CODE VEIN Ⅱ 世界を『楽しむ』旅路 作:ミヤビコウ
遂にDLCが解禁されましたね
楽しんでいただけたら幸いです
遠目に見えている景色は、『存在する可能性のあった世界の残滓』
あの選択をした結果生まれた世界。
この選択をした結果生まれた世界。
それらが渦巻く世界の片隅。
それがここ、時空の狭間だ。
「さて、何が出てきやがる?」
「前回同様、楽な相手だといいのだがね」
「え?ノアとヴァレンティン、閉めたことあるの?」
「お前とルゥがリンネを封印している間、結構な数閉じてきたぞ」
「あ、そうだったの。―――っ!!」
この空間全体が、強烈な殺気によって震えだす。明確に理解出来る。『お前たちの選択のせいで我々が殺された』という感情が渦巻いている。
その殺気に変換された意思に視線を向ける。
そして驚愕する。
何せ『ヤツ』は―――
「GYAAAAAAAAA―――――――――!!!!!」
「姉さん!あいつは!!」
「リンネの残滓だと!?なぜここに…っ!下だ!!」
「GUOOOOOOO―――――――――!!!!!」
リンネの残滓が叫びながら下に向かってエネルギーを吐き出すと、下から『黄金色』の柱が吹き上がる。
その柱に触れてはいけないと、全員が本能で感じ取り一斉に動いて避けるが、ノアとライルが僅かにその柱を掠める。その瞬間、今までで感じたことのない痛みが走り顔を歪める。
「ノア!」「ライル!」
「平気だ!ヴァレンティン!この光はマズイ!!」
「ああ!これは『陽光』だ!」
その昔、吸血鬼は日光に晒されると身体が灰燼となり消滅する体質だった。そのため、日の当たらない暗闇ででしか生きることが出来なかった。
だが、その問題を始祖イドリスとゼノンが解決策を発見したことにより、吸血鬼は太陽の影響を受けずに生活することが出来るようになったのだ。だったのだが。
「ラヴィニア君!解析を!」
『!いけません。この空間では『元の吸血鬼』になってしまうようです』
『ヤツの光に直接触れるな!吸血鬼は消滅するぞ!』
「人間も吸血鬼も絶対殺す空間ってこと!?っ!ルゥ!しゃがんで!」
「っ!」
ユキの言葉に反応したルゥがしゃがんだその場所に、容赦なく直線上の光が走る。ラヴィニアの話が本当なら、あれは陽光による攻撃だ。すかさずユキはアサルトダイブでルゥの元へ移動する。
(本当だ!いつもよりイコルの消費が多い!)
想定以上にイコルを消費し、軽い貧血を起こすユキだったが、それでも理解出来たことがある。
「みんな!武器でなら陽光の攻撃を防げる!」
「聞いたなライル!次はヘマすんなよ!!」
「もちろんだクレイグ!これ以上無様を晒すことはしない!!」
「冗談キツイっての!でもホリーを任された以上、私も気張ってやる!!」
「ありがとうイリスちゃん!」
「ラヴィニア君!術式を維持したまま相手の術式に干渉できるかね!?」
『もちろんです』
『働けお父さん!こう言えばやる気出るだろ!?』
「勿論だとも我が娘よ!!はぁ―――っ!!」
「まったく!ここで私の因縁の相手に出くわすとはな!!」
「でも今は一緒に隣で戦える!そうでしょ姉さん!!」
「そうだな!!」
全員が一丸となってリンネの残滓と戦う。
巨体の突進をジョゼとクレイグが弾き飛ばし、その僅かな隙にユキ、ルゥ、ライルが斬りかかり、その反対側からノアとリーズも攻撃を加え、リンネの残滓から反撃の機会を奪う。
リンネの残滓の口に光が集まり始める。
だが、その光はホリーの弾丸によって口ごと吹き飛ばされる。念のためにと開発した炸裂弾が功を奏した。
頭の部分を攻撃されたリンネの残滓も流石にそのダメージで動きを止める。その瞬間にイリスとゼノンが強大な一撃を叩き込む。
連携も、フォローも、全てが上手くいっている。それも『気持ちが悪い』ぐらいに。
「全員回避!」
ヴァレンティンの言葉で、全員が突進攻撃を避ける。全員ちゃんと回避した。それでもヴァレンティンは思考を巡らせることを止めない。それはおそらくゼノンも一緒だろう。
これまで対峙してきた存在とは違う。
時空の狭間には常に『イドリスの眷属』がいた。
だが今回は違う。リンネの残滓。
もしくは、リンネの残滓の形をした『イドリスの眷属』
もしそうだとしたら、果たしてリンネの残滓と同じ攻撃方法を取るだろうか?
そもそも、リンネの残滓という形状でいる必要性があるのだろうか?
もしこれまでの戦闘そのものが『罠』だったとしたら?
例えば、戦い方を覚えたあたりで戦術そのものをひっくり返してきたら?
その疑問に対する『答え』は、いつも唐突に訪れる。
グチャッ!ズルリ……
グチャッ!ズルリ……
グチャッ!ズルリ……
グチャッ!ズルリ……
「OOOOOOOOOOOOO―――――――――!!!!!」
「何だありゃ!?」
「おかしいとは思っていた。時空の狭間に存在するイドリスの眷属には四本の触腕があった。だが今回の相手はリンネの残滓」
「形状がリンネの残滓のイドリスの眷属というわけだね?まったく、こんな時でなければデータ収集をしたいところではあるが、そうも言っていられんな」
「まさか、『背中から触腕が生えてくるとはな……!!』」
ジョゼの言う通りだ。あのリンネの残滓の背中を突き破り、黄金色の触腕が四本生えたのだ。
そしてさっきからの経験上、あの触腕に触れることもマズイだろう。掴まれるだけで激痛どころか消滅する可能性がある。
おまけに触腕での攻撃方法が読めない。もちろん術式もだ。
全員が体制を整えるため、武器を構え直したその時だった。
黄金色の球体が空中に現れると、球体から小さな無数の球体が、まるで豪雨のように降り注ぎ始めた。
「くそ!リーズ!無事か!!?」
「大丈夫っ!!」
「防御系術式を使えるヤツは惜しみなく使え!」
「ここまでとはな!相棒!大丈夫か!!」
「気が抜けないけどね!!ルゥ!!七色障壁は!?」
「もうやっています!!ですが数秒しか!」
「ホリー!無事!?」
「何とか!ねっ!」
「くそっ!よけ続けるのも限界だぞ!!」
「母上!!時間留保を使えますか!?」
『ええ、勿論です!』
『私の術式で効果を増幅させてやる!その間に策を練れ!!』
球体状の術式がイドリスの眷属を包み込むと、イドリスの眷属ごと攻撃の豪雨が停止する。これがラヴィニアの時間留保の術式だ。一定の空間ごと時間そのものを隔離して停止させることができるのだ。
その隙に全員がイドリスの眷属の攻撃範囲から脱出し、被害状況を確認する。
何とか負傷はしていないものの、あちこち火傷のような痛みが走る。肩で息をするほどではないが、疲労はかなり溜まっているしイコルもかなり消費した。吸血すれば問題ないが、その隙すらなかった。
「現状、我々は不利だ。まさかあのような攻撃をしてくるとは」
「だがあんな攻撃が長く続くとは思えねぇな」
「そうだったとして、次はあの触腕が動くだろう」
「もうそろそろ時間留保が切れてしまうわ。私達も覚悟を決めましょう」
「身体強化系の術式を私に全部乗せして」
「ユキ、まさか貴方……」
「全部乗せしてアサルトダイブで突っ込む。それが一番手っ取り早い」
「私は反対です!!ユキ義姉さんが危険すぎます!!」
「ありがとうリーズ。だからみんなに手伝って欲しいんだ。触腕を防いで欲しい」
「花道ってか。いいぜ。俺は乗った!」
「相棒の道は絶対に切り拓く」
「だったら私もだな。許婚どのは絶対に守ってやる」
「危険ではあるが、現状で考えうる最適解ではあるな。露払いはまかせたまえ!」
「ギリギリまで貴方を治療する。私にはそれしか出来ないからね」
「悪いけど私はホリーを援護する。邪魔になっちゃうしね」
「ユキ」
「ほえ?どうかしたのルゥ?」
「私が泣かないような行動をしないでください。いいですね?」
「もち!それじゃ行きますか!ラヴィニア様!私の合図で術式の解除を!」
『分かりました』
『最大限でいく』
「それじゃいきますか」
仲間からのバフ効果を全部乗せしてもらうユキ。身体強化だけではない。防御系のバフもだ。大した効果は期待できないが、イドリスの眷属の首に届くまでには充分だ。
右手に握るマサムネに己の神経を繋げる。刀の切っ先が己の手の先まで繋げるように集中する。あとは『アレ』をしてくれれば充分だ。
それはすぐに訪れる。ルゥから背中を手で押されること。
『行ってらっしゃい』
『行ってきます』
「カウント三秒前でお願いします」
「三」
「二」
「一」
「Go!!!」
時間留保の術式が切れたと同時に、ユキは風になる。
その速度は、触腕がユキを掴めない程の速度で一気に肉薄する。
だが、皆に言っていないこともある。身体強化と防御系の術式全部乗せは、ユキの身体に馬鹿みたいな負担を敷いている。一歩踏み込むだけで脚の骨が軋み、マサムネを振ろうとすると全身の筋繊維がブチブチと千切れる音が聞こえる。
またリハビリブースターの厄介になるだろうが、そんなことを言っていられない。ユキの道をみんなが身体を張って作ってくれているのだ。身体の一つなど惜しくない。
「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」
裂帛と共に、ユキはイドリスの眷属の首を見事に斬り裂いた。
だが気を抜くわけにはいかない。攻撃の後こそ一番気を張っていなければならない。
全身が痛い。筋繊維が見事に断裂している。骨だって骨折寸前だ。再生力が使えない今が本当に忌々しい。
それでもイドリスの眷属から目を離さない。
基本的に、人間以外の存在は死を迎えると霧散する。
だが、まだイドリスの眷属は霧散していない。つまり死んでいない。倒しきれていない。震える身体でマサムネを逆手に持ち替えて、相手の眉間に突き刺してトドメを刺す―――!
「え?」
その前に、触腕から生えた鋭く尖った触手の一つに、後ろから突き刺された。
視線が自分の腹に向けられる。
赤い液体で染まった触手。
痛い。
背中から入って腹から出ている感覚。
痛い。
痛い。
立ち上る赤錆の香り。抜けていく力。触手に刺されているから立っていられる。
痛い。
痛い。
痛い。
冷えていく身体。
零れる命。
全員の視線がこちらに刺さる。
驚愕の感情が一番大きい。
ああ。
ルゥ、泣きそうな顔しないでよ。
ジョゼ、可愛い顔で怒らないでよ。
リーズ、泣かないで。
ライル、あと頼んだ。
クレイグ、ちゃんとフォローしてよ?
イリス、顔は上げるもんだよ?
ホリー先生、みんなを治してね。
ゼノンは―――楽しんで?
ヴァレンティン、悔やまないで。私の油断だからさ。
ノア、そんなヴァレンティンをぶん殴ってやって?
ラヴィニア様、ごめんなさい。
ヤドヴィガさんの秘蔵スナック菓子、食べたかったなぁ……
ズルリと、身体を貫通していた触手が動き出す。
引き抜かれるね。これは。
気を付けてよ~?こんな攻撃してくる相手なんだからさ。
ズルリ、ズルリと触手が引き抜かれる。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
あはは~
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
せめて笑顔で。
倒れられるかな~?
なんて……ね……
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ユキ義姉さぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「クレイグ!!」
「おうよ!!ライル!!」
「分かっている!!」
ルゥとリーズの悲鳴が響き渡る。
ジョゼとクレイグが己の武器でイドリスの眷属の触手を叩き斬ると、瞬時にライルがユキの身体を抱きかかえてホリーの元に向かう。
「ラヴィニア君!!傷口に時間留保を!!」
『もう施しました!』
『くそ!!ふざけるなよ!!』
その間に、ユキの傷口に時間留保で時間ごと出血を停止させて応急処置を施す。
ユキの状態を見たホリーは、すぐに処置を施し始める。
まずは出血箇所の修復。欠損部分の再生。だがやることが多すぎる。手が足りない。そんなことを言っていられない。手が足りないなら、いつもより早く処置をするだけだ。
今は術式で出血を止めているが、治療をするとなると、固定された時間を元に戻す必要がある。だから物理的に血管を止める必要がある。
「イリスちゃん!」
「何があってもあんた達を守り抜く!手を貸してリーズ!私だけじゃ無理!」
「~~~!!絶対に死なせないでください!!アイツのこと細切れにしてやる!!」
「いや…いやぁ…ユキぃ…」
「ルゥちゃん!!ユキちゃんは生きている!生きているの!」
未だ動揺するルゥの両手をホリーが掴む。
本当は処置をしなければならないが、このままだとルゥがイドリスの眷属に殺されてしまう。
「絶対に治す!!ルゥちゃん、ユキちゃんに声を掛け続けて!!意識はある!!貴方の声で繋ぎとめて!!」
「あ、あぁ…っ、ユキ!しっかりしてください!!死ぬなんて許しませんよ上官殿!!ユキ!!ユキ!!!」
炎が燃え盛るようにユキの名を呼び続けるルゥ。いや、こうでもしないと心が押しつぶされてしまうのだろう。
処置を再開するホリー。医療行為での数秒は、本当に命に直結する。
「ホリー。クリップで出血箇所はあらかた止めておいた。お前も確認してくれ」
「お、お母さん!?どうしてここに!!?」
「知らん!今は目の前の治療だけを考えろ!術式が思うように働かんな!!」
なぜか存在しているリコリスが、ホリーの代わりにある程度の処置を進めてくれていた。
でも今は気にすることではない。凄腕の医師が増えたのだから。
「ラヴィニアの術式で時間ごと出血を止めているの。だから私たちの術式も弾かれてしまう」
「なるほど。今のままでは欠損部の再生は不可能か。出血を完全に止める必要があるな。ホリー、止血剤は!」
「もう入れたわ!」
「術式で促進させるぞ!ルゥ!!ホリーの言った通りだ!!喉が潰れても叫び続けろ!!!お前の声が頼りだ!!!」
「はい!ユキ!!聞こえますか!!私を置いて逝くことは許しません!!!ユキ!!ユキ!!!死んではいけません!!絶対に治りますから!!!諦めないで!!!戦って!!!」
「私はまた肝心なところで……っ!!」
「ヴァレンティン!!今は悔やむ時じゃねぇ!!ユキがあの程度で死ぬヤツか!?そうじゃねぇだろ!?お前は折れるな!!そうじゃねぇのか!!?」
「ノア…一発僕を殴ってくれ!」
「そうこなくちゃなっ!!キツイのいくぞ!!」
ドカンッ!と人間であれば顔の原型がなくなるような威力で、ノアはヴァレンティンの頬に拳を叩き込む。
その後には、親友に喝を入れられた『いつもの』ヴァレンティンの顔があった。
「君の拳の効き目は絶大だな」
「当たり前だ。どうするヴァレンティン」
「……このまま攻める!ジョゼ、クレイグ、ライル!イドリスの眷属の触腕が厄介だが、同時に弱点だ!重点的に触腕と触手を狙ってくれ!」
「だとよ!!行くぜライル!!」
「ああ!!」
「私の許婚どのを傷つけた恨み、贖ってもらう!!!」
「ゼノン!!」
「まかせたまえヴァレンティン君!この空間の術式の糸口は掴んだ!!ラヴィニア君!ヤドヴィガ!もう少しだけ頑張ってくれたまえ!!」
『勿論です…!』
『怠惰の血族をここまで働かせるとはな…!』
「ノア!」
「ああ!やってやろうぜヴァレンティン!!」
ノアとヴァレンティンも戦線に加わり、イドリスの眷属を打ち倒すべく刃を振るう。
「ぁ…ぅ……」
「ユキ!!ユキ!!!駄目!!!死んだら許しません!!!」
「止血が終わったわ!」
「ラヴィニア!術式を解除しろ!!それと同時に欠損部位を再生させる!!ホリー!!準備はいいな!!」
「もちろんよ!イリスちゃん!リーズちゃん!もう少し頑張れる!!?」
「聞いてるヒマあるならさっさとやって!!」
「ユキ義姉さんを!任せます!!」
「ルゥちゃん!その赤い蓋のアンプルをユキちゃんに刺して!合図を出したらすぐにお願い!!」
「わかりました!!」
「ラヴィニア!解除しろ!!」
リコリスの言葉と同時に、ユキの傷口に掛けられていた時間留保が解かれる。止血しているとはいえ血が流れ始め―――
「「!!!」」
る前に、ホリーとリコリスが術式を一気に発動させ、触手に貫かれ穴の開いた場所の再生を始める。
「ホリー!早すぎる!ゆっくりとやれ!!」
「でも!!」
「私情は切り離せ!!命を取り零すつもりか!!」
「っ!!……私はまだ未熟ね」
「謝ったら今後文通はせんからな」
「ルゥちゃん!アンプル!」
「はい!!ユキ!!お願い……!!帰って来て……!!!!」
かつて、真っ白な空間に長時間閉じ込められると気が狂うと本で読んだ記憶がある。そして、なぜ、こんな事を言っているのかといえば、今まさに、ユキがそんな空間に放り出されているからだ。
触手に背中から刺され、腹に風穴が開いたというのに、血が一滴も出ていなければ、腹に風穴もなく、服だって無事だし、痛みもない。
試しに自分の頬を抓る。
「痛い……」
どうやら五感はちゃんと働くようだ。
今度はノアに倣って頬にビンタをする。
「痛った!!」
やはり五感はちゃんと働く。
一先ず歩いてみる。踏みしめる感覚もちゃんとある。
いつものように、手をぐっぱぐっぱと開いたり閉じたりする。うん。やっぱり感覚はある。
これまた本で読んだことだが、死に近付くと、このような体験をすると書いてあった記憶がある。もしかしてまさか……
「私、死にかけてる……よね」
どてっ腹に穴を開けられたら死にかけるに決まってる。
でも死ぬことは出来ない。
死ぬわけにはいかない。
愛するヒトを残して死ねない。
もっとイチャイチャしたいから!!
『愛したヒトとイチャイチャしたいから死ねないないて、貴方は面白い人ね』
「ん?」
『こっち』
聞いていると落ち着く声だ。
その声に従って後ろに振り向くと、白いワンピースを着た全身が真っ白の十歳ぐらいの女の子が立っていた。さらに驚くのはその瞳。煌々と青白く光っている。
本来なら不気味に思ってしまう。でも、その瞳に魅入られてしまう。
『こんにちは?初めまして?』
「いや初めましてだから!というかここどこ?」
『あの世』
「私、死んだの!?」
『うふふ。冗談』
「どっち!?」
『貴方の治療をしてくれている。でも、生死の天秤は『死』に傾いている』
「や~だ~!!死にたくな~い~!!もっとイチャイチャし~た~い!!」
『本当に面白い人。ほんの少し貴方とお話をしたいのだけど、いい?』
「話って……私死にかけてるんだけど!そんなヒマない!!生きて宴会するの!!」
『私とお話すれば、イチャイチャできて、宴会もできるかもよ?』
「どういうこと?というか誰?」
『名前は忘れちゃったの。でも、こう呼ばれていたわ』
『クイーンって』