カスパー「ひぃ!」
カスパーは三人の姿を確認し次第、言葉にならない声を上げた。
エーリヒ「落ち着け、俺達は君を救出しに来たんだ。
怯える必要はない」
ケイン「ん?こいつの怯え方、なんか奇妙じゃねえか?
まるで...」
カスパーの動揺の仕方は常軌を逸しており、まるで怪物でも眼の前にするような怯え方であった。
カスパーは戦場での身を刺すような鋭い感覚を眼の前の者たちから感じてた。
カスパー「赤い....赤い....」
ケイン「赤い!?おい、こいつ!見えてるんじゃねえのか!」
次の瞬間、カスパーの目が青く変化し、薄暗い部屋に青い閃光が走った。
その瞬間、三人が臨戦態勢と言わんばかりに身構え、各々の武器をカスパーに向けた。
誠士郎「この男、まさか?しかし青い目?」
エーリヒ「いや、しかしこの男からは確認できない」
ケイン「で、どうするんだ?こいつの処遇は」
誠士郎「....彼は人質で、救出せよとの命令だからな、この場から連れ出すしかあるまい」
ケイン「だが、得体が知れねえから危険であることには変わりねえ」
カスパー「....向こうにも....数人...いる...]
ケイン「....どうする?確定みたいだぞ」
その瞬間、ネロからの無線を受け取った。
ネロ「....savage、yamaneko、wolf、こちらaquila。
そちら側の居場所を報告せよ、over」
それにエーリヒが応答する。
エーリヒ「....こちらwolf、緊急事態が発生した。事態解決までしばし待たれよ」
無線通信の後、探り合いのような状況に痺れを切らしたケインが口を開いた。
ケイン「ああもう埒が明かねえ!
ひとまずこいつを外へ連れ出すぞ!」
とケインはカスパーを肩に担いで階段を駆け上がる。
それに二人が続く。
勢いよく建物を飛び出すと三人が他全員の人質とブラックホークに担ぎ込み終わった後であり、ブラックホークは離陸していた。
ネロ「最後の一人は発見できたのか?
それにしても随分かかったな。
最後の一人はヘリの定員の関係で俺達のハンヴィーに乗ってもらう」
エーリヒ「ああ、少し特殊な場所にいたもんでな...それより後で話がある」
ネロ「話?まあいい。
兎に角今は悠長に談笑してる場合ではない。
ケイン、お前はリトルバードへの搭乗だ」
ケイン「心得ているぜ」
そう言ってカスパーを方から下ろすと、建物に戻り、階段を駆け上がり、屋上に止まっているリトルバードへと乗り込む。
ケイン「よう、待ったか?」
イヴァン「....別にそんなことはない」
イヴァンが軽く返事をし、リトルバードが離陸した。
ネロ「君がカスパー・ハウザーだな?悪いが事情を説明してる暇はないんでね、俺との距離、50cmを決して離れるなよ。
まともに歩くのが難しければ手を貸すが?」
カスパー「...んん..ああ、歩くのに問題はないよ」
ネロ「そうか?タフな男だな。
その重症では立っているのも苦しそうだが、まあ兎に角来てくれ」
エーリヒ「それより、君、さっきはひどく動揺していたが、平気か?」
カスパー「取り乱して、申し訳なかった」
言葉ではそう言っているが、まだカスパーは怯えている様子であった。
ネロ「では、君は俺の運転するハンヴィーに乗ってくれ、エーリヒは、彼の身の安全を確保してくれ。
ダスクは搭載してある*M2で援護しろ。
エドワードはもう片方に乗り、俺達の前側を走行し、ナビゲートを頼む。誠士郎もそちら側に乗れ。
では撤収開始だ」
*アメリカで開発されたマシンガン
各自返事をし、それぞれの車両に乗り込む。
ネロ「「....リトルバード、こちらaquila、ブラックホークの前を飛行し、適宜、障害がある場合は排除せよ、over」」
リトルバードの操縦手「「....こちらリトルバード、了解した」」
通信後、二つの機体は目的地へと飛び立つ。
二台のハンヴィーはヘリを地上からの支援のため進行方向に車を走らせる。
車の走行中、エーリヒが口を開く。
エーリヒ「単刀直入に聞く、カスパーだったか?
君、俺達の周りに赤いオーラのような存在が漂っているのが見えているだろう?」
それを聞いたネロがすかさず運転しながら口を挟む。
ネロ「何?本当なのかそれは?
...報告には聞いていないが...」
ダスク「まじで??こいつが??こいつからオーラは見えねえぞ?」
カスパーは少し恐怖を感じながらも話し始めた。
カスパー「ああ、以前から極稀に見えるんだ、赤く淀んだようなオーラが...」
ダスク「以前ってのはどれくらい前だ?」
カスパー「詳しい時期はわからないが、僕が戦場カメラマンとして活動し始めて、戦場でうっすら見えるようになったのは覚えている。
そして極稀にあんたらのようにはっきりと見える。
いや、その前にも病院で同じような経験をしたことがあるような...」
ネロ「カスパー、突拍子もない質問かもしれないが、真剣に答えてくれ。君、死んだことはあるか?」
カスパー「え??死んだこと??あるはずないだろう?もし仮に死んでいたら僕はこの場にはいないはずだ」
ネロ「...妙だな。
ok、質問を変えよう。
君、自分に尋常じゃない、人よりも身体能力が高いといった特徴があると感じるか?」
カスパー「いや、あまり感じないかな、だけど僕はよくタフだとは言われるよ」
エーリヒ「ああ、そういえば肝心なことを言い忘れていた。
さっきのあの...」
エーリヒがそう言いかけている瞬間、無線が入った。
エドワード「「...こちらparadox、前方路地から敵車両の接近を確認。
即刻迎撃態勢に移行する」」