今回はほのぼの回なので短いです。この時はまだ余命についてはナギサしか知らない状態です。
「大将、貴方の為にご飯作ってきたわ。食べて頂戴。」
店が休業日の日、朝起きてご飯食べてお茶を飲みながらのんびりしていたら、いきなり玄関の扉が開いてリオが入って来た。
「いきなりどしたリオ?俺もう朝ご飯食べ終わったんだけど?」
「料理が上手くいったから大将に食べて欲しくて来たわ。遠慮しなくていいわよ?」
「前もそう言って料理を出したけど、目玉焼きという何かの暗黒物質だったんだが?」
「こ、今回は大丈夫よ。」
言い淀んでる時点でアウトっぽい気がするんだけど?まあ他の人に食わせる訳にはいかないし、捨てる訳にはいかないしなぁ。
「はい、オムライスよ。よく食べると思って2人前作ってきたわ。」
袋が二つあるから2人前か。そして出されたオムライスは、マジかよ!
「み、見た目が暗黒物質じゃなくまとも、だと!?誰かに手伝ってもらったりしたのか?リオ1人じゃ無理だろこれ。」
「失礼ね、私1人で作ったわ。形が崩れてるのは、許して頂戴。」
確かにグズグズに崩れてるけどさ、味が美味しければ気にしねぇよ。ついにリオも料理出来るようになったかぁ。
「それじゃ、早速。いただきまずいですね、知ってた。」
オムライスをスプーンで掬って食べると、うげぇ、形容し難い味が広がった。何で甘い苦い酸っぱいしょっぱい辛い味がすんだよ!?何入れたらこうなるんだよ!?
「リオ、正直に言いなさい。味見してないよな?」
「⋯⋯黒焦げじゃないから必要ないと思ったのよ。」
「じゃあこのオムライスに何を入れた?味覚のコンプリートでも目指したのか?」
「大将の健康を考えて、砂糖とにがりとお酢と塩と赤唐辛子を大量に入れたわ。」
なるほど、そりゃ不味くもなるわな。でも食べ物を粗末に出来ないし、ええい!
「不味い!不味い!不味い!ご馳走様!」
意地と気合でリオが作った料理を何とか口に運んで飲み込む。食べれなくもないのがいやらしいな!
「ふぅ、リオ、今度マンツーマンで料理教えてやるからな?ニゲルナヨ?」
「わ、分かったわ(半涙目)」
そんな小動物みたいにプルプル震えても無駄だぞリオ。けどもう一つオムライスがあるのか、もう食べたくないんだけど。
少し悩んでると、また玄関の扉が開いた。今度はナギサがやって来たな。
「大将、本日お暇でしたら何処かへお出掛けしませんか?リオさんも如何です?」
「構わないわ。ねぇナギサ、このオムライス食べてみてくれないかしら?」
「おいリオ!そのオムライスはっ!は、腹が!?」
腹がギュルギュル言ってる、味覚だけでなく胃腸にもダメージ与えてくんのかよリオの料理!
「リオさんが料理?しかも黒焦げではない?誰かに作ってきて貰いましたか?」
「⋯⋯私ってそんなに料理出来なさそうに見えるのね。」
そんな涙目で体育座りになっても認識変わらねぇよ。ううっ、正露丸って何処にしまったっけ?
ああ、正露丸探している最中にナギサがリオ作のオムライスを食べようとしてる!?待った待った待った!
「では、いただきクソ不味いのですが!?どうしてオムライスでこんな味が出せるのですか!?うっ、お腹が!」
止めるのが遅く、ナギサがオムライスを一口食べた瞬間に戻しそうになったが、なんとか飲み込んでいた。
残った奴は、俺が食べるか。うえっ、こっちは甘み強めの苦み抑えめか、最初の奴よりは食いやすいけどさ。
「な、ナギサ。正露丸飲め、楽になるぞ。」
「あ、ありがとうございます大将。ふぅ、リーオーさーんー?私前にも言いましたよね?料理を作る際は必ず味見をするようにと!ロールケーキブチ込まれたいのですか!?いえもうブチ込みますね!」
「待って頂戴ナギサ!大将!見ていないでたすふむぐっ!?」
「残当。」
怒ったナギサが何処かから取り出したロールケーキを逃げようとするリオの口にブチ込んだ。ナギサの怒りはわかるから助けねぇよ。
「大将、お口直しにカフェにでも行きませんか?」
「賛成、ほらリオ、行くぞ。」
涙目でもそもそとロールケーキを食べてるリオを、俺とナギサで服の襟を掴んで引き摺っていく。まーたご近所に噂されるなこれ、でも見慣れてるのか温かい眼差しなのが救いか。
カフェ 店内
D.U地区の少しレトロ感あるカフェに入る。このカフェは俺のお気に入りの店でもあるから案内したかったんだよな。
テーブルの席に座ると、ナギサは物珍しそうに周りをキョロキョロと見渡し、リオはメニュー表を見ていた。
「ナギサはこういう庶民的な店にあまり入らないもんな。口に合うといいんだけど。」
「お気遣いありがとうございます大将。ですが大丈夫ですよ、大将と関わってから庶民的な店に入ったり、食べ物を食べたり、飲み物を飲むこともありますので。」
そうなんだ、どういうのを食べ飲みしてるんだろう。トリニティの庶民的という感覚なら、俺の庶民的な感覚とズレてるかもな。
「じゃあ庶民的な飲み物だったら、何を飲むんだ?」
「午◯ティーは飲みますね。あとはフルーツジュースも飲みます。意外と美味しいので。」
「思っていた以上に庶民的だった!?」
ペットボトル飲料の紅茶をゴクゴク飲むナギサ、駄目だ想像出来ない!
「炭酸飲料はあまり得意ではないです。ミカさんは美味しそうに飲んでいますけど。頼みたい物は決まりましたよ。」
「聖園は何か想像出来るな。よし、じゃあ注文するか。」
タブレットで頼みたい物をタッチして注文してと。俺はカフェオレ、ナギサはセイロンのキャンティ、リオはメロンソーダ。いや皆見事にバラバラだな!
「大将とリオさんは紅茶でしたら何が好きなのでしょうか?」
「私は紅茶は苦手だからあまり飲まないわ。強いて言うならニルギリかしら。」
「俺は紅茶よりも緑茶を飲むからなぁ。まあ紅茶ならドアーズかな。お、飲み物が来たから飲むか。」
ロボットが飲み物を運んできたからそれぞれ受け取って飲む。うん、ここのカフェオレは旨い!
「ふむ、ここのお店の紅茶は中々美味しいですね。トリニティで出しても大丈夫なくらいです。」
「良かった、紅茶の味にキレてナギサが店主にロールケーキをブチ込まれなくて良かった。」
「そんなに私はロールケーキをブチ込む人だと思われてるのですか!?」
ナギサの台詞に俺とリオはうんうんと頷く。グループモモトークメンバーでロールケーキをブチ込まれた事がないのって、ユウカ、セリカ、ノア、モモイ、スズミくらいだからな。
カンナやキサキでさえ、一度はナギサのロールケーキをブチ込まれてる。俺?俺は何回ロールケーキブチ込まれたか分かんないや。
「うし、ここでお口直ししたら甘い物でも食べに行くか。」
飲み物を飲み干した後、会計を済ませて外に出る。ナギサが俺の分まで払おうとしたけど丁寧に断った。流石に自分の分は払わせてくれ。
外に出てしばらく歩くと、クレープ屋の出店があった。クレープか、久し振りに食べたいな。
「甘い物はクレープでもいいかナギサ?リオ?」
俺がそう言うと二人は頷いてくれたから早速店に向かう。うーん、2000クレジットのクレープ。ちょいとお高めだな、まあいいけどさ。
クレープを3つ頼み、ナギサとリオに渡した後に自分の分のクレープを食べる。俺はチョコレート、ナギサはバニラ、リオはストロベリーを頼んでるぞ。
「うん旨い!自分じゃあチョコクレープは作っても店の味にならないもんな。」
「大将、一口いただきますね♪」
ナギサはにこやかに笑って俺が持っているチョコクレープを一口食べた。それを見たリオは顔を赤くした、そっか間接キスだもんな。
「では私のバニラクレープも大将にあげますね。あーんしてください♪」
普通逆じゃないのか!?まあバニラクレープも食べたいからいいけどね。
「あーん、ん!バニラも旨いな!」
「ほら、リオさんも大将にあーんしてみては?こういう時は積極的にならないと駄目ですよ。」
「わ、分かったわナギサ。大将、あ、あ、あ、あーんして頂戴!」
リオの顔真っ赤、こういう事には慣れてないもんな。
「あーん、ストロベリーも旨い!」
楽しく会話しながらクレープを食べ終え、歩き出そうとした時にクレープ屋の店主から呼び止められ、以前に先生に世話になったからシャーレにクレープを届けて欲しいって言われた。
先生に差し入れを持って行くのは構わないから、店主からクレープが入った袋を受け取ってシャーレに向かう。
「たまにはこういうのんびりとした時間を過ごすのも悪くないな。」
「そうね、とても楽しいわ。」
「次は温泉とかに行ってみたいですね。」
混浴無しの温泉なら行こうかな。混浴有りだと湯船で襲われそう。
「シャーレに着いたぞっと。先生、差し入れ持って⋯⋯。」
「あっ!た、大将助けて!静かに扉そっ閉じしないでよぉ!?」
先生のいる部屋の扉を開けた瞬間、先生の右隣に狐坂、左隣に十六夜、膝の上に才羽妹、前に扇喜、後ろに羽川という面子が先生の取り合いをしてたから思わずそっ閉じした。
クレープは扉を閉じる前に部屋の中にメモを残して置いてきたから問題無い。というより、あの中に入れる気がしない。いや入りたくない。
「うし、ゲーセンでも行こうか二人とも。」
「「そうしましょう。」」
「たーすーけーてーよー!!」
⋯⋯知らん!強く生きてください先生。
一般男子
食べれる物ならどんな物でも残さず食べるようにしている。でもリオの料理は食べるのが中々キツイ。
紅茶よりも緑茶を飲む派。なので定期的に百鬼夜行から茶葉を仕入れている。
調月リオ
生活力は原作よりも上がってるが、まだまだ改善が必要なレベル。一般男子へのあーんが忘れられず、しばらく悶々としていた。
桐藤ナギサ
怒ったら誰にでもロールケーキをブチ込む。ユウカ、セリカ、ノア、モモイ、スズミもいつかはロールケーキをブチ込まれる。
ゲームセンターはとても楽しかったらしく、たまにミカやヒフミを誘って行くようになった。
先生
クソボケ発言をしてしまい、たまたまあの5人が集まってしまった。
いただきまずいですね
ある動画漫画で主人公が言った台詞、テンポも良くて凄く面白い。