Nightmares Never Die   作:山田夜守

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第9話英雄の最期 end of the hero

カスパー「....あんたは死を覚悟しているように見えた。

あんたは英雄、生贄として集団の期待に応え、死ぬんじゃなかったのか?」

 

アイユーブ「......そうだな。

私自身はnightmareになる以前から、アル・フィクリユーンは暴走しすぎており、いつかは壊滅しなければならないと感じていた。

そんな時、私は死亡し、nightmareになった。

私は集団を最期まで導けと神からの啓示があったといったな。

最期まで導くこと、それはこの暴走したアル・フィクリユーンという組織に終止符を打つことであると判断した。

そして、私はこうも解釈した。

nightmareになったのは、これまでの生贄としての英雄像を覆すためだと。

つまり、私は私自身の意思を介在させて、組織を崩壊させることを選択した。

そして、その機会と捉えたのが今回さ」

 

ネロ「今回なぜ、組織に終止符を打つことを考えた?」

アイユーブ「......私たち、アル・フィクリユーンに交渉を持ちかけた相手が裏切り、私たちごと、葬ろうとしていることは、直感的にわかっていた。

最初はそれでも良いと思ったのが、裏切られて組織が壊滅するのでは示しがつかないと感じたんだ。

そこでだ、カスパーをさらい、君たちが救出に駆けつけ、私を殺し、組織が終焉を迎えることが妥当だと感じた」

 

ネロ「......俺達に殺されることを望んだと?」

アイユーブ「.....そうだ」

 

*********************************

 

とあるムスリムの格好をした謎の男が、アル・フィクリユーン、アイユーブの元を直接、尋ねた。

 

ゲリラ「おい、何だお前は?」

???「こんばんは、アル・フィクリユーンの団長の方はいらっしゃいますか?」

ゲリラ「団長になんの用件だ!?」

???「そうおっしゃらずに、話だけでも聞いて頂けませんか?」

ゲリラ「ええい!なら、俺が聞いてやる!話してみろ!」

 

???「実は.....」

ゲリラは急いで、アイユーブの元に向かい、事情を説明し、アイユーブが了承し、その男はアイユーブと顔を合わせた。

その男はnightmareだった。

部屋で二人きりになり、会話を始めた。

 

アイユーブ「まずはあなたの素性を明かしてはくれませんか?」

???「そうですね、私はアル・カイダに所属しているものです。

あなた方も元々はアル・カイダ所属でしょう?

アル・フィクリユーンだってその分派組織ではありませんか」

 

アイユーブ「ええ、そうです。

....それに、まさかイブリースだったとは思いませんでした....

私の部下にも二人ほどいます」

???「左様ですか。

そして、本題なのですが、イブリースのあなたに折入って相談がありまして」

アイユーブ「先ほど、私の部下が私に言っていた話ですね?

NATO軍のヘリコプターを攻撃してほしいと」

???「ええ、実はですね、相手はNATO軍ではないのですよ。

イブリースの集団なんですよ」

 

アイユーブ「そうなのですか?

余談ですが、最近も実はイブリースのものが接触をしてきたのですよ。

協力をしてほしいと言われましたが、拒否をしました。

私にはこの組織を導く使命がありますから」

 

???「そうですか。

まさにイブリースの集団はそのものと同じ組織に属しています。

あなた方がイブリースの集団のヘリを攻撃すると、イブリースの集団はヘリを飛び降りるでしょう。

そこで、あなた方にはその注意を引き付けてもらいたい。

ただし、人間がこの中に一人混じっています。

その人間が私の標的です。

あなた方にはその注意を引きつけてもらっている隙に、私の仲間のものたちがその人間を拉致します」

 

アイユーブ「人間がヘリコプターから飛び降りては危険なのでは?」

???「恐らく、イブリースの中の誰かが安全を確保するでしょう。

その人間は特別な力を持っており、イブリースを発見、感知する能力が通常のイブリースよりも高いです。

ですので、その人間をできるだけ、他のイブリースから引き剥がし、我々が拉致する時間稼ぎをしてほしいのです」

 

アイユーブ「なるほど、イブリースは全員で何人いるのですか?」

???「操縦手も合わせて、全員で14人です。

そして、その戦力もできるだけ分散させてもらいたい」

アイユーブ「......それをして、私たちにメリットがあるのですか?」

???「そのイブリース集団はあなたを殺しに近々、アフガニスタンに入る予定です。

くれぐれも、周囲にはNATO軍の精鋭という風にお伝えくださいね」

 

アイユーブ「......それはありがたい情報だ。

ぜひとも、協力しましょう」

この時、アイユーブはアル・フィクリユーンを自らの手で壊滅させることを決意した。

暗殺者《アサシン》部隊、大鴉《レイブン》部隊を襲撃する計画を綿密に立て、二つの部隊のヘリが飛行するルートも男に教え、連携がとれるようにと無線機を男がアイユーブに渡した。

 

???「まず、あなた方、イブリースの御三方がヘリに同時に攻撃を仕掛けてください。

その時、しっかり相手に姿を晒すこと。

そして、御三方は別々の方向へ逃げてください。

御三方のうち、標的の人間は誰かを追ってくるはずです。

追われた方は、我々に無線で連絡を入れてください。

そこへ、私の仲間が人間の回収に向かいますから」

 

アイユーブ「わかりました。

周囲にはNATO軍のヘリを攻撃すると伝えればいいんですね?」

???「ええ、そうです。

あとは発信機さえ、彼に付けてしまえば.......」

アイユーブ「何かおっしゃいましたか?」

???「いえいえ、なんでもありませんよ」

 

 

*********************************

 

アイユーブ「......最後に君に言っておきたいことがある。

英雄であったり、偉業を成し遂げることを目指すな。

私のような末路を辿ることになる」

カスパー「いや、僕はそれらを目指しているわけじゃない。

僕は僕の信念を貫くだけだ」

アイユーブ「.......その果てに私の二の舞になると言っているんだ」

カスパー「いや、たとえそうなったとしても構わない。

それは僕が選んで道であり、それは僕のあり方そのものだ。

そこに後悔はない」

アイユーブ「......言っても無駄か....。

だが、それが君なんだな」

そう言うと、アイユーブは息を引き取った。

 

ネロ「....戻るぞ」

六人はアイユーブの死体を回収し、他のメンバーがいる場所に戻る。

 

ケイン「お!帰ってきたな」

ダスク「カスパー!無事か?」

カスパー「ああ、心配をかけたね」

ダム「お前がカスパーか、よろしくな。

ダム・シナワットだ」

カスパー「ああ、よろしく。

カスパー・ハウザーだ」

この白いフェイスペイントを付けた男は飄々としているが、カスパーには頼もしい存在と感じた。

 

伊吹「黒崎伊吹よ。

よろしくね、カスパー君」

カスパー「よろしく、カスパー・ハウザーだ」

このポニーテールの女性はカスパーにとって物腰柔らかで、頼りがいがある風に感じた。

 

ラートリー「わたしたちも改めてしておこうかな。

ラートリー・マガルよ。

よろしくね~」

このベレー帽を被った女性はどこか狂気的にカスパーには映った。

 

ペルマラム「ペルマラム・グラップです。

よろしくお願いしますね、カスパー君」

この軍隊ゴーグルを装着した女性は穏やかながら、どこか恐ろしいとカスパーは感じた。

 

ダム「他にもまだメンバーがいるんだが、今回は来てねえ。

また、紹介するぜ。

そして、早速だが、カスパー。

俺の部隊に入ってくれよ」

ネロ「そりゃあ、聞けねえ相談だな」

ダム「俺はカスパーに頼んでいるんだぜ?」

ネロ「最終的な判断を下すのは俺だ。

もしくはうちの部長だ」

二人が睨み合う。

カスパー「まあまあ、二人とも」

カスパーはしばらく、二人をなだめ続けた。

 

ダム「ところで、カスパー、良いことを教える。

伊吹にちょっかいを出すと面白いぜ」

伊吹「ちょっ、ちょっと!何教えてるのよ!」

カスパー「そうなのか?」

伊吹「カスパー君も真に受けないで!」

ダムがカスパーの耳元でとあることを吹き込む。

 

ダム「ただしだ、他二人に出すのはやめておけよ。

特に、ペルマラムはヤバい」

カスパー「え?どんな風にヤバいんだ?」

ダム「あいつの馬鹿力は半端じゃねえんだ。

nightmareはそもそもが人間よりも力が強いが、その中でもあいつのは一級品だ」

ペルマラム「.....何をこそこそと話しているのですか??」

カスパー「いやー、何でもないんだ」

 

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