令和ゆるふわ女子大学生の、邪神的コンテンツ消費録 作:V01-125,734,943,672
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いやぁ、ようやくだよ。ようやく此処まで来た。
これだけ色々やってるんだから、一回ぐらい『極めて発展した人類文明』ってやつを見てみたくてね。
創造性のない私にしては珍しく努力して、何回もリセットすることで、ようやく達成出来た。
『私の知るとある歴史的独裁者が独裁者となる可能性』を消滅させたり、逆に『とある有名人が暗殺される可能性』を消滅させたりして、ベストパターンを探っていたらこんなループ数。
いやぁ、大分回数も増えてきたね。
私のことだから途中で投げ出すかなと思っていたけれど、どうやら988周目や1,023周目、4,095周目あたりで得られた収穫が予想以上に味の尽きないガムだったらしい。
ともかく、そういうわけで。
西暦2026年だというのに空飛ぶ車が日常的に飛び交い、巨大な魔法陣による空間転移が平然と使われ、何なら次元格納とかいう技術によって『距離』という概念が大した意味を持たなくなっている文明になってくれた。
何なら、無機物に限れば時間旅行とかも出来るらしいね。流石だぜ、人類。
今回は
うんうん、感慨もひとしおだね。
子供の成長を見守る親ってこんな感じの気分なのかな──っと。お待ちかねの人物が登場してくれたね。
「やっぱり、君達なんだね。よくぞ私の改編痕を見つけて此処まで辿り着いた」
完全に発展した世界を見たかったので、今回はルネとレイはきちんと引き合わせているし、魔法少女化の可能性も消滅させていない。
有り体な言葉で言うなら、『人類の可能性を見せてくれ』ってやつ。何処まで出来るのかな、っていう。ね?
「韻歌レイ、紫園ルネ。我が名は『運命邪神』
見せてみよ。人類文明を。
効率的に栄華のみを追究した人類文明が、如何様な結果を齎すのかを。
「私が何度介入してきたと思っている。
「『カイキアス・ウィンド』!」
「──此処に、在る」
不可視の刃を、消滅させる。
それが戦闘開始の号砲となる。
まずは、前回と同一の。
複数隕石の落下により、都市破壊を。
「デバイス展開──『
ルネが上空に展開した防御術式により、隕石は無力化される。
当然だろう。この文明は民間人が容易く宇宙進出を叶えているような文明。この程度、防げないわけがない。
「『
次に襲い来るは、禍々しき黒い弾丸。
視線を向けるだけで呪われそうな呪詛の込められた弾丸。それが、
「──『私に向けられた攻撃』、消滅せよ」
その全てが、一言のもとで消え去る。
改めて紹介しよう。私の能力は『万象を消滅させる力』。
概念から物理現象、魔法に至るまでの森羅万象を消滅させる半知半能の能力である。
「『
鼓膜をつんざくような高音。
そして、視界を灼く目映い光。
それらが私の五感を潰さんと光音を発する。
それぞれの呪詛が世界を照らし、音波が世界を砕く。
「──『 』!」
関係ない。聴覚が機能せずとも、『次の攻撃目標の推定を誤る可能性』を消滅させれば、自ずと対処法は考えられる。なにも難しいことじゃない。
「いやぁ、怖いね。これだから魔法少女ってのは。でもこういう強い存在だからこそ、敵対組織に拘束された時とかの需要が無くならないんだろうね」
自らの力が決して及ばない強い存在が跪く。
決して届かない高嶺に君臨している存在が、自分の言うことを無条件に肯定する。
それは強く自己肯定感を刺激するものであり、更に言えばそれが『魔法少女』なんていう正義の
「高潔な存在の零落。それは支配欲を満たしながらも自己肯定感を刺激する麻薬のようなものだからね。それらを望む人類の気持ちはよくわかる。極めてエゴイステイックな動機であり、
襲い来る魔法全てを消去し、更地になった土地の中心に『私にかかる慣性』を消去することで、静止する。
「……全てを消去する力、かな」
少しだけ息のあがっているレイが、私の能力の見当をつける。
それはきっと確認というよりも、ルネへの共有。
「それが本当ならマズイって! それなら私たちが勝てる手段はあるの?」
対してルネは、貰った情報をもとに作戦を組み立てて──え?
「私達だけじゃ、対処は多分無理だから。応援を呼ぶべき。私が時間を稼ぐから──」
……どうして。
どうして、そう諦める。自力で解決しようとしない。
確かに『彼我の実力差がわかる可能性』が消滅させられている状況下で、応援を呼ぼうという思考になるその合理性は評価に値する。
けれど、それ以外。
それ以外が何もかも。評価に値しない。『賢者』たる資格がない。
自力での解決を放棄している。足掻かんとする意思がない。
レイが自分の身を犠牲にして、その間にルネが応援を呼ぶ。
そして応援部隊でもって、私を倒そうとする。合理的ではある。合目的ではある。理にはかなっている──けれど。
理解出来てしまう。
その行動原理を、その行動様式を、その思考回路を。
「ならば、『此処から逃亡出来る可能性』を消滅させよう」
応援なぞ認めない。そんな退廃的で、消極的な行動は認めない。
孤立無援だ。命を賭す手番だ。この状況において、君達はどう動く。
「ルネ、逃げられなくなった以上──
どうして。何故。
そうだ。いや、そもそも。大前提を確認していない。
「問おう。キミはどうして私を倒さんと望む」
今回の私は、人類文明に繁栄を与えた。
無論、必要ならば災害も与えているが故に
従って、荒御魂を鎮めようとしているのだと。そう、想定していた。
私の問いに、レイは答える。
「──
向きを変えて、ルネに再度問う。
「問おう。キミは
返答は、即座に。
「──
ああ、そうか。
それを要因として、私を倒そうとするのね。
なら、負けてあげる理由はない。勝ち目を作る理由はない。『戦闘』なんてしてあげる必要はない。何処にもね。
『私が損傷を受ける可能性』、『地球上のルネとレイ以外の生命体』、『次元格納に収納されている物品』を纏めて消滅させる。
「君達の言葉からは
世界の敵だとか。世界の為、だとか。
どうして君達がそんな台詞を吐けるのか。生憎と想像力欠如生命体である私には、
「でも、それで世界は平和になっている。
──そこまで言われたのなら。
「韻歌レイ、紫園ルネ。最期に一つまで
心底困ったように顔を見合わせる二人を、見て。
「
何もないのなら。
16,384周目、行こうね。