ここはエーリアスの妖精王国、通称エルフィンランド。なんでエルフィンランドかって?そりゃエルフィンっていう妖精が女王だからさ。私はそんな所で世界樹教団の教主をやってるぜ。そして、今目の前でネルに意味の分からない事を言われてるんだ
「ですから、世界樹からのお告げでは教主様は結婚しなければならないんですよ。使徒の誰かと結婚です」
「…意味が分からないんだけど?てか、ここに結婚の概念あるんだ…ないと思ってた」
「はい、普通はありませんよ?私達エーリアス人は皆女性ですからやる必要もありませんし。殆ど使われてない制度でもあります」
「じゃあやらなくてもいいんじゃない?ていうか、もう1個ツッコむけど世界樹のお告げはネルとかエルフィンが寝てる使徒に落書きしてたやつでしょ。誰かに書かれただけじゃない?」
「いえ、私は司祭長ですので…世界樹の声を夢の中で聞くことは出来るのです。その中で世界樹様が仰ったのですよ?」
そうなのか…?ただ夢でなんか変なの見ただけじゃないのか?とにかく、私はいきなりそんな事言われてもやらないぞ
「ふーん…じゃあ私は仕事に行くから。そんな変な夢の話は忘れてネルも仕事したら?」
「いえ、これは今日中に決めなければならないようです。ですので、教主様が祈りの時間を過ぎても寝ている間に告知は済ませておきました」
「はい!?勝手にされると困るんですけど!いや、でも待てよ…」
そもそも私と結婚しようとするもちほっぺは居ないんじゃないか?せいぜいこれでコレクションが手に入るっすって言いながら来るマヨくらいじゃないか?なら私はマヨに見つからなければ良いって話だよな?
「いや、やっぱり大丈夫そうだ。マヨから逃げれば良さそうだし」
「何を仰るのでしょう?告知した時から、エーリアスは大慌てですよ?沢山の種族の方がこちらに来るそうです」
「は?」
待て…待て待て待て!!!なんでそんなことになってんの!私とそんなに…?でも普段からそんな態度見えなかったぞ!もしかして何か私以外の景品が…?いや、そんな事は今どうでもいい!
「ちょっと隠れてくる!誰にも言わないでね!」
「あ、お待ち下さい教主様!今外に出られると…」
〜教団の外〜
「あ!教主様だ!」「本当だ!もう出てきたぞ!」「教主様…改めておっきい…!」
「な、なんだこのほっぺだかりは!ちょっと退いてくれ!」
「いけませんドン!無闇に外に出ては危険です!」
「あ、スノキー?…何その格好」
「こ、これですか?えへへ…クロエって妖精の所で作ってもらった、ウエディングドレス?ってやつです。ドン、私ならドンの事をずっと支えられますよ!」
「早速かよ!私は逃げるぞ!」
「ドン!待って下さい!」
「おい、教主様が逃げたぞ!」「追え!教団の使徒として追うんだ!」「逃がすな〜!」
おいおいおいおい!もうこんなにも…!?妖精王国は危ない、まずは別の場所に避難しないと…!でも何処に行こう…そうだ、獣人村!あそこなら結婚だとかなんとかは誰も興味ないだろ!
〜獣人村〜
「おや、教主様〜」
「あぁディアナ村長…うん、君は普通でよかった。多分告知聞いてるよね?」
「えぇ、大変でしたね。休んで行きますか?」
「助かる…あれ、他の獣人が居ないね?」
「皆、今は外で遊んでいるか…何か企んでいるのかもしれませんねぇ。とりあえず、おうちへどうぞ」
「ふぅ、とりあえずは安心だ。暫くはここで隠れていようかな」
「えぇ、他の種族の方たちは皆教主様をお探しのようですから。誰も来なさそうなここの方が安全でしょう」
「純粋無垢な獣人村なら安全だと思ったんだ。うわ、今日の私冴えてるね」
「えぇ…そう思いますね…」
ディアナ村長もそういう気を起こすタイプでもないだろうし、明日になるまでは居させてもらおうかな?にしても、今日はかなりしっかり戸締まりされてるな。窓も全部鍵が掛けてあるし…換気しないのかな…待て、裏手の扉は?閉まってる?嫌な予感がしてきたけど
「さて、教主様…今私と二人きりですね?」
「う、うん…なんか近くない?いつもの距離感大事にしとこうよ」
「いえ…教主様はここで私と結ばれるのですから。逃げられないように準備をしておいて正解でした。さぁ、こちらへ…」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は急いで窓ガラスに飛び込んだ。流石にガラスなので簡単にパリンと割れ、そこから脱出に成功した
「ここもダメだったのか!!」
「はぁ…行ってしまわれましたね。残念です」
次は何処に逃げよう?獣人村にはディアナが居るからダメだ。こういう時は…モナティアムはどうだろうか?エルフ達がどう思ってるか知らないが、外交問題がどうとか言って大丈夫だろ!
「そうと決まれば…うわ!!」
私は落とし穴にハマった。こんな落とし穴を仕掛けるのは…あの三人組…!
「おお!本当に引っかかったぞ!」
「計算通りなのだ!このルポ様に任せれば完璧に上手く行くのだ!」
「お、教主様〜」
出たな反アニ組。何しに来たんだ
「おい!俺と結婚しろ!」
「は?そんな言葉何処で覚えてきたんだ?」
「ふふん!これはあたいが考えた作戦で、教主と結婚したら教団は反アニマル缶戦線の物になるのだ!これでアニマル缶を禁止するのだ!」
「んしょ…おいしょ…」
「わはは!そうなれば俺の反アニマル缶戦線は完成するぞ!世界樹教団が丸々俺達の反アニマル缶戦線になるんだからな!」
「そんな乗っ取りみたいな事企んでたのかよ!クソっ何とかして出ないと…あ、ありがとうベニー」
「へへ〜教主様〜」
なんかベニーが出してくれた。かわいいね。じゃあそういう事で逃げさせて頂く
「あ!おい逃げたぞ!クソ〜あんだけ深く掘ったのに!」
「あたいの落とし穴結婚作戦が!?追いかけるのだ!」
「待て待て〜!」
凄い元気に追いかけてくる反アニ組を尻目に、自分の体とは思えないほどの力で走り出し、モナティアムに向かっていった
〜モナティアム〜
「はぁ…はぁ…流石に疲れたよ…流石に反アニ組もモナティアムまでは来ないみたいだな。さて、人通りの居ない裏路地まで入り込めたはいいが、ここからどうしよう」
「あれ?何してるんですか教主様」
「うわっ!なんだローネかよ。びっくりさせないでくれよ」
「スパイのローネです〜。なんで隠れてるんですか?」
「いや、もしかしてネルが告知したの聞いてない感じ?」
「いえ、聞いてますけど…私はそんなに暇じゃないので!結婚とか考えられませんし〜」
「うん、だよね。よし、モナティアムなら安全そうだ」
まさかのモナティアムが安全地帯か。でも油断は禁物だな…多分妖精王国から色んな使徒達が探しに来てる可能性だってあるし…何処か匿ってくれる所はないかな
「あの〜…私と一緒に来てくれませんか?市長様がえっと、なんでしたっけ…メモメモ…そう!市長様がこちらに来いと言っていたので!」
「エレナが?この騒ぎは何事かって聞きたいのかな。まぁいいや、じゃあ連れてって」
「はい!」
〜エレナの研究室〜
「やぁ、よく来たな」
「おおエレナ。ローネに案内してもらったよ」
「そうかそうか…後であいつにはボーナスをくれてやらないとな。そしてよく来たな教主」
「いやぁ…本当に大変だったよ。結婚しないといけないとか突然言われて、しかもそんなにいないでしょとか思ってたらあり得ない程もちほっぺが殺到して…怖かったな」
「はっはっは!それは大変だな!どうだ?喉は渇いてないか?今は手元にアイスティーしかないのだが」
「あ、それ貰おうかな。いや〜エルフたちは特に何もなさそうでよかったよ。ここで明日まで匿ってくれる?」
アイスティーも美味しいな。走ったせいで凄く疲れた…あれ、なんかクラクラする…?
「いや、その必要はないぞ…私が教主と結婚するんだからな…」
「な…何を…エレナ…」
「既成事実を作ってしまえば、私と教主は結ばれなければならない。そうするためにアイスティーに細工をさせてもらったよ」
「なんで…!」
「…お前は裏切らないからな、教主。ここまで色々積み上げてきたが、いつも裏切りの恐怖はあるんだ。だから、ここまで関わってきた中で裏切らなかったお前が欲しかったんだ…」
そんな風に思って…で、も。もう思考もおぼつかなく…
「わ、私をもらってくれないか…?」
「なっ…!これは次元の裂け目!」
「クソっ閉じられた!後少しだったのに…!幽霊の仕業だな!おいアメリア!」
「お呼びでしょうか市長様」
「今すぐに幽霊の沼に向かって進軍しろ!教主を取り戻すんだ!」
「分かりました。カンナ隊長、出動妖精です。今からその場に居る兵士を複数名連れて、先に幽霊の沼へ向かってください。先遣隊としてある程度の幽霊の制圧をお願いします。その後、大部隊を率いて合流することにします」
『分かりました!おい、出撃命令だ!準備を40秒で済ませて進軍開始!』
「指示が完了しました。次は部隊の編成を行います」
「あぁ、任せたぞアメリア。私は少し休ませてもらう…緊張で疲れてしまったようだ」
続く…
結婚しろで大混乱に陥るエーリアス絶対面白いよね
頑張って続き書くぜ〜