みみのこFC Glow React   作:片羽 エオル

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本小説シリーズには好ましくない内容が含まれているかもしれません。

・みみのこの設定について、独自の解釈が含まれます。
・本小説シリーズには一部の読者が冒涜、下劣、不快と考える語句や表現が含まれている場合があるかもしれません。




プロローグ┃耳を澄ませば

 今日は自分の誕生日。そんな特別な日なので、今日は超巨大なパフェが食べたい、と我儘を言ってみた。それを聞いた人間は少し困った顔をしながら笑い「はいはい、いいよ、今日ぐらいは」と二つ返事で了承した。正直、今回も断られると思っていたので内心かなり驚いている。

 

 毎回なにかある度に、こう言った無理難題をお願いしている自分。例えば、某YouTuberの動画に触発されて、北海道と沖縄を一日で訪れる日帰り旅行をしようとか。サイゼのメニュー全部注文したい、など。まぁ自分でも無理だと分かるお願いを結構してきた。

 

 何故今回に限ってこんなお願いを承諾してくれたのかはよく分からないけど、折角なので欲張ってみる。

 

「じゃあ、あこのパフェがいい、駅前の、レベル7で」

 

 駅前にある喫茶店のメニューにあり得ないほどめちゃくちゃデカいパフェがある。量の多さはレベルごとに分かれていて、レベル4でも10kg以上あるのだが、レベル7にもなると35kgを超える規格外のパフェになるのだ。(もっと上もあるらしい…?)

 

 以前、大盛りグルメを紹介するテレビ番組で今住んでいる地域が取り上げられたときに知ったお店で、近くにこんなお店あるんだ!と一人で多いに盛り上がっていたのだが、練習や大会が立て続けにあったせいでなかなか行けなかったからどうしても行きたい。

 

「えぇ…あれは多分予約入れないと食べれないやつだよ?あと確か、あのレベルは客10人以上じゃないと断られるし」

 

「うぇ、そうなの?」

 

 それは初耳の情報だ。この長い耳を持ってしても、聞き逃してしまう情報もある。まぁ、聴力は多分人間と大差ないんだけどね。そんな初耳の情報で気分を落としていると、やれやれとした表情で人間が言う。

 

「まぁ、それぐらいデカいパフェが作れるほどの材料、買ってくるよ」

 

「え!いいの!?」

 

 落ちていた気分が一気に跳ね上がるのを感じる。

 

「ただし、盛り付けは手伝ってもらうからな」

 

「任せてよ!盛り付けは得意だからね!」

 

 テレビ番組で観たあのデカ盛りスイーツが食べられるとなると、心が踊ってしまう。

 

 こんなこと一生に一度あるか無いかだ。こんなに幸せでいいのか?今日死んでもおかしく無いんじゃないか?

 

「じゃ、材料買ってくるから、家で大人しくしてろよ」

 

 そう言って人間は、玄関の方に向かっていった。今住んでいる家はよくある賃貸マンションで、駅からは少し離れている。広さは1DKほどだが自分のサイズ的に二人で過ごすにはちょうど良いスペースだったりする。自分は洋室にいたので彼が出るところを見ていないが、ガチャと扉を開け、バタンと閉める音が聞こえたので、彼はもう家から出たのだろう。

 

 ふと、時計を見ると時刻は午後十五時を回ろうとしていた。午前十時ぐらいに起きて、テレビを観ていたらもうこんな時間になってしまった。最近、一日が経つのが早いなぁ、まぁ、こうして怠惰に生きる一日もあっていいか、と思いながら窓に目を向ける。

 

 外は橙色に染まっており、今にも地平線に太陽がぶつかってしまいそうで、その景色を綺麗だなと思ってしまう。

 

 昔の自分であればそんなこと思わなかっただろう。外の情景より、もっと、目先の事を考えていたはずだ。もうずっと前の記憶のはずなのに、鮮明に溢れてきて驚く。記憶力はそんなに良くないと思っていたのだが、やっぱりこの軌跡は忘れられないものらしい。あの日から始まった、栄光への軌跡。

 

 それはバッジという形で残り、部屋の額縁に飾ってある。そんなバッジは窓から入る西日の光に照らされ、輝いていた。

 

 そんな事を考えているうちに、外から物音がした。目を瞑り、耳を澄ませる。

 

 コツコツと、足音が聞こえる。きっと人間がパフェの材料を買って帰ってきたのだろう。人間と特に変わらない聴力の長い耳でも、これだけは聞き逃さない。耳を澄ませばよく聞こえる。

 

 そうして、玄関のドアが開く音がして、コツコツと音を立て、こっちに向かってくる。洋室のドアが開く音がして、

 

声が聞こえた。

 

 

 

「お誕生日おめでとう」






初めまして。片羽 エオルです。

1話あたりの文字数ってどのくらいがいいのでしょうか?次は多めにしてもいいかも?

「もしもみみのこが現実に存在していたとして、人間社会におけるみみのこの扱いってどうなるんだろう?」と考えたことがあります。
色々と考えを巡らせてるうちに、その中でこういった物語ができそう!と思いついたので形にしてみようと思い、執筆を始めました。

今回はプロローグということで、誰かの生活の話が書かれています。
…一体誰のお話なんでしょうか?

小説の執筆は初めてなので至らぬ点があると思いますが、温かい目で読んで頂けたら幸いです。

不定期で更新していくつもりなのでよろしくお願いします。
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