リリたま 作:まめつぶ
「ほらよ」
フェイトの前にジュエルシードが差し出される。
すぐには受け取らず、なぜかじっと見つめていた。
「どうした? 早く受け取れよ」
「……アンタさ」
「あん?」
「どうしてそうホイホイと見つけてこれるのさ」
アルフが訝し気に質問する。
「どうしてって言われてもな。まあ、なんだ」
珍しく銀時が言いにくそうにする。
フェイトを一瞥し、まあいいかと小さいため息をつく。
「感じるんだよ」
「感じる?」
「ムズムズするというか、ムラムラするというか」
「何言ってんだい?」
「ここがよ、反応すんだよ」
「どこだって?」
「ここだよ」
銀時が股間を指さす。
「ふざけてんのかい?」
「いやいやマジなんだって。今でも感じるぜ? 今は方向しかわかんねぇけどよ」
あっちの方だなと窓の先に目線を向ける。
アルフが同じ方向を向く。だが何も感じることはできない。
「魔力反応はなさそうだけど、フェイトは何か感じるかい?」
返事はない。
そもそもフェイトは外を見ていなかった。
「フェイト?」
フェイトは銀時の股間を見つめていた。
「やめなフェイト。目が腐るよ」
「どういう意味だオイ。ちゃんと毎日洗ってるから。いつでも使えるようにセットアップしてあるから」
アルフの蹴りが股間に炸裂する。
「これで使う必要なくなったな」
「リリカル銀時、始まります」
うずくまる銀時。
そこにフェイトが近づき、腰に手を当てた。
「ジュエルシード」
「え?」
「ここにある」
フェイトが真剣な表情で言い放つ。
「え? ここって、どこ?」
「ここ」
股間を指差す。
「二つある」
「マジでか。ということは、これが俺の新しいシードってこと? 金の玉ならぬ金の種ってこと?」
「バルディッシュ」
デバイスを展開する。
「あれ? フェイトちゃん? どうしたのかな? バルディッシュなんか取り出しちゃって」
「封印する」
「ちょ、待った待った! 封印なんかして大丈夫か!? 金さんも一緒に封印されたりしないだろうな!」
「これ以上フェイトにセクハラしてみろ。玉より先にタマ取るぞ」
こぶしを握り、指の骨を鳴らす。
「それにほら、まだまだジュエルシード集めるんだろ? このままの方が便利なんじゃねぇか?」
動きが止まる。
その言い分に一理あった。
「な? 今日のところは落ちてるやつを回収しに行こうぜ。俺のを封印するのは最後でも遅くはないだろ」
思考を巡らす。
それからバルディッシュを降ろした。
「いいのかい?」
「うん。銀時の言うことが本当なら、今はこのままでいい」
胸を撫でおろし、ほっと一息つく。
「行こう」
玄関に向かう。
すでに日は暮れかけていた。
アルフと銀時、二人が顔を見合わせる。二人とも考えてることは同じだった。
「あいよ」
「しゃーねぇな」
止めても無駄なことはわかっていた。
それならばすぐに回収を終わらせ、少しでも休息を取らせる。
それが頑固な少女に対しての最善策であった。