テスト小説   作:暇人な大賀さん

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提督死にました(笑) 少し手直ししました2月24


初めての出会いは地獄の中で

鎮守府正門前

「よし! 心の準備出来たし入るか!」

「それじゃあ入らせて貰いますよぉ~?」

キ~~~バタンッ!

「意外と立て付け悪いのかな」

……さて、どうしたもんかな。

ブラック鎮守府って言うくらいだし、入った瞬間に悲鳴が聞こえたりするもんなのかな。

まぁ艦娘に会えるんだし、気合いは入れていかないとな!

……入った瞬間、予想通りだった。

「いやぁっ! やめて……提督、許して……!」

女の子の悲鳴が、建物中に響き渡る。

一人の声じゃない。複数。重なり合う、苦痛の叫び。

「助けて……もう、壊れちゃう……」

「痛い……痛いよぉ……」

「ごめんなさい……ごめんなさい……!」

声は廊下の奥から。俺は思わず走り出した。

心臓が早鐘のように鳴る。

ブラック鎮守府の話しは本当だったのか……?

当たって欲しくなかった。

突き当たりの大部屋。

扉は開け放たれていて、中の光景が丸見えだ。

――地獄だった。

部屋の中央に、恐らく小破以上の艦娘たちが並んでいる。

駆逐艦たち……いや、もっと。軽巡、空母……鎮守府の艦娘が、そこにいた。

制服はボロボロに引き裂かれ、身体には無数の痣と傷。

血が床に滴り、涙で顔を濡らしている。

彼女たちはうつろな目で虚空を見つめ、ただ震えるだけ。もう、抵抗する気力すら残っていないようだ。

そして、その中心に――1人の男が立っていた。

提督の制服を着た、肥えた体躯の男。

顔は赤らみ、目は血走っている。

手には鞭。今まさに、雷の背中に振り下ろそうとしているところだった。

「ふははは! お前ら艦娘なんて、俺の玩具だぜ!

もっと鳴けよ、もっと泣けよ! それが俺の楽しみなんだからよぉ!」

男の声は、酒臭く、狂ったように響く。クズ提督。

ここに残っている、唯一の人間。

他の人間、憲兵は逃げ出したか、辞めたか……この男だけが、鎮守府を支配し続けている様な光景をまざまざと見せつけられた。

艦娘たちを、暴行し、蹂躙し、壊し続けている。

バシッ!

鞭が雷の肌を裂く音。雷が小さく悲鳴を上げ、身体を縮こまらせる。

「次はてめぇだ、そこの兵器! さっさと跪け!

お前みたいな生意気なヤツは、特別に可愛がってやるよ!」

金剛が、震える手で床を掴む。

彼女の瞳に、わずかな抵抗の光が宿るが……すぐに消える。

もう、何度も繰り返されたような絶望だ。

他の艦娘たちも、同じ。

比叡は鎖に繋がれ、壁に凭れかかっている。

姉妹の榛名は膝を抱えて泣き、霧島はただ俯いている。

駆逐艦たちは群れのように固まり、互いに寄り添うが、それすら許されない。

クズ提督が、笑いながら近づき、足で蹴り散らす。

「全員、俺のものだ! この鎮守府は俺の王国だぜ!

新しい提督が来ても、すぐ逃げちまうんだよなぁ……ふはは!」

――俺は、扉の影からその光景を見ていた。

吐き気がする。

怒りが込み上げる。

でも……どうする? 一人で、このクズを倒せるか?

艦娘たちはもう、戦う力がない。ここで飛び出せば、俺も標的にされるかも……。

いや、待て。

俺は転生者だ。この地獄を変えるために、望んで来たはずだ。

「? 、ッ……!」

突然、雷が俺に気づいた。

「誰か…助けて……」

――始まる。

ブラック鎮守府の、初めての戦い。

俺は扉の影から飛び出した。

「何してんだよ!!! くそ野郎! テメェ見たいな奴は絶対許さねぇ!!」

声が自然と怒号になって、部屋中に響き渡った。

艦娘たちの視線が、一斉に俺に集まる。

金剛の瞳がわずかに揺れ、雷が小さく息を飲む。

でも、すぐにクズ提督が顔を歪めて笑い出した。

「は? なんだテメェ、新入りか?

ふははは! いい度胸じゃねぇか。

けどよ、艦娘は兵器だぜ? 兵器なんだよ?

人間様が何したっていいだろーが。笑」

鞭を軽く振りながら、クズ提督が肩をすくめる。

その顔は、完全に楽しんでいる。俺の怒りが、逆に燃料になってるみたいだ。

「兵器? 兵器だと?

お前……今まで何人泣かせてきた?

何人壊してきた?

お前みたいなクズが、艦娘を兵器扱いしてんじゃねぇ!!

お前こそが、ただのゴミだ!!」

「はぁ? 兵器に感情なんかいらねぇんだよ。

俺が気持ちいいように使ってやるのが、こいつらの役目だろ?

お前みたいな正義漢ぶった野郎が一番ウゼェんだよなぁ~」

クズ提督が一歩近づいてくる。

鞭を振り上げて、俺に向かってくる。

その瞬間――

視界の端に、床に転がっている刀が映った。

天龍の刀だ。

彼女の艤装の一部だった刀が、鎖が切れて落ちている。

俺は反射的にそれを拾い上げた。

刀身に、血と埃がこびりついている。

でも、柄を握った瞬間、何かが伝わってきた。

「……これ……借りるね、天龍」

俺は小さく呟いた。

すると、鎖に繋がれたままの天龍が、血まみれの顔をゆっくり上げた。

彼女の瞳は、もうほとんど光を失っていた。

でも、俺の言葉を聞いた瞬間――

「っぁ……! た……つた……の分も……!

てくれ……」

掠れた、ほとんど息だけの声。

でも、そこには確かな意志があった。

――たつた。

天龍の妹、龍田のことだ。

隣にいる…だがその体はボロボロで正に満身創痍、瀕死の状態。

このクズ提督のせいで……壊されて、消えてしまった。

俺の胸の中で、何かが爆発した。

「……ああ。わかった」

俺は刀を構えた。

クズ提督が嘲笑う。

「は? 刀なんか持ってどうすんだよ?

お前みたいな素人が――」

言葉の途中で、俺は動いた。

一瞬で間合いを詰め、刀の峰でクズ提督の腕を叩き落とす。

ガキンッ!

鞭が床に落ちる。

「ぐあっ!? てめぇ……!」

クズ提督が怒鳴るが、俺は止まらない。

次の瞬間、刀の柄で顎を打ち上げる。

続けて、腹に膝蹴り。

さらに、刀の鞘でこめかみを殴りつける。

ボコッ! ゴッ! ドスッ!

一撃ごとに、クズ提督の体が折れ曲がる。

「うがっ……! やめ……やめろぉ……!」

「やめろ? お前が今まで艦娘に言った言葉、全部返してやるよ」

俺は刀を振り回し、クズ提督の両腕を叩き、膝を砕き、最後に、顔面に拳を叩き込んだ。

ドガッ!

クズ提督は床に倒れ、動かなくなった。

鼻血と涎を垂らして、ぐったりと。

部屋が、静かになった。

艦娘たちの視線が、俺に注がれる。

金剛が、震える声で呟く。

「……貴方…は……?」

雷が、涙を浮かべて。

「……ほ、本当に……助けてくれた……?」

俺は刀をそっと床に置き、天龍の方を向いた。

「天龍……約束、守ったよ。

龍田の分も……全部、終わらせた」

天龍の唇が、微かに動く。

それは、かすかな笑みだった。

俺は深呼吸して、ゆっくりと全員を見回した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう、誰も傷つけさせねぇ。

この俺が、新しい提督だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラック鎮守府の、長い悪夢が――

ようやく、終わろうとしていた。




いやぁ書き始めると意外と進みますねぇ、補佐係のグロックさんには感謝です。こうして艦これを現代でも楽しめるはとても楽しいですね。
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