しかし私の娘だ
あ、カスの教主様は居ません。教主様は星の数程いらっしゃいますからね。性格くらい変わるさ!
「そういえば疑問に思ってたけど、エルフィンっていつもその格好してるじゃん?もしかして別の服ないの?」
「何よいきなり。女王なんだから別の服もあるに決まってるでしょ!」
「でもその寒そうな格好しか見たことないし…」
「ふん!そこまで言うなら見せてあげるわ!このエルフィン様の特別な衣装をね!」
そそくさと奥に引っ込んでいった…まさかちょっと装飾が変わっただけのものでも引っ張ってきて間違い探しでもさせられるんじゃないだろうな?
「何処へ行くにもあの格好だしなぁ…てか普通に複数着あるよなあれ。クロエが作ってんのかな」
そんな無駄な事を考えていると、エルフィンが出て…来ない
「着替えるのにそんな時間かかる?まさか今からクロエの所に行ったとかないよね?」
そんな馬鹿な…いや、流石に見せてやるとか言ってたし持ってるんだろう。もう少し待ってみよう
〜30分後〜
「遅い!!!!!!」
本当にクロエの所で今作ってもらってるのか?見に行くか迷うな…
「ふふん、待たせたわね」
「いくらなんでも遅い…って、おお」
「どうよこの姿!外で駆け回るのに丁度いいの!」
「ふ〜ん…確かにこれは…かなり可愛いな」
普段と違い髪の毛が結ばれており、白いスカートや明るめな茶色で活発に動き回ることを想定された作りの服に思わず感動した。素直に褒めると調子に乗ったのか変なポーズを取り始めるのが面白い
「ねぇ、せっかくだから今からお散歩に行かない?」
「ん〜…悪くはないね。けど1個だけ聞かせて」
「何?」
「なんであんな時間かかったんだよ」
「ネルに髪の毛を結んでもらってたのよ。仕事の合間にって頼んだから遅くなっちゃった」
あ〜…そういう事ね。よくネルにお願い出来たな?ダメですって普通に言われそうだけどそれは通るんだ
「よし、知りたいことも聞けたし…せっかくだからエルフィンが行きたい場所についていってやるよ」
「え!本当?」
「うん。普段とは違う格好がかなり似合うからかは分からないけど、何だか甘やかしたくなるような気がするんだよね」
「えへへ…じゃあ、まずは一緒に行くならあそこしかないわよね!」
エルフィンがまず一緒に行くならということは…なるほど
「クックック…わかってるぜエルフィン。いい匂いのする道まで行くしかないな?」
「よし!行くわよ!」
〜エシュールの魔法学校〜
「よっしゃ!突撃だエルフィン!パンとケーキを食い尽くせ!」
「うっひょ〜!エシュール、パンを全部持ってきなさい!」
「教主様!?女王様!?」
「オラッこれがパン代だ!持ってこい!」
「え?え?え?」
もぐもぐと某ピンクの悪魔の如くパンとケーキがエルフィンのお腹の中に吸い込まれていく。マジで吸引と変わらないんじゃねぇかあれ。これだけはいつ見ても面白え!
「ちょっ教主様?本当に払うんですか?」
「あ、うん。なんかあのエルフィンを見てると甘やかしたい気分になってしまったからね。多分足りてるでしょ?」
「まぁ…払ってくれるならいいんですけど…はい、金額は足りてますが…何処からこのお金を?」
「私の財布」
「えぇ…それじゃあもうすっからかんじゃないんですか?」
「良いんだよ。見ろよ私のエルフィンを。めっちゃ美味そうに食ってる…いや吸引してるなあれは。ともかく、嬉しそうな顔をしてるだろ?あれを見てるとこう…私のここがすこしズキュンとしたんだ」
「そうですか…教主様が良いなら良いんですけど…」
「じゃあまたなエシュール」
エシュールの店を出ると、エルフィンが満足した表情でぽんぽんとお腹を叩いていた
「幸せだったわ…やっぱりエシュールのお店のパンが一番美味しいわね」
「満足したみたいだな。じゃあ次は?」
「獣人村よ!コミーのお家にいい布団があるらしいのよ。沢山食べて眠くなったら寝るのが一番よね?」
「その通りだ。コミーには悪いが犠牲になってもらう…これは所謂コラテラレルダメージに過ぎないからな!」
〜コミーの家〜
「何事にゃん?」
「いい布団、ある、聞いた。私、エルフィン、寝に来た」
「なぜカタコトにゃ…?でも、別にいいにゃ。コミーの厳選された布団と枕を使う許可をしてあげるにゃ」
「でもどうせ何か条件でもあるんでしょ?」
「察しがいいにゃ。コミーも一緒に寝るにゃ」
「あ、それでいいんだ。アニマル缶要求してくるかと思ってたよ」
「コミーは寛大なので、温かい教主の上で寝るにゃ。あれは、中々いいものだったにゃ」
「なるほど?じゃあ早速…ってもう入ってやがるぜ」
私もエルフィンの横に入り、コミーはその上に乗っかる形だ。確かにその布団は雲の上に居るかのような柔らかさがあり、枕も丁度良い高さにある。その気持ちよさに瞬く間に私は眠りに陥った
〜数時間後〜
「う〜ん…なんだかいつもより目覚めがいい気がする」
「うん?もう起きたのにゃ?」
「おはようコミー。エルフィンは…あれ居ない」
「妖精の女王様なら、バターが来た時に起きたにゃん。後で教主も一緒に遊ぼうって、コミーに伝言を残して行ったにゃ」
「コミーは行かないの?」
「コミーはもう少し寝るにゃ」
「そっか。じゃあ私は行くとするよ」
コミーに教えてもらった通りに獣人村の広場へ行くと、バターを追いかけるエルフィンが居た。鬼ごっこでもしてるらしい
「エルフィン!私も起きたよ」
「あ、教主!教主も一緒に遊びましょ!」
「教主様も一緒に走りましょう!」
「凄い元気だ…だがその誘い、乗ってやろうじゃないか!で、何してたの?」
「うーん…反アニマル缶戦線から逃げる練習?」
「鬼ごっこですらなかった…じゃあ走り回ってちょっとは疲れただろうし、かくれんぼにしよう。私が見つける側をやるよ」
「よ〜し、じゃあ行くわよバター!教主に見つからない場所を探すのよ!」
バターとエルフィンがパタパタと走って逃げて行く後ろ姿を見ると、自然と頬が緩む。バターが可愛い事は知っていたが、あのエルフィンが私の娘のように感じるとは。100日記念の時も私だけのケーキを作ってくれてた時にも感じたような温かい気持ちに包まれた
「…全力で遊んでやるのがいいよな!」
私は夕暮れ時になるまでバターとエルフィンと遊んだ。因みにかくれんぼはエルフィンが木の上から落っこちて見つかり、バターは茂みから尻尾がブンブンしてるのが丸わかりで見つかった。見つかり方まで可愛いとは…どっちもよしよししてやった。そして遊び疲れた私達は妖精王国に帰ることにした
〜妖精王国〜
「なぁ、今日は楽しかったか?」
「うん!今日は教主がずっと一緒で楽しかった!沢山食べて沢山遊んだし!お昼寝も気持ちよかったわ」
「そうかそうか…たまにはこれも悪くないね」
「ねぇ…教主…」
自然と手を繋ぎながら歩いて帰る途中、私を見上げながらエルフィンは問いかける
「教主は楽しかった?」
「もちろん楽しかったよ。こう言うのも何だけど、久々に子供の頃のように遊んだ気がして良かった」
「じゃあ教主…」
「何?」
「またこうやって遊んでくれる?」
エルフィンのいじらしい表情と言葉に、私は撫でながら答える
「もちろん!だけど、多分ネルが許してくれるならになっちゃうけどね」
「えへへ…これからもずっと一緒に遊びに行こうね!」
「あぁ。これからもずっと一緒にだな…」
夕焼けに照らされながら教団まで帰ると、獣人村で遊んだ時に付いた泥がまだ付着しており、ネルに怒られながら今日という日を終えた
おわり
エルフィンかわいいよエルフィン
本編じゃクソガキやってるけど表情豊か過ぎてやっぱり可愛いんだよね