1989年9月 ロベルト
「それではいってらっしゃいませ」
ペンは深々と頭を下げた。
「屋敷のことは頼む。それと手紙で色々と頼むこともあるから頼む。」
「畏まりました。」
ペンとの挨拶を終えて、ホグワーツ急行へと乗り込む。まだ、出発まで30分あるためか、生徒は少ない。空いているコンパートメントに入った。
拡張呪文を付したトランクからティーセットを出して、紅茶を飲んでいると、少年が入って来た。
「ここいいかな?」
「どうぞ」
少年はトランクを置いて、余の向かいに座るとにっこりと笑いながら問うてきた。
「君も一年生?」
「そうとも」
「僕はセドリック・ディゴリー。よろしく」
「余はロベルト・フィッツロイ。こちらこそよろしく。紅茶はいかが?」
「ありがとう。もらうよ」
余は紅茶を入れて手渡した。
「君のトランクはどのくらい拡張してあるの?僕のは教科書と鍋とかの学用品を入れたらもうパンパンで。」
「大体このコンパートメント5つ分かな」
「すごい!高かったんじゃない?」
「いや、自分で拡張呪文をかけたよ」
「自分で!僕なんて一年生用の教科書を読んだだけだよ。すごいね!」
「拡張呪文は高度な魔法に分類されるけどアクシオを使えればなんとかできるよ。」
「僕はアクシオなら少し使えるけど…」
「ならやってみようよ。ここにスコーンが入っていた箱があるからここにかけてみなよ。呪文の最後に手首を捻るようにすると成功しやすいよ」
「やってみるよ」
セドリックは少し緊張した面持ちでゆっくりと呪文をかけた。
「少し広くなってるよ!」
「できたじゃん。よかったね」
「ありがとう」
「せっかくだからローブのポケットに拡張呪文かけてあげようか?羽ペンとか入れておくと便利だよ」
「本当に!助かるよ」
余はポケットに拡張呪文をかけてあげて、セドリックは早速羽ペンを入れてポケットの具合を確かめた。
そして、セドリックは不安そうに問いかけた。
「そういえば、寮はどこになると思う?両親がハップルパフだから僕もハップルパフかもしれない。君は?」
「両親はマグルだしどうなるのかな?気質としてはレイブンクローかも」
「そうだね。君の知識には感服するよ。きっとそうだね」
その後も魔法使いの家はどうなっているかや、どの教科が面白そうかなど話していたらもうホグズミード駅に着いていた。
「イッチ年生はこっちだ!」
ハグリッドがランタンを掲げながら大声で呼びかけている。
ハグリッドに従って歩いていくとボート乗り場に着いた。その後、4人ずつボートに乗り組むとボートはひとりでに進み始める。そして、大きな橋をくぐるとなんとも見事なお城が現れた。その光景に感嘆しないものはおらず、余もまた、その壮麗さに感嘆した。
その後、ホグワーツに着いてからはマクゴナガル先生の案内を受けた。その後、待機している間、ゴーストが現れた。余はゴーストに対して色々と実験したくてウズウズしていたが、マクゴナガル先生は一年生が何もしないようにと目を光らせていたので何もできなかった。余は一人の時に色々試そうと決意した。そして、組み分けの時間がやってきた。
組み分け帽子はそれぞれの寮の特徴を歌い上げ、生徒がアルファベット順に呼ばれる。
そしてセドリックが呼ばれた。
帽子は少し考えた後高らかに叫んだ。
「ハップルパフ!」
なるほど、確かにあの優しさならハップルパフに相応しいな。他人のことながら、少し嬉しかった。
その後も組み分けは進み、ついに余の番になった。余の名前が呼ばれ、帽子が頭につくその瞬間、
「レイブンクロー!」
と高らかに叫んだ。
余は帽子に一礼して、帽子をマクゴナガル先生に返して、レイブンクローの席に着いた。
その後も恙無く組み分けが進み、最後の子がスリザリンに組み分けして、ダンブルドア校長は前に進み出た。
「おめでとう諸君。歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。
では、いきますぞ。そーれ! わっしょい! こらしょい! どっこらしょい! 以上!
」
余は少し呆然として周りを見渡すと、諸人も呆然としており、魔法界でも奇人であるらしい。
その後料理が出現して、舌鼓を打った。
その後、監督生の引率の元、レイブンクロー寮に案内された。
寮に入るにはいちいちクイズに答えなければいけないらしく、甚だ面倒だ。しかし、寮が塔にあるので眺望はよく、青とブロンズで装飾された談話室はとても落ち着く。
さて、早速、個人のラボを作ろうと思う。なんと学校が用意した部屋は相部屋だった。実験器具を置くのにかなり不足しているので致し方ない。丁度談話室にある鷲の絵の下には何もなかったので、扉をつけて拡張魔法や空間魔法を用いて、かなりの広さのラボを作った。さらに、どこにいてもラボに行けるように姿現しで直接行けるようにしたいが、なかなかうまくいかない。そういえばホグワーツは姿現しできないんだった!姿現しはこれからの課題として、まずはラボを整理することにした。作業をしていたら、先輩から何をしているのかと問われたのでラボを作っていると答えたら何やら呆れられた。どうしてだろうか?そうこうしているうちに1日が過ぎて行った。
入学初日にラボを作る主人公