TS転生クレープ屋NPCはアキラに喰われたくない 作:黒巛清流
「どうぞ~、カスタードたっぷりチョコクレープです~」
客にクレープを渡し客をさばく。
キッチンカーという小さなお店ではあるが客足はそこそこ。
客足をさばいてふぅーと一息つく。
この世界に転生してから十数年。この世界がゼンレスゾーンゼロの世界と気づいてからも十数年。
僕はクレープ屋という地位を手に入れて生計を立てていた。
前世では男でまぁ普通の人生を過ごしていて。気が付いたら転生していた。
「…ねぇねぇ、あのクレープ屋さん超かわいくない?」
「…わ、本当だ」
少し離れた所からの女子高生の声が聞こえたので笑顔で手を振る。向こうからきゃーっと聞こえた。
僕の体は所謂ゼンゼロ体型と呼ばれる物だった。
胸でっか、腰ほっそ、太ももふっと…すらっとしてる。
っといった感じである。凄い簡単に言うと師匠…儀玄とかイヴリンみたいな体型である。
これを見て僕が思ったことは一つ、もしかして僕ってプレイアブル…!?っと。
興奮が抑えられなかった僕はホロウ耐性もあったし武器を用意して潜ってみたこともある。
結論からいうと意外とやれた。改造トンファーを使ってエーテリアスを何体か倒して自分って結構やれるじゃん!ってなったんだけど。偶然見つけた原作のエージェントが戦う所を見て気づいた。
あ、全然違うわ…と。動きから戦い方も全然違う。これ私はエージェントではないなって。
あんなにスタイリッシュに動けないよ僕、原作では女子高生とかアイドルもいるってマ?
と、言うわけでエージェントの道をあきらめてNPC…ココとか紅豆みたいなポジになれたらいいなぁ…って。
ということで原作でなかったはずのキッチンカーでのクレープ屋さんを始めて見た。思ったよりは盛況で生計を立てれるぐらいの稼ぎは貰えている。
という感じ。はい、自分語りおしまい。
というわけで現在はクレープ屋を営んでおり、現在は六分街にいます。
「やあ、クリス」
「あ、アキラ。いらっしゃい~」
主人公様が来たぞー。あ、自己紹介が遅れました。
クリスティアラと申します。みんなからはクリスって言われてるよ。
主人公面子のアキラとリンはやたらとクレープを食べにくる。もしかして何かバフでも乗ってる? うちのクレープ。ちなみに来る頻度はアキラが多い。つまりイアスを操作しているのはアキラ…!
そんな推理のような何かをしたところで注文を受ける。今日もホップシャワーか、特定の誰かと一緒にいるのかな? ちなみにホップシャワーはキャンディとミントを使ったクレープだ、どこぞの31は関係ないのである。
「他に何かありますか~?」
「じゃあ店員さんを」
「店員さんは非売品です~」
あとこのアキラ若干軟派というかチャラい、二次創作のビデオ屋のゴミ感が凄いのだ。
やたらと僕を口説こうとしてくるし、いつも違う女の子を連れている。
うぅーん…原作でもそれっぽい感じだったし今の体が女で会話してるからそういう印象受けるだけなのかな。
いやまぁそれは真実だったわけだけど。
「はいホップシャワー出来たよ~」
「ありがとう、また来るよ」
アキラに商品を渡して見送る。さていい感じに材料も減ってきたしそろそろ店じまいするかな~。
自由業というものはこういう時に便利である。ちなみにちょっと副業もしているので資金には余裕があるのだ。
キッチンカーのシャッターを下ろし、エプロンやなんやを着替えてCLOSEDに看板を変える。
許可取ってるし車はここに置いたまま辺りを散策しようとフラフラと歩く。
そういえば…
「お、いたいた」
辺りを見てみるとアキラを見つけた。クレープはすでに食べ終えているようで散策しているようだが。
「今日はエレンか」
隣にいたのはメイド服姿のエレンだった。不機嫌そうな顔をしているがそれはいつものことなので。
そもそも距離近いし熱っぽい視線を向けているし親愛度はかなり高そうだ。
アキラはそんなエレンの腰に手を回し抱き寄せた、エレンも特に抵抗せずに身を寄せる。
そしてそのままホテルの方へと消えていった。というか入ってった。
説明するけど、多分この世界のアキラは女性エージェントみんな喰ってる。
いやだってよく見るんだもん。
ホテルから出てくるアキラとくたっとした邪兎屋のニコとアンビー。真っ赤な顔をしてアキラにしだれかかりながら歩いているシーザー。アキラにしがみついて離れないクレタ。真っ赤になりながら気絶している朱鳶を運ぶアキラ。お腹を擦りながらアキラに身を寄せている雅。変装したアストラとイヴリンを連れてホテルへと行くアキラ。小言を言いながら裏路地へと消えていく儀玄。柚葉にからかわれながらホテルへと行くアリス。本当に色々みた。
一番驚いたのはアストラだよね。ニュースとか見ててお、1.5始まったか~って思って数日後にホテルから出てくる二人を見た時変な声が出そうになったよね。超有名人なんですよあなた!?
そんなことを思ってたらホテルがある方から顔を真っ赤にしながらアキラに腰を抱かれて出てくるイヴリンを翌日見た時にはもう言葉すら出なかったよね。
色々な女性を喰っているアキラであるがそれはエージェントだけに向いているのでまだよかった。
まさか妹にまで手を出したりしてないよな…? とか思いながらもルミナススクエアや六分街、あとは衛非地区にも行くようになった。
そして本日はルミナススクエアで営業中である。
ルミナススクエアはクレープ好きな子が多いからか材料がなくなるのがものすごく早い。予定時刻の二時間前には終わってしまった。仕方ないのでCLOSEDにしてどうしようかと顎に手を当てる。
……あ、そうだ。ココのリチャード・ティーミルクに行ってみようかな。久し振りに飲みたいし。
「……あれ?」
ココがいない。店は開いてるけどCLOSEDになってる。
ワンオペって言ってたし食事とかトイレ休憩中かな。
「仕方なしか~、いつものことだけどタイミングが悪い」
どうも僕は間が悪い。見ちゃいけないものを見ちゃったりこういう行こうと思った時に離席中だったり。
仕方ないのでフラフラと歩いていると…。
「…?」
人通りのない裏路地にて何かが見えた。ピンクと黄緑の…もしかしてココ?
こんなところで何してるんだろ、もしかして原作ではなかったけど実は煙草をスパスパしていたりするのか?
と野次馬根性丸出しでこそこそと覗きに行ったら…。
「……っ♡」
…え?
嬌声が聞こえた。声も何度か聞いたココの声である。
思わずバクバクと鼓動を速めた心臓と口を押さえながらこそっと裏路地を覗く。
そこにはアキラとココがいた。裏路地にいることを除けばいてもおかしくないのだが…
ココは下着を下して壁に手を着いており。
アキラはココの背後にいて水音が聞こえる。
つまり簡単に言うと。ヤッてた。
!??!!?!?!??!?!?!?!?!??!?!??!?!!!!?!?
脳内大混乱である。意外とアキラのアキラでかいのね~とかここではまずいでしょとか色々と思考はしたが僕はそのまま逃げだした。いやぁ、元が男とはいえめっちゃ驚いたし大混乱だったよ。
しばらくしたらココはいつもみたいに店にいたしアキラもいつも通りだった。
今までの状況だとそこまで問題にしていなかった。あーエージェントを食い荒らしている~で笑って済んだから。
問題はさっきのココみたいなNPCポジの子である。
キッチンカーなので色んな所に回るのだが……、さっきのココを見た後のことである。
ココをはじめ、明けの明星、紅豆までアキラは色々なNPCを美味しく頂いていた。
こうなってしまうと懸念が生まれる。
あれ、僕も喰われる?
ちゃんとしてれば大丈夫だろ~って思うかもだけど。さらっとホテルに連れ込まれてもおかしくない。
いやアキラって話し上手だし気の使い方も上手だからついついパーソナルスペースが狭くなっちゃうんだよね…。
……いやもうこれ喰われる前振りみたいになってる。やばい! 流石に元男としてアキラに抱かれたいと思わないし…。僕は絶対にアキラに喰われないぞ!
……やっぱり即落ちの前振りにしか見えないな。
単純計算でも40人ぐらい喰ってるなアキラ…。
強すぎる…