「「た、大将!?」」
おーおー、浦和と白洲は驚いてるな。てっきり途中で疑問に思われるとハラハラしていたけど、最後までバレなかったな。
「ど、どうして大将がここに!?じゃあナギサさんは何処に!?」
「ナギサは俺の家に待機してもらってるぞ浦和。」
にしても女性物の服装って慣れないな、上半身はまだいいけど下半身が落ち着かない、スカートやヒールの付いた靴なんて履くことなかったし。
浦和はやられたっていう表情をしているけど、白洲はガスマスクを外して何か匂いを嗅ぎ始めた。何してんのお前?
「おかしい、大将の匂いがしない。」
「それ普段から俺が臭うって事か白洲?まあ匂いでバレる可能性もあるからこの服装はナギサに匂いを付けて貰ったんだよ。」
お陰で俺は今、ナギサの匂いや温もりに包まれてるけどな!ヤベッ、ちょっと興奮してきた、落ち着け落ち着け。
ナギサは嬉々として匂い付けてくれたけどさ!流石に下着は付けてないぞ、胸の部分はパットで誤魔化してる。
「っ、なるほど。変装にはそういう事も必要なのか。本当に大将は凄い、ここで学ぶ事が出来るなんて。」
「これは学ばなくてもいいぞ白洲、やるなら匂いは完全に消し去る方向にしてほしい。」
「ってのんびり話している場合ではありません!大将、どうして変装してまでナギサさんと入れ替わったのですか?ナギサさんがしてきた事を分かっていますか?」
白洲と話していたら浦和が俺を睨みつけながら近付いて来る。これ先生とヒフミは三人に真相を話してないな?
「ナギサさんは「ナギサが補習授業部を創設した理由はお前らを退学にさせるつもりで作ったわけじゃねえぞ?」はい?」
「お前らが停学になる可能性があるからそれの救済処置として補習授業部を創設したんだ。言っておくがこれは俺がこの場で出任せで言ってるわけじゃねぇからな?」
制服のポケットからボイスレコーダーを取り出して再生する。そこから流れたのはナギサが先生に対して補習授業部を創設した理由の答えを言ってる声だ。
『補習授業部は退学させる為に作ったものではありませんよ!ヒフミさんは何度もテストをすっぽかすなと注意しても改善されない!下江コハルさんは1年生なのに3年生の生徒が受ける試験を受けて何度も一桁台の点数を取る!』
『浦和ハナコさんは公の場で水着を着て徘徊したり卑猥な言葉を誰これ構わず言って何度も正実に捕まったり、わざとテストの点数を一桁台にしたり!白洲アズサさんはそもそもテストの点数が良くないのに学園内にブービートラップを仕掛けたりしていますし!』
『このままじゃ4名が停学もあり得ますから!そうならないように補習授業部を作ったのです!トリニティに裏切り者がいる?んなもん知ってますよ!それだけで血生臭いことなんかしませんよ!』
一通り聞いた浦和は信じられないといった表情をしている。もっと浦和の信頼度を上げておくべきだったか。
「⋯⋯作り物としては随分とナギサさんの声は本人に近いですね?」
「ハナコ、大将を疑ってるのか?」
「はっきり言いますとさっきのボイスレコーダーの声はナギサさんであると信じられません。機械で合成したと言われた方がまだ信じられます。」
ま、浦和がボイスレコーダーの声だけで信じるとは思わなかったから別に良いんだけどさ。だからいくら睨まれようが気にしない。
先生じゃないから俺は全ての生徒は救いたくても救えない。浦和を救うには色々アクションを起こし過ぎたからな俺は。
「だろうな、浦和ならそう言うだろう。言っておくけど真相を知ってるのは俺以外にも先生とヒフミがいる、真偽を知りたいなら二人に聞け。」
「俺の事は別に信用も信頼もしてなくていい、けどかけがいのない時間を共に過ごしてきた先生とヒフミは信じてやれよ。」
そこまで言うと浦和は短く息を吐いた後、俺を睨みつけるのを止めた。
「⋯⋯分かりました。補習授業部の真相については後程お二人に聞きます。それで、大将がナギサさんに変装してまで入れ替わった理由について聞きたいのですが?」
「理由は浦和ならナギサにお仕置きとしてヒフミのあの台詞を聞かせると思ったからだ。ナギサにその台詞を
一度目でも精神崩壊ギリギリだったんだ。そこから回復させるのは大変だったんだよ。もう一度聞いたらナギサは、今度こそ立ち直れなくなる。
それだけは避けないといけなかった、だから俺が囮になったんだよ。
「また?ナギサさんは以前にも私がヒフミちゃんに言ってもらう為に用意した台詞を言った人がいるのですか!?」
「元ティーパーティーのクソ先輩がな。ナギサはそいつをとても信頼してたんだ、なのにクソ先輩は自分の私欲の為にナギサを裏切ってその台詞を吐いたんだ。」
今そいつどうなってるかって?俺がぶっ飛ばしてヴァルキューレに連行した後は知らね。まだ矯正局にいるんじゃねえの?
「なる、ほど。でもそれでしたら大将が変装して入れ替わる必要は無かったのでは?」
「浦和の言う通り本来はやる必要無かったんだが、この後にやることがあったからな、その為なら変装して入れ替わった方が都合が良かったんだよ。あと自分に女装の適性があるかどうか試したかったってのはある!」
「頭おかしいのではないですか大将?羞恥心とかないんですか?」
「お前がそれ言うのかよ?羞恥心なんかとっくのとうに空の彼方に捨ててるわ!」
じゃないとこうやって女装したりパンツ一丁でサーフィンとかしてない!
「って話し過ぎたな。浦和と白洲はここでナギサを確保して匿う予定だったんだろ?ならコイツを運んでくれ。」
部屋の隅っこの部分を指差すと白洲がそこに行って、置いてあった物を抱えて運んで来た。
白洲が抱えているのは等身大ナギサ人形だ。ぱっと見本物と見間違う程の完成度だぞ。ちなみにナギサには内緒で作ってる、バレたらどうなるやら⋯⋯。
「等身大ナギサ人形だ、それがあればナギサを確保出来たと言って見せても信じて貰えるだろ。」
「⋯⋯どうして用意しているのですか?まさか自作ですか?」
「そんなわけないだろ、フィリウス派生徒に作ってもらったぞ。」
ダメ元で言ってみたらノリノリで作ってくれたぞ。なんか浦和はどこか疲れたようにため息を付いたけど、これからが正念場だからな?
「そろそろヒフミ達と合流すんだろ?なら急いで戻れよ。」
「大将はどうする気なんだ?ここに残るのか?」
白洲がナギサ人形をおんぶしながら聞いてくる。顔は若干不安そうだけど、ヒフミ達と合流するわけにはいかない。
「ここに残るぞ白洲、敵はアリウス生徒だけじゃないからな。」
「待ってください大将!敵はアリウス生徒だけではないってどういう事ですか!?」
「それも先生とヒフミが知ってる、だから急いで戻れ浦和。俺はこれからナギサ(変装)とナギサ(変装)とナギサ(本物)でジェットストリーム撹乱作戦をするからな!」
もう一人お願いしてナギサに変装して待機してもらってる。誰かって?スズミだよ。
本人は恥ずかしがってたけど、頼み込んで了承してもらった。まあエデン条約のゴタゴタが落ち着いたらなんでも言う事を一つ聞くという条件付きだけどな!オソワレタラドウシヨ
「何かおかしな単語が聞こえた気がするのですが!?やはり大将は頭おかしいのでは!?」
「誰かさんにも言われたけど、キヴォトスという世界をヘイロー無しで渡り合うには頭おかしくないといけないんだよ!」
「ハナコ、大将は前から頭がおかしいんだ。奇行をするのはいつもの事だから一々気にしてたらキリがない。」
「白洲の言う通りだ、だから早くここから移動しろ。」
白洲が部屋から出て行き、浦和は何か納得しない表情で白洲の後に着いていって部屋の扉を閉めた。
さて、ここから撹乱作戦開始だな。スズミとナギサに連絡してと。
「白洲だけじゃアリウス生徒とパテル派生徒の両方は引き止めれないからな、少しでも数は減らしておきたい。」
ナギサは黒幕と喧嘩する気満々だし。
「そろそろアリウス生徒かパテル派生徒が来るかな。」
取っていたウィッグを付けてチョーカーのボタンを押して変装モードONにしてと。それと同時に足音が聞こえてくる、静かに移動してるつもりなんだろうけど、まだまだ気配の消し方が甘いな。
そして足音が聞こえなくなったと同時に部屋の扉が開かれる。来たのはアリウス生徒か。
「桐藤ナギサだな?ここで「ごきげんよう、くだばりなさい!」ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
アリウス生徒に一瞬で詰め寄って『騎士の大剣』で入って来た数人をまとめて吹き飛ばす。さあ、暴れるぞ!
一般男子
浦和の事は自分では救えないと判断して先生に丸投げしている。変に関わって浦和が誰も信用しなくなるのは避けたかった。
ちなみに今は防御力0なので銃弾や攻撃を一発でもまともに食らったらヤバい状態、なので盾を持ったある蒼髪生徒が駆け付ける。
白洲アズサ
一般男子の変装を見破れなかった事をちょっと悔しがってる。一般男子の奇行は尾行をしている時に何度も見てきたので気にしていない。
流石にパンツ一丁での盾サーフィン姿を初めて見た時は大慌てしたが。
浦和ハナコ
一般男子を信用も信頼もしていない。ここで選択を間違えたり、奇行姿を見てないと一般男子はハナコに気絶させられ、アリウス生徒に拉致され、ifルートの『そして彼女は破滅の魔女になった』のバッドエンドと同じ結末になっていた。
桐藤ナギサ
一般男子から作戦開始の報告を受けてバイクに乗ってトリニティへ移動中。
ある蒼髪生徒
もう我慢できないといった感じで現在トリニティに移動中。
ピンク髪のティーパーティー生徒
へ?ナギちゃんの発見報告が複数ある!?部屋に立て籠もってる!?西側で暴れてる!?バイクに乗ってトリニティに移動中!?
どれが本物のナギちゃんなのさァァァァァ!?