Blue Legend〜一般男子の物語〜   作:宗也

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今回はちょっと短めです。


再び立ち上がる力を

救護騎士団本部 病室

 

「責任取ってください大将様!こんな形で、こんな形で私の裸を見せたくありませんでしたのにぃぃぃぃ!!」

 

リエルがいる病室に『トーレルーフ』で入った後、至近距離でリエルの裸を見てしまった。

 

こんなトラブル想定していなかったんだが!?

 

「責任ってどれくらいの責任だよ。ってか何でリエルは裸だったんだよ!?」

 

「寝る時はいつも裸なのですよ私は!」

 

わぁお大胆。リエルは布団を体に巻き付けて涙目で俺を睨み付けるが、ため息を吐いた後、布団を広げ始めた。

 

ってそうしたらリエルの裸が見えるじゃねえか!?何したいんだよ!?

 

「⋯⋯私の体、好きにしていいですよ。ナギサ様より胸も尻も小さいですけど、それなりにありますから。」

 

「はい?何言ってんだお前?」

 

「もう私はトリニティを退学して何処かに行こうと考えてますので。ですが最後に、大将様に抱かれたいのです。私はどうなっても構いませんので。」

 

リエルは暗い笑みを浮かべながら布団をベットの上に置いて両腕を前に出す。

 

部屋の暗さに目が慣れてきたのかリエルの体がよく見えるようになる。

 

確かにナギサよりは小さいけど平均以上な大きさの胸、ウエストはくびれていて、太腿は白くてとても柔らかそう、お尻も平均以上の大きさ。ナギサみたいな羽は無いと。

 

何とも言えない色気を出しながら段々リエルは近付いて来る。

 

「⋯⋯⋯⋯。」

 

「⋯⋯ぁ、ぅ⋯⋯。」

 

無言でリエルに近付くとビクッと体を震わせた。気丈に振る舞ってるけど、全身が小さく震えてるのはバレバレだ。

 

それでも逃げないのはこうするしかないとでも思ってるのか。もうどうでもいいとでも思ってるのか。

 

「⋯⋯⋯⋯。」

 

俺は体を低くしてリエルと視線の高さを合わせた後、顔を近付けて。

 

「ふんっ!!」

 

リエルのおでこに思いっ切り頭突きをかましてやった。こんな形でんなことしたくねぇんだよ!

 

「あいたっ!?」

 

予想外の一撃だったのかリエルは後方にすてんと転がった。起き上がった後は両手で額を覆い、凄い困惑した表情を浮かべていた。

 

「へ?た、大将様???」

 

「あまりにアホな事を言い出すから目覚めさせる為に頭突きしたんだよ。ちっとは目が覚めたか?」

 

頭を掻きながらリエルに言うと、俺の言葉の意味を考えるように目をパチパチと瞬きさせた後、力無く笑い始めた。

 

「そうです、よね。私は、女の子としての、価値も無いって事ですよね大将様。」

 

「んなこと一言も言ってないんだが?あのな、こんな形でするのは嫌なんだよ。もっと雰囲気とか大事にしたいんだよ。」

 

ミネ達はそんなの関係ねぇ!と言わんばかりに襲い掛かってくるけどな!

 

「リエルは魅力的だよ。信じられないと言うなら語ってやろうか?小一時間くらい?」

 

「それは止めてください、私の心臓が持たないので。」

 

「で、リエルは何でそんな塞ぎ込んでんだ?俺のスプラッタ現場を間近で見て病んでしまったのなら謝る。」

 

「大将様は悪くありません。悪いのは無能な私なのですから。」

 

あー、これは守るべき人に逆に守られて、死なせてしまったから自分を責め続けてるのか。

 

悪いのはトリカスなんだけどなぁ。どうやって説得するか。

 

いつもはぶつかり合って、感情的になりながら説得してたけど。今回は余計状態を悪くするだけだから止めといた方がいいよな。

 

「リエル、ちょいと失礼。」

 

「大将様?何をっ!?」

 

リエルの顔を俺の胸に当てて抱き締める。右手で頭を、左手で背中を撫でながらな。

 

「リエルは感情を溜め込むタイプだと思ったからな。今なら俺しか見てないから、思いっ切り感情を出しちまいな。」

 

「泣き叫んだって、誰も何も言わねぇよ。」

 

俺も昨日ナギサ達にそうしてもらって少し楽になったし。

 

「悲しい時は枯れ果てるまで泣け。泣いて泣いて泣いて、自分の中の物を出し切ればスッキリするぞ。」

 

「⋯⋯⋯⋯ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

リエルは俺の胸に顔を埋め、両腕で背中に抱き着きながら泣き始めた。

 

「辛かったんです!大将様を守れなかった自分が憎たらしかったんです!私だって頑張った!銃が使えないからそれに変わる戦い方を模索して頑張ったんです!弱虫な私を変えようと頑張ったんです!」

 

「ナギサ様の側近になれて、私は変われたと思った!でも、蓋を開けてみれば、ナギサ様も守れず、大将様も守れず、トリカスの嘲笑に負けてしまう、弱虫のままだった。」

 

「何も出来ない私に、優しく、しないでよ⋯⋯。」

 

リエルの吐き出す言葉を黙って受け止める。胸の部分が凄い濡れてるから涙だけじゃなくて鼻水も出てるな。

 

「そうか。下手な同情はいらないよな?なら俺から言いたい事は一つだ、いつも助けてくれてありがとうリエル。」

 

「えっ⋯⋯。」

 

リエルが胸に顔を埋めるのを止めて顔を上げた。そんなに変な事言ったか?

 

あとやっぱりリエルは涙と鼻水と、涎も垂れ流していた。そりゃ凄い濡れるわけだ。

 

「自分の仕事もこなしつつ、しっかり俺を助けてくれるじゃないか。だから改めてお礼をな。」

 

「リエルは、ずっと頑張ってたから。」

 

「でも!いくら頑張っても結局私は大将様を「なら次こそは守り切ればいいじゃねえか。」!?」

 

「過ぎた事を反省するのはいいけど、次どうするかを考えればいいんだよ。時には開き直るのも一つの手だぜ。」

 

俺は全然出来てないけどな!ブーメラン刺さりっぱなしだぜ!

 

「けど、私は不良品で「トリカスの言う事なんか右に流せばいいんだよ。」それが出来たら苦労はしない!私は、弱虫で不良品なリエルだから。」

 

「なら、今から、ここから始めればいいじゃねえか。過去の自分とはおさらばして、新しい雪水リエルになればいい。」

 

「!!??」

 

よし、リエルの表情が段々明るくなってきた。

 

「⋯⋯なれるのでしょうか。私は⋯⋯。」

 

「一人じゃ無理なら周りを頼れ。過去がどうだったかは知らないけど、今のリエルの周りには頼れる人達がいるだろ?」

 

「皆リエルの為なら喜んで協力すると思うぞ?そしてトリカスのくだらない思想をブチ壊しに行こうぜ!」

 

「⋯⋯ふふっ、そうですね。」

 

リエルは微笑み始めた、笑えたって事はもう大丈夫そうだな!

 

「ありがとうございます大将様。」

 

「いいってことよ。」

 

ぐぅぅーーー!!

 

互いに微笑み合った後、急にリエルのお腹が鳴った。そういやリエルはご飯を一日食べてないんだったか。

 

あっ、リエルの顔が一瞬で真っ赤になった。可愛い。

 

「っ〜〜〜〜!!!」

 

「腹が鳴るって事は良いことだよ。ほら、飯食いに行こうぜ。」

 

先にベットから立ち上がり、リエルに向かって手を伸ばす。リエルは恥ずかしがりながらも手を取った。

 

「もう限界です!リエルさんを部屋から連れ出します!」

「ハナエさん!?チェンソーで一体何をするつもりですか!?」

「扉を強引に切り抜きます!大丈夫です!慣れてますから!」

「今大将がリエルさんを説得している最中なのです!待ってください!ああっ!」

 

廊下が騒がしいな?一体何が「救護ォォォォォ!!」どわあああああっ!?

 

チェンソーを持ったハナエがいきなり入って来たんだけど!?病室の扉を切り抜いたのかい!?

 

「ほら!上手く切り抜けましたでしょナギサ様!」

 

「そういう問題ではありません。はぁ、ハナエさん、大将に怒られて来なさい。」

 

「へっ?」

 

「あ〜さ〜が〜お〜!?」

 

「あの、その、ごめんなさぁぁぁぁいぃぃぃぃ!!」

 

ハナエの頭をアイアンクローして持ち上げながら病室から出る。ここからナギサとリエルの二人っきりで話した方がいいからな。

 

誰だチェンソーで扉を切り抜けばいいって教えたのは!?ミネか?ミネだな!ミネに違いない!!

 

「ナギサ様⋯⋯。」

 

「リエルさん、元気になったようで良かったです。」

 

「ナギサ様!?あの、抱き締められるのは恐れ多いです!」

 

それほど心配したって事だよ、大人しく抱き締められとけリエル。

 

バックのBGMがハナエの悲鳴なのは申し訳ない限りだけどな!

 

「ナギサ、折角だからリエルと存分に話し合えよ。」

 

今ならナギサの説得も効くだろうし。ご飯は、様子を見に来た鷲見が救護騎士団団員に持ってくるように指示してるから大丈夫か。

 

「だったら私をアイアンクローするのを止めてください!」

 

「いーや、ハナエには反省してもらわないと。前に救護と称して俺の家の窓ガラスもぶち破った事の反省も踏まえてな!」

 

ハナエの頭を持ち上げて宙ぶらりんにさせながら移動する。しばらくこの刑じゃアホエ!!

 

「わざとじゃないんですぅぅぅぅ!!」




一般男子
リエルを説得、というより自分で立ち直らせるように上手く誘導した。リエルに対して掛けた言葉は自分にも当てはまるので結構精神ダメージを受けている。

流石に今回のハナエの行動は駄目だろと思ったので折檻している。折檻したことでほんの少しメンタルが回復した。


雪水リエル
一般男子の説得、そしてナギサと存分に話し合ってメンタルが回復した。

これによりリエルがパワーアップしている。


桐藤ナギサ
一般男子がリエルを説得中、部屋の前で待っていた。

リエルと存分に話し合った。話の最後に今度二人で一般男子を襲おうとリエルに提案しており、提案は通った。

一般男子がハナエを折檻しなければナギサがロールケーキをハナエの口にブチ込んでいた。


朝顔ハナエ
今回のオチ担当。


一般男子がハナエを名字で叫んだ場面
ナースのお仕事というドラマで上司に怒られる場面が元ネタ。多分一般男子の脳内ではあのBGMが流れていたと思う。


Q.なんで頭突きなの?チョップやデコピンでもいいんじゃ?
A.チョップやデコピンだと一般男子の手が折れる可能性があったので。


Q.なんで自力で立ち直らせる方向へ誘導?
A.一般男子の真の目的達成の為、自分に依存させる訳にはいかなかったから。俺を頼れとか、俺がいるだろとか言わなかったのもそのため。
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