マルクトがお疲れの先生に添い寝する話です
おまけもあります
一応デカグラマトン編3章までのネタバレが含まれますのでご注意ください

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まさかの第二弾
楽しいです
きっとSSを書いたのでマルクト姉様も実装されるでしょう
だよな?yostara?


マルクトその2

 風さえ鬱陶しいほどのとある春の日。

 あまりの暖かさにうとうとしてしまう。

 いけない。こんなにもたくさん仕事が残っているというのに。

 

 目に映るは清々しいほどの青と似た、清いほどの白。それはすべて書類の山だ。まるで要塞のようなその堅牢なタワーは私の前で無情にも鎮座する。

 いつも通りの日常だ。いや、一つだけ違うところがある。それは私が現在9撤中ということだ。

 5日目あたりは吹っ切れて、眠気など感じることはなかったが、今はもうとにかく眠い。空調いらずの春の陽気が仇となったらしい。

 もうこの季節を敵としてしまおうか。いや、そうしてしまえば私は悲しむだろうなと思いながら机に頭を埋める。

 

「あー。疲れた…。もう始祖光来しよう…」

『先生…何言ってるんですか』

 

 おっと本音が漏れてしまった。

 その辺に落ちていオージャクラウンランスを手に持ち、立ち上がる。

 

 だが、やはり体には疲労が溜まってるようで…。

 

「おっと…」

 

 崩れ落ちてしまった。

 いや、正確には、崩れてしまったという方が正しいか。私の体が地につくことはなかった。

 

「大丈夫ですか?先生… 」

 

 凛としながらもどこか癒される素敵な声音。

 温かく柔らかく、誰もが眠ってしまいそうなほどの優しい感覚。

 

 

「ありがとう。マルクト」

 

 私は大丈夫だと彼女の手を借り立ち上がる。

 しかし体に力が入らずまたもや崩れてしまう。

 

「無理はめっですよ」

 

 彼女はそう言うと、私を横抱き、すなわちお姫様抱っこでベッドへ運ぶ。

 私は不甲斐ないと感じながらも、その叱り方に可愛さすら覚えてしまう。

 

「ごめんね。マルクト」

「気にしないでください」

 

すいーっと廊下を進んでいき、休憩室へたどり着く。ふかふかのベッドと静かな部屋が迎えてくれる。

 いるだけで眠たくなってしまうその空間へまるで蝶でも扱うかのように通される。そのまま優しく温かなベッドへ降ろされた。

 

「先生。流石に貴方は眠るべきです。心配です」

「いや....、でも.....」

「文句は言わないでください。もし寝ないというのなら」

 

 マルクトは背中にあった武器らしきものを展開し、脅すように砲身を私に向ける。

 

「これ、ですよ」

 

 そして彼女は自分の胸を寄せて持ち上げた。

 脅しと、そのセクシーな行動に頭が?で埋め尽くされつつも、私は頷く。

 

「わかった。わかったから。寝る!寝ます!」

「それでいいんです」

 

 そして目をつむること少しの時間。

 うーん。なかなか寝れない。眠ろうと自分の世界に入ろうとすればするほど走馬灯のように様々な考え事が頭に流れていく。

 仕事のこと、日常のこと、生徒のこと、お金のこと。とりとめのないようなことからいつかは考えなければいけないこと、情報の濁流は私の頭を隅々まで埋め尽くしていく。

 

「うーん....」

「眠れませんか?」

「うん。さっきまであれだけ眠たかったのにいざ眠ろうとするとなんだかね.....」

「そうですか....。では、我が寝かしつけることにしましょう」

「....できるの?」

「もちろん。......よく、アイン・ソフ・オウルにしていましたから」

 

 彼女は少し悲しげな顔をしながらも微笑んでみせる。

 

「では、失礼しますね」

 

 そう言ってマルクトは私のベッドへ潜り込んでくる。

 

「えーっと。その?」

「もっとも妹たちが早く眠りについたのはこれでした」

「....なるほど」

 

 ぎゅうっと、マルクトが抱きついてくる。

 彼女の身体の柔らかさと温もりがダイレクトに伝わる。これがヌクモリティ。

 

「あのー、マルクトさん?」

「我にさん付けはいりませんよ?」

「そうじゃなくてですね?」

「アイン・ソフ・オウルが最も気持ちよさそうに眠りについたのはこのやりかたでした。それに、我はこれ以外の寝かしつけ方を知りません」

「さいですか」

 

 諦めた。身を預けたとも言う。

 

「眠りそうなところでわるいのですが、一つ例え話をしてもいいでしょうか?」

「うん」

「ありがとうございます。脱出ポッドが1人分しか残っていなかったとき、他に生徒さんがいる。そんなとき先生はどうしますか?」

「そうだね....。私は生徒たちを押し込んででも脱出ポッドに乗せるかな」

 

 難しい話だ。

 自分の命を取るか、他人を助けるか。なんだって人というのは自分の命が惜しい生き物だ。自分が助かる方法があるなら飛びつくのが道理だろう。

 まあ、私は弱い人間だから、生徒に譲ってしまうのだろう。

 託される側よりも託す側を選んでしまう、そんな卑怯な人間なのだ。

 

「そうやってまた、裸で空を落ちていくのですか?」

「.....それについて誰から聞いたの」

「キヴォトスで先生の名前を出すとたいてい全裸で野を駆け回った人、もしくは全裸落下マンと帰ってきます」

「酷い...酷すぎる」

 

 なんてひどい話だろうか。これじゃもう一人の私にも顔向けできない。

 せめて下着くらいは大気圏くんも残してほしいものなのだが。君の話もしているんだぞ成層圏くん。

 

「まあでも、それでも私は君たちに、生徒たちに譲るだろうね」

 

 君たちには何よりも生きることを大事にしてほしいからね、と付け加える。

 

「では先生、あなたは自分の命が惜しくないのですか?」

「惜しいよ。だからそこで死ぬ気なんて毛頭ない」

「じゃあどうするんですか?」

カードゲーム(デュエル)でもして世界を救うさ」

 

 先人たちのように、ね。

 

「貴方は、強いですね」

「私は弱いよ。土壇場で託すことを選んでしまうから。託される側の辛さを知っていても、、託す側を選んでしまうから。卑怯な人間とも言えるかな」

「.......我は、これで、よかったのでしょうか」

 

 しぼりだすように発せられる声は震えていた。

 

「........。最適解とは言えないかもしれない」

「......」

「それに、起きてしまったことは覆せない」

 

 死んでしまった人のこと。いなくなってしまった人のこと。それらはすべて起こってしまったもので、今私たちが騒いだところで何も変わらない。

 過去という事象に我々はことごとく無力なのだ。

 

「だから、託されたことをするしかないんだ。生きて、この世を見て、美しいを知って、幸せを知って、冒険をして。そうやって、謳歌することが起きてしまったことへの最大のカウンターなんだ」

 

 だから。

 

「だから、自分を責めないで。君は幸せになって良い。楽しく過ごして良い。人生を謳歌しなきゃいけないんだ」

 

 それが残されたものの義務であり、権利であり、反撃の証拠。

 無力なものには無力なりの抵抗を。私は、その意味をよく知っている。

 

「.....ありがとう、ございます」

 

 彼女の声は、さっきよりも震えていた。

 

 

 

 眠気が訪れる。

 この耐え難い誘惑は今度こそ私を睡眠という期間限定の楽園に誘うだろう。

 

「.......アイン・ソフ・オウル.....」

 

 意識の漂白に飲まれる前、そんな一言が聞こえた。

 

 

 先生が眠ってしまった。 

 我が抱きついているまま。

 彼の寝顔はとても愛おしく、可愛らしい。

 

「人生を謳歌しなきゃいけない....ですか」

 

 いなくなってしまった者たちへ、思いを馳せる。

 あの娘たちは幸せだっただろうか。もっと話したかった、もっとふれあいたかった。

 先生にいましてるように。

 留度目もないもう二度と叶うことのない想いが堰を切ったように溢れ出す。

 

「........」

 

 頬を伝う熱い液体は涙なのだろう。

 あの娘たちは言ってくれた。我に生きてほしいと、ならば我も生きるしかない。先生がいっていたように、我は人生を謳歌しよう。

 だが、今は、泣かせて欲しい。あの娘たちを思わせて欲しい。我が人生を始めるのはそれからでもおそくないだろう。

 

 

 

 先生の寝顔を見ていると、なんだか行けない気持ち?というものが湧いてくるような感覚がする。

 浦和ハナコさんが言っていた。きっとこのお腹の奥がキュンとするような気持ちがイタズラ心というものなのだろう。

 たしかハナコさんはこうも言っていた。

 イタズラしたくなったらするべきだと。そのほうが男性も喜ぶのだと。

 

 なので本能の赴くままに、先生のシャツに手をかけた。

 丁寧にボタンを一つづつ外していき、彼の肌があらわになる。

 思った以上に、傷つき、ゴツゴツしていた肌は、我をなんだかおかしな気分にさせる。

 

 それと比例するかのようになんだか行きも荒くなっていった。

 

「失礼、しますね」

 

 先生の馬乗りになり、彼の首筋に軽く唇で触れる。

 その瞬間、電撃のようなものが走った。それは、電撃と評するにはあまりにも甘く、甘味と言うにはあまりにも刺激的で、どうにも、もう一度と体が求めているようだった。

 

 先生の身体に口づけをするたびに電撃が走り、幸せに満たされる。

 なんだか、体の奥がむず痒くなり、とうとう首筋だけでなく顔、それも先生の唇に引き寄せられていく。

 背徳感というやつだろうか。何にも代えがたい衝動に駆られ、ついに彼の唇へと我の唇が触れてしまう。

 

「んっ....!」

 

 とんでもないものだ。これまで知らなかった気持ちの良い衝撃が頭を殴るように押し寄せる。

 舌を入れたらどうなるのだろうか。

 

 我は本能の思うままにそうしてみた。

 その感想はとうてい言い表せるものではなかった。ただ、ただただ身体が幸福で満たされていく。

 彼の舌と我の舌が絡み合い、唾液が混ざり合うほどに大きくなる快感。

 抗えないそれに我はのめり込んでいった。

 

 先生が起きるまでやってしまい怒られたのはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

「黒服とガチ爆をする先生」

 

「クックック…。きましたね、先生」

 

 暗い路地裏。人くらい簡単にtれされそうな雰囲気漂うその場所に黒いスーツと歪な顔のそれはいた。

 名は黒服。ホシノが呼び始めた愛称だが、彼もそれを気に入っているようで、未だ私はその本名を知らない。

 とんでもなく噛むような名前だったら嫌だなあと思いながら日々を過ごしている。

 

「ああ。来たよ」

「それでは、行きましょうか」

 

 目の前に小さなカラオケ店へ入室する。

 ベーシックなカラオケボックスといった雰囲気のその部屋は、今からやることにピッタリだった。

 

「それじゃあ行きますよ。先生」

『ガチ爆!スタート!!』

 

 展開されたバトルフィールド。いわゆるガチ爆という遊びだ。

 爆丸という球体から磁石でぱしゃっと変形するフィギュアを使い、カードを取り合う。いわゆる陣取り合戦である。

 

『10….9…8…7…』

「じゃあ私は(ゼータ)ムニキスで…」

 

 黒服が取り出したのは青い爆丸。全ムニキスだ。低部に金属パーツを使用しており、かなりの安定感と弾く力を持つ。

 

「うーん、私はこいつで」

 

 対する私が取り出したのは白い爆丸。(ナーガ)ダージャだ。長い体が特徴で、圧倒的な防御力を誇る。

 

『爆丸セット!!3…2…1…』

 

 いよいよシュートが始まる。

 

『爆丸シュート!!』

 

 コロコロと二つの球体が転がっていき、然るところで止まる。それはゲートカードと呼ばれる磁石をはらんだカードだ。

 そしてその上に止まった爆丸は…。

 

「立った!」

 

 変形するのだ。

 球体からモンスターモードへ。

 

「さすが先生」

「いや黒服のもスタンドしてるじゃん」

「流石に外しませんよ。一回目ですから」

「まあ、ホビーで世界救えるとまで言われた私を舐めるんじゃないよ?」

「ええ、もちろんです」

 

『ガチ爆!スタート』

 

「次はこいつだ!」

 

 私の爆丸は赤い。名をベタドロンという。

 

『爆丸シュート!!』

 

 爆丸を転がす。

 

「お、これは?」

「おや....」

 

 私の爆丸がカードの前で止まったはいいが、どうやらスタンドしていないようだ。

 

「立ってる...?これ」

「見てみましょう。えい」

 

 ぱしゃっとスタンドし、ぴょんと跳ねる。

 そして場外へ。

 ベタドロンという爆丸。しつはスタンドしたら跳躍するのだ。

 

「あ!ひどい!」

「いえ、私は確かめただけですから」

 

 なんとも白々しい。

 

「じゃあこれ使っちゃうもんね」

「な!それは反則でしょう!?」

「レギュで使えますぅ」

「ぐぬぬぬ.....」

 

 私が使うは(デカ)爆丸ドラスロン。圧倒的なサイズの爆丸はすべての爆丸を蹴散らすこと間違いなし。

 

『爆丸シュート!!』

「いけ!ドラスロン!」

「させませんよ!バリビヨンド!」

 

 黒服のはなった爆丸がゴムを展開しながらスタンドする。

 そしてドラスロンはそれらをすべてはねのけ、優雅にもスタンドした。

 

「よっしゃ!クリティカルKO!!」

 

 カードを一枚手に。

 爆丸において、相手の爆丸を跳ね飛ばし、スタンドできればカードを一枚取れるというルールが有るのだ。

 

「次こそは!」

 

『爆丸シュート!!』

 

 私のベタドロンが奇跡の着地を迎え、ついにゲートカードをもう一枚手にした。

 

「やりますね....」

「これで最後....!」

 

『爆丸シュート!!』

 

 私のナーガダージャがスタンドする、それと同時に黒服のゼータムニキスも同じ場所へスタンドした。

 

「バトル...ですか」

「バトルポイントはこっちのほうが低い....」

 

 爆丸は同じ場所へスタンドしたとき、バトルポイントによってバトルをし、勝ったほうがカードを手にするのだ。

 そして、それにはゲートカードも使われる。

 ゲートカードをひっくり返し、底に書かれている内容によって、バトルポイントが変動するのだ。

 

「頼む!!」

 

 内容はナーガダージャの属性に+500!!!

 

「やった!!」

 

 ゲートカードが三米になった。

 これで。

 

「私の勝ちだ」

「クックッ......、もう一戦やりませんか?」

「yes ,sure」

 

 黒服との爆丸対決は一晩続いた




なんで先生は爆丸してるんでしょうね

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