彼ら八人は飛行機に乗り、アメリカ合衆国の空港に到着、そこからは本社のあるバージニア州に一般車両で向かった。
バージニア州、そこは奇しくもアメリカ国防総省の本部ペンタゴン、更にはアメリカ中央情報局、通称CIAの本部がある州であり、つまりアメリカの軍事、防衛、対外諜報におけるの要衝、核と呼べる場所である。
ネロ「そろそろ、着くぜ」
カスパーは内心穏やかではなかった。
それはあの鋭い感覚が襲ってきたからであり、nightmareがいることが予見できたからであった。
カスパーはbwss社の本社に着くなり、廊下を歩き、とある部屋へと案内された。
ネロ「失礼します」
そう言って二人は中へ入った。
そこへ入ると、中には仮面をつけた男が椅子に座っており、カスパーはこの男からもオーラが出ているのを確認した。
仮面の男「やあ、フェルナンデス君。
任務ご苦労だった。
して、君が例のカスパー・ハウザー君だね?」
ネロ「恐縮です、部長。
ええ、彼が例の面白い男です」
仮面の男「ハウザー君、君、特殊能力があるそうじゃないか。
ここで披露してはくれないだろうか?」
カスパーは緊張しながら青い目に切り替えた。
仮面の男「おお!青い目とは...目にしたのは初めてだ。
その目には一体どんな能力が秘められているんだい?」
ネロ「オーラ、nightmareに対する感知範囲が非常に広いといった特性を持っています。
彼の能力は我が暗殺者《アサシン》部隊で非常に効力を発揮するものと断言できます」
仮面の男「そうだな。
君は今日からフェルナンデス君の指揮下で部隊に同行してくれ」
カスパーはまだ決心が固まっておらず、カスパーが承諾しかねていると、
仮面の男「ハウザー君、これは仕方のないことなんだ。
君の能力の性質上、こちらとしては不可欠でね。
それにnightmareという存在を知ってしまったからには野放しにはできないんだ」
カスパーは目の前の男に少し恐怖を抱いた。
仮面の男「君、nightmareに関しての概要はすでに聞いているのだろう?
nightmareとは秘匿の存在だ。
世間に知られてはならないんだ。
そのための部隊が彼らだよ。
あ、それと君に一つ質問なんだが、なぜ君は戦場にいたんだ?
見たところ軍人ではなさそうだが」
カスパー「僕は戦場カメラマンとして活動しておりました」
ネロ「それに関して私の方からも申し上げたいことがございます。
彼は土壇場になるととんでもない勇敢さと言いますか、無謀にも近いような行動にも及びます。
しかしこの性質は私が彼を推す二つ目の理由です」
仮面の男「ふむ、ますます君は部隊にふさわしいじゃないか」
それで、君自身から返事を聞こうか?」
カスパー「はい、ぜひ協力させてください」
仮面の男「快い返事をありがとう。
では二人とも今後とも宜しく頼むよ」
二人は返事をし、部屋を立ち去ろうとした瞬間、ネロだけが呼び止められた。
仮面の男「...彼は我々nightmareの存在を脅かすことになるかもしれない。
監視という意味も忘れないでいてくれ給えよ」
ネロ「はい、承諾しました。
ではこれで失礼します」
二人がその場を立ち去り、他メンバーと合流を果たす。
ケイン「で、結局カスパーは所属することになったのか?」
ネロ「ああ」
エドワード「じゃないと困るよ。
調査したいことが山程あるんだからさあ」
エーリヒ「...お前は少し自重したほうがいい」
カスパーは質問をぶつける。
カスパー「この前の質問だがここは会社なのかい?」
ネロ「ああ、民間軍事会社というやつだ。
「black worrier holdings」という企業ホールディングスで、その中にいくつかの企業が含まれていると行った構造だな。
うちの会社bwss社はその中の一社だ」
bwss社は表向きは主に戦場でのコンサルティング業務、軍事訓練、作戦指導、情報分析なんかを提供していた。
ネロ「で、俺達が所属するのが「特別作戦部」という部署だ。
で、そん中の特別作戦課、「暗殺者《アサシン》部隊」ってのが俺達だ。
特別作戦部は表向きは存在しない、世間には知られていないんだ。
そして、nightmareのみで構成されている。
他にもnightmare回収課やnightmareの情報を収集する課なんかも特殊作戦部内にはある。
で、肝心の俺等の任務は主にはnightmareの抹殺だ。
ただし敵対的、協力的でないnightmareのな」
カスパー「全員じゃないのか?」
ネロ「世界中にいるからな、全員殺すのは不可能に近い。
むしろ協力的なやつは進んで仲間に引き入れている。
まとめると敵対的、非協力的なnightmareを排除し、協力的なnightmareを収集するのが特別作戦部の仕事だな」
カスパー「...nightmareってのはどれくらいの数、世界にいるんだい?」
ネロ「詳しい数は不明だが、割合自体はかなり少ない。
ちなみに世界各地に企業グループ「black worrier holdings」の支社があって、その支社が世界各地のnightmareを捜索する拠点になってる」
カスパー「nightmareを収集する目的は?」
ネロ「さあな。
詳細は俺等には知らされていないな。
建前としては脅威の排除らしいが」
ネロはそこで話を切り上げ、とある場所へ移動した。
ネロ「よし、じゃあ新メンバー加入ってことで歓迎パーティーと洒落込もうか」
ダスク「いいねえ〜!
カスパー、俺はお前以上に楽しんじゃうぜ!」
ケイン「よし、気分が乗ってきた!
おい、カスパーこっち来いよ!
お前、酒は飲めるのか?」
エーリヒ「...これからよろしく頼むよカスパー」
エドワード「ちなみに僕ら、nightmareは基本的に栄養摂取は必要としない。
しかし、嗜好品としてなら食事を取ることができる。
さあ今回の主役は君だカスパー。
存分に楽しもう」
その中でも二人のメンバーは相変わらず無口なままであった。
ネロ「じゃ、改めてよろしく頼む。
歓迎しよう暗殺者《アサシン》部隊へ、そして死の向こう側の世界へ」
このときカスパーはまだ知る由もなかった。
自分がどんな世界に足を踏み入れたのか、そしてこれが夜の始まりであることを。