リリたま 作:まめつぶ
「そろそろだな」
「距離もわかるのかい?」
「ああ、近くなるほどアンテナが反応するからな」
「アンテナ?」
「今のところはピクピクしてるだけだが、テント張り出したらもうその辺ってこった」
「さっきから何言ってんだい?」
「お、膨らんできたな」
銀時が下を見る。アルフも同じ場所を見る。
銀時の足が地面から離れる。なんとアルフが片手で銀時の顔を鷲掴みにして持ち上げていた。
力が強くなっていき、頭蓋骨から軋む音が鳴り始める。
「死にたいのかい?」
「待て待て! 俺は悪くねぇだろうが! それにてめぇらに反応してるわけじゃねぇ!」
「フェイトのどこがチンチクリンだってんだい!」
「そんなこと一言も言ってねぇ!!」
苦しむ銀時を余所にフェイトがデバイスを構える。
真剣なフェイト。
その視線の先には高町なのはがいた。
「あっ!」
なのはの視界に銀髪が映っていた。
「天然パーマの人!」
「誰が天パーだコノヤロー」
アイアンクローを食らいながらツッコミを入れる。
「アンタら知り合いなのかい?」
「知り合いってほどでもねぇな」
銀時が軽く事情を説明する。
そうしてようやく地面に降ろされた。
「アルフ」
フェイトが戦闘態勢に入る。
それに合わせてアルフも気合を入れた。
戦闘が開始される。
その時だった。
「そこまでだ!」
空より新たな介入者が現れる。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」
地面に降り立ち、二人を拘束する。
「事情を聞かせてもらおうか」
言うが早いか、アルフがすぐに行動へ移す。
「撤退するよ!」
魔力弾を撃ち込んでいく。
フェイトのバインドは解除され、急ぎ落ちているジュエルシードへと向かった。
その隙を見逃さず、クロノが背後より攻撃を放つ。
しかし、その攻撃は木刀によって弾かれた。
「君も彼女たちの仲間か?」
「さあな、ただこいつらには一宿一飯の恩義があるだけだ」
「一宿一飯どころじゃないだろ」
すかさずアルフのツッコミが入る。
それと同時に銀時の体に鎖が巻かれた。
「逃げるよ!」
フェイトとアルフが飛ぶ。
鎖に引っ張られて銀時も空へと飛び立った。
「た、玉がヒュンってするぅぅ! 永遠に玉ヒュン状態が続いてるよぉぉぉ!」
初めての感覚に銀時が叫ぶ。
「離さないでね! 絶対に離さないでね!!」
「おっと手が滑った」
チェーンバインドから一瞬だけ手を離す。
銀時に落下の恐怖が襲い掛かる。
そして落ちないようにすぐ掴みなおした。
「オイィィィ!! テンメ今わざと手ェ離しただろ!」
「そんなことするわけないだろ」
フフッとアルフが笑う。
「アルフ、楽しそう」
「そ、そんなことないよ」
そんなアルフを見て、フェイトも自然と笑みを浮かべた。
管理局に追われる危険な状況。
それなのに、二人はなぜだが笑うことができていた。