Blue Legend〜一般男子の物語〜   作:宗也

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胃腸炎になっていたので更新が遅れました⋯⋯、食べれないし水も飲めない、あれはもう2度と経験したくないですね。皆さんもお気を付けください。


集金の真実、墓石の意味

「よしよし、作戦は上手く行ってるみたいだな。」

 

砂狼の提案でカイザーグループの銀行を襲うことになった、まあ原作と同じ流れだから割愛するけどな。

 

「しかし覆面水着団って言ってるのに水着じゃなくて制服なのはツッコんだ方がいいのか奥空?」

 

「ツッコミは入れない方がいいと思いますよ大将。」

 

俺は覆面がないから路地裏で待機している。顔を隠せる物はあるにはあるんだけどな、『大妖精のお面』が。

 

最初はそれを着けて一緒に行こうとしたけど皆からは『気色悪くて吐きそうになるから止めて』と言われた。仕方ない、別の機会で使うとするか。

 

「おっ、どうやら襲撃は成功したみたいだな。」

 

「ですが、追手を振り切れていないみたいです。戦闘はなるべく避けたいのですか。」

 

奥空はブラックマーケットの地図を見てどう道の指示をするか考えてるな。ならここは俺の出番だな。

 

「奥空、ちょっと時間稼ぎしてくる。」

 

「分かりま⋯⋯えぇ!?大将!?」

 

路地裏から飛び出して先生達の方へとダッシュで向かう。少しダッシュしたら先生達がいたな。

 

「大将!?路地裏で待機してたんじゃないの!?」

 

「ちょっと時間稼ぎしにな。」

 

先生達とすれ違った後、マーケットガードが目の前からやって来る。さて、念のために録音しておいたこれが役に立つ日がくるとはな。

 

スマホの音量を最大してある動画を再生。その間に『大妖精のお面』を顔に被ってと。

 

『いたぞ!ってなんだあの顔は!?』

 

マーケットガードが驚いてるな、その隙にあのダンスを踊らないとな。

 

「(一般男子がカマロダンスの曲をスマホで再生しながら踊っている)」

 

『⋯⋯⋯⋯は?』

 

よし、動きが止まったな。本来ならパンツ一丁で踊るんだが、流石に先生やアビドスメンバーがいる中でそんな事は出来ないよな。

 

『な、何だあのダンスは?やけにキレがいい。』

 

『いやそれよりも顔に被っているお面は何だ!?気持ち悪過ぎるだろ!』

 

『ふつくしい⋯⋯。』

 

『ん、地獄絵図。』

 

通信から砂狼の声が聞こえてきた。無事に逃げれたみたいだな、じゃあ退散。

 

『⋯⋯はぁ!?急にいなくなったぞ!?』

 

「はぁ、はぁ、えぇ!?何でこんな所にマーケットガードがいるのよ!?」

 

『貴様は陸八魔アル!そうか、お前があの変な踊りを踊る奴で俺達の足止めを指示したのか!?絶対に許さんぞ!』

 

「な、なななな、何ですってーーーーーーー!?」

 

⋯⋯ごめんなアル。でもアルなら無事に逃げられるだろ。

 

とまあ、色々あったが無事に先生達と合流してアビドス高校に戻って来た。まあ書類だけでなく一億円も入っていたが、いらないということでブラックマーケットの路地裏に捨ててきたらしい。

 

妥当だな、楽して稼げる方法を知ったらそれに頼り切りになっちまうし。

 

「なっ、何よこれ!?一体どういうことなの!?」

 

書類を確認し、黒見が真っ先に大声を上げた。こいつは中々に残酷な真実が記録されてるな。

 

「現金輸送車の集金記録にはアビドスで788万円集金したと記されている。私達の学校に来たあのトラックで間違いない。」

 

「でも、その後すぐにカタカタヘルメット団に対して『任務補助金500万円提供』って記録がある。」

 

「カイザーローンが背後でカタカタヘルメット団に資金援助していた証拠だな。けどこんなことしてもカイザーコーポレーションに何のメリットが無い。」

 

真実は知ってるけど、話せないのが辛いな。というより段々ストーリーの記憶が忘れていってるから家に残してあるメモを見ないとな。

 

「皆、色々考えたいと思うけど、そろそろ暗くなるしヒフミちゃんと大将を見送らないとね。」

 

「先生の言う通りですね。ヒフミさん、大将さん、色々とありがとうございました!」

 

「いえいえ!こちらこそありがとうございました。戻ったら、この事実をティーパーティーに報告します!それと、アビドスさんの現状についても「多分もう知ってると思うぞ。」本当ですか大将?」

 

「あれだけの規模を持つ学園のトップならそれくらいは把握してると思うぞ。そう思うよな小鳥遊?」

 

現にナギサは動きたくても動けないって呟いてたし。

 

「うへー、大将と同じ考えだよ。ま、それが政治の世界って奴だよね〜。おじさんはそんな世界には面倒だから入りたくないね。」

 

小鳥遊が俯いているヒフミの頭を撫でながらそう言う。小鳥遊って結構年下には甘いよな。

 

「ヒフミちゃんの気持ちはありがたいけど、そっちに知らせたところで、これといった打開策が出るわけじゃないし、かえって私達が混乱することになりそうなんだよね〜。」

 

「アビドス高校が廃校寸前でトリニティやゲヘナからのアクションをコントロール出来る力がない。サポートするという名目で悪さされても阻止出来ないからでしょうか?」

 

「おぉ、よく分かってるね〜。おじさんヒフミちゃんに花丸あげちゃう。」

 

「でもホシノ先輩、悲観的に考えすぎなのではないでしょうか?本当に助けてくれるかもしれませんし。」 

 

「うへへ〜、私は人の好意を素直に受け取れない、汚れたおじさんになっちゃってね〜。『万が一』ってことをスルーしたから、アビドスはこの有様になっちゃったんだよアヤネちゃん。」

 

一瞬だけ小鳥遊が無理して笑ったな。それに先生も気付いてる。先生頼むぞ、俺じゃ小鳥遊を救えないからな。

 

「えっと、今日は本当に色々な事がありましたね。」

 

「そうだね、とても楽しかった。」

 

「楽しかったのはシロコ先輩だけでは?」

 

砂狼が目を輝かせながら言い、黒見がジト目で砂狼を見る。まあ十六夜も楽しんでたと思うぞ。

 

「ファウストちゃん、お世話になったね。」

 

「そ、その呼び名は止めてください!と、とにかくこれからも大変だと思いますが頑張ってくださいね。応援してます!」

 

「ヒフミは俺が送っていくよ。頑張れよアビドス廃校対策委員会。」

 

ヒフミはお辞儀をして、俺は片手を挙げてアビドスメンバーに挨拶してから近くの駅に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般男子の家

 

「ふぅ、今日は色々あったな。ん?俺の家の前に誰かいるな?」

 

ヒフミをトリニティまで送り届け、家に戻って来たが、玄関の前に誰かが座り込んでいた。不審者、じゃないな!

 

「おい、大丈夫か!?このボロボロ具合、あのクソババアの仕業だな!」

 

座り込んでいたある生徒、いやアリウス生徒は俺の声が聞こえたのか俯いていた顔を上げた。目の光が無い、ヘイローもついていない、死ぬ寸前じゃねえか!

 

「あ、あの、ここに、くれば、温かい、ものが。」

 

「それ以上喋るな!直ぐに持ってくる!」

 

急いで店の中の厨房に入って速攻で『魚入りミルクスープ』を作ってアリウス生徒の所に持って行く。

 

「ほら食うんだ!食わないと生きれないぞ!」

 

「あぁ、噂は、本当、だった、んだ。硬い、パンや、野菜、くず以外の、食べ物を、食べさせて、くれるなんて。」

 

アリウス生徒は震える手でスプーンを掴み、スープを掬って口に入れる。

 

「お、美味しい⋯⋯、食べた事、ない味が、たくさん。とても、温かくて、美味しい。」

 

「ゆっくり食え!おかわりがほしいならいくらでも作ってやるからな!」

 

アリウス生徒はゆっくり『魚入りミルクスープ』を食べ完食した。くそっ、料理の回復効果は自分にしか発揮されねぇし、妖精の回復も自分にしか発揮されねぇ!

 

「ありがとう、これで、後悔は、ないよ。」

 

「後悔はないってどういう!」

 

アリウス生徒が笑顔で俺にそう言った後、アリウス生徒の体が爆発した。

 

咄嗟にバク転で爆発を回避したけど、爆発範囲が広くて完全に回避し切れなかった。所々爆風によって火傷したけどそんな事気にしてる場合じゃねえ!

 

『仕留め損ないましたか、最期まで使えない駒ですね。』

 

アリウス生徒のポケットに入ってる機械からホログラムが起動しクソババアの顔が映される。

 

「クソババアァァァァァ!」

 

『まあいいでしょう。私の命令を遂行出来なかった罰です。最期まで苦しみなさい。』

 

『そして一般男子、その使えない駒を助けようとしましたね?ですが無駄なのですよ。温かい物を食べ終わった後に爆発する爆弾をその生徒の胃に仕掛けたのですから。』

 

『貴方は一体何人アリウス生徒を助ける事が出来なかったのでしょうね?vanitas vanitatum、今の貴方にぴったりですよ。』

 

クソババアの声はそれ以降聞こえなくなった、くそっ、いつも来るアリウス生徒は魂だけの状態だったから気付くのが遅れた。

 

「ぁ、ぁぁ、くる、しい。」

 

「まだ息があるのか!」

 

けど腹に穴が空いてそこから血が流れてるし適切な治療をしても助けられるかどうか分からない。

 

「もう、苦しいのは、嫌だ。お願い、私を、殺して。」

 

「ッ!!」

 

また、止めをささないといけないのか俺は!先生のように救うことは出来ないのか俺は!

 

「は、早く、また、マダムに、何か、される、前に。」

 

「⋯⋯⋯⋯分かった。」

 

俺はアリウス生徒をお姫様抱っこして店の中を通り、庭にある墓石の前に行き、アリウス生徒のそこに降ろす。

 

「せめて苦しまずに送るからな。」

 

ポーチからオカリナを取り出して『いやしの唄』をフルverで奏でる。このアリウス生徒が苦しまずに逝けるように。

 

「あぁ、温かいよ、ありがとう、こんな私を、助けようと、してくれて。」

 

アリウス生徒は笑顔でそう言い俺に向かって手を伸ばしてくる。段々アリウス生徒の体が透けてくるが、それと同時に伸ばした手の先に緑色の光が集まってくる。

 

「私の神秘、受け取って。貴方なら、使いこなせる、から。先輩、迎えにきて、くれたんだ。ありが、とう⋯⋯。」

 

アリウス生徒はその言葉を最期に消えていき、緑色の光が俺に入ってくる。これは、『トーレルーフ』か。

 

「⋯⋯ありがたく使わせてもらうよ。そして必ずあのクソババアをぶっ飛ばしてくる。だから、ゆっくり休んでくれ。」

 

墓石にアリウス生徒の名前を新たに刻み、手を合わせる。この墓石に運ぶ際に名前は教えて貰ったからな。

 

「大将、これをいつも経験してるのですか?」

 

いつの間にかナギサが俺の隣に立っていた。

 

「どっから見ていたんだナギサ?まあそうだな、数カ月前からずっとな。」

 

丁度ある事件(・・・・)でアリウスに行って戻って来てからだな。

 

「大将の部屋で待っていたのですが、爆発音を聞いて急いで来ました。なので大将がアリウス生徒を墓石まで運ぶところからです。」

 

「そうか、悪いナギサ。今日は1人にしてくれないか?」

 

「嫌です。大将1人だけ抱え込む必要はないんです。私も、一緒に悲しみを背負いますよ。」

 

ナギサは俺の前に来た後、俺の顔を胸に抱え込んで抱き締めてくる。ちくしょう、泣いてる暇なんてないのに、涙が止まらない。

 

「ごめん、ごめんな。助けてやれなくて、ごめんな。」

 

「今日は泣きましょう大将、泣き疲れて眠っても私が運んであげますから。」

 

俺が先生だったら、なんとか出来たのかな。アリウスに行ったら時にクソババアを完全にぶっ飛ばしていれば、こんな事にはならなかったのかな。

 

俺の、せいだな。そんな事ない、だから自分を責めすぎないで!




一般男子
カマロダンスのBGMは自ら演奏し録音したもの。いつか使うと思っていたがここで使うとは思ってなかった。

後半のアリウス生徒について、いつもなら魂だけの状態で生徒が来る為、温かい料理を食べた後に満足して消えていくが、まだ生徒が生きている状態で来たのは初。

なので、助けられると思ったがクソババアの仕業で助けられなかった。

多分ヘイローを持ってたらもう反転しててもおかしくないくらいにはなっている。


砂狼シロコ
銀行強盗やれてウキウキ、一般男子が大妖精のお面を被って付いていこうとした時に真っ先に止めた。あのお面は生理的に受け付けないとのこと。

カマロダンスは機会があったら教えてもらおうと思っている。


十六夜ノノミ
大妖精のお面を見ても特に何とも思ってない。とても個性的なお面と感じている。色々落ち着いたら一般男子の店に行こうと考えている。


黒見セリカ
大妖精のお面を見て気を取られるから止めてと言った。なので逃げる際にカマロダンスを踊っている一般男子を見て固まったのでノノミに抱えられた。


奥空アヤネ
大妖精のお面を見た瞬間、食べていたお菓子を吐き出した。そしてカマロダンスを見た瞬間、飲んでいた水を吐き出した。なのでアビドス高校に皆戻って来た際に一般男子に説教した。


アリウス生徒
アリウスのとある場所に行くと最期に温かい物が食べられるという噂を聞いてその場所に行き、一般男子の店に辿り着いた。

最期に温かい物を食べられたが、事前にクソババアから爆弾を仕掛けられていた。即死してないが死ぬ寸前の為、大将に止めをさしてもらった。


桐藤ナギサ
アリウス生徒関連の話は聞いていたが実際に見たのは初めて、この後は一般男子が泣き疲れて眠るまで抱き締め、眠った後もベットに連れて行って抱き締め続けた。

他に見たことある生徒はネルとカンナのみ。


店の庭にある墓石
アリウス生徒の墓石。最期に一般男子の店で料理を食べて成仏したアリウス生徒は数十人。1人の時もあれば数人で来ることもあった。来た生徒全員の名前が墓石に彫られてある。


アリウスのとある場所
一般男子がアリウスを訪れた際にアリウスに滞留していた怨念や怨嗟等を浄化した場所。一般男子の店に行けるようにしたのは黒服のせい。


クソババア
ヘイロー破壊爆弾の実験で瀕死に追い込んだ生徒の胃に爆弾を仕掛けた。なお仕掛けられた爆弾もヘイロー破壊爆弾の為、生徒が保護してしまうと保護しようとした生徒すら死ぬ可能性があった。

数カ月前に崇高に至れるはずだったのに一般男子のせいで阻止されたので殺そうとしている。


『大妖精のお面』
ムジュラに出てくるアイテム、ただでさえ時オカとムジュラの大妖精はインパクトありすぎるのにそのお面が出てくるとは思わなかった。これを着けて画面がドアップになった時に鳥肌が立つと思う。


『カマロダンス』
ムジュラに出てくるダンス。本来ならカマロのお面というアイテムを使った時に踊れるようになる。サブイベント専用アイテムなのがちょっと惜しい。


『魚入りミルクスープ』
ブレワイとティアキンに出てくる料理。かなり美味そうだが作るための素材がちょっと面倒なのが惜しい。


『いやしの唄』
ムジュラに出てくる唄。これは邪悪な魔力や浮かばれぬ魂を癒すための唄だが、どちらかと言うと止めをさしているようにも見える。なので別名は止めの唄とも呼ばれる。


『トーレルーフ』
ティアキンに出てくる技能。天井を通り抜けられる事が出来る。これとブレワイにあったリーバルトルネード、どちらが有用だったかは意見が分かれる。

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