今回からエデン条約編第4章です。シリアス注意です。
Q.なんでカルバノグ第1章じゃないの?
A.カルバノグ第1章はギャグ多めの話にしたいから
大将の目的
先生Side
ヒフミちゃんの宣言、大将の暴走から1週間経った。あの後も後始末でバタバタしていたけど、ようやく少し落ち着いて来たかな。
古聖堂も復旧作業に入ってるし、エデン条約調印式の襲撃で怪我した生徒達の怪我も大体完治していた。大将とミカちゃん以外は。
ミカちゃんはあと数日で完治するらしい。それくらいの怪我だったら本来は地下牢に閉じ込められる筈なんだって。どうして学園に地下牢があるのかな?お嬢様学校恐ろしいよ⋯⋯。
でも地下牢だと脱走される可能性が高いから敢えて救護騎士団本部に居させてるらしい。ミネちゃんとハナエちゃんがいるからかな。
「さっきはミカちゃんに会ったから大将の様子でも見に行こうかな。」
ナギサちゃんとも話したけど、ミカちゃんの罪は想定よりも軽くなるらしい。ティーパーティーの権利剥奪とパテル派のトップじゃなくなるくらいで済むんだとか。
ミカちゃんよりもとんでもない事をしてる生徒がいるからだよね。特にパテル派No.2、あの子は未だに見付かってない。
あの子はどうしてああなったのかな?出来れば話をしたいけど、話が通じないタイプだよね。
「あっ、着いた。」
考え事をしながら歩いていたら大将がいる病室の前まで来ていた。
「来たよ、大将。」
病室の扉を開くと、そこにはまだ眠っている大将と付きっきりで看病しているリエルちゃんがいた。
今は夜だから本当に付きっきりで看病していたのかな。
「ようこそ先生、大将様の様子を見にいらしたのですね。」
「うん、まだ大将は目覚めない感じかな。」
ミレニアムの廃墟工場で殿を務めて戻って来た時も同じくらい眠っていたよね。
本当に無茶する子なんだから。ナギサちゃん達が心配してるの分かってるのかな?
「怪我は治っております。後はいつ目覚めるかですが、それが分からないのです。ミネ様も分からないと仰っていました。」
「そっか。」
リエルちゃんは辛そうな表情でそう言い大将の頭を撫でる。病室には見舞いの花が飾ってあったり、果物が置いてあった。
あっ、ゲームのカセットもある。これはモモイちゃんとユズちゃんが用意したのかな。
「ねぇリエルちゃん。大将がここまで無茶を重ねる理由って聞いてたりしてる?」
「大将様からは聞いておりません。ですが、ほぼ当たりであろう予想なら付いております。丁度昨日、夢でセイア様と会話をして大将が行き着く未来を教えて下さりましたので。」
セイアちゃんか、夢で会話するのは私だけかと思ってたんだけど他の子とも会話出来たんだね。
「教えてくれるかな?」
「承知致しました。まず大将様は先生がキヴォトスにいらっしゃる前から無茶をしておりました。ナギサ様を救ったり、チナツ様を救ったり、人を助ける度にですね。」
「もしかして、大将を慕ってる子達って、一度大将に救われた子達かな?」
「その通りです。一度以上大将に救われた人達、そして大将の死を間近で見た人達です。」
人の事は助けるのに大将自身はおざなりにしてる、そりゃ皆放っておけなくなるよね。自分達よりも傷付きやすいのに、怪我なんかお構い無しに色んな人を助けて来たんだね大将。
「大将は皆の前でほとんど弱音を吐きません。大将にバレないように隠れて様子を伺った時に、ようやく確認出来るくらいなのです。」
「夜もほとんど寝ておりません。鍛錬したり勉強したり、まるで何かに迫られているかのようにです。」
前にヒフミちゃんとハナコちゃんと話した時にヒフミちゃんも言ってたね。
「そういえばリエルちゃんは大将の目的って聞いてるの?」
「そう仰るということは大将様に聞いてはぐらかされたのですね先生。ではお教え致します。」
「大将様は私達に教えている目的と、隠している目的の二つがございます。隠している目的については私の予想でお教え致します。」
慕われている子達にも隠している目的?
「まず大将様から聞いている目的、一つ目はアリウス分校の生徒会長であるベアトリーチェをぶっ飛ばすことです。理由は、お分かりでしょう。」
「勿論だよリエルちゃん。ベアトリーチェのしてきた事は許される事じゃない。」
大将とアリウスの子達を散々酷い目に合わせて来たんだ、ベアトリーチェを許す気は欠片もない。直で会ったら私も一発ぶん殴ってやる。
「二つ目は、先生がエデン条約調印式でアリウスの生徒に撃たれる事を防ぐことです。心当たりはございますか?」
「⋯⋯ある。アリウススクワッドのリーダーに撃たれそうになったけど、寸前の所で大将が来てくれて撃たれる事は無かった。」
その目的の為だけにあんなに血塗れになって、死に体の体を引きずって助けに来てくれたの!?
「大将様は目的の為なら自分の怪我はお構い無し、命は平気で放り投げたりします。ふざけんなって怒鳴りたいくらいです。」
「ネルちゃんやセリカちゃんは怒鳴ってそうだけど。」
「ええ、ネル様とセリカ様はもう大将様に怒鳴っておりますよ?大将様には馬耳東風ですが。」
怒鳴られて自己犠牲を止めるならもうとっくに止めてるもんね。
「3つ目はミカ様の私物を処分されるのを防ぐ事です。実際にパテル派のカスによってミカ様の部屋にあった物は全て処分されました。」
り、リエルちゃんって時々ナギサちゃんみたいに口が悪くなるね。でもそれだけパテル派生徒に怒りを持ってるって事か。
「処分って、それは防げたの?」
「はい、ミカ様の荷物全てをナギサ様の隠し部屋に退避させ、ダミーと入れ替えましたので。パテル派のゴミカスが処分したのは全てダミーですので。」
「それは良かったよ。」
でもいつ入れ替えたんだろう?ミカちゃんが入院していてエデン条約調印式が始まる僅かな期間で入れ替えたのかな?
「4つ目はアリウス生徒の事についてです。これはまだお話する時期ではございませんので割愛致します。大将様からも口止めされておりますから。」
「それなら仕方ないね。」
アリウス生徒の事だから近々話してくれる気がするよ。
「ここまでが私達が大将様から聞いている目的になります。ここから先は大将様が隠している目的になります。心して聞いてくださいませ。」
「⋯⋯分かった。話してくれる?」
「セイア様から聞いた予知からお話します。『キヴォトスの空が赤くなる時、何かを起動する際、大将様が自らの全てを賭して犠牲になる』との事です。」
⋯⋯どういうこと?気になる単語はあるけど。大将が犠牲になる?
「セイア様からその予知を聞いた時、大将様の今までの行動に納得が行ったのです。大将様を慕っている私達が好意を積極的にぶつけてるのはご存知でしょう先生?」
「うん、見ているこっちの口が甘くなるくらいにね。でも大将から好意をぶつけてるのは見たことない。」
いつも見るのはナギサちゃん達が積極的に好意をぶつけて、大将が逃げて、逃げ切れなくて襲われてる様子かな。
「大将は好意をあしらってるように見えるけど、まさか!?いやでもそれだけじゃ!」
「先生の仰りたいことは察しています。ですが、
そう言ってリエルちゃんはテーブルの上に置いてあった鞄から何かを探し、一冊のノートを取り出して渡してきた。
「これは誰のノートかな?題名に何か書かれてるけど、えっ?」
題名は『遺書 先生へ』と書いて、ある。どういう、こと?何で大将は、こんな物、用意してるの?
呼吸が浅くなる、胸が締め付けられる、ノートを持つ手が震える。心なしか『シッテムの箱』のタブレットも震えてる気がする。
『こんっのクソバカ大将が!最初の警告まるっきり無視じゃないですか!大将もシッテムの箱を使えるように改良しないと!対面で会ったらドロップキックしてやります!』
「リエ、ル、ちゃん。これは、私だけ、じゃないよね?」
震える口をなんとか動かして言葉にする。自分でも何を言ったのか分からないけど、リエルちゃんには伝わっていたみたいで悲痛な表情で頷いた。
「⋯⋯はい。遺書は先生だけ用意されているのではありません。大将様を慕っている人達全員分用意されております。」
リエルちゃんはもう一度鞄をゴソゴソと調べてノートを取り出した。そのノートの題名には『遺書 リエルへ』と書かれている。
「信じたくない、でもこれじゃあ、まるで!!」
「先生の仰る通りです。大将様は⋯⋯。」
そう遠くない未来に、自分を犠牲にしてキヴォトスから消える
リエルちゃんは確信を持ってそう言葉にした。そんな事あるはずがないと、言いたかったけど、言えなかった。
異常な程の自己犠牲、シャーレ奪還の時も、アビドスの時も、ミレニアムの時も、エデン条約調印式の時も。
大将は、自分を犠牲にして生徒や私を救ってくれた。
でもそれは、自分はいずれいなくなるから。
「うおえっっ!!」
胃から込み上げるものを抑え切れずゴミ箱に吐き出した。生徒の前でこんな情けない姿を見せるわけにはいかないのに、耐えられなかった。
「先生、タオルと水を置いておきます。私も、初めて遺書を見た時は同じ反応をしましたので。」
リエルちゃんから渡された水で口をゆすぐって洗面台に吐き出し、タオルで口を拭く。
「ありがとうリエルちゃん。でも、どうしてリエルちゃんが遺書を持っているの?」
「先生が来る前にナギサ様から遺書が入った鞄を受け取り、読んでおりましたので。」
ということは、遺書の事を知ってるのはリエルちゃんだけじゃない、のか。
「どうすれば、大将を止められるのかな?」
「言葉だけでは無理でしょう。私達も止める為に色々行動しておりますが、大将様は止まりません。」
「何処かに監禁しようとしましたが、脱走するのが容易に想像出来ます。」
だよね、大将は安全な場所に引き篭もることは出来ないって前に言ってたし。
「先生、大将様が隠している目的については大将様に聞かないでください。何をしでかすか分かりませんので。」
「分かったよ。頭を冷やして色々整理したいから帰るね、大将が目覚めたら教えてほしいかな。」
「承知致しました。お気を付けてお帰りください。」
リエルちゃんに見送られながら病室から出て救護騎士団本部から出る。
「あ、雨⋯⋯。」
傘は持ってきてないや。でも頭を冷やすのに丁度いいかな。メールとかは、1件来てる。発信元不明?
そのメールを見るとここに来て欲しいと書かれていた。ここからはそう遠くない。
「何か胸騒ぎがする。」
普通なら怪しすぎるメール、無視すればいいけど、無視してはいけない感じがした。
そして少し歩き、メールで指定された路地裏に着いた。人の気配は感じられない。
「ん?足音?」
私以外に誰かいる?この発信元不明の差出人かな?
「出て来てくれないかな?」
私がそう言うと更に足音が近くなり、誰かが姿を現した。黒い帽子を被っていて、マスクを着けて、ノースリーブでお腹を出してる服を着ている生徒が現れた。
「サオリちゃん!?」
私がそう叫ぶのと同時にサオリちゃんは持っていた銃を捨て、両膝と両手を地面に付けて、頭を下げた。
「⋯⋯アツコが、連れて行かれた。」
先生
一般男子の目的と真の目的を聞いてしまった。どう接すればいいか分からなくなっている。
雪水リエル
一般男子を看病している。1週間丸々ではなく1日ずつ交代している。
ナギサから一般男子が用意していた遺書を渡されて中身を読んでいる。本当にガチガチに監禁しようかなと思い始めているが、そんな事したら一般男子に嫌われるので実行はしない。
Q.なんで遺書は無事なの?燃やされたんじゃ?
A.ナギサが保管していたので燃やされずに済んでます
Q.これ最終編ヤバくない?仲間割れするんじゃ?
A.仲間割れはしません。一般男子(本気)VS一般男子ラヴァーズの戦いに発展するだけです。
一般男子の目的
・ベアトリーチェを完璧にぶっ飛ばす。
・エデン条約編で先生がサオリに撃たれるのを防ぐ、もしくは代わりに受ける。
・エデン条約編でミカの私物を処分されるのを防ぐ。
・アリウス生徒の待遇を出来れば原作よりも良くする。
・バッドエンドを防ぐ。
一般男子の真の目的
・最終編で◯◯◯◯◯◯◯◯ムの◯船の起動を先生の代わりにやる。
・最終編で宇宙の塵になる。