Blue Legend〜一般男子の物語〜   作:宗也

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感想、ここすき、お気に入りありがとうございます!

夏イベのミニゲームのトリニティとの会話は面白かったですね。悪役令嬢ナギちゃんを公式で出してくるとは思いませんでした。

さて、タイトルが不穏ですがここからパテル派が暴走します。


最悪の始まり

「⋯⋯ここから先は絶望だ。起きるのは最悪の出来事しかないよ。抗っても抗っても覆す事はほぼ不可能に近い。」

 

「それでも見るのかい?この先の顛末を?」

 

「⋯⋯分かった。じゃあ見届けようか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリニティ 古聖堂

 

ナギサの側近生徒である雪水(ゆきみ)リエルの名前を聞いた翌日、早起きして準備をして、エデン条約調印式の会場の古聖堂に来た。

 

中々立派な建物だよな。まあ俺は無所属だから中に入ることは出来ないんだけど。

 

「調印式が始まるギリギリに来たから先生やナギサ達はもう古聖堂の中に入ってるのか。」

 

でも外にもたくさんの生徒がいる、あんまり目立つ訳にはいかないから隅っこでひっそりと様子を眺めよう。

 

「キキキッ!何隅っこでひっそりとしているんだ大将?」

 

古聖堂の様子を見てたら後ろから特徴的な笑い声と共に声を掛けられた。

 

振り向くと羽沼と棗がこっちに向かって歩いて来ていた。会場に来たのは二人だけか?

 

「羽沼に棗か、久し振りだな。」

 

「ああ久し振りだ。大将が救急医学部と給食部にしか顔を出さないからな!」

 

「だって万魔殿に行くと高確率で羽沼の愚痴を聞かされるじゃん。そして棗に色仕掛けされるから行きたくない。」

 

「そんなこと言わないでくださいよ大将。私はただ、無茶をする大将に休んでほしくて休憩室に誘ってるだけなんですから。」

 

「だったらその妖艶な笑みを浮かべてこっちに来るな!」

 

ペロリと舌舐めずりをしながら近付いて来る棗の頭を片手で押さえ付ける。

 

棗は会うたび何かと理由を付けて俺に接近しようもして来る。羽沼から色仕掛けして来いとでも言われてんのか?

 

「ふふっ、こうやって近付けば大将が触ってくれますよね。私に触りたいのなら素直に触ればいいんですよ。」

 

「羽沼何とかしてくれ。お前の部下だろ?」

 

「いやイロハがこうなったのは大将のせいだからな?」

 

俺は棗に対して何もしてないんだけど!?あっ、さてはお前俺の反応を見て楽しんでやがるな!?

 

「ふふっ、バレてしまっては仕方ありませんね。このくらいにしておきます。」

 

「こいつエスパーかよ。ってそうだ羽沼に一つ確認したい事があるんだった。」

 

これは確認しておかないと。羽沼の事だからはぐらかされる可能性もあるけど。

 

おっと、棗の頭から手を離さないとな。

 

「羽沼、妖怪赤色クソババアから何か提案とかされなかったか?」

 

「キキキ!何のことだ?と言いたいところだが、大将の信頼を無くすのは避けたいから答えるとしよう。提案はされたぞ。」

 

「⋯⋯提案を受けたのか?」

 

「そんな怖い顔をするな大将。提案だが、断って中指立ててやったさ!誰がクソババアにもなって生徒会長をやってる痛々しい奴の提案なんか乗るか!」

 

「マコト先輩は本当の事を言ってますよ大将。私とサツキ先輩もその場に居て聞いてますから。」

 

棗が言うなら本当の事だろうな。でも飛行船が古聖堂の近くにある、どういうことだ?

 

「ちなみにあの飛行船は提案を断ったら襲って来たクソババアの生徒達が乗ってきた物を勝手に盗んで来ただけだ。」

 

「提案を断った事が意外だという顔をしているぞ大将?確かにクソババアの提案は魅力的だった、だがトリニティの制圧、そしてキヴォトスの制圧はこの羽沼マコト様自身の手でやらないと意味がない!」

 

「大将のお陰でどの学園も手強い敵だらけ、だったら尚の事私自身の手でやらないとな!」

 

⋯⋯なんか納得した。このアホっぽいけど確かな信念があるのが羽沼だからな。

 

「何か失礼な事を考えなかったか大将?まあいい、聞きたいことはないようだな?では会場内に行くとしよう。先に行かせたサツキ達が待っている。」

 

「時間があったらチアキにも会ってくださいね大将。チアキは大将に会えなくて少し拗ねてましたので。」

 

羽沼と棗はそう言って古聖堂の中に入って行った。万魔殿がアリウスと手を組んでないとなると、誰と手を組んだ?

 

多分トリニティだよな、聖園が早めに手を回したか?いやでも、調印式会場を指定したのはゲヘナ側。しかも二日前くらいに。

 

その時は聖園はもう救護騎士団本部にいて入院中だ。

 

「⋯⋯まさか。」

 

最悪の想定が頭をよぎる。考え過ぎ、とは言えないのがキヴォトスの嫌な所だ。考え過ぎな想定が実際に起きる事もある。

 

「今の内に連絡しておこう。」

 

協力者の内の一人に連絡してっと。む?もうそろそろ調印式が始まるのか。

 

だったら誰にも見つからないように移動しないと、しゃがみながら音を立てずに素早く古聖堂の近くまで行く。

 

そして屋根目掛けて『トーレルーフ』して屋根に上がる。ギリギリ『トーレルーフ』が届く範囲で良かった。

 

「ここなら発見出来るだろ、ミサイル。」

 

クソババアが多分放ってくるミサイルを迎撃するために屋根に登ったんだ。

 

矢に『バクダン花』をスクラビルドして、弓は手に入れたばかりの『獣王の弓』を装備。

 

あとは、ミサイルを発見したら迎撃するだけ!何のミサイルが来る?

 

ヒュオオオォォォォ!!

 

「そうこう考えてる内にもう来やがったが!少しは心の準備をさせる時間くらい寄越せっての!」

 

上空の遠い所からミサイルが飛んでくる。ミサイルの数は、一つだけ?

 

いやそんなわけねぇよな?あのクソババアがそんな事をするわけがない。

 

「っ!!やっぱそうだよなぁ!!」

 

一つだけだと思ってたミサイルの上半分の装甲がいきなり剥がれ、その中には数十個の小型のミサイルが搭載されていて、一斉に発射された。

 

「やっぱグリントミサイルだよな!クソババアなら絶対使うと思ってたぜ!」

 

弓矢の射程距離に小型ミサイルが入って来たから、屋根から飛び降りて『集中モード』になり、バクダン矢を小型ミサイル全てにぶっ放す!

 

『獣王の弓』だから一度の発射で3連射される、一発のバクダン矢で起爆出来なくても三発なら起爆すんだろ!

 

小型ミサイルが古聖堂に当たる前に全て起爆したことを確認し、『フックショット』で屋根に鎖を引っ掛けて再び降り立つ。

 

「はぁ、はぁ、ふぅ、ふぅ。流石に『集中モード』で数十発矢を放つのはキツイ⋯⋯。」

 

けど休んでる暇は無い、急いで『串焼き肉』を食べて体力を回復させないと。

 

ヒュオオオォォォォ!!

ヒュオオオォォォォ!!

ヒュオオオォォォォ!!

 

「おいちょっと待て、ミサイルは迎撃した筈だ!なのに何でまだその音が聞こえる!?」

 

目に見えるミサイルは迎撃したは、そういうことかよちくしょうが!

 

『串焼き肉』を一瞬で食べながら音が聞こえる方に向かって『ウルトラハンド』の使用待機状態にする。

 

すると、俺が迎撃した方向以外にミサイルが飛来して来ていた。目に見えないステルスミサイルかよ!?

 

「最悪だ!最悪過ぎる!このド畜生がァァァァァ!!」

 

ミサイルだけならなんとかなったかもしれない!けれど、『ウルトラハンド』を使って分かってしまった。

 

エデン条約会場の古聖堂に大量のC4爆弾が仕掛けられていた事に。

 

爆弾は巧妙に隠されてやがった!誰だ仕掛けた奴は!?くそ、考えてる暇はない!

 

あと数秒でミサイルが着弾する!中にいる生徒達への連絡は間に合わない!

 

「くそったれがァァァァァァァァァァ!!」

 

古聖堂に当たるステルスミサイルの内の一つを『ウルトラハンド』で掴み、出来るだけ高い位置に引っ張り上げた後、ミサイルの爆発に巻き込まれ、意識が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「⋯⋯⋯⋯うっ!」

 

意識が浮上すると全身に灼熱の鋭い痛みが走った。目は、開けられるけど、左半分が暗い、しかも左側の音が聞こえづらい、左眼と左耳が無くなったか。

 

「とり、あえず、起きて、状況を、把握しないと。」

 

瓦礫には、埋まっていない。近くに崩れた噴水、古聖堂からふっ飛ばされたのか。

 

瓦礫に埋もれなかっただけましか。とにかく起き上がらないと!

 

「くっ!起き上がれない、ポーチから料理を取り出して食べないと。」

 

『マックス薬』をポーチから取り出そうとするけど、左腕の感覚が無い、左腕もふっ飛ばされたか。

 

かろうじて動く右腕で『マックス薬』を取り出して、コルクを口で引っ張り、薬を一気に飲む。

 

「⋯⋯やっぱり完全回復しないよな。」

 

起き上がれるようになったから起き上がり、体の状態を確認する。

 

上半身は裸、下半身はズボンがボロボロ。左眼左耳左腕は再生無し、全身火傷、一部は肉が焦げてる。出血もあり。高い所から落下したから全身打撲の感じがある。

 

けど動けるからよし。料理食ってもこれ以上は回復しそうにない。

 

「早く古聖堂に向かわないと!!」

 

俺でこれだけ怪我したんだ、生徒達も大怪我してる、先生も無事か怪しい!

 

「はぁ、はぁ、ふぅ、ダッシュが、キツイ!けど、こんな所で、止まっていられるかよ!」

 

ダッシュして古聖堂に向かう。意外とふっ飛ばされ無かったのか、古聖堂にはすぐに着いた。

 

けど、先程まで古聖堂があった所は瓦礫が散乱しており、黒い煙が上がっていた。

 

煙の匂いと瓦礫の匂い、そして血の匂いと肉が焦げる匂いが辺りに漂っていた。

 

「!!!」

 

一瞬吐きそうになったけど、喉から込み上げてくるものを強引に飲み込み、散乱した瓦礫の中に入っていく。

 

頼むから、誰も死んでくれるなよ!!

 

「⋯⋯なさい。」

 

「声が!誰かいるのか!?」

 

小さいけど、確かに声が聞こえた。その方向に向かうと、体育座りをしていて両腕で頭を抱えて震えているトリニティ生徒が3人いた。

 

怪我の具合は、皆軽傷だな!

 

「大丈夫か!?ここは危ねぇからすぐに離れろ!」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい⋯⋯。」

 

駄目だ、このトリニティ生徒達はうわ言のようにずっと同じ言葉で謝ってる。何があったんだよ?

 

「こうでもしないと、大切な友達が、重体になる。見せしめに、傷付けられた、あの子のように。」

 

「だから、こうするしかなかった。私も巻き込まれる筈だったのに、それなのに、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい⋯⋯。」

 

一瞬だけトリニティ生徒はある方向を見た後、再び俯いて震え出した。よく見ると震えている生徒の近くに蒼い羽が落ちてる。まさかまさかまさか!!

 

「⋯⋯っ!!」

 

「ヘイローがある生徒でも、あの爆弾に巻き込まれれば死ぬ、それなのに、あの人は、特攻した私が巻き込まれないように、突き飛ばして、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

見たくない見たくない!けど、見ないと状況が分からない!

 

意を決してトリニティ生徒が見た方向を向くと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身を血で赤く染めながら目を閉じて力無く倒れているミネの姿があった。




一般男子
マコトがアリウス生徒と手を組んでないか確認した。組んでない事に少しだけほっとした。

ミサイルはグリントミサイル数十発とステルスミサイルを一つ迎撃した、体調が万全だったら残りのステルスミサイルも迎撃出来てた。

ほぼ死に体だが、意志の力だけで動いている。


羽沼マコト
ベアトリーチェとの秘密裏での会合はした。でも怪し過ぎるし、一般男子がベアトリーチェを敵と認識してるのは知ってたから提案を断った。

ミサイルと爆弾の爆発に巻き込まれたが、意識は失っていない。


棗イロハ
一般男子はからかうと反応が面白いから色仕掛け的な事をする。店には仕事をサボる時に来ている。どちらかというと先生の方が好きなので、ラヴァーズ入りはしない。

ミサイルと爆弾の爆発に巻き込まれ、意識は失っている。


蒼森ミネ
嫌な予感がしたため会場で待機してたら爆発に巻き込まれた。意識は失っておらず、怪我人の救護をしていた。

ある生徒3人が泣きながら起爆寸前のヘイロー破壊爆弾を数個両腕に抱えてミネに突っ込んで来ており、爆弾にとてつもない嫌な予感を感じたため、突っ込んできた生徒全員を吹っ飛ばした。

だがそれによりヘイロー破壊爆弾の十数個の爆発をもろに食らってしまった。重傷だが命に別状は無い。


クソババア
大将と先生、貴方達はここで死んでもらいますよ。ああ、外部に増援を求めても無駄です。通信出来ないように電波妨害をしています。

使える駒もその場に待機させてあります。クスクス、絶望はまだまだこれからですよ?

そうそう、阿慈谷ヒフミ、守月スズミ、朝顔ハナエは始末済ですよ大将?ヘイロー破壊爆弾で、それを知った時の大将の顔が見物ですね!


Q.古聖堂にC4仕掛けたのってトリカス?
A.その通り、一般男子と慕う生徒を始末したいトリカス達です。
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