何でも都合のいいようにできるからな!
「地下…最近は来なかったけど、やっぱり湿っぽいな」
ジメジメとしてはいるが、活気は意外とある魔女の国。これで妖精王国とは真反対の野菜が好きなんだから、環境以外は健康的な奴らだ。褐色肌なのもなんだか健康的に見えてくるな
「で、ポーシャーは何で私を呼んだんだろう?睡眠ポーションは前に貰ったから、ここ暫くは来てないけども」
ポーシャーのイメージって、いつも何かしら新しいポーション開発したり、それを実験したりしてるイメージだけど…まさかね?
「あら、よく来たわね教主」
「言われた通り来たけど、何する気なの?」
「まぁそう急がずに。先にお茶を一杯どうかしら?」
ポーシャーが差し出したお茶からは、いい匂いがした。お茶から出ているとは思えないほどのいい匂いだ
「あの、これ絶対薬混ざってるよね?」
「…何のことかしら?さぁさ、出された物を飲まないのは失礼に値するわよ」
「嫌だ!絶対何か入ってるじゃん!私は騙されないぞ!」
「あのね。そこまで疑われると流石の私でも怒るわよ。何でもかんでもポーションを入れて飲ませるような魔女だと思ってるのかしら?」
うわぁ…顔は笑顔だけどこれは怒ってるよ…ここまで反応するなら、本当に入ってないのかも?もしかしたらこのいい匂いのお茶も、実は最近開発された新しいお茶かもしれないしね。疑ってかかるのはこの辺でやめておいたほうがいいかもな
「分かった分かった。ちゃんと飲むから…」
うん。普通に美味しい。疑ってすまんかった
「これ美味しいね。お茶ってこんなもんだっけ?ポーシャーが出したものを疑ってたのは謝らないとな。…あれ?」
「ふむふむ…自白効果有り、と」
「やっぱり混ぜてるじゃないか!だからちゃんと怪しい所指摘したのに!そしたら凄い自然な感じに怒るから失礼な事したと思ったのに!」
「あら?別に私はそういう魔女だと思っているのかと問いかけただけで、勝手に私が怒ってると決めつけて飲んだのは教主じゃない」
「も〜そういう事じゃなくて…って!心の声がダダ漏れになるの嫌なんだけど!どうにかしてよ!」
「少ししたら効果も切れるわよ。分量はそこまで多くないし…レヴィが今日は体調不良で来れなかったから、助かったわ」
「自分で試せよ…レヴィ、いつもこんな目に遭ってるんだな…今度会ったら沢山撫でて休ませてみようかな」
「ふ〜ん…私にはしてくれないんだ?」
「こんな事してくる奴には拳骨をしてやりたいくらいだよ。やらないだけ有り難く思ってほしいね。てか実験を他の人で試すの辞めちまえよ」
「教主は普段こんな事を考えているのね…興味深いわ」
「全然聞いてないな…お?」
あ、効果切れたっぽい。思ってることを口にしてないぞ
「あら効果切れね。次はもうちょっと分量を増やしてみるのも楽しそうだわ」
「もうあの手には絶対引っかからないからな!で、もう終わりでいいんだよね?」
「いいえ?まだ沢山飲んで欲しいものがあるの」
「はぁ?なんでそんなに飲まないといけないのさ。私何も悪いことしてないんだけど」
「最近はずっと魔女相手に実験をしてたけど、人間ならどう反応が出るのか記録しておきたいのよ。レヴィとの違いが出るかどうかは大事よ」
「いや、だとしても私以外の他の種族に頼めばいいじゃん。なんで私なんだ」
「いいの?教主に合う・合わない成分とかを調べないと、いつか私のポーションで大変な目に合うかもしれないわよ?ケガをした時とか…もっと快適に眠れる睡眠ポーションとかね?」
くっ…ポーションの性能は優秀だから副作用とかで大変な目に合うのは困る!眠れない日は割と使っちゃうし…でも真面目に相手はしたくないしな…
「……分かった。でもそんなに沢山飲みたくないから選りすぐりの1本だけ持ってきて。それ以外はまた今度の機会にするから」
「…まぁいいわ。じゃあ、せっかくだから濃度も濃い目にしておこうかしら」
「それは本当にやめてほしいな。頼むから…」
「はいはい、分かってるわよ。そこまで鬼でもないわよ。じゃあ、選んでくるからそこで待ってなさい」
ポーシャーは選りすぐりの一本を選んでいるのか、奥の方からはガチャガチャとポーション同士がぶつかり合う音がする。レヴィ…君の苦労は私も身を持って知ることになったよ…体調不良らしいし、後で好きな食べ物でも持っていこう。そして撫でるしかない
「お待たせしたわね。これよ」
「…思ったよりも普通の色合いだね?」
「えぇ。レヴィでは何も効果が出なかった素材を全部詰め込んだ1本よ。素材の効能は一応行商人から聞いているから、メモを取らせてもらうわ」
「うわぁ…なんか途端に身体に悪そうな気がしてきたな…」
「大丈夫よ。別に人体に影響があるような素材ではないはずだし」
「そう思ってるのも、絶対レヴィで試して効果なかったからだろ…まぁいいや。ほら飲むよ」
…味は悪くないんだよな。後味もスッキリしていて、飲むのに抵抗感もない。本当に混ぜ合わせただけなら絶対酷い味になるだろうに、ここは素直に凄い所だな
「これ…効果あるかな?ゔっ!!」
なにこれなにこれ!?視界が回るぅぅ゙ぅ゙ぅ゙!?
「教主…大丈夫かしら?あら、これは」
「あ〜…あう?」
「教主がこんなに小さくなるとは思わなかったわね。まさか赤ちゃんみたいになるなんてね」
「う?」
「…かわいいわね。戻るまではちょっとくらい触ってもいいわよね?」
赤ちゃん教主を抱っこしてみると、もちほっぺみたいに柔らかい肌がポーシャーの手を通して感覚として伝わる
「きゃは!」
「………ふふふ」
BON!
「うう…なんだか、凄く悪い夢をみていた気がするよ…え?」
「あら、戻ったのね。お帰りなさい」
「なんで私はポーシャーの腕の中に?ていうか普通に力強いね」
「材料をたくさん運ぶのに力は必要だからよ。いい加減降りなさい」
「持ってるのはポーシャーじゃないか…意識がない間に何が起こってたんだ…」
「それは、知らないほうが教主の尊厳の為になるわよ?」
「うわ…もう最悪だよ。もうポーシャーの実験ポーションは絶対飲まないと決めたよ」
はぁ…何があったのか気になるけど、ポーシャーの言う通り尊厳が死んでしまいそうな気がするからやめておこう
おわり
ポーッポッポッポ!ポーシャーのお手製ポーションは当然効くポねぇ!
赤ちゃん教主はマヨにコレクションされなさい