いつの間にか50話を超えていました。最初は2〜3話の予定でしたが評価や感想を頂くことが出来たのでここまで続けられました。本当にありがとうございます!
取り敢えず目標は最終編ですね。鋼鉄大陸編も書きたいのですが、そこまで行くかどうか。
トリニティ 救護騎士団本部
「よっと、着いたな救護騎士団本部。」
聖園と錠前のコンビから逃げ切れた後は真っ先に救護騎士団本部に向かい、玄関前に辿り着いた。明かりは付いてるからまだ誰かいるな。
「そのまま入っていいのかハナエ?」
「はい、この時間なら、夜当番の人が居ますから。セリナ先輩も、多分いると思います。」
鷲見がいるのか、なら来てもらうのが早いか。救護騎士団本部の建物内は意外と広かった記憶があるから、迷子になったらヤバい。
ハナエの顔色も悪くなってきたから下手に時間は掛けられない。先生のように鷲見は召喚出来ないからここは大声で!
「ごめんくださ〜い!!」
「夜遅くに大声で叫ばないで下さい!」
玄関前で大声で叫んだら扉が開いて鷲見がやって来た。非常識な事をしてる自覚はあるけど時間がないんだよ。
鷲見はプンプンと怒りながら俺に近付くが、俺と背負ってるハナエを見た瞬間、盾を持っていない方の俺の腕を引っ張って来た。
「何があったのかは後程聞きます!今は救護が必要ですのでこっちに来てください大将!」
「分かった、分かったから引っ張るなって鷲見!」
半分鷲見に引き摺られる形で救護騎士団本部の中を歩いて行く。夜遅い時間なのにまだ仕事してる生徒がいる。夜当番の生徒かな?
その当番の生徒は鷲見に引き摺られる俺を見た後、すぐ電話で何処かに連絡し始めた。
「大将、貴方のせいでハナエちゃんが無茶するようになったんですよ!今回もまた無茶しましたね!?団長とチナツさんとセナさんに連絡しますから!」
「チナツに連絡するのは良いんだけど蒼森と氷室に連絡するのは止めてくれ!」
あの2人が担当になると何もさせてくれないんだよ!蒼森はベットに括り付けられて1日中お世話されっぱなしだし、氷室はベットに拘束はされないけど1日中隣で監視されるし!
入院中に何度も脱走した俺が悪いんだけどさ!チナツ?チナツに抵抗するのはもう諦めたよ⋯⋯。
「お断りします!ハナエちゃんが近くに居ても大将の無茶が治らないのなら、団長とセナさんも大将の近くに居るようにお願いしますからね!」
「それは鷲見だけで判断出来るもんじゃないだろ!第一蒼森と氷室は俺の事がき「大将に好意があるからお二人とも断りませんよ!」らいじゃないのかよ!?」
「どれだけ鈍感なんですか大将!?これを期にクソボケの治療もした方がいいですね!」
クソボケの治療って何だよ?黒服にも言われたけど別に俺はクソボケじゃねえよ。人の好意は敏感に感じ取れる方なんだよ。
キヴォトスに人の男が極端に少ないからこうなるんだよ。俺に向けられるのは精々尊敬の念くらいか?好意と言っても恩返しみたいなもんだろ。
皆恋愛をしたことないから尊敬の気持ちや恩返しの気持ちが『好き』という感情と区別が付かなくてごちゃ混ぜになってんだろ。
「またクソボケな事を考えてますね!?団長が戻って来たらクソボケの治療を本格的にしますからね!」
「どういう治療すんだよ。そもそも救護騎士団はメンタルケアもすんのかよ?」
「当たり前です!処置室に着きましたね、ハナエちゃんをそこのベットに寝かせて下さい大将。」
鷲見の言う通り背負っていたハナエをベットに仰向けで寝かせる。その後に鷲見は消毒液や包帯等の救急セットを用意してハナエの治療を始めた。
今は頭部の治療をしてるけど怪我してる部分は頭だけじゃないよな多分、服を脱がす必要があるし俺は処置室から出て帰るか。
いや救護騎士団本部の外に出て聖園や錠前と鉢合わせたら今度こそ逃げられない。ならここにいるのが正解か?正解じゃないな、『フロルの風』でワープすれば良いだけか。
「じゃあ俺は帰るから、また明日様子を見に来「何帰ろうとしているんですか大将?」ヤベッ。」
処置室から出ようと扉を開けた先にチナツと氷室が立っていた。二人とも睨んできてるんだけど?氷室は普段ポーカーフェイスで感情が読み取りにくいのにめっちゃ怒ってますという感情が滲み出てるんだけど!?
チナツはニッコリと笑みを浮かべながらコメカミがヒクヒクしてるから感情が分かりやすい。
「取り敢えず盾を置いてください大将。」
「いやこれはハナエが持っていた盾だからここに置くのは「いいから、置いてください。」氷室さん?グイグイ近付かないでくれます?」
「チナツ、今ですよ。」
ズイッと顔を近付けてくる氷室から顔を背けた瞬間、回り込んでいたチナツに盾を回収された。そして俺の左腕を見た二人は固まった。
「だから盾は置きたくなかったんだよ。あのゴリラミカめ、全力で跳び蹴りしやがったな。」
今の俺の左腕は袖の部分の服は一切なく、外見は原型がないほどグチャグチャでグニョグニョで全体が紫色になってるからな。骨も筋肉も神経も粉砕された、千切れなかったのが幸いだ。
これ治しようなくね?左肩から先を切断してマックス料理食って再生させた方が早いだろ。ここまで酷い怪我の場合は切断しなくても治せるけど、料理を食って治した後は少し動かしづらくなるんだよ。
切断して再生させた時はそんな事ないんだけどな。戦闘中はそういうの無視出来るけど、終わった後に無視してた反動がやってくる。
「誰に、やられたんですか?一体何処の誰がやったんですか?」
ヤバい、チナツの目がガンギマリになってる。これ誰にやられたかを言ったら仕返ししに行きそうな勢いなんだけど?
「落ち着けチナツ、全然痛みは感じないから大丈夫だ。」
「神経系統が全滅しているからです大将、貴方はそんなに愉快な死体になりたいのですか?」
「なら興味のある死体を見れるじゃねえか。良かったな氷「ふざけないでください!大将の死体は何度も見たくありません!」わ、悪かったよ氷室。」
場を和ませる為の状態を言った瞬間、氷室に胸倉を掴まれて壁に叩き付けられた。意外と痛くないから加減してくれたんだな。
「大将、言っていいことと悪い事があります。確かに昔は死体に興味はありました、ですが貴方の死体を見てからそんな興味は失せたんです。あんな思いは、もう二度としたくない。」
氷室がそう呟いた後、顔を俯けてポロポロと泣き出し始めた。
「セナ先輩が泣いている?大将、セナ先輩の前で一体何をやらかしたんですか!?」
「やらかしたの前提かよチナツ。まあ、色々とな。」
カイザーとのいざこざがゲヘナであって、その時に氷室の目の前で死んだり、氷室を庇って死んだり、氷室と負傷者が乗ってる車を逃がす為に殿を務めたりしただけだ。
あれ?こうして思い出すと結構やらかしてんな俺?そりゃ泣かれるわ。
「⋯⋯恥ずかしい所をお見せしました大将。その左腕をすぐに治療します。その大怪我の具合から察するに何かの衝撃を無理矢理防いだ事による怪我のようですね。」
氷室は俺の胸倉を掴むのを止めて左腕を慎重に触り始めた。
「⋯⋯誰にやられたかは言うつもりは無いんですよね大将?」
「悪いなチナツ、それに氷室も。怪我は料理食って治すから心配いら「それは、阻止してください皆さん。」どしたハナエ?」
『マックス薬』を飲もうとポーチに手を入れた時にハナエがそう呟いた。治療中なんだから大人しくしてろって。
「皆さん、大将をこの救護騎士団本部から出さないようにしてください。」
「何言ってるんだよハナエ?そもそも俺が救護騎士団本部に居てどうす「とぼけても駄目です大将、大将はもう余命一ヶ月くらいなんですから!」!?」
何でバレた!?そもそもどうやってハナエは俺の余命の事を知ったんだ!?しかも処置室内の気温が下がった気がするんですけど!?
「ハナエちゃん、それは本当ですか?」
「本当ですセリナ先輩。嘘だと思うなら、大将の顔を見てください。恐らく動揺していますから。」
鷲見がハナエに聞いた後、グルンと俺の方を向いて顔を見てくる。目のハイライトが無い顔でその動きされるとホラーゲーム思い出して怖いんだけど!?
チナツと氷室の方を見ると、鷲見と同じように目のハイライトが消えていて、チナツがゆっくりと近付いてくる。
「その動揺具合、本当のようですね大将。」
「いや皆が目のハイライトが無くなるから動揺してるだけだ。余命の事は「本当の事を言わなければキスで口を塞いで舌で大将の口を蹂躙してあげましょうか?」本当です、はい。」
チナツのキスはヤバいので大人しく本当の事を言うしかない。何でハナエは寿命の事分かったのかな?
「大将の余命の事を知ってる人は他にいるんですか?」
「ナギサとスズミが知ってる。混乱を招きたくなかったから誰にも言わないようにしていた。だからナギサとスズミを責めるのは止めてくれよ。」
「そんな事はしません。どうして余命が一ヶ月なのか精密検査する必要があるのでここで入院してもらいます。よろしいですねセリナさん?」
「分かりましたセナさん。早速入院の手続きをするように連絡しますね。」
ハナエの治療が終わった鷲見はスマホで何処かに連絡し始めた。えっ、これマジで入院するパターンですか?
「左腕の怪我くらいで大袈裟だよ。余命の件は検査しても多分わからないから入院しなくていいだろ。」
「左腕以外に両足も怪我していますよね?隠そうとしても無駄です。大将は料理を食べれば怪我は治りますが、決してノーリスクで治るとは限りません。今まで無茶したことによって溜まったダメージが吹き出した可能性があります。」
それは絶対にない、とは否定出来ないな。どうして料理食えば怪我が治るのか分からないし。
「「なのでそれも含めて検査するために。大将、貴方を
「⋯⋯⋯⋯逃げろォォォォォォ!!」
チナツと氷室に拘束される前に処置室から出て廊下を走り出す。病院ではお静かに?んなこと守ってられるかよ!
「逃げないでください!セリナさんお願いします!」
「わかりました!『ピィーーーー!!』」
ん?何か笛の吹く音が聞こえたんだけど?猛烈に嫌な予感が。
「救護騎士団本部にいる皆さん!大将が逃げました!見つけ次第ベットに拘束してください!」
『分かりました!!』
「私とセナ先輩は大将を追い掛けますよ!」
後ろから大勢の足音が!?救護騎士団本部にいる皆で追い掛けて来るのかよ!?何としても逃げないと!
ここは2階だから『トーレルーフ』しても3階に行くだけ、その間に3階にいる生徒に発見されたら逃げられない!
かと言って『フロルの風』は立ち止まらないと発動出来ない。この状況で数秒立ち止まったら発動前に拘束されちまう!
「大将がいました!皆さん捕まえますよ!」
前方から救護騎士団の生徒が!後ろからも追い掛けて来てるし、近くに階段もない。
こうなれば窓から飛び出して逃げるしかない!幸い近くに窓はある、でも開けてる暇はないから窓ガラスを突き破って外に出るしか!
「窓ガラスを突き破るつもりですね、そうはさせません。」
「うぐぇ!?氷室!?なんでお前がクローショット持ってるんだよ!?」
窓ガラスを突き破ろうとした瞬間に何かに掴まれて引っ張られる。引っ張られる方向を向くといつの間にか氷室が『クローショット』を装備していたんだが!
「以前にミレニアムに救護に行った帰りにエンジニア部に寄りましたので。そこでクローショットを見つけて買ったのです。逃げる負傷者を捕まえるのに便利なので。」
「捕まえました大将、もう逃がしません!」
氷室の方へ引っ張られた後に右腕にチナツが抱き着いた。かなり強く抱き締められてるから振り解けねぇ!
くそっ、やっぱ後方に滑って移動は足にも負担が掛かるな。肉離れ的な怪我をしてるから走るスピードもいつもの半分くらいだったから追い付かれたし。
「このまま縄でぐるぐる巻きにしてベットに拘束しますか?」
「いえセナ先輩、そのまま縄で縛ってしまうと、その時に大将は逃げる可能性があります。なので気絶させましょう、キスで!」
「それチナツがキスしたいだけじゃな「うるさいです!今すぐその口を塞いであげます!」んむぐぅ!?」
逃げようとキョロキョロしていたら右腕を抱き締めるのを止めたチナツが俺の正面に立って両手を頬を押さえてキスしてきたんだが!?
しかも深い方のキスかよ!めっちゃ舌を絡ませてくるし俺の舌が吸われる!?息できない!
「んむ、じゅる、ちゅ、じゅるるる、れろれろ、ちゅ、じゅる。」
「ちちちチナツさん!?深い方のキスしてますよね!?」
「⋯⋯⋯⋯羨ましいですね。」
な、長い!これ窒素させて気絶させる気だ!かれこれ数分キスされっぱなしなんだが!
「ぷはっ、これでも気絶しませんか。」
5分経った後、ようやく口を離したチナツと俺の間に透明な唾液のアーチが広がった。それを見た鷲見と氷室は顔を真っ赤にしてる。
気絶なんかしないぞ!ここで気絶したら「セナ先輩もキスしてみては?大将に好意があるのは知ってますから。」それは駄目だろチナツ、氷室がそんな事するわけ。
「⋯⋯そうですね。大将の無茶を止めるためにも、このクソボケな大将に分からせる意味でもした方がいいですね、では失礼します。」
「俺はクソボケじゃない!ただのボケだ!そんなに顔真っ赤にして恥ずかしいならすんぐっ!?」
ひ、氷室も深い方のキスだと!?初めてなんだよな?何か異様に上手いんだけど!?
「では大将、両耳を塞いであげますね。セナ先輩のキスを存分に感じでください。」
「それはやめっ!?」
両耳塞がれたから氷室とキスしてる音が響いてくる!口を塞がれてるから鼻で呼吸しないといけないから氷室とチナツの匂いが!
「⋯⋯ふぅ、チナツのように長くは出来ませんね。では交代しましょう。」
「待ってマジで待って!これもしかして気絶するまで終わらない感じか!?」
「「その通りです。」」
この後チナツと氷室から両耳を塞がれながらキスを1時間弱され続けた後、意識を失った。頑張って耐えたけど駄目だったよ⋯⋯。
一般男子
自分はクソボケじゃないと言い張る。でも周りからしてみれば充分クソボケである。
朝顔ハナエ
一般男子におぶられてる時に匂いをスーハースーハーしてたのは内緒。セリナとチナツとセナなら取り押さえてくれるだろうと思ったので余命の事を話した。
鷲見セリナ
一般男子の事はとても心配している。でも先生も心配、比率で言うと一般男子4、先生6である。
キスしてる最中は顔を手で覆いながら隙間からこっそり見ていた。
火宮チナツ
一般男子の怪我を察知し、セナが丁度救護騎士団に向かうところだったので車に乗せて貰って来ている。
余命の事を聞いたので絶対に逃さない意味も込めてキスしまくった。
氷室セナ
一般男子の事は表情には出さないがかなり重い感情を持っている。誰も慕ってなかったら束縛して軟禁するくらい。
チナツとハナエがいるから大丈夫と思っていたが、それでも一般男子は止まらないので自分の気持ちを伝える為にキスしまくった。
医療従事者は一般男子の事をとても心配しており、ミネは一般男子に会ったら問答無用で即救護する。なので一般男子はミネに会わないようにしている。