ソシャゲの序盤で死ぬヒロインにTS転生したけど、とりあえず主人公くんをいじりたい 作:あまぐりムリーパー
「こんころ~!新人Vの縁故つめるだよ!今日も、ラスト・インヘリタンスを進めていくよ」
:こんころ
:こんころ~
:お嬢のランヘリ、久しぶりだな
「は?この前、水着イベントやったが?」
:鬱ゲーの日常回ね
:帆花の美脚好き
:あの、蒼空ちゃんの水着は?
「鬱ゲーじゃなくってぇ……ってかそう、蒼空ちゃんの水着ね。本当にどこ???」
:そんなもの、うちにはないよ
:ifでいいから見たかったです
:他のキャラの水着のことも思い出してあげて
「確かに。怜菜はすごかったね」
:語彙力失ってる
:すごかったけど
:でも褒めないと無理やり見せつけてくるよ
「めんどくさくてかわいいよね」
:そんなのしかいません
:ブルースカイのみんなかわいいです
:ソアチャン
「希沙もボロボロそうでかわいいし、帆花はツンデレかわいい」
:実際、つらい一章後になごんだから神イベ
:温度差すごいけど
:ソアチャン
「まあまあ。水着イベは置いておいて。二章やるよ!」
:きたー
:一章がピークだったりしない?
:水着イベの最後に、第四の情報出てたよね
「そうそう。獣の深禍は第四絡みみたいなやつ。」
:獣って怜菜絡みなんだっけ
:一章の敵は虫だったよね
:章ごとに違う?
「いやー、どうなんだろうね。深禍災害ごとに系統が決まってて、第五の予兆があったから虫ばっかり出てたとか?」
:ありそう
:今回、渚くん戦えるから活躍期待
:こういう受け継いだ力好き
「私も好きだけどさあ、やっぱ蒼空ママと一緒に戦いたかった!!!」
:お嬢、落ち着いて
:俺もだよ、お嬢
:蒼空ママはまだ死んでないけど?
「現実見れてないやつがいるね?ifから帰ってこい!とりあえず、二章スタート!」
:正直、ちょっとめんどくさかった
:ほら、アバドンなしで深禍災害の相手しないといけないから
:お前ら、ネタバレ注意な
流れてくるコメントを見るのをやめて、縁故つめるはゲームを進めていく。
獣の深禍についてや、深禍災害がどういう状況かの説明が流れていった。
「ふむふむ、でっかい混合型深禍の周囲にたくさん獣の深禍がいるわけですね。ってか、敵でっか……イメージ映像だけどビルとかよりもでかいじゃん」
:第五のやつよりもでかそう
:これどうやって倒すんですか?
:雑魚もいっぱいいるのやばいよね
「第四の方が、第五よりも強そうだよね。と、それから新キャラだ!」
画面が進んでいくと、黒のショートカットの少女が画面に映る。
「小さめの黒髪ショートだ。……若干蒼空ちゃんと被ってない?」
:わかる
:元気だし
:敬語キャラだからちょっと違うかな
「うわ、渚君も似たようなこと考えてる。っていうか、蒼空ちゃんのことフラッシュバックしてる!!?」
:渚くん、わかるよ
:メンタルぼろぼろな人しかいないチーム
:まあ、チーム名にブルースカイってつけるぐらいだし
「本格的に二章が始まってきましたね!」
◇◇◇
教室の中で、たまたま黒髪ショートの女の子と鉢合わせた。
「こんにちわっ!」
元気よく挨拶するその子は、にこりと微笑む。
その笑顔がなぜか、明上蒼空を思い出してじくりと胸元が痛んだ。
「え、元気なさそうですか?」
少女はこちらを覗き込む。心配そうな顔が、じーっと、僕の様子を見ている。
「《サウンドウェーブ》――"ポジティブビート"」
と、そのときに急に耳元に旋律が鳴り響いた。
陽気な音楽や、ハイテンポな曲など。様々なものが流れてくる。
次第に、胸元に刺さっていた沈鬱な気持ちが少しずつ軽くなっていく。
「元気がでましたか?」
そういう彼女の言葉に、自然と頷いた。
「改めて、飯島夏音って言います!よろしくお願いしますねっ?」
◇◇◇
「待って、この子結構やばくない?」
:なんか洗脳みたいなことしてないか?
:気のせいでしょ
:元気づけてるだけかもしれないし
「うーん、そっか。見た感じ、普通に元気そうな子だし」
:こういう子に暗い背景をつけるのがランヘリ
:今まで過去にえぐいこと経験してないやつ、怜菜ぐらいだし
:怜菜も獣絡みで何かありそうじゃね
「確かにね。今回、怜菜の掘り下げあるのかな。帆花も入ったばかりだし」
:第五の時に帆花いたら変わっただろうなあ
:でも、今までの感じから伶菜の過去は普通そう
:過去は普通でもいいから、早くデレてほしい
「いや、別に伶菜以外もデレてほしいけど?帆花のデレとか見たいでしょ」
:それはあるね
:近寄ってはデコピンして帰っていく女ね
「とりあえず、続きやるよ!」
◇◇◇
第四深禍災害が本格的に動き出したことが描写されていく。
ブルースカイ含め、複数チームたちが現場に到着し、出撃していく。
獣の深禍たちが一斉に押し寄せてきた。
そこに、向かおうとみんなが立ち上がる。
「《サウンドウェーブ》――"ネガティブビート"」
そこに、一つの音楽が流れた。耳をつんざく、嫌な旋律。
カースシーカーやコネクターたちの耳には、それは入ってこない。その対象は、深禍たちだけ。
「みなさん、大丈夫ですかっ?」
飯島夏音、彼女のスキルによって獣の深禍たちは無効化された。
口々に、感謝の言葉が彼女に集まっていく。
「いや、そういうのいいので!みなさんで一緒に飛ばしましょう!《サウンドウェーブ》――"ポジティブビート"、第四退治ですよ!」
軽快な音楽と共に、カースシーカーとコネクターたちは、中央へと向かっていく。
新たに発生した深禍たちもいる。急に発生したせいで、コネクターの安全性を考えて進むスピードが落ちる。
けれど、篠崎渚だけは違う。戦うことができる唯一のコネクター。それを無理やり突破していく。
「ふふふ、いいですね。篠崎渚さん!」
それを背後から、軽快に笑って眺める飯島夏音がいた。
◇◇◇
「いやまって。この子のスキルやっば」
:雑魚敵ほぼスルーしてるのすごいな
:しかもバフできるらしい
:性格も好き
「渚くん一人だけ戦えるから、ちゃんと主人公していいね!」
:わかる
:蒼空ちゃんの遺したものが役に立ってる
:これ蒼空ちゃん生存ルートだとどうなるの?
「たしかに渚くん戦えないなら、どうするんだろう。飯島夏音ちゃんいるから、大丈夫でしょ」
:たしかに
:あの雑魚封殺できるならいけるのか?
:奈落帰りで逆に強いかもしれん
「これ、やればやるほど蒼空ちゃんいなくて辛いんですけど?」
:わかる
:わかる
:お嬢、俺らもだよ
「はあ、怜菜と希沙と帆花の好感度上げて個人イベント見て癒されてきます」
:二章の続きは?
:現実逃避していった
「じゃあね、おつころ~」
:おつころ
:おつころ~
:逃げたぞ、追え!
TIPS:縁故つめるは新人Vで、極道の娘のような設定です。
挨拶の「こんころ」と「おつころ」は殺すから来ていると言われていますが、真偽不明です。
リスナーからの呼び方はお嬢ですが、ファンネームは特にありません。一時期、指と呼ぶのはどうかという話が出ましたが、立ち消えました。