Nightmares Never Die   作:山田夜守

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第二章 La source du sang, le destin du sang
第1話黄昏の誕生 the birth of the twilight


ケイン「暑いな...毎回こんな場所ばっかりだぜ、俺等が投入されるのはよ」

ケインが悪態をつく。

 

この日、bwss社のネロ・フェルナンデス率いる暗殺者《アサシン》部隊は、とある任務のためにアフリカ中央部のコンゴ民主共和国に入国していた。

そして、コンゴ民主共和国の空港をから兵員輸送車 ストライカーでとある町まで移動するところであった。

 

ネロ「おい、全員.....カスパーはストライカーに乗っているか?」

カスパー「ちゃんと乗っているよ」

エドワード「ok、じゃあ出発するよ」

 

ダスク「あれ?肝心のミッション内容忘れちまったぜ。

誰か教えてくれよ」

エーリヒ「...お前は人の話に耳を傾けなさすぎだぞ。

ミッションはこの国で活動しているアメリカの資源開発企業の護衛、警備だな。

まあ、その任務は俺達は今回は担当しないわけだが...

で、今向かっているのがその企業と落ち合う約束がある町だ」

ネロ「ただしそれは表向きの理由だな。

本来の目的はnightmareの捜索、抹殺だ」

ダスク「だよな。

それが一番わかりやすくていいぜ」

エドワード「やれやれ、脳みそまで火薬で満たされている男の言動は違うね」

エドワードが挑発し、少し、いさかいが起こる。

 

部隊がこの国を訪れる以前、bwss社はこの国にnightmareが潜伏している可能性を見出し、三人のnightmareのエージェントを派遣し、接触を試みたが、そのエージェントが全員、行方不明及び音信不通となっていた。

そのことでbwss社はnightmareによってエージェントは殺害された、もしくは拘束されたものと判断し、bwss社は暗殺者《アサシン》部隊の投入を決定したといった経緯であった。

 

ケイン「なんども言うようだけどよ、蒸し暑くてやってられねえぜ。

しかもよ、未知が全然舗装されてねえから、車体が揺れまくってうっとおしくてたまらねえ」

エドワード「エアコンをかけてもいいが、生憎、この国はガソリン補給が難しいから我慢してくれ」

ダスク「あれ?お前、出身は西海岸の方じゃなかったか?暑いのは慣れてそうなもんだけどよ。

それに...」

 

何かダスクが言いかけたが、ケインが遮った。

ケイン「カルフォルニアだ。

カルフォルニアはそこまで暑いというわけじゃないからな。

こことは全く気候が違うんだよ。

ていうかお前の方こそ平気なのか?お前出身東海岸だろ?」

ダスク「ジョージア州な。

なぜか俺は平気だな。

お前、ジャングルは慣れているだろ?」

ケイン「ジャングルは昔から嫌いなんだよ。

雨ばっか降るし、虫が大量にタカってきやがるしよ。

それに一番は厄介なのは、ゲリラのウジムシ共さ。

本当に憂鬱だ」

 

ダスクが話題を変えた。

ダスク「そういえばカスパーお前出身はどこだ?」

カスパー「僕は出身というか、馴染み深いのはノースカロライナ州だ」

ダスク「ノースカロライナか、行ったことはねえがガトリングガンを作り上げた、ガトリング先生の生まれ故郷だな」

エドワード「なにか含みのある言い方だったが、引っ越しでもしたのかい?」

カスパー「僕幼少期の頃の記憶がなくてさ、大きくなってからの記憶しかなくてさ、長く生活していたのがノースカロライナ州なんだ」

エドワード「何?それは初耳だ。

君の謎と関係があるかもしれない実に興味深い話だ。

早速質問だが、自分の年齢がいくつかわかるか?」

カスパー「いや、わからない。

僕の一番最初の記憶は警察の厄介になったときのものでさ、不審者がいるって通報があったって。

どうやら僕が夢遊病者みたいに徘徊しているところを見つかったらしい」

 

エドワードは目を輝かせながら質問を続けた。

エドワード「君に対する興味で僕は張り裂けてしまいそうだ。

見た目で判断すると20代後半といったところか」

 

ネロ「記憶があるのは何年くらい前からだ?」

カスパー「おおよそ15年くらい前かな。

知っていることやものも多かったが、知らないことやものも多かった。

電話やテレビなんて初めて見たときは、度肝を抜かれたね」

エドワード「15年か...てことは発見されたときは10代後半だとすると今現在は30前半くらいのもんか。

随分と若く見えるもんだ」

 

黙って聞いていたエーリヒが口を挟む。

エーリヒ「君、両親はわかるのか?」

カスパー「いや、全くわからない。

しばらく引き取ってくれた人の家で生活していたよ」

エーリヒ「名前は誰がつけたんだ?」

カスパー「引き取り手の家の人がカスパー・ハウザーと呼ぶようになったんだ。

僕が発見された時にとある所持していた手帳にその名前があったからだとか」

エーリヒ「なるほど、言葉については、始めから喋れたのか?」

カスパー「ああ、最初から何故か英語の読み書きと言語能力だけはあった。

言葉使いが古いと言われたけど」

 

エドワードが不満気味な様子で会話に入る。

エドワード「エーリヒ、僕のカスパーを取らないでくれ給えよ。

それでだ、発見されたとき、他に何か所持品はあったのか?

手帳には他に何か記載は?」

カスパー「ごめん、それについては記憶がないんだ。

その手帳も紛失してしまったし」

エドワード「それは残念だな。

手帳や他に所持品があれば君の能力なんかについて、おおよその推測ができると思ったんだがね。

だがそれだけ真実の暴き甲斐があるというものだよ」

 

カスパーは長く、質問の波に晒され続けたため、疲弊しており、話題を変えたかった。

カスパー「ところで、エドワード、君、出身は?」

エドワード「僕か?イギリスだよ。

イギリスのロンドンだ」

カスパー「アメリカかと思っていたよ。

それにロンドンか!ビッグベンなんかがあって華やかな印象があるね」

 

エドワード「そんなにいいもんじゃないさ。

都会の喧騒は心が休まらないもんさ」

カスパー「そうなのか...田舎にいた僕にとっては羨ましいけどね。

いつか訪れてみたいもんだ。

僕が戦場カメラマンとして活動していた理由の一つには、様々な場所に行くことができるからというものも含まれているんだ」

ネロ「そんなお前に朗報だ。

これからもお前は必然的に様々な場所に行くことになるからな」

カスパー「ああ...そうだった」

 

エドワード「よし、まもなく目的地の町「ルエスト」に着く。

カスパー、いずれまた君には聞きたいことがたくさんある。

楽しみに待っていてくれ」

 

不気味な笑みを浮かべながらエドワードは言う。

それを見てカスパーは背筋が凍った。

それと同時にエドワードからは少し距離を取ろうかとも考えた。

 

ネロ「カスパー、そういえば肝心のお前のコードネームを決めていなかったな。

お前のコードネームは「twilight」だ。

名付け親の俺には、我ながらセンスを感じるぜ」

カスパーはこのとき改めて世界の暗黒面とも言えるnightmareの世界に足を踏み入れたことを思い知った。

 

 

 

 

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