IF 〜もしもあの時〜   作:マグウェル

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第三幕 ANTARES act.5

 

 

 

—2ヶ月後 舞台会場周辺

 

 

季節はすっかり寒さも抜けて春らしい暖かさを感じられる時期に...

 

近隣の駐車場にNSXを停めたハジメはベージュの長袖シャツにジーパンという格好で紺の上着を羽織りつつも今ガチメンバー達と待ち合わせているゲート前へと徒歩で移動...近くまで来ると今ガチメンバーが見えてきた。ゆき、ノブユキ、ケンゴ、MEMちょの四人だ。

 

 

 

 

「おー、21歳じゃん」

 

 

 

 

「あまり年齢ネタでいじんなよ...」

 

 

 

 

相変わらずのノブユキのノリに少々呆れた様子ながらもツッコミを入れるハジメ。しかし、半年しか経ってないにも関わらず何処か懐かしさを感じるような感覚から思わず小さく笑みを浮かべているとケンゴを筆頭に皆が歩み寄ってきた。

 

 

 

 

「俺ももう大学生だ、時が過ぎるのも早いな」

 

 

 

 

「なーに、まだ酒も飲めない未成年だろ。

あまりオジサンぶったセリフ言ってるとマジで歳食うの早くなるぞ」

 

 

 

 

「おー、ハジめーん!おひさー!」

 

 

 

 

「ああ、年末の動画の時以来か...MEMちょとは」

 

 

 

 

「ハジメくん来てくれたんだね」

 

 

 

 

「まあ、行くって言ったからには行かないとな。

あ、これチケット代。予約してくれてありがとな」

 

 

 

 

チケット代をゆきに渡し、引き換えるようにチケットを貰うハジメ。そこから程なくして「行こうぜ」というノブユキの声と共に一緒に動き始めると互いの近況やら何やらを話していると係員にチケットを見せて会場に入場...既に薄暗くなっている会場内でふと周りを見回すとハジメはあることに気づいた...ゆきとノブユキの距離感がやたらと近い。

 

あれ...番組ではカップル不成立だったような?

 

そう思いながらも横にいたケンゴ聞いてみた。

 

 

 

 

「ケンゴ、あれ...」

 

 

 

 

「ああ、知らなかったのか。二人とも付き合ってるよ」

 

 

 

 

「えっ、マジかよ...」

 

 

 

 

「なんでも目立つことはしたくないってさ。

ゆきの方はモデルだから公に付き合ってるって知られたらマズいし...」

 

 

 

 

ケンゴの言葉に思わず「なるほど...」と思わず一言言葉を漏らすハジメ。発覚時のリスクはあるが、これでファンにバレなければモデルとしての人気も維持しながら付き合うことが出来る...その自信の上での選択だろう。かなりのやり手だ。

 

だが、それと共にあることをふと思ってしまう...

 

 

もしかすれば、公的にあかねと付き合うと言った自分は彼女の女優としての評判を落としているかもしれない...と。

 

 

 

 

そう思いながらも二人に目を向けるとペアルックで同じキーホルダーを持っていたりと、細かいところでしっかりカップル感を出している。

思えば、自分達はデートこそ言ったことはあるもののああいうのは付けたことがないような...

 

一回あかねと行った時にペアルックに何か買わないか誘われたこともあったような気もするが、恥ずかしさ故か有耶無耶にしてやり過ごしたような気もする...自分は本当に彼女にとって相応しい相手なのだろうか?

 

そう自問自答を繰り返す中、遠くから声が聞こえてくるような形でケンゴの声が耳に入ってきた。「ハジメ、ハジメ...!」と何度も呼んでいたが、5回目ぐらいで急に声が大きくなってようやく驚いたように身体をビクつかせて気づいた。

 

 

 

 

「あ、悪い...なんだった?」

 

 

 

 

「何だったって...」

 

 

 

 

「チョーシ悪いんじゃねえの?お前」

 

 

 

 

ノブユキに半ば呆れられるように言われて「いーや、大丈夫大丈夫」と苦笑いしながら誤魔化すハジメ。そんな彼にゆきがふと思ったことを問いかけた。

 

 

 

 

「そう言えば...ハジメくんって今、大きなチーム入ってるんだよね?いつ頃レースやるとかあるの?」

 

 

 

 

「いつ頃か...本戦は再来週。予選はその前日だな」

 

 

 

 

「えー、結構近いじゃん!ハジめん大丈夫なの?」

 

 

 

 

「まあ...正直ちょっと不安だけど、だからと言って彼女の公演観に行かないのはなんか違うだろう。

 

それに...アイツのこともっと知りたいし」

 

 

 

 

小さく笑みを浮かべながらもそう一言付け加えるハジメに対し、意外そうにするゆきを除いた今ガチメンバー。その表情の意図を伝えるのを代表するようにノブユキが「でもよー...」と頭を軽く掻きながらも語り始めた。

 

 

 

 

「普通の舞台ならまだしも、演じてる役のお相手はかつての恋敵のアクアだぜ?俺だったら見るどころか想像するのも嫌になるがな...」

 

 

 

 

「まあ、確かにそういう気持ちもないわけじゃない。

 

でも...何処かのタイミングで歩み寄らないと本当にアイツがどっか行くような気がするんだ。

動ける内に動かないと後で絶対後悔する」

 

 

 

 

真剣に語るハジメに一同は彼に注視しつつもその思いが如何ほどのものか受け止めた。沈黙に包まれる中、それを打ち破るようにゆきがクスッと小さく笑うとハジメに向けてこう呟いた。

 

 

 

 

「ハジメくん、本当にスキなんだね。あかねのこと」

 

 

 

 

「ま、まあ....」

 

 

 

 

「そんなに恥ずかしがらなくてもいいよ。

 

君の彼女なんだし...

 

むしろ、もっと胸を張って言ってもいいかも」

 

 

 

 

そう呟いてから「んー」と身体をクイッと伸ばすゆき...視線をハジメから天井の方に向けるも時折ノブユキの方をチラチラ見るようにしてこう呟いた。

 

 

 

 

「あーあ、あかねが羨ましいなぁー。

 

私もこれぐらい一途に愛してくれる人が傍に居たらなー」

 

 

 

 

小悪魔染みた笑みを浮かべながらの一言に流石のノブユキも顔を赤らめながらも目線を逸らし始めた。が、ハジメからしてみればそんな二人のやり取りもどこか羨ましく感じてしまう...思わず自嘲染みた笑みを浮かべながらもハァー...とため息混じりに小声でこう呟いた。

 

 

 

 

「俺からすればお前ら二人の方が羨ましいよ」

 

 

 

 

小声でボソリと呟いた一言...その場にいたほとんどの人物が聞き逃していたが、MEMちょだけは聞き逃さない。

軽く顔を覗き込むようにしながらも恐る恐る問いかけた。

 

 

 

 

「...ハジめん、大丈夫?なんか最近あかねと喧嘩したとかある?」

 

 

 

 

「特にはない...ただ、最近会う頻度が確実に減ってるんだ。

 

1月末の初詣以来まともに会ってないし...

お互い仕事が忙しいってのもあるけど、会わない内に見えない溝みたいなのが出来てるような気がしてる。

 

だから、今日はちょっとした合間でも縫って観に行こうって思ったんだ」

 

 

 

 

そう答えている間に照明が暗転。

そろそろ始まるのだろう...

 

賑やかだった客席のざわめきが一気に止み、全員がステージに注目すると共に公演時の注意事項が説明される。

 

そして、そこから程なくして....

 

 

 

姫川大輝を筆頭に有馬かな、星野アクア、黒川あかね達が出演する東京ブレイドの舞台の幕が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ・

 

 

 

 

 

 

 

—しばらくして

 

 

 

東京ブレイドの舞台は終盤の佳境を迎える。

あかねが演じる鞘姫が斬られるシーン...プロジェクションマッピングで床一面に血が広がる中、アクアが演じる刀鬼が戦いそっちのけで駆け寄る。

 

 

 

 

「鞘姫...!!」

 

 

 

 

「刀、鬼...」

 

 

 

 

倒れている鞘姫の支えになろうとする刀鬼...

そんな刀鬼の頬に向けて震える手を伸ばす。

 

今にも絶たれそうな命の中で懸命に最期の想いを告げようとする原作をリスペクトする演技に会場のあちこちで啜り泣きするような音も聞こえる...が、ハジメの目に映っていたものは鞘姫と刀鬼ではない。

 

明確に黒川あかねと星野アクアに見えたのだ。

 

 

 

 

「っ....」

 

 

 

 

胸が張り裂けるような感覚。

あの舞台に上がりたくでも上がれない。自分には上がる権利がなく、指をくわえて見ることしかできない。

 

自分は彼女とは全く別のベクトルの人間だと改めて思い知らされた...それだけじゃない、かつての恋敵の星野アクアはそのベクトルと同じ方向性の人間だということも。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

「(なんで...?なんでだよ...!

 

たかが演技だろうが...!!マジになってんじゃねえよ...!!)」

 

 

 

 

分かってる。

演技だって...だが、膝の上に置いた両手の震えが止まらない。

 

抑えようとしても、抑えようとしても...

 

込み上げてくるものは抑えられそうにない。

 

 

 

そして、抑えきれなくなったそれは程なくして手の震えではない別のものと化して出てきた。

 

目頭が熱くなるような感覚、そして額を伝う雫....

 

 

そう、涙だ。

 

 

 

彼女が炎上した時のあの時の出来事がふと脳裏に浮かび上がる...

 

 

 

"お前、あの時からずっと負けてるだろ"

 

 

 

頭の中にいるもう一人の自分がそう語りかけてきた。

 

 

 

 

そうだ、あの時から...あの時から.....

 

 

 

それから終盤に差し掛かり、敵味方の境を無くした皆の思いによって鞘姫の命は救われて舞台は幕を下ろす。

 

 

 

今ガチメンバーも各々が「面白かったー!」と感想を話す中、ハジメの足取りだけ重い鎖をつけられたように重かった。

 

 

 

 

「ハジめん...?」

 

 

 

 

「あ、ああ...よかったな。

ちょっと俺、トイレ行ってくるからみんな先行ってて」

 

 

 

 

笑顔を作っては全員にそう告げて一旦別れるハジメ...

しかし、彼の目的はトイレなどではない。

 

 

単に一人なりたかっただけなのだ。

 

 

 

誰もいない隅っこのスポット...

申し訳程度の公衆電話がポツンと置かれてる場所。

 

 

 

そこで彼は込み上げてくるものを爆発させるように泣いた。

 

 

 

情けない、本当に情けない...

 

 

 

 

彼女の心は自分から離れてしまったのだろうか?

 

 

もっとアピールしなければならないのか?

 

 

 

 

そう心の中で問いかける中、誰も来ないと思っていたこの場所に近づくような足音が鳴り響く。

 

 

 

やばい、誰か来る...

 

こんなところ誰にも見られたくない。

 

 

 

咄嗟に涙を止めようとするも、そんな簡単に止められるものではない。応急的な対応として出入り口に背中を見せると入ってきた人物は恐る恐るこう問いかけてきた。

 

 

 

 

「大丈夫かい?キミ」

 

 

 

 

声からして男のようだ...背中を見せながらも「大丈夫です」と答えて勢いよく去ろうとした時、「待って」と呼び止められた。その時も男の顔は見えない...

 

 

 

 

「みんな楽しそうにしながら帰るのに、キミだけ悲しそうにしてたからどうしたんだろうって思って声を掛けてみたんだ」

 

 

 

 

「なんで、そんな一個人にわざわざ...?」

 

 

 

 

「まあ...僕、こう見えてこの舞台仕切ってる偉い人なんだ。

だから、お客さんの声ってのは大事にしててね。

 

よかったら...その顔見せてくれないか?」

 

 

 

 

そこまで言われると仕方ない...流したての涙を手の甲で拭いてから振り向くと男は驚いた表情を浮かべていた。

 

 

 

 

「き、キミ...確か....!」

 

 

 

 

「お恥ずかしいところをお見せしましたね...

 

五十嵐ハジメです、あかねがいつもお世話になってます」

 

 

 

 

「ら、雷田澄彰だ...」

 

 

 

 

軽く自己紹介を交わす二人。

この時、ふと込み上げてきた罪悪感に襲われる雷田。

以前、あかねとアクアが一緒に別の舞台を観に行っているのを見掛けた時に人物は"レーサーの彼氏よりアクアの方がお似合い"みたいなことを言ったような気がする。

職業柄会うことは絶対にない人物だと思っていたが、まさかこの日に会うことになるとは...しかも、よりにもよって彼の彼女とかつての恋敵を組ませるような舞台に仕上げてしまった。

 

しばらくの沈黙の後、雷田は重たい口を必死にこじ開けるようにして謝罪しようとした。

 

 

 

 

「その...こんな形の舞台になって悪かっ」

 

 

 

 

「いえ、よかったですよ。今回の舞台...

 

千秋楽まで頑張って下さい」

 

 

 

 

その場で笑顔を作って「それじゃ」と言い残して今ガチメンバーと合流しようと別れるハジメ。

この時、彼の心の中にはあるものが芽生えた。

 

 

彼女を振り向かせるためにレースで頂点に立たなければならないという重圧だ。

 

 

一方、罪悪感に見舞われながらもそんな彼の背中を見届ける雷田だったが、そんな最中でピロリンと彼のスマホの通知が鳴り響いた...

 

 

 

 

スマホを手にして通知を確認すると、メールだった。

 

1枚の写真が添付されてるそのメールを開いた雷田は思わず「なっ...!」と驚いて言葉を漏らす。

最後の1行..."交渉はコチラまで"と付け加えられるような形で綴られた番号を見て急いで電話を掛けた。

 

 

 

 

「...どういうつもりだ?」

 

 

 

 

「—どういうつもりって、そういうつもりだ」

 

 

 

 

「脅しと捉えていいか?」

 

 

 

 

「—まあ、待て待て。

ウチしか捉えてなさそうな特ダネだしな...

それに、俺らの上のお偉いさん的には東京ブレイドの原作の売れ行きにも影響が出るような真似は出来るだけ避けたそうだしな。

 

アンタらの方に影響でないように千秋楽後にしてやるよ。

 

一つ貸しだぞ」

 

 

 

 

電話越しに聞こえる声に思わず持っていたスマホの手を震わせる雷田...しかし、反論する間もなく一方的に通話を切られてしまった。あくまでも主導権はコチラが握っていると言わないばかりの対応に流石の雷田も声を震わせた。

 

 

 

 

「クソっ、ハイエナが....!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              ・

 

 

 

 

 

 

 

―2週間後 岡山国際サーキット

 

 

遂に始まったスーパーGT、本日は開幕戦前日の予選。

予選はノックアウト形式で行われる。

 

この形式はF1でも採用されている形式...

 

システムについて紹介すると、簡単に言うと勝ち抜き戦。

Q1とQ2はそれぞれ別なドライバーが走り、Q1で上位につけたチームだけがQ2進出が許されるというもの。

Q2進出したチームはその時の結果で最終の出走グリッドが決まる...この出走グリッドの位置が本戦の結果を大きく左右すると言っても過言ではない。

 

 

監督初経験な上にチームとしても初陣となる秋山は手堅く行こうと確実なQ2進出を狙うためにQ1出走ドライバーをハジメに委ねることに。

 

 

彼にとってもスーパーGT初陣となる出走だが、結果は周囲をざわめかせるほどのタイム...

 

トップに立ったMARSの火原幸也と0.04秒しか変わらないのだ。

 

 

 

 

「(ショートランの記録は圧倒的だな...あの火原のオッサンとこれだけしか差がつかねえとは)」

 

 

 

 

秋山はそう思いながらも腕を組みながらもピットに入ってきたベリッシモの296GT3を見守る。そんな中、ハジメが降りて隅で控えていた石神にバトンを渡すように入れ替わる...が、秋山の方に歩み寄りながらも白いヘルメットを取った彼の表情はあまりいいものではなさそうだ。

 

 

 

 

「お疲れさん。どうした、そんな怖い顔して」

 

 

 

 

「どうしたもないですよ、トップじゃないんだから...」

 

 

 

 

「そう焦んなよ。

しかも、お前...初陣で予選2位って相当スゴいからな」

 

 

 

 

肩をポンポンと叩く秋山だが、表情は変わらない...それどころか深刻なものになっているようにも伺える。

何故だ...?と疑問を抱いている間にハジメが神妙な面持ちで俯き気味にこう呟いた。

 

 

 

 

「....トップしか興味ありません。

今の俺にとって...それ以外は負けも同然です」

 

 

 

 

いつもと様子が違うように見える彼の反応に何かしら引っ掛かるものを感じ取る秋山。

だが、ここで下手に指摘しては神経を逆撫でして悪化する恐れもある...とりあえずは少し様子見しよう。

そう考えた彼は「まあまあ...」とハジメの気持ちを落ち着かせるように言ってからこう告げた。

 

 

 

 

「悪くなかったぜ、お前の走り。

それに、石神の結果次第ではポールポジションのチャンスもある。そう考えすぎるな、まだ本番じゃないしな」

 

 

 

 

そう言い残してから一旦距離を置くように離れる秋山。

ブラックの缶コーヒーを手にして遠くから様子見...しばらくするとQ2スタート。

 

石神が出走するもその結果は5位。

 

 

決して悪くない結果だが、ハジメは「クソ...!」と言い放っては片手で頭を勢いよく掻くようにし始めた。

 

 

 

 

「なにやってんだよッ、オッサン!!

全体のラップタイムもそう速くないのに5位ってふざけてんのか...!!」

 

 

 

 

頭を掻くのをやめたかと思えばピットの硬く厚い壁にゴンッ!と拳をぶつけてイラつきを発散するハジメ。レースになると普段よりも比較的に熱くなる男だが、ここまでの状態になっているのは初めて見る...流石の秋山も不安を感じ始めた。

 

 

 

 

「(明日の本戦、嫌な予感がすんなぁ...)」

 

 

 

 

残りのブラックコーヒーを全部飲んで片隅に置かれたゴミ箱にポイッと投げる秋山。カランッと音が鳴り響く中、彼も考え込むように顎に手を当てつつも喫煙所の方に向けて歩き始めた...

 

 

 

 

「(あれは今日、明日で治るような奴じゃねえ。

 

俺から言った所で逆効果なのは目に見えてるし、長い目で見てやんねえとなぁ...)」

 

 

 

 

しばらく歩いた先にあった喫煙所。

疎らに人が入ってる中で紙タバコをスッと取り出して口にくわえる...そして、火をつけてスゥー...と大きく吸ってから副流煙をフゥ...とため息混じりに吐き捨てると眉を寄せるようにしつつも天井を仰いだ。

 

 

 

 

「(ったく、監督業ってのも色々大変だぜ。

まだ選手としてドライバーやってる方が気が楽だ...)」

 

 

 

 

 

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