Blue Legend〜一般男子の物語〜   作:宗也

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評価、ここすき、お気に入りありがとうございます!

アビドス編第2章はどうしてもシリアス展開ばかりになりますね。早くギャグ満載の話を書きたい⋯。


アビドス自治区にて

「さて、病院から脱走したいんだが。前科があり過ぎて病室の扉開けられないんだよな。」

 

俺が病室の扉を開けて廊下に出ると警報が鳴って夜勤の看護師が拘束しに掛かるんだよな。前にやらかして捕まった事がある。

 

ん?さっき羽沼が来た時には鳴らなかっただろってか?ヘイロー持ってない人にしか反応しない警報なんだよ。

 

「となると、窓から行くしかないか。」

 

窓を開けてそこから地面を見る。自分の病室は4階か、なら行けるな!

 

「ハアァ!パー◯ンの如く窓から出発!」

 

窓の縁に足を掛けてジャンプ、地面が迫ってくるが初めて先生と会った時の状況と比べればこっちが低いから受身が取れるな。

 

「シェェイ!」

 

着地と同時に前転して衝撃を和らげる。よし、無傷で病室から出れたな。

 

「今は病衣だから家に帰って着替えないと。」

 

敷地内を囲っている壁をよじ登って脱出し、家に向かって走る。あっ、病院内が騒がしい。これ窓も警報範囲内なのか。

 

「まあ捕まる前に逃げればいいだけ。」

 

「そんなの許すわけないだろ!大人しく病室に戻らんか!」

 

げっ!警備員のロボットが追い掛けて来やがった!しかも数人いる!

 

「お前何回目の脱走だ!?始末書を書かされる俺達の身にもなれ!」

 

「脱走する悪い子は病室にしまっちゃおうね〜。」

 

「逃げるなァァァァァ!病院から逃げるなァァァァァ!」

 

今回ガチで捕まえに来てる!?けどここで捕まって病室に監禁されたら多分バットエンドに行くから捕まる訳には行かない!

 

「後でちゃんと病室に戻るから見逃して「出来るか!?」くれるわけないか。」

 

『電気の実』で痺れされるのは余計火種を大きくするから駄目、『ケムリダケ』は煙で騒ぎが大きくなるから駄目、ならこれだな!

 

「ソイヤッ!」

 

『コンラン花』を警備員全員に投げ付ける。

 

「痛っ!?あれ?俺は何でこんな所に?そうだ捕まえないと、そこか!?」

 

「大人しくしやがれ!」

 

「ワタシコトバワカリマセーン!アナタツカマエマース!」

 

よしよし、警備員は混乱してそれぞれを捕まえあってるな。効果は短いから今の内に家に帰らないと。

 

それから無事に家に戻って来て病衣からいつもの服に着替えた後、必要になるかもしれない薬を作る作業に入った。

 

ある程度作ったら夜が明けていたからアビドス高校に向かう。今の状況が分からないからな。お見舞いに来た先生に聞く暇が無かった、説教が長すぎて。

 

「利子が上げられた前なのか後なのか。」

 

流石に歩いては行けないからバイクに乗ってるぞ。前は馬にも乗ってたんだけどな、馬は砂漠の気候には耐えられないし。

 

「そろそろアビドス自治区に入る、ってあれは?」

 

小鳥遊が歩いてるな。夜間の警備、というわけじゃなさそうだ。

 

「⋯⋯誰?って大将じゃん。入院してるんじゃなかったっけ?」

 

小鳥遊がこっちを向いた。その何かを決意した顔、退部届けを出して黒服の所に行く前か。

 

「んなもん脱走したに決まってるだろ。」

 

「うへぇ〜、ドヤ顔して言う事じゃないと思うよ?それで、私を引き止めに来たの?」

 

「引き止める?何の事言ってんだ小鳥遊?」

 

つーか俺が何言っても止まる気ないだろ小鳥遊。下手な事言うと殺されそうだ。

 

「ううん、何でもないや。ねえ大将?一つお願いがあるんだ。」

 

「無理難題じゃなければいいぞ。」

 

「⋯⋯アビドス高校の後輩達をお願いね。皆いい子達だからさ。」

 

「⋯⋯⋯⋯分かった。」

 

俺がそう言うと小鳥遊はニヘっと笑って何処かに行こうとする。くそが、事情を分かってて小鳥遊を止められないのか俺は。

 

「うへ、そんな顔しないでよ大将。まるで私がこれから死にに行くみたいじゃん。」

 

「⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

「私が居なくても皆やっていけると信じてるから。じゃあね大将。」

 

小鳥遊はそう言って去っていった。それは信じてるとは言わねえよ小鳥遊。

 

「本当、このキヴォトスっていう世界は先生じゃないと生徒を救うことが難しいんだな。」

 

俺が生徒を救えたのは本当にたまたまだったのか。先生がいなかったから救えたのか。

 

「やるせないな。」

 

バイクを再び発進させると同時にアビドス市街地の辺りが騒がしくなった。これはカイザーPMCがアビドス高校に向かう場面か。

 

「丁度いい、鬱憤晴らしと行くか。」

 

バイクを走らせてアビドス市街地に向かうとカイザーPMCの兵士が辺りを見張っていた。

 

「どうも〜、お食事処アーカイブでぇす。頼まれていた料理を届けに参りました〜。」

 

「料理?おい、お前そんなの頼んだか?」

 

「いや頼んでないぞ?」

 

「いえいえ〜、ちぁゃんとカイザーPMCからご注文受けておりますよ?この料理をな!」

 

カイザーPMCの兵士の顔面に『硬すぎ料理』をぶん投げる。喰らったカイザーPMC兵士の顔面はベコッと凹んだな。

 

「がっ!?」

 

「ぐがっ!?」

 

「ちぁんと食べろよ?おら口に料理を突っ込んでやるから食いやがれオラッ!」

 

仰向けに倒れたカイザーPMC兵士の口を強引に開けて『硬すぎ料理』をブチ込む。

 

「「お、おえぇぇぇぇぇ!!」」

 

「制圧完了っと。先生がいる所に向かわないとな。」

 

バイクで行くと音で気付かれるからな。ここからはダッシュで行くか。

 

「誰だ!?ここの住人か!?いや顔の半分が包帯で巻かれてるから違う?」

 

「気にすんなとにかく撃て撃て!このアビドス自治区はカイザーコーポレーションの持ち物になったんだ!歯向かう奴は追い出せ!」

 

チッ、俺を見た瞬間にさっき無力化した奴と違うカイザーPMC兵士が撃って来やがった。

 

物陰に隠れて銃弾をやり過ごす。あまり時間は掛けられないな。

 

「相手は生徒じゃないし、人でも獣人でもなく機械だから制限は無くていいか。」

 

なら早速行動しないとな。カイザーPMC兵士の近くに向けて『カガヤキの実』を投げ付けてっと。

 

「「「眩し!?」」」

 

目が眩んでいる隙にカイザーPMC兵士に近付く。その際に兵士の大剣に『サファイア』をスクラビルドしてっと。

 

「おはようございま〜す。魑魅魍魎で〜す。」

 

「「「魑魅魍魎!?」」」

 

「取り敢えずお前ら全員愉快なオブジェクトになっとけ!」

 

兵士の大剣をカイザーPMC兵士に横薙ぎで当てて全員を凍らせる。ここも制圧完了っと。

 

「スクラビルド解除っと。あそこにいるのは先生とアビドス高校メンバーとカイザー理事か?」

 

気付かれないよう近くに行って様子を伺うか。

 

「そろそろ馬鹿でも分かっただろう?誰一人として、君達に手を差し伸べる者はいない。そして、アビドスの最後の生徒会メンバー、副委員長の小鳥遊ホシノが退学した。」

 

「アビドスの生徒会は、もう存在しない。君たちはもう、何者でもないのだよ!」

 

愉快そうに話してるなカイザー理事?ならこっちは準備を進めさせてもらおうか。

 

「公的な部活も、委員会も、生徒会も、自治区すらも無いアビドスは、学園都市の学校として自立・存続が不可能だと判断するしかあるまい?」

 

「それは⋯⋯⋯⋯。」

 

「やれやれ、仕方がないな。この自治区の主人である我がカイザーコーポレーションがあの学校を引き受けるとしよう。そうだな、新しい学校の名前は『カイザー職業訓練学校』にでもしようか。くくくっ!」

 

物陰に隠れながら『バクダン花』をカイザー理事の周りに置くように遠くから転がしてっと。

 

「えっ?な、何を言ってるの!?生徒会が無くても、アビドスには対策委員会がある!私たちがまだいるのに、そんな言い分が通じるはずないでしょ!?」

 

『⋯⋯それは、対策委員会は、公式に許可を受けている委員会じゃない。』

 

気配を消して音を立てないようにして設置は中々難しいな。ウルトラハンドがあればまだ楽なのに。

 

「えっ?どういうことよ?」

 

『対策委員会が出来た時には、もうアビドスには生徒会が無かったから。』

 

「えっ?えっ?」

 

軽く十数個は設置したな。念のためもう少し設置しておくか。

 

「そうだ。所詮非公認の委員会モドキ、正式な書類の承認も下りていない。つまり、君たちの存在を示すものは何も無いのだよ。」

 

「だが、喜べ諸君。アビドス高等学校が無くなれば、晴れて君たちはあの借金地獄から解放されるのだからな。」

 

借金はテメェが貸したんだろうが。それをよく他人事のように言えるもんだな。

 

「そんな、そんなことになったら、今までの私たちの努力が⋯⋯。」

 

「ほう、まさか本気だったのか?こいつは傑作だ。本気で何百年もかけて、借金を返済するつもりだったと?」

 

よし設置完了。あとはこの後便利屋が来るはずだからタイミングを合わせて起爆だな。

 

「これは驚きだなぁ。てっきり、最後に諦める時『でも私たちは頑張ったから』とでも言って、自分を慰める言い訳をするために、ほどほどに最低限頑張っているのだと思っていたが。」

 

「くくくっ、一体君達は、どうしてあんなに無価値な努力をしていたんだ?何のために?」

 

本当楽しそうだなカイザー理事?けど、そんな顔出来るのも今の内だぞ?

 

「⋯⋯っ!あんた、それ以上言ったら!」

 

「撃つよ。」

 

『今ここで戦って、何かが変わるんでしょうか?』

 

奥空の諦めたような声が聞こえてくる。

 

「アヤネちゃん!?」

 

『今も、すごい数の兵力がこちらに向かって来ています。たとえ、戦って勝てたとしても、その後はどうすれば?学校が無くなったら、もう戦う意味がありません。学校をどうにか取り戻せたとしても、私達にはまだ、大きな借金が残ったまま。』

 

『取引された土地だって戻ってきません。何より、ホシノ先輩もいない、生徒会も無い、こんな状態で、私たちみたいな非公認の委員会なんかに、これ以上、一体何が!』

 

『どうして、どうして私たちだけ、こんな、ホシノ先輩、私たち、どうすれば⋯⋯。』

 

奥空が泣き出したのと同時に遠くで爆発音が聞こえてくる。アル達もタイミング見計らってたのか?

 

「なっ!? き、北の方で大きな爆発を確認!」

 

「合流予定のブラボー小隊が巻き込まれて!」 

 

「何っ!?」

 

これここに来るまでに爆弾使わなくて正解だったな。

 

「東の方でも確認!合流予定だったマイク小隊も大量のC4によって!」

 

「ガンマ小隊!応答がありません!」 

 

「何が起きている!?アビドスの連中は、ここにいるので全員のはず!」

 

そろそろだな、矢に『火炎の実』をスクラビルドして弓矢で矢を空高く放つ。

 

「全く、大人しく聞いていれば、何を泣き言ばっかり言ってるのかしら?」

 

コツコツと靴が地面を蹴る音が近付いてくる。4人分聞こえるから便利屋全員か。いい登場の仕方じゃないかアル。

 

「目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く。それがあなたたち覆面水着団のモットーじゃなかったの?」

 

「貴女は!?」

 

「何をすればいいのか分からない、どうすればいいのかも分からない。やる事なす事、全部失敗に終わる。ここを潜り抜けたところで、この先にも逆境と苦難しかない。」

 

そこまでアルが言うと一旦言葉を止めて一呼吸置いた。

 

「だから何なのよっっ!!」

 

『え、えっ……?』

 

「仲間が、友達が危機に瀕してるんでしょう!!それなのに、くっだらないことばっかり考えて!!このまま全部何もかも奪われて!それで貴女達、納得できるわけ!?貴女達はそんな情けない集団だったの!?」

 

これだよこれこれ。このカリスマが人を引き寄せるんだよ。厳しいこと言ってるアルだけど、同時に奮い立たせる事も言ってる。

 

「いやいや、アルちゃんその辺で勘弁してあげなよ。メガネっ娘ちゃんは繊細なんだから、こういう時もあるって。」

 

『ど、どうして貴女達が?』

 

十六夜、砂狼、黒見が固まっている中でいち早く起動した奥空がアルに聞いてるな。

 

「あはっ!まぁそれはそうだね〜。私の可愛いメガネっ娘ちゃんを泣かせた罪は重いよ?だからさ、こうなったらもう、ぶっ殺すしかないよねっ!!」

 

「ふふっ、ふふふふふ、準備はできています、アル様。仕込んだ爆弾もまだまだたくさんありますので⋯⋯。」

 

「はぁ、ラーメン食べに来ただけなのに。それと社長?ちょっとカイザー理事から離れた方がいい。」

 

おっ、鬼方は気付いたな。俺が隠れているのにも気付いて頭を抱えてる。いらん心配掛けてスマンな。

 

「目を開けなさい。腑抜けた貴女達に、今から真のアウトローの戦い方を見せてあげるわ。」

 

「便利屋68ォォォォ!!」

 

いい気分を邪魔されたカイザー理事は怒り狂ってるな。ならもっと邪魔してやろうじゃねえか。

 

「さっきまで自分を中心に世界が回ってる、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜカイザー理事。」

 

「なっ!貴様は!?」

 

物陰からよじ登って高い位置から姿を表す。カイザー理事が気付いた後に鬼方以外の便利屋メンバー、先生、アビドスメンバーも気付いたな。

 

「おいおい、俺を見てる暇あるのかカイザー理事?上を見たほうがいいぞ?」

 

俺は左手を腰に当てて右腕を上に掲げ、右手の人差し指を空に向けて指差す。これカメラを撮る際のポーズな。

 

「ふざけるのも大概にしギャアァァァァァ!!!」

 

「「「「「「グアァァァァァ!!!」」」」」」

 

上空に放った矢が設置していたバクダン花に当たってカイザー理事、それを護衛していたカイザーPMC兵士を巻き込んで大爆発を起こした。ウハハハ!ざまぁみやがれ!




一般男子
病院脱走の常習犯。救護騎士団と救急医学部で入院している時以外は大体脱走する。救護騎士団で脱走しようとするとミネ団長に救護、救急医学部ではチナツに救護される。

カイザー理事の態度にムカついたので爆弾を仕掛けた。


陸八魔アル
原作同様華麗に登場した。その後一般男子を見て内心怒っていたが、カイザー理事を巻き込んだ大爆発を見て私こんなの知らないといった感じで白目で例の表情になった。


カイザー理事
ようやくアビドス自治区を手に入れる事が出来ていい気分だったのに便利屋に邪魔された。更に一般男子にも邪魔された。


先生
取り敢えず一般男子にはお説教しようかなと思っている。


一般男子の言う制限
生徒相手では流石に炎上や氷結は命に関わるので余程の事がない限り使用しないが、生徒以外の場合は炎上や氷結、高いところから落とす等も戦術に組み込む。



『高いところからの受身』
ゼル伝シリーズでは高いところから着地する際に進行方向にスティックを倒すことである程度までなら無傷で着地出来る。もし病室が5階だったら不一致になってた。


『コンラン花』
ティアキンに出てくる素材、敵に投げ付けると混乱する。意外と使える素材。


『硬すぎ料理』
ブレワイとティアキンに出てくる料理。薪の束、もしくは鉱石を料理素材にした時に出来上がる。全然回復しないが、ブレワイの剣の試練では貴重な回復手段になる。普通は食えない。


『サファイア』
ブレワイとティアキンに出てくる鉱石。ブレワイではただの換金素材だが、ティアキンではスクラビルドすると氷結効果が付随される。中々便利。


『火炎の実』
ティアキンに出てくる素材。これは敵に投げ付けたり矢にスクラビルドすると炎上させる事が出来る。料理素材でもあるが、料理にはあまり使われないと思う。


『最後の爆発』
ブレワイの例の敵を駆逐する厄災画像を参考に一般男子が再現した。ピタロックがないので矢を代わりに使用した。

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