ネロはカスパーの奇想天外な案を聞いて一瞬唖然としたが、すぐに面白いといった様子で不敵な笑みを浮かべた。
ダスクも同様の表情を見せ、エーリヒに至っては呆然とする他なかった。
カスパー「よし、時間がない。
すぐにでも実行に移そう。
段取り通り、まず、あんたが敵の車のフロントガラスとサイドガラスを割ってくれ。
その際の肝は相手に弾丸を直撃させないことだ。
よろしく頼むよ」
エーリヒ「...土壇場でとんでもないことを考える男だな...
まあでもやるしかないようだな。
だがこの場合俺が適任ではないか?」
カスパー「いや、あんたは説明したとおりの手順で作戦を実行してくれ」
エーリヒ「...了解だ。
だがくれぐれも死ぬんじゃないぞ。
いくら君が丈夫だとしても」
そう言うとエーリヒは早速、精密射撃で定評のあるMP5で車両の天井に空いている射撃用の穴から発砲し、民兵の車のガラスを割った。
民兵「おっと、最後の悪あがきってか?
第一俺に当たってねえじゃん!
そんなことしても寿命を縮めるだけだぜー?」
カスパー「次は誰か携帯電話を貸してくれないか?フラッシュ機能があるものだ。
俺のは行方不明になってしまったからな」
ダスク「とりあえず俺の携帯を使え。
フラッシュ機能も付いてる。
それにしてもお前面白いやつだな、感心したぜ」
カスパーはダスクから携帯電話を受け取る。
カスパー「よし、そんで相手の車両に少しだけこの車を寄せてくれ」
そう言ってカスパーは先程の天井の穴から出て、ハンヴィーの後方部へと
立った。
民兵「はあ?イカれてんのか?一体なにする気だよ??」
ネロ「これ以上は寄せられねえ。
飛ぶなら今だ!」
カスパー「言い忘れていたけどね、俺は以前から無茶なことをするってことで評判があったんだ。
だけどこの場合、無茶ではなく、度胸があると言ってほしいね」
そう言い残すと、カスパーはポケットから携帯電話を取り出すとハンヴィーの車両後方から思い切り飛び、民兵の車両のバンパーに飛び乗った。
一瞬の出来事に民兵は困惑している。
その隙に即座に、携帯電話のフラッシュ機能を使用し、相手の目をくらませた。
そして先程割った窓ガラスの隙間から手を伸ばし、民兵が手にしていた携帯電話を取り上げ、また二車両の間を飛び越えた。
民兵の車はスリップを起こし、挫折した。その隙に民兵の車から距離を取り、民兵の携帯電話をネロに手渡し、運転しながら操作し、民兵の車を爆破させた。
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その頃、民兵たちは何やら会話をしていた。
民兵「第二関門、突破された模様です。」
アスワド「...ああ、了解した。
それにしても、この布陣を突破するとはな...」
民兵「今現在、計画通りヘリに攻撃を集中する第三関門を敷いております。
このまま第四関門を敷きますか?」
アスワド「いや、俺直々に相手取ろう。
連中、中々骨があるじゃねえの。
「アル=バアス」、団長のこの俺が直々に神聖な地を踏み荒らす不届き者に裁きを加えてやる」
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その頃、民兵によるRPG7やSVDの攻撃が二機のヘリを襲っていた。
ケイン「地上攻撃が止まったかと思えば、今度はヘリへの攻撃が増えやがった。
RPG持ちの民兵がうぜえな」
イヴァンは黙々とそういった民兵の処理を行っていた。
ケイン「それにしてもよ、さっきのあいつ、痺れたぜ。
いきなり丸腰で外へ出てきたと思ったら、あんな破天荒な行動にでやがってな。
最高に刺激しやがるぜ」
興奮気味のケインとは対照的にイヴァンはあまり興味がない様子であった。
一方、撃破後のカスパーたちはというと
エーリヒ「君、あの青い目は一体なんだ?それにあんなに無茶...
いや、勇敢な行動ができるのに、俺たちを見たときなぜあんなに怯えていたんだ?」
カスパー「あの目は...わからない。
ただ、身を刺すような感覚がするときがあって、そう時はあの目に咄嗟に切り替えてしまう。
怯えてた理由についてはあの感覚を感じるとどうしても萎縮してしまうんだ。
あの無鉄砲さについては僕の前からの性分なんだ」
エーリヒ「今は平気なのか?」
カスパー「あんたらの体からのオーラは、ばっちり見えているが、しばらくすると慣れてくるんだ」
ネロが興味深そうに語りかける。
ネロ「身を刺すような感覚...それは何だ?
どんな時に発症する?」
カスパー「オーラが見える時に発症することが多い。
そうでなくても戦場などでは発症することが多いね」
ネロ「通常の目と自由に切り替えられるのか?
何か変化はあるのか?」
カスパー「切り替えは可能だよ。
より広範囲のオーラが見えるようになる。
何かしらの障害物があっても、オーラは透けて見えるんだ。
今やってみせる」
そう言うと、カスパーは自身の目を青く変化させた。
ネロ「...もしかしたら、いや確実にnightmareと何か関係があるな...」
ネロがそう言った瞬間、カスパーが怯え始めていた。
カスパー「...ああ...向こうにオーラが見える...」
ネロ「何だと?どの方角だ?」
カスパー「正面からだ...でもまだ距離がある」
ネロが無線通信を始める。
ネロ「「....paradox、こちらaquila、前方にnightmare出現の可能性あり、注意を怠るな、over」」
エドワード「「こちらparadox、了解した」」
カスパー「...どんどん距離を縮めてきている...」
エドワード「誠士郎、射撃用意だ!」
誠士郎「了解だ」
そう言うと、誠士郎は天井の穴から顔をのぞかせ、射撃体勢に移る。
それと同時に前方から猛スピードで二台の車両に突進してくる車両が出現した。
その車両の上には何か人影のようなものが見える。
誠士郎は即座にFN FNCで猛烈な攻撃を浴びせ、運転手は死亡した。
それと同時に、人影らしきものは姿を消した。
そして次の瞬間ネロたちの乗る車両の前を走行していたエドワードたち車両のボンネットに強烈な衝撃と音が走った。
その正体は先程の人影もとい、民兵であった。
しかし、民兵は人の姿をしているが、人ではない何か禍々しい雰囲気を纏っていた。
そして、民兵の目が赤く変化し、闇を照らした。
カスパー「...あいつだ..あいつが...」
ネロ「....nightmareだ!!すぐに仕留めろ!!」
一瞬で彼らの雰囲気が一変した。
誠士郎は咄嗟に天井の穴から飛び出し、腰に携えていた軍刀を手に取り、間合いを図り始めた。
それと同時に誠士郎の目も赤く変化した。