ジョアンといい感じに仲良くなれエルフィン
仕事休憩の散歩中、私はジョアンを見かけた。あれから反省し続けているのか、ちょっとした失敗でもかなり落ち込み気味になっちゃう所があるから、見守れる所ではちゃんと見ておこうかなと思っていたんだ。
「ジョアン…また祈りを捧げてる。でも多分方向的に世界樹じゃなくて私にやってるし。庭で私の部屋に向いて祈る癖が付いてしまいそうだな…。」
かなり大きな事件の後から、私のことを信仰するようになったとはいえ…流石にそうはならなくない?ヨミくらい熱心なんだけど。
「う〜ん…そういえば私、普段のジョアンあんまり知らないな。私以外の子と出会うとどんな対応してるんだろう?気になるな。」
というわけで私は仕事をほっぽりだしてジョアンの後をつけてみる事にした。これはジョアンの事を知るためであって、決してサボりではない!
「お、早速移動し始めたな…ククク…ジョアンの生態を暴いてやるぜ!」
ジョアンの後ろをコソコソと付いていくと、廊下でエルフィンに絡まれた。うん、あれは私でも知ってる。絶対パンだ。
「パン自販機じゃない!パン欲しいな!!」
「パン…。」
「うっひょ〜パンだぁ〜!!」
エルフィン…酷いことされたとはいえ、流石にパン自販機はないんじゃないか?ジョアンって名前で呼んであげるように後でしっかり言わないとな。
「ふふ〜ん!貴方が来てからエシュールの所で食べる頻度はちょっとだけ減ったわ!ネルもお金の心配がなくなったって!」
「そう…なのですね。」
「そうよ!おやつの時間はねだれば出してくれるもの!沢山出しても尽きないし!」
「お役に立てて…光栄です。女王様。」
ジョアンの距離感を感じる態度にエルフィンはムッとする。
「も〜何よ?そんなに私と友達になりたくないわけ?そんなんじゃ、ただのパン自販機のまんまよ!」
「…?」
「私は貴方をパン自販機としてじゃなくて、ジョアンとして接したいんだけど!」
「いえ…私は罪人であり、御身からも反省しなさいと言われた身。それに、私のしたことを考えればそう簡単に友達になるなんて…。」
「も〜!いつまでうじうじしてるのよ!それはそれでこれはこれでしょ?友達になれば、いつでも私と遊びに行けるでしょ!」
エルフィン…感動したよ、私。そんなに人を思いやる心を持っていたなんて…!
「……私でいいのですか?」
「えぇ勿論よ!だって、ジョアンが居ればいつでもお腹空いたらパンが食べられるじゃない!」
感動した私がバカだったかもしれねぇ。でも、動機がなんであれ友達として接しようと思って動くのは良いことだよな。
「…でしたら、女王様の御心のままに。」
「そうじゃないでしょ?ジョアンのそのままの言葉で話せばいいのよ!」
「えっと…申し訳ありません。やっぱり女王様ですから、この様な態度は崩せません。」
「ならこっちにも考えがあるわ!妖精の女王様エルフィンがジョアンに命じる!今日より貴方は、妖精の女王エルフィンと友達になる事!これでいい?」
「…ふふふ。」
あ、ジョアンが笑った。かわいいね。
「これなら逆らえないでしょう!」
「ふふ、ええ。私、ジョアンは妖精の女王様の命令に従い、貴方の友となりましょう。」
「分かればいいのよ!」
そっか…エルフィン…後で沢山褒めてあげよう。
「それで…ジョアン、貴方に贈り物を持ってきたのよ。気に入るかはちょっと分かんないけど…。」
エルフィンが持ってきていた大きめの箱の中から、暴れてる何かを取り出す。何あれ何捕まえてきたの。
「これね、私の知ってる沢山服作ってくれるクロエって子に頼んで作ってもらったの…私とジョアンよ!」
「オンミー!」
「キャンディ!」
地面に降ろされたのはプチジョアンとプチエルフィン。特有の鳴き声を上げながら地べたをバタバタ走り回る様子が見える。
「これが私…かわいい物ですね。」
「魔法で動いてる人形なんだって!せっかくだから作ってもらったのよ。」
あれいいな…プチジョアンの鳴き声オンミなんだ…。
「あ…小さい私が踊り始めましたね。」
「ふふっ!私もよ!ほら、ジョアンも合わせて踊ればいいのよ!」
エルフィンはその声でプチと一緒に踊り始める。なんともかわいい踊りだ。そして、それに合わせてプチジョアンもフリフリと踊る。
「えっと、こうですか?」
そしてジョアンも最後に踊る。凄くいい笑顔だ。それに、ダンスもかなり上手だ…うわ、こういう所見れてめっちゃ良かった。仕事なんて何もなかったんだ。
「うんうん、いい終わり方だね。ジョアジョアしてきたと言っても過言ではない!」
私は満足してネルの元へ向かった。バチクソ怒られた。でもネルにジョアンとエルフィンの話をしたら、エルフィンがジョアンの為に何かしたいと思ってネルに相談し、こういう事が起こったというのは分かった。今日も世界樹教団は平和だ