【青学三次】青学スパイ達の徒然なる日々【短編集】 作:VISP
仕事の合間の一品なので許していただきたく
参考資料 Emmeriaさんの青学モブ(水棲系)https://www.pixiv.net/artworks/133194073
【原作】青学スパイ総合掲示板【遵守】 Part○○
107:名無しの青学生
すまん、当方オデュッセイアの風紀委員スパイなんだが手を貸してくれ
110:名無しの青学生
どったん?
112:名無しの青学生
確かバニーの時の豪華客船の所属校だよな
116:名無しの青学生
他にもキヴォトスの海上運輸や国防の海上戦力の整備・管理してる学校でもある
120:名無しの青学生
漁業は一部が趣味でやってる以外はほぼ民間任せだけどね
122:名無しの青学生
校舎が陸上じゃなく船団、一部島という変わり種
その辺ハイランダーとかに近い
124:名無しの青学生
ほんであんまり本編と絡みの無い所なんよな?
オレらの手がいるような事態なん?
125:107
先日、違法なアルコール類の所持及び製造設備について連邦法案の改訂と大規模取り締まりあったろ?
129:名無しの青学生
あったねぇ
132:名無しの青学生
赤冬やブラマでえらい逮捕者出たそうな
135:名無しの青学生
なお青学
137:名無しの青学生
うちは合法だからセーフ!
139:名無しの青学生
なお赤冬
142:名無しの青学生
粛正だ!227号室送りだ!
144:名無しの青学生
はい
146:名無しの青学生
まぁそっちは置いといて、それがどしたん
149:107
それらの一部が海路で運ばれたらしいんよ
でもそれをオデュッセイアは把握してなくて問題になってる
150:名無しの青学生
つまり密輸業者の存在か
152:名無しの青学生
それこそ海洋高等学校って言うんだから自分らで調べたら?
153:107
勿論調べたさ
私も風紀委員として普段から密輸業者には目を光らせてる
なのに影も形もないと来た
156:名無しの青学生
海・・・水上じゃなくて水中?
160:名無しの青学生
外でも南米の麻薬カルテルだとかが簡易潜水艦使ってたな
162:名無しの青学生
それっぽい流通ルートは?
潜水艦に使用する様なパーツなんて珍しいからそっちから追えない?
164:名無しの青学生
そも麻薬みたいな末端スゲー価格する粉末や固形物は兎も角、酒類は基本瓶入りの液体だろ?
そんなに利益出るもんかね?
165:名無しの青学生
多分アルコール薄めて缶チューハイにして売ってるんじゃない?
密輸業者は大元の純粋アルコールだけで、小売が混ぜ物してる
166:名無しの青学生
度数高いものかほぼ純アルコールでも薄めれば味は兎も角酔える
最悪水割りでも良いしね
169:名無しの青学生
もしや工業用アルコールでも使ってる?
まさかキヴォトス人と言えどソ連時代みてーな真似してる訳が・・・
172:名無しの青学生
あの、メチルアルコールはマジで失明の危険がありましてですね
173:107
最新の水上レーダーはあるんだけど如何せん水中向けのソナーに関しては予算の関係で更新が遅れてて
その関係で密輸業者にいいようにされたみたい
176:名無しの青学生
まぁ対外戦争なんて長らく経験してないだろうしなぁ
178:名無しの青学生
一番の問題は内側だもんねキヴォトス
まぁ自治区が国と言っても良い感じだけど
180:名無しの青学生
色彩とか来ずとも何かあれば即滅びそうだもんねキヴォトス
183:名無しの青学生
きららGTA世界なんてもうヤダ・・・
186:107
そーゆー訳で水棲系動物の青学生には急遽短期バイトの紹介だ
詳しくはここ つ「学生向け傭兵派遣サイトの特設ページ」
結構報酬に関しては弾んでもらったから是非奮って参加してほしい
189:名無しの青学生
傭兵バイトか
普段はブラマ勢しか参加しないから新鮮
193:名無しの青学生
オデュッセイアから青学に直に依頼とか来てないの?
194:名無しの青学生
お前ら日本がピンチだからって即座に在日米軍に救援呼ぶと思うか?
197:名無しの青学生
思わん 先ず自力で頑張れってなる
201:名無しの青学生
そうか内政干渉に当たるのか
202:名無しの青学生
め、めんどくせぇ・・・
205:名無しの青学生
かと言って自力で対処は難しい
だから「この人達はうちが雇った傭兵です!合法!合法ですよ!」ってする必要がある
207:名無しの青学生
草w
210:名無しの青学生
建前って大事よ 中身がなんであれね
211:名無しの青学生
で、水泳部とかは参加するの?
あいつら水中じゃほぼ無敵じゃん
214:名無しの青学生
水中ならキヴォトス最強格すら完封可能って豪語してるからなー
この程度の仕事に臆したりはしないだろ
217:107
なお依頼を受けてくれた場合、七武から追加報酬が出るぞ
218:名無しの青学生
mjd?
222:名無しの青学生
ほ、報酬の二重取り・・・
225:名無しの青学生
ゴルゴ激怒不可避やん
227:名無しの青学生
合法!合法ですよ!
229:名無しの青学生
依頼内容は指定された海域の警戒
密輸業者を発見した場合は更に追加ボーナス
ソノブイや対潜ヘリでの索敵もするみたいだけど、やっぱ水中への目は不足してるみたい
231:名無しの青学生
青学の潜水艦は?
オデュッセイアスパイ向けに動いてたよね?
234:名無しの青学生
密輸業者のよりは遙かに高性能だから静音性も高いけど、そこそこデカいし流石に多数の目があるんじゃ厳しいもんがある
235:名無しの青学生
深い海域なら兎も角、密輸業者が動くのって基本浅瀬だからねぇ
239:名無しの青学生
浅い浜辺や近海での受け渡しだと潜水艦は無理
海上での受け渡しならいけるかもだが、そっちはオデュッセイアなら普通に見つけられる
243:名無しの青学生
じゃぁやっぱ浅瀬か?
遠浅の島も有り得るけど
247:名無しの青学生
空中投下とか海流に無人の筏載せるとかもあるけど、確実性にかけるし量も少ないから除外
250:名無しの青学生
推定される取引の規模的にかなりの金額稼いでるし、捕まるまで密輸を止める事は無いだろうなぁ
251:名無しの青学生
本土での捜査はかなり本格的だったけど孤島ならやりたい放題できる
253:名無しの青学生
孤島で生産して船で本土に密輸
設備や人員、船の準備さえ出来れば儲かるな
256:名無しの青学生
そこで赤冬から漏れ出た簡易酒造設備ですよ
そして外では無人・有人の潜水艇が麻薬密輸に使われた例がある
260:名無しの青学生
なお、元は青学産な酒造施設
263:名無しの青学生
品質劣化してるらしいけどあのさぁ
265:名無しの青学生
227号室にも派閥やグループがあるらしいからそこから漏れたんなら仕方ない
269:名無しの青学生
そもそも赤冬内でもアレな連中集めた場所だからな
これは予想して然るべきだった
271:★七武
そういう訳なんで、水棲系生徒は是非参加してほしい
こちらから各自の端末にメールを送っておいたから、何か用がなければ参加で
274:名無しの青学生
そういう事なら参加で ポチー
278:名無しの青学生
うーん、悩ましいが・・・ ポチッとな
282:名無しの青学生
すまんがその日は別の用事があるんだわ
284:名無しの青学生
あの、水棲系って言ってもカバ耳生徒に海水は無理ですよ!
285:名無しの青学生
当方ワニ生徒につき参加見合わせ
289:名無しの青学生
ウミヘビなんで参加してみるけどイルカやシャチ組よりは遅くても良いのなら
290:名無しの青学生
»285
お前ワニはワニでもイリエワニだろ
海水も余裕でいけるデカいワニなんだから頑張れよ
294:名無しの青学生
当方ラッコです 対潜よろしくお願いします
298:名無しの青学生
悪い事言わないから止めとけ»294
299:名無しの青学生
アシカです 参加してみます
302:名無しの青学生
オットセイです よろしくー
303:名無しの青学生
トドです うおおおお乗り込めー!
307:名無しの青学生
アザラシです 可愛さに自信あり!
311:名無しの青学生
ねぇこいつら雇って大丈夫?本当に大丈夫なの???
312:★七武
希望者多数のため、急遽青学内でオーディションを開催いたします
参加希望者は全員強制参加、その上で適性を見極めて依頼参加を許可します
313:名無しの青学生
頭抱えてる姿が見えるようだ
316:名無しの青学生
こんな変なイベント投げるからそうなる
318:名無しの青学生
普段のんびり泳いでる連中に殴って良い的をあげればこうもなろうよ
・・・・・・・・・・・・・・・
夜10時 キヴォトス沿岸部某所
波と夜闇に紛れ、小型潜水艇が浜辺近くへとやってきた。
水深4m程度の浅瀬に泊まったその船は僅か10m程度しかない。
通常の貨物船に比べれば雀の涙程度の積載量しかないものの、その僅かな量でもこの裏稼業に従事する者達にとっては凄まじい儲けを齎す宝船だった。
積み荷の名は飲料用純アルコールだ。
これを裏市場に流しさえ出来れば、凄まじいリターンが彼らへと帰ってくる。
それが齎す利益を考えれば、例え違法と分かっていてもやる奴はやる。
警察が弱く、遵法精神の希薄なキヴォトスではそれはよくある事だった。
アルコール飲料は学生国家キヴォトスにとって、麻薬に近い扱いを受けている。
学生の飲酒は基本的に全面禁止であり、料理への使用や購入すら厳しく規制されている。
というのも、学生達が個人差こそあれどアルコール耐性はかなり低い事に起因する。
青春というテクストを持ち、それによって学生としての自己を確立している生徒達にとって、アルコールは劇薬だ。
神秘による守りも青春のテクストも貫通して酔わせてくるそれは、下手な毒物よりも遙かに簡単に生徒を無力化する事が出来る。
どっかの年がら年中クーデター祭りのレッドウィンターや中身大人の飲酒が合法な青学とは異なり、普通の生徒はアルコールへの耐性は常人と大差無い。
先日、ミレニアムにおいて発生した事件、缶チューハイの様な飲料を通じての長期的な摂取によるアルコール中毒患者を意図的に作り出して私兵化するというものだが・・・実は大麻やシンナー等の依存性の高い違法薬物は一切検出されなかった。
しかし、青学付属総合病院からの研究データによると、こうした違法薬物をアルコールと共に摂取した場合、生徒含む人体に対して極めて有害な効果が確認されたという。
具体的には青春のテクストも神秘の守りも完全に無視し、短期で極端な依存症に陥るのだという。
そして先の事件において、ミレニアムという三大学校の一角において事件は発生してしまった。
ハッキング対策や監視カメラが三大学校において最も厳重なミレニアムにおいて、である。
つまり、常時混乱状態のゲヘナや派閥争いによる暗闘が起きるトリニティではより簡単に侵入と工作を許してしまう可能性があった。
更に事を起こした犯人がより効率を求め、薬物との併用に手を出す可能性も考慮し、三大学校及び連邦生徒会はこう結論した。
同じ手口が広まる前に、徹底的に叩き潰すべし。
これにより、キヴォトス全土で確認された闇酒造やそれの取引相手は言うに及ばず、更には関連商品を取り扱っている業者にまで捜査が行われた。
唯一の例外として飲酒が合法な青学でのみ捜査は行われなかったが、それ以外の自治区ではヴァルキューレと各自治区の風紀委員、更にはSRTまで動員して犯人の確保が行われた。
関連商品を取り扱う業者、具体的には酒類の原料となる穀物や果物、一部香料を扱う業者にワイングラスやビールジョッキ、コルク抜きや樽の製造業者等と多岐に渡る業種にも捜査は及んだ。
結果だけを言えば、捜査中に判明した別件を含めて凄まじい数の逮捕者が出た。
中には抵抗した者もいたが、それらは一切の例外なく鎮圧され、身柄を確保された。
普段は予算不足から情けない姿を晒す事の多いヴァルキューレすら連邦生徒会の、より具体的に言えば連邦生徒会長の指示によりSRTや各地の風紀委員と連携して極めて有機的に行動し、迅速にキヴォトス全域を総ざらいしてのけた。
逮捕された中には普段は逃げ果せるカイザーグループの役員の一人、カイザードラッグストアやカイザーケミカルの社長らの姿すらあったという。
更に通常の、正式な認可を受けた酒造業者も査察が入った事で混乱が発生し、タダでさえ大人向けの嗜好品が品薄気味なキヴォトスにおいて余計に市場に流通する酒類が大きく減少した。
結果、酒類の末端価格は安物ですら以前の3倍、高級品に至っては10倍を記録していた。
ノンアルコール飲料だけは例外としてスルーされていたが、キヴォトスでは少数派である無類の酒好き達にとってはあんな酔えないもん酒じゃないと一蹴されている。
そこでほぼ絶滅状態ながらも未だ生き残っている闇酒造らはあの手この手で市場へと酒類を回すのだ。
普段は質が悪いからとブラックマーケット以外からは無視されるのに、今だけは完全にボロ儲けが約束されているが故に。
「よし、そろそろ着くぞ。」
「ソナーが随分鳴ってるな。魚が多いのかね?」
「潜望鏡上げるぞ・・・何もいねぇな。」
「待て、受け取り担当もか?」
水面からちゃぷり、と僅かな水音と共に潜望鏡が伸ばされ、周辺を見回す。
しかし、海上は勿論、浜辺にも誰もいない。
「場所は・・・合ってるな。トチッたか?」
「林に隠れてるんじゃねぇか?最近は取り締まりが厳しいし。」
「衛星写真対策・・・にしても何か目印位はないか?」
「どうする?引き返すか?」
「食料も水もねぇよ!それに引き渡さねぇと金も貰えねぇし船の処分も出来ねぇだろうが!」
基本、この手の非合法な小型潜水艇は使い捨てとなる。
役目を終えたなら、何処か適当な場所で解体して資材にするか埋めて証拠を隠滅する。
使い捨てだろうとブツを運んで取引さえできれば凄まじい利益を上げ、十分ペイできる。
そもそも専門の業者ではなく普段は漁船を作ってる様な船大工や工員が知識を聞きかじった程度でハンドメイドで作った代物だ。
居住性は最悪だし、緊急浮上や急速潜行機能は無いし、魚群探知機に毛の生えたソナーしかない。
基本的に多少潜る事の出来る半水艇に近く、潜行してからは周囲を確認する手段は潜望鏡以外は左右の小さな窓しかない。
辛うじて退学してブラマに流れてきたミレニアム生が設計を手掛けた船体というだけで、基本的に一部の学校が保有している様な代物とは素材も技術も性能も雲泥の差だ。
勝っているのはコストと生産速度位なもので、それにしたって安普請が故だ。
そんな粗製濫造な船なのでもう一度来た航路を戻ろうものなら途中で船体が耐えられずに沈む可能性もあるし、トイレも空調も無いので臭いし息苦しいしで居住性最悪、何より積載スペースはほぼ全て積み荷に使ってるので食料も水も碌に残っていない。
こんな状態で再び海に出るのは自殺行為以外の何者でも無かった。
「仕方ねぇ。一度上がって様子を見てくる。」
「おい、大丈夫なのか?」
「分からん。が見てこないと判断できん。」
「・・・浮上するぞ。ここで待ってても意味がねぇ。」
そうして、夜闇の波間に小型潜水艇が浮上した。
同時、ガゴン!という音が船内に響いた。
「な、何だ?」
「まさか、座礁したのか?」
浅瀬かつ夜という事もあって、小さな岩礁を見逃した可能性はあった。
しかし、現実はもっと残酷だった。
「お、おい!周り見ろ!」
「は、何言って・・・ヒ!?」
浮上する前に潜水艇や窓から確認した筈の船外。
海上と海中は勿論、近くの浜辺にも何も無かった筈なのに。
辺り一面から無数の視線が向けられていた。
まるでこれから肉になる豚を見る様な、冷たさすら感じる様な無機質さを宿して。
「に、逃げろ!」
「駄目だ、舵が利かねぇ!」
「う、撃て!撃ちまくrグェ!?」
敵意や殺意すら無いのも当然だ。
何せもう彼らへの対応は終わっていたのだから。
潜水艇の周囲には多数の水棲系青学生が水陸両用暗視ゴーグルを装備して浮いており、一部は先程スクリュー部分を破壊して逃げられないようにしていた。
彼らはもう何処にも逃げられない。
止めを刺された獲物はただ持って帰られるかその場で美味しく頂かれるだけなのだ。
「「「「う、うわわあああああああああああ!?」」」」
今宵もまた波間に悪党共の絶叫が響き渡り、誰に気付かれるでもなく消えていった。
海棲系青学生と言っても色々いると思うの