「おや、教主様〜。ようこそいらっしゃいましたね」
「やぁディアナ。一応手紙で山登りしようと呼ばれて来たけど…何処の山登るの?」
「あぁ、それは精霊の山ですよ。散歩として登るのが最近はちょうどいいんですよ」
…私が登るのに死ぬほど苦労した山を、散歩道として…?てか本当に今から登るの?
「さぁ教主様、ちょっと着替えてきますから、待っていて下さいね」
「あ、あぁ…」
いやディアナって結構お年召してそうだから山(丘)とかだと思ってたんだけど!?マジで精霊の山登るの!?私何も準備してないんだけど!
「さぁ教主様。行きましょうか」
「ちょっと待って!私普通に登れる気がしないんだけど!結構キツイ傾斜とかもあるでしょ!」
「おやぁ…?まさか、私に登れて教主様が登れない訳はありませんよね?」*1
「くっ…分かった。でもキツすぎたら私は途中で降りると思うよ?それでもいいならいいよ」
「ええ、それで構いませんよ。他の子達はそもそもついてきてくれませんからねぇ…途中まで来てくれるだけでも十分ですよ」
うーん…まぁ獣人の子供達は山登りよりかは遊んでいたいだろうしな。最近運動不足気味だったし、これで運動するのは悪くないかも?
〜精霊の山の麓〜
「あれ〜教主じゃん!」
「あ、ナイア。久しぶりだね」
「水の精霊さん、今日も登らせてもらいますよ〜」
「は〜い!教主も行くの?」
「うん。手紙で一緒に登らないかって言われてね…最近運動不足だし、せっかくだから途中までは登ってみようかなって」
「ふ〜ん?じゃあ降りてきたら私と遊ぼうよ!シルフィールが用事で居なくて暇なの〜!」
ルードに決闘挑んだんだろうなぁ…まぁナイアと遊ぶのは全然いいな
「降りてきたらな。とりあえず行くから、またな」
〜精霊の山〜
「…案外キツくないな?こんなもんだっけ?」
「教主様は山登り初心者でしょうし、楽な道を行っているんですよ〜。これなら足腰にも優しいでしょう?」
おお…身構えてたけど、これなら全然散歩気分で歩けるな。にしても高い所だから、風が気持ちいい…
「あ、そうだ。頂上まで行くつもりなの?」
「ええ、そのつもりでしたよ。何かあるんですか?」
「いや、これだけ風が吹いてるし、頂上には雪も積もってるしシーラとアヤがいるかなと思って。あんまり妖精王国とかに降りてこないから、久々に会えたらいいなと思って」
「そうでしたか。風の精霊さんは私が登っている所を感じているみたいですしねぇ。ただ、教主様の言うアヤさんという方には会ったことはありませんねぇ。どんな方なんでしょう?」
「アヤは…言葉遣いにちょっと問題はあるけど、基本的に良い子だよ。なんていうか、誤解を招くような言い方しかしないんだけど…あ、そうそう雪も操れるんだっけ?シーラなら知ってると思うよ」
「そうでしたか…今度お会いしてみたいですねぇ。雪は熱くなった身体を冷やすのにちょうど良くて、お世話になっていますからねぇ」
…多分、いつもはこれよりもキツイ道を登って、汗をかいた後に雪に埋もれてるんだろうな。ディアナって凄いよな…
「教主様。最近は何かありましたか?」
「ん?いや、特に特別なトラブルとかは起きてないかな?強いて言うなら…まぁ…そうだね。書類仕事が結構キツイぐらいだね」
「書類仕事ですか…妖精王国も獣人村くらい騒がしいですからね。訪れたら必ず何かしら爆発してるのは驚きでしたよ」
「あはは…まぁもう慣れたよね。それでもこうして遊びに行ったり出来てる分、楽しい部分が多いかな?最初の頃は本当に大変だったんだから…」
「慣れるまでが肝心ですからねぇ。教主様の表情を見れば、過去に獣人村を訪れた時と比べて笑顔が多くなったと感じますよ」
…そうかな?確かにこの世界に呼ばれて、妖精達が反乱してる最中に、ネルに盾にされそうになったり、エルフとの一悶着あったり、王国再建のために走り回って…そう考えると大分落ち着いたな
「うん、笑顔が増えたのも、きっと色々乗り越えられたからかな。振り返れば本当に沢山の出来事が起こったなぁ…」
「ええ。ですから、息抜きも兼ねて誘ったのですよ」
そうか…ディアナなりに私を気遣ってくれたのかな?こうして過去を振り返る時間なんて取れなかったしな。楽な道を選んで登ってくれたのも、そういう意図があったんだろうか。優しさが身に染みるなぁ…
「そっか。ありがとう」
「張り詰めすぎもよくありませんからねぇ。恐らく、私がしていなくとも他の方達がやってくれたのでしょうが…」
「いや、私は嬉しいよ。ありがとうディアナ」
「いえ、感謝されるほどではないですよ。それに頂上もすぐそこですよ」
ふと気が付いて前を見ると、精霊の山の頂上だった。話しながら歩いているだけで、こんなに簡単に上に行けたんだ…ディアナが道を選んでくれていたのもあるんだろうけどね
「おお…落ち着いて景色を見てみると、結構綺麗だな」
「そうでしょう?この景色だけはいつまでも変わらない物であってほしいですね」
「そうだね。ん〜気持ち他の場所より空気が美味しいな」
深呼吸した後、そういえばと思い出して周りを見渡すがシーラとアヤはパッと見居なかった。残念だ。そして山の頂上に来たらやる事は…あれだよなぁ
「1回叫んでいい?」
「あぁ、やまびこですか?いいですよ」
「ふぅ…」
なんて言おうかな…うーん、いざ言おうとなると何も思いつかないな?え〜っと…うん、もう頭に思い浮かんだあれでいいや
「風びゅーびゅーで草ァ!!!」
「…?」
隣でディアナが首を傾げてるけど気にしな〜い。今思い直せばやっほーで良かったけどね
「満足したし、降りよう」
「まぁ、教主様がそれでいいならいいですが…じゃあ、帰りもゆっくり話しながら降りましょうか」
帰りはディアナの獣人の子供たちについての悩みや、最近あった事について楽しく語り合いながら獣人村に戻った
「あ〜…楽しかった。ありがとうディアナ。また今度誘ってくれ」
「分かりました。では、また今度」
うん?何か忘れてるような…あ、ナイアの事忘れてた。まぁいいか!
おわり
今更だけど、これ教主と他の子達とのセリフに1個行空けた方が見やすいかもなぁ
次からそうしよう