウケているのは確かだ。だからチャンスをやる」

「チャンス?」

「もう一人従業員を連れてこい。そうすればお前の時給を900円から1300円にあげてやらあ」

「なに!?」

 

900円から1300円だと....!

 

「先に言っておくと料理が作れるやつ限定だ。態度が良くても料理の腕が半端だったらその時点でソイツはクビにする。そして昇給のチャンスもそこで消える」

 

つまりチャンスは一回きりってことか....

 

「いいぜ。すぐに見つけてきてやる」

「はっ、期待しないで待っててやらあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、海斗どこ行く?」

「そうだな~正直俺としてはこの防犯アプリを開発している会社、あとこっちのインフラ系も興味があるな。彩加は?」

「う~ん、僕は市役所とかこっちのテレビ関係も行ってみたいかも」

 

翌日、俺と彩加は今度行われる職業見学先をどこにするかを話し合っていた。だが俺たちはこの職業体験先を決める前にある重要なこと決めなければならない

 

「まあ行先はあとにして。それよりもう一人のメンバーを決めないとだな」

「そうだね。でもいいなあ綾瀬川君。一週間イタリア旅行なんて絶対楽しいに決まってるよ」

 

今回の職業見学は三人一組で行くこととなり当初は俺、彩加、そしてクラスメイトの一人綾瀬川という男子で組んでいた。だが職業見学の二日前から綾瀬川は家族と共にイタリア旅行に行くことになってしまったらしく職業見学に参加できなくってしまったため俺たちはいまもう一人誰かを誘わなけらばならなくなってしまったんだ。だが周りを見てみるともう既に三人組がちらほらとできてきており余ってる奴はほとんどいない

 

「だったら.......」

 

彩加が口を開こうとしたとき俺たちいや、周りのスマホが一斉にに鳴る。ってことは......はあ、やっぱりか

 

「またこれかよ。正直しつこいんだが」

「うん...」

 

スマホの画面を開きいま受信したメールを見る。内容としては『”戸部は稲毛のヤンキー、ゲーセンで西高狩り””大和は三股、最低のクズ野郎。”大岡はラフプレーで相手校のエース潰し”』というクソほどくだらないものだった。所謂チェーンメールってやつだな。なんか知らねえけど先週から頻繁に送られるようなったんだよな

 

「こんなん送ってなにしたいんだよ。アホらし」

「戸部君たち大丈夫かな?」

 

確かに。こんなこと書かれて不安も感じるし多少なりとも傷ついてるはずだ

 

「でも残念ながら俺たちにこのチェーンメールをどうこうできる力は持ってない。だから俺たちはこんなメールに惑わされないでアイツらを信じてやろうぜ」

「そうだね」

 

こうして時は流れ放課後になる

 

「じゃあまたな!部活頑張れよ」

「うん!でもたまには海斗も練習に参加してくれると嬉しいな」

「そう言ってくれるのは嬉しいが部員じゃない俺がいても邪魔になるだけだ」

「そんなこと...!」

「だから昼休みまた一緒にテニスしてくれよ。情けないことに俺、あの時間結構好きで少し寂しかったりするんだよな」

「......!もちろん!」

 

彩加と約束をし俺は校門の方へと向かう

 

「おそい」

「悪い悪い、彩加と話してたら楽しくなっちゃって」

「.....ふん!」

「え、ゆーちゃん?」

 

頬を膨らませたゆーちゃんは俺の左腕に抱き着いてくる

 

「歩きにくいんだけど...」

「うっさい。ららぽに着いたら解放してやるし」

「ええ....まあべつにいいけど。で、今日は一体何をご所望で?」」

「夏に向けての水着と41のアイス」

「そうか。それじゃあ水着買い終わったら41に集合...」

「何言ってんの?かーくんも一緒に行くんだけど」

 

マジで言ってんのか?男の俺が女性の水着売り場に入るって

 

「勘弁してくれ。ワンチャン俺、捕まるぞ」

「アンタがいないと意味がないんだっつうの」

「え、俺?なんで?」

「それは////////////」

 

ああ、そういうことか

 

「わかった。少し恥ずかしいけど一緒に行くよ」

「わかったって....もしかして///////////」

「ああ。荷物持ちだろ?」

「.............」

 

母さんとめぐ姉が言ってた。女性は一回の買い物で大量のものを買いまくる生き物だって、それに女性は日焼け止めとか色々道具が必要になるんだった

 

「任せろ。水着だろうが日焼け止めだろうがなんだろうがなんでも.......いだだだだ!なんで脇腹つねる!?」

「ふんっ!」

 

こうして俺は放課後ゆーちゃんとららぽーとで買い物をして過ごした。そしてこの数日後みんなの頭を悩ませていたチェーンメールは送られなくなりクラスに平穏が戻った。そして

 

 

 

 

「ということでお前たちの班に入ることになった」

「なんだお前余ってたのか。だったら早く教えてくれよ」

「自分から余りもんですって言う方もおかしくね?」

「...そうか?普通に余ってるんだけど入れてくんないって言えばよくねえか?」

ダメだ。コイツと俺じゃあ住む世界が違いすぎる

 

何を小声で言ってんだ比企谷は?でもこれで俺たちも三人一組を作れた

 

「じゃあここに八幡の名前を書いてくれる?」

「おう」

 

おお、この二人いつの間に仲良くなったんだ?やっぱり一緒にテニスの練習したからだな、嬉しいぜ

 

「ちょっといいかな?」

「ん、どうした?」

「まあ言いたいことは色々あるんだけど...まずはヒキタニ君、ありがとう。おかげで丸く収まったよ」

「別に。俺は何もしてねえよ」

「「?」」

 

俺と彩加の頭に?が浮かぶ。今日は驚くことだらけだな。葉山と比企谷、お前たちもいつの間に仲良く......

 

「それでさ、ヒキタニ君。もしよかったら一緒に職場見学に行かないかって言おうと思ったんだけど......」

「ああ、悪いな。もうこいつらと一緒に行くことになったから」

「そうか。それは残念だな」

 

葉山は残念そうな顔を浮かべ去っていく。.....しかたねえな

 

「なあ、葉山もしよかったら俺と...」

海斗

 

なんだ彩加の顔がなんかいつもより怖い。それになんだその目は比企谷、まるで馬鹿を見る目で俺を見やがって

 

「とりあえず僕はこの書類を先生に出してくるね。だから....八幡」

「お、おう!」

「海斗をよろしく.....ね?」

「い、イエッサー....」

 

こうして彩加はなぜか足早に職員室に向かっていくのだった。あ、葉山の奴グループ決まったみたいだな。よかったよかった

 

「黒崎、お前」

「なんだよ?」

「案外馬鹿なんだな」

「え、もしかして喧嘩売られてる、俺?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「で、これって掲示板の所の置いとけばいいんだよな?...うす、オッケー」

 

はあ、意外と重いな。奨学金とか塾関係の書類ってこんなにあんのかよ。俺は職員室で大量の用紙を受け取り掲示板の元へと向かう

 

「くっそ~安請け合いするんじゃなかったぜ..ていうか奨学金ってやっぱ簡単に取れるモンじゃないんだな。最低必要総内申...うげえ、こんなの取ったことねえ。ていうか奨学金にも一種と二種とで色んな形があるん」

「.......っつ」

「あっぶ....ねえええ....!悪い、川崎。前見てなかった大丈夫か?」

「別に。それに私も考え事してたからお互い様だよ。ほらこれ一枚落とし...」

 

最近遅刻常習犯となった水色髪の女子、川崎沙希が用紙を見て固まる

 

「どうした?やっぱどっか痛めちまったか?」

「いや、なんでもない。はいこれ」

「おう、あんがとな。説教が早く終わることを祈ってるぜ」

「余計なお世話」

 

そういい川崎は職員室に入っていく

 

「ってやば俺も急がねえと。はあ、今日でにゃんことはおさらばか...あのじじいなんであの見た目でネコアレルギーなんだよ」

 

でもまあ郁恵ばあちゃんならきっと大事に育ててくれんだろ。よし、ちゃっちゃと運んでちょっといい猫缶をアイツに送ってやろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてまた翌日

 

「いや~助かったわマジで。うちの親父が急に腰やっちまってな」

「いや俺はいいんだけどよ。今から行くそのエンジェルラダーってBARなんだろ?未成年の俺が入って大丈夫なのか、拓海兄ちゃん?」

「大丈夫大丈夫。基本未成年入店お断りだけど保護者さえいればオッケーだから」

「ならいいけど」

 

夜21時30分、俺は今近所の酒屋で働いている大学生の拓海兄ちゃんの車に揺られている。実はホテルロイヤルオオクラの最上階にあるエンジェルラダーって言うBARに拓海兄ちゃんと親父さんは酒を卸す予定だったんだがどうやら親父さん昨日の夜にぎっくり腰になっちまったらしくてな。卸す量も何十本もあるし一人では厳しく人手が欲しいという連絡をじじいが親父さんから受け取ったらしくそれで俺にお鉢がまわってきたわけだ

 

「親父の奴も感謝してたよ。後日お前の店に行って今日の分の給料持ってくって言ってたぜ」

「いらねえよ。親父さんと兄ちゃんはウチの常連だ。このぐらいの恩返しぐらいはさせてくれよ」

「嬉しいこと言ってくれるな。けどどうかもらってやってくれねえか?大人になるとなメンツっていうのが大事になってくんだよ。だから、な?」

「そこまで言うなら。それじゃあ俺の生活費に充てさせてもらうよ」

「はは、ありがとうな」

 

拓海兄ちゃんは笑いながらハンドルを右にきる

 

「それより兄ちゃん、最近の大学生活はどう?」

「そうだな...特にこれといったことはなかった..ああ、嬉しいことに一人の女子から告白されたな」

「マジかよ。今年に入って何回目だそれ?」

「もう7回目だ。いや~モテる男はつらいぜ。毎回告白を断る時心がきゅって締め付けられるんだよな~」

「また断ったのかよ!?アンタ、彼女欲しいとか言ってなかったか?」

 

店に来るたびに彼女が欲しいとか28には結婚したいとか色々言ってたじゃねえか

 

「俺は年上が好みなんだよ。つっても離れすぎてもアウトな」

「意外とめんどくさいよな、アンタ」

「いいだろ別に!それにその告白してきた奴なんて多分俺を利用するために近づいたにすぎねえぞ」

「告白を断っておきながらその言いぐさはねえだろ...」

「いいや、あれは確実にそういうやつだ!なんていうか...ソイツの顔から垣間見えたモンがあったっていうか.....鉄仮面が割れて本性あらわる!みたいな」

 

何言ってるかぜんぜんわからん。この人もう飲んできてねえだろうな?

 

「よし、着いたぞ。ほら軍手」

「サンキュー。それにしてもやっぱいつ見てもでかいなここは」

「まあな。なにしろ俺たちが今から入るBARも本来はドレスコードが必要なくらいな高級店だからな」

「それを早く言えよ。やばいだろ俺の格好」

 

ちなみに俺の今の格好は黒のパーカーに黒のジーパンというシンプル真っ黒人間だ

 

「それじゃあ..よいっしょ!これを荷台に積んでエレベーターに乗っていくぞ。ほとんどがビン類だから割らないよう気をつけろよ」

「わかってる。んしょ!さあ行こうぜ」

 

俺たちは荷台をガラガラと押しながらエレベーターに乗り最上階へと向かう

 

「よし、着いたな」

「うわあ..すげえ...!」

「それじゃあ俺は先に次の二台持ってくるからこの紙に印だけもらっておいてくれ。あそこのスタッフの人に言えば通るはずだから」

「ああ。わかった......」

 

なんだここ。俺たちがいていい場所じゃねえだろ。やべえよ、ここにいる人が全員が品にあふれてるっていうか......ん?あれって比企谷、それに結衣、雪ノ下!?それによく見たらバーテンダー川崎じゃねえか!なんでこんなところに.......ていうか雰囲気悪くね?そう考えていると雪ノ下たちのいる机からグラスの倒れる音が響き渡る

 

「........ッ」

「ちょっとゆきのんの家のことなんていま関係ないじゃん!」

「ならあたしの家のことも関係ないでしょ。あ」

 

やっべこんなタイミングで川崎と目が合っちまった

 

「どうもお疲れ様です。オーナーから話は聞いて....ま...す」

「ア、アハハ、どうも~。こちらに印をお願いいたします~」

 

すんごい顔でこっち見てきやがる

 

「海君!?」

「黒崎君、どうしてこんなところに?」

「それはこっちのセリフ。というか結衣、声のボリュームもう少し落とそうな」

「あ///////////」

「で、なに?アンタもこいつ等とグルなの?」

「一体なんのことだ?俺はただここに酒を届けに来ただけだって」

 

怖い怖い。そんなにじろじろ見るなって

 

「...確かに。待っててすぐに押してくるから」

「おう」

 

川崎は俺から伝票を奪い去りすぐにカウンターの方に行き印を押す

 

「ほら」

「あんがとな。それでこれってどこに運べばいいんだ?」

「着いてきて。こっちに保管庫があるから」

 

俺はできるだけ音を立てないように荷台を押し川崎に着いていく

 

「ほらここ」

「わかった。それじゃあ俺は作業を再開するから」

 

最初の荷台を運び終わったあと俺はぽかんと固まっている奉仕部の3人を横目に速足でエレベーターに乗り下に降りていく

 

「はあ、気まずい。ていうか川崎含めなんであいつ等はここにいるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

90分後。作業も終わり俺たちは川崎が立っているカウンターに座っていた

 

「お疲れさん。いやさっきも言ったがマジで助かったよ。ほら今日の礼だ何か好きなの頼め」

「いや、できれば俺はもう帰りたい」

 

さっきからものすごい目で俺たちいや、俺を見てるし。ていうか比企谷達いつのまに帰ったんだ?

 

「まったく遠慮すんなよ。じゃあ勝手に頼むぞ」

「ちょ...!」

「えっと、そうだなじゃあフレッシュオレンジジュースとミネストローネ2つずつで」

「...かしこまりました」

 

川崎がそう答えると彼女は一礼しさっそく作業に取り掛かる

 

「ここは目の前で料理してくれるんだ。必見だぞ」

「ご期待に応えてみせます。お料理はこちらをお飲みになってお待ちください」

 

彼女はグラスに入ったオレンジジュースを美しい所作で俺たちの前に置く

 

「いただきます。.......!これは」

 

うまい!なんてうまさなんだこんなオレンジジュース飲んだことない!

 

「相変わらずここのオレンジジュースは美味いな!まあ俺としては本当はグレープカクテルをいきたいところなんだが」

「絶対にやめろよ。帰り誰が車運転するんだよ」

「...親父呼ぶか」

 

鬼か!ぎっくり腰なんだろ?安静にさせてやれよ。それより

 

「川さ...じゃなくてバーテンダーさん」

「はい」

「その...手際いいっすね」

「ありがとうございます。一応常日頃から料理はしているので」

「へえ...」

 

食材を切るにしてもフライパンの使い方も本当にうまい

 

「いやあ、本当にうまそうだな。ん?親父?悪い、ちょっと一回降りるわ」

「え?」

「電話が来ちまった。すみませんバーテンダーさんすぐに戻るんで」

「いや、ちょっと待ってくれ」

 

俺の声も届かず兄ちゃんはエレベーターに乗っていってしまう

 

「別にトイレに行けばよかったのに」

「まったくだ」

 

こういうところ抜けてんだよな、本当に。

 

「................」

「................」

 

俺と川崎の間に微妙な空気が流れる

 

「お待たせいたしました。ミネストローネになります」

「美味そう...!いただきます」

 

うんま!え、みちゃくちゃうめえ!ソースと生クリームが混ざり合ってさらに濃厚になっていやがる。それにこれ乾麺じゃなくて生パスタ使ってんのか。モチモチしてて食感も最高だな!

 

「すごく美味しいよ、川崎!」

「そう....」

「あ、すごく美味しいです。バーテンダーさん」

「もういいよ」

 

川崎はため息をつきグラスを拭き始める

 

「それでアンタはどうすんの?」

「んぐ...どうすんのって?」

「あたしがここで働いてること学校に言うの?」

「言わない」

「....」

「でも条件がある」

 

俺の言葉に川崎は手を止める

 

「へえ、あたしを脅そうってわけ?」

「ああ。俺は別に聖人でもないし善人でもない。だから思い切り今からお前を強請る」

「.......条件ってなに?」

「なんでこんな危険なことをしてまでここで働いているのか。理由を教えてくれ」

 

基本BARは未成年が働くことは禁止されている。そんなことここのオーナーさんもわかっているだろう。ってことは川崎は自分の年齢を偽ってここで働いている可能性があるってことだ。そんなことをしてまで遊ぶ金欲しさにここで働くとは思えねえ。だから何か理由があるはずだ

 

「悪い」

「......!」

 

俺はスマホで川崎の姿を撮影する

 

「もし話さなければこれを証拠にして学校に報告する」

「チッ...アンタ意外と性悪だね..!」

「ああ。さっきも言ったろ俺は善人じゃない。だから頼む」

「ふっ、脅迫してんのか頼んでんのかどっちだっつうの....」

 

川崎は悩んだ末に理由を話すことを選んでくれた

 

「あたしんちは5人家族で両親は共働きで下には中学生の弟と幼稚園生の妹がいる。最近弟も受験生になって塾に行きはじめた。でも塾代は馬鹿にならずそろそろ妹の進学のこともある。両親は常にお金のことで頭を悩ませていたよ」

 

そうだな最近の塾は平気で毎月高額の金が飛ぶ。しかも幼稚園生の妹さんの進学もある。そりゃあお金には悩むわな

 

「でもあたしも将来のことを考えてちゃんと進学して大学に行きたい。だからせめて自分の学費は自分で稼いで家族に負担を減らしたい」

「川崎...」

「でも普通のアルバイト時給じゃあとても間に合わない。だから」

「年齢を偽ってここで朝までバイトしてたわけか。そりゃあ遅刻魔にもなるわ」

 

立派だ。コイツはやり方はともかく家族の為に必死に動いてたんだな。でも

 

「それじゃあいつか限界がくる」

「あたしの限界がなに?そんなもの」

ふざけるな

「.........!」

 

自分でも驚くぐらい低い声がでる。でもこれだけ言いたい

 

「お前が家族を大切に思ってるのと同じくお前の家族もお前も大切に思ってるはずだ。にもかかわらずお前は自分のことなんてどうでもいいと言う。めちゃくちゃむかつくぜ...!はっきり言ってやる、お前の今していることはただの独りよがりだ」

「知った風な口を聞かないでくれる?アンタにあたしたちの何が」

「少なくともお前含めたお前の家族が心の温かい人たちだってことはわかる」

「は?」

「お前がこんな無茶してまで動いてる。それがなによりの証拠だろ?」

 

確証もないしただの憶測にすぎない。けど川崎がこうまでして家の為に頑張っている。だからきっと親父さんもお袋さんも弟も妹もきっと心優しんだろうな

 

「そうだよ。両親は毎日すごく忙しくて休みたいはずなのに休日になるとどこか連れてってくれるし、大志と京華だって料理や洗濯、ちょっとずつではあるけど上達してあたしを手伝ってくれる」

「ああ」

「そんな優しい人たちだからあたしは.....!」

「............」

 

俺はスマホの写真フォルダを開きすぐに先ほどの写真を消す

 

「お前が家族をどれだけ大切にしてるか十分わかった」

「....だったら」

「だからこそいま決心したよ。俺は絶対にお前を止める」

「アンタね...!」

「現実的な話、遅刻の連発で停学。未成年のBARでのアルバイト、年齢詐称が明るみになったら退学いやワンチャン逮捕だ。こんなことになろうもんなら川崎の大学進学どころじゃなくなるし家族にも影響が及ぶかもしれない」

「.........ッ」

 

コイツ気持ちだけ先行して後先考えないやつだな?今更はっとした顔しやがってからに。そんなお前に3つの提案をしてやろう

 

「三つの提案?」

「ああ。まず一つ今日にでもここに辞表を出せ。そして自分がやっちまったことを正直に全部言え」

「.......それで?」

「それで俺が働いている喫茶店に来い。お前の料理の腕がじじいのお眼鏡にかなえば時給1300円賄いありの職場に入れる」

「1300円.....」

 

お、食いついたな

 

「ああ、お前の腕なら絶対大丈夫だ。そして二つ目、お前奨学金に申し込んでみたらどうだ?」

「奨学金...」

「お前内申いくつぐらいよ?確か返済の利子がない第一種はこんぐらいあればいけるらしいぜ」

「...余裕でその数値は超えてる」

「じゃあこれに申し込めば解決じゃねえか!」

 

なんだよ!それじゃあさっきまでの長い駆け引きする必要もなく、このことを伝えれば一瞬で解決したんじゃねえか!

 

「それにこれ第一種と返済利子有の第二種併用できるらしいから不安なら申し込めばいいんじゃね?」

「う、うん。でも進学のための塾代とかは」

「それに関してはやっぱり親御さんに相談するしかねえだろうな。俺からすれば塾必要かってかんじなんだけど」

 

独学でそれでけいけるんならもう必要なくね?っていうのが俺の本音なんだが、まあ本人が行きたいっていうならやっぱりご両親に相談したほうがいいだろ。というよりうち進学校だからそういう入塾の特典とかも色々あったりして

 

「3つ目、これが一番大事なこと」

「それは?」

「それはな............

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからはもっと周りを見て落ち着いて行動しましょう.......家族思いで猪突猛進な遅刻魔さん」

「な....!」

「悪い。待たせたな」

 

グッドタイミング

 

「兄ちゃん、どうやらこのバーテンダーさん今日で最後みたいなんだよ」

「.......ッ」

「そうなのか?それは残念だな」

「だから最後にもう一品だけこの人の料理頼んでいいかな?」

「いいぞ。それじゃあ俺ももう一品だけ頼もうかな....海斗、先に決めていいぞ」

「了解。それじゃあ.......」

 

こうして俺は川崎の料理を堪能した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「合格だ」

「ありがとうございます」

「やったな!」

 

後日、俺は川崎をじじいの元まで連れていった。そしてじじい流のテストで川崎はオムライスを作ることになったのだがやはり手際も味も良くじじいも黙って合格を出した

 

「この紙に希望の曜日と時間を書け」

「はい」

「え、そんなに入ってくれるのか?妹さんの迎えとか大丈夫か?」

「大丈夫。弟に相談したらそれぐらい自分がやるから大丈夫って聞かなくてね」

「よかったな。ていうか弟さん幼稚園の迎えが終わったらうちに来いよ。それで晩飯食っていけばいいじゃねえか。な、いいだろじじい?」

「...いいだろう。ただしドリンク以外は300円取るぞ」

「そんな、半額以下じゃないですか...!そこまでしてもらうわけには」

「ふん。だったら売り上げが上がるようせいぜい励むことだな。俺は上で書類を捌いてる。書き終わったら持ってこい」

 

そういいじじいは階段を上っていく。へっ、じじいめかっこつけやがって....

 

「まあじじいもああ言ってることだしよ」

「アンタとおじいさまには頭が上がらないね。本当にありがとう」

「気にすんな。それにお前のおかげで俺の時給もあがったことだしな!」

 

いやマジで助かるわ。1300円......へへへへ

 

「それでその後はどうなんだ?」

「...めちゃくちゃ怒られたよ」

「ですよね~」

 

BARでの出来事から次の日、目は腫れ頬は若干だが赤くなってたし。絶対ビンタされたな

 

「でも今は少し気が楽かな」

「それはなにより」

「...ありがとう」

「.....おう!」

 

俺が応えると扉が開く音がする

 

「いらっしゃませ、一名様で。はい。こちらの席にどうぞ」

 

さあて、今日も頑張って働きますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

比企谷side

 

午前5時、俺たちは奉仕部は俺の妹、小町と川崎の弟、大志を連れワクドナルド前にいた。そろそろ川崎が来る頃なんだが

 

「遅いね」

「まさか姉ちゃん、何かあったんじゃ...!」

「どうやら心配は無用みたいね」

 

雪ノ下が指を指すとそこにはあくびをしながら歩いている川崎の姿があった

 

「大志...アンタ、こんな時間になにして...いや」

「姉ちゃん...?」

 

川崎は大志に抱き着く

 

「ごめん、心配かけたね。もうこんなことはしないから」

「姉ちゃん....よかった!」

「一体どういう心変わりかしら?」

「雪ノ下さんもごめん。ついかっとなっちゃってあんなこと」

「気にしてないわ」

 

なんだ?さっきまでと雰囲気が柔らかくなってる

 

「アンタたちにも迷惑かけたね。でももう大丈夫」

「え、そ、そう?ならよかった~。でもなんでこんなことを?」

 

由比ヶ浜の問いに川崎は答えていく。やはり俺が思ったとおり家族の負担を軽くするために自分の学費を稼いでいたらしい

 

「そうだったんだ」

「なあ、川崎」

「ん?」

「スカラシップって知ってる?」

「知ってる」

 

え?

 

「さっき黒崎が教えてくれた」

「え、ああ...そう」

「内申点も今のところ足りてるし申し込んでみることにするよ」

「....そうか」

 

出鼻を挫かれたから知らないが体から力が抜けちまった

 

「もしかしてそれを教えるためにここで待ってくれたってこと?なんか申し訳ないことしたね」

「別にいい」

 

おい、そこの女子3人組笑いをこらえるな...!俺だっていますんごく恥ずかしいんだ.....!

 

 

 

 

 

「...................」

「よ、比企谷おは...なんでそんな目で見る?」

「べつに....」

「........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ2

 

優美子side

 

「それじゃあ着替えてくるから待ってて」

「....おう」

 

あーしはいまかーくんを連行し水着ショップにきている。ここでかーくんの好みの水着を買ってメロメロにしてやるし!

 

「じゃん!」

「おお、似合うな」

 

なんか微妙な反応...だったら

 

「これはどう?」

「華やかだな」

 

こっちもか...だったら

 

「これは?ってあれ?」

「こちら新デザインのものとなっておりまして」

「それじゃあこれと..あとそこの赤いやつお願いします」

「かしこまりました」

 

しばらくすると店員さんが何着も水着を持ってきてくれた

 

「では少々おまちください」

「え、ちょ..ちょっと!」

 

あーしは店員さんに目にも止まらない速さで水着を着替えさせられる

 

「いかがでしょうか?」

「ちょ..これは少し」

「いいっすね。彼女の綺麗な肌にあってると思います」

「き、きれい!?////////////」

「では....」

 

そして今度は赤いビキニを着せられる

 

「う~ん。確かに彼女の引き締まったスタイルをアピールできますけど少し肌の露出が心配だな....それじゃあこっちパレオと組みあわせて」

「でしたらこちらの水着とあわせてみればいかがでしょうか?」

「だったらこっちじゃなくてこの色の方が」

「確かに。お嬢さん次はこちらをお願いいたします!」

 

な、なんで?こんなことに...ていうかかーくん選び慣れてない!?配色のセンスもいいし。それより

 

「できることならゆーちゃんの美肌をアピールしたいんだよな。だったら」

「そ、そんなじろじろ見んなし//////////」

「おい、体隠したらイメージしにくいだろうが」

「~~~~~~~~~////////////」

 

そしてかーくんが水着を選び始めて1時間後

 

「ありがとうございました~」

「///////////////////」

「いや~、楽しかった!そうだ、今度はゆーちゃんが俺の水着を」

「今日はもう水着はお終い!/////////ほら、はやく41行くよ!」

「えええ!?」

 

こんなはずじゃなかったのに.....!でも

 

『彼女の綺麗な肌にあってると思います』

『彼女の引き締まったスタイル』

「ふふっ..」

 

今度は服を選んでもらおうかな..........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに過去に海斗に服を選んでもらったS・Mさん曰く

 

「海ちゃん、平気でああいうこと言う子だからこっちが段々恥ずかしくなってくるんだよね。....まあ、全然悪い気はしないけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださりありがとうございました!
突然ですが有識者の皆様に2つお聞きしたいことがあります。一つ目雪乃の母親の名前ってなんですか?ネットや小説、他の方の二次創作を見て調べてみたのですがわかりませんでした。まさか...名前明かされていないってことはない...ですよね?
二つ目、雪乃の母親が会社の社長と言うことはわかっているのですがそれって何の会社でどういった名前なのでしょうか?どうか、このにわか野郎に力をお貸しください!感想で教えていただけると幸いです!いや、ほんとに...マジでお願いします










今日のマル秘エピソードのコーナー
実は小町と海斗そして八幡は小さいころに面識があります。小町が家出をし八幡が必死に探し回っているとき海斗と海斗とよくつるんでいた悪ガキ集団が八幡に協力し小町を探し出しています。ただしこの出来事を鮮明に覚えているのは小町だけの様です

「まさか小学校の放送室のマイクを使ってひたすら私の名前を呼ぶとは思わなかったな~」
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