外壁を登り終えた先には警備員がいた。
(どうしようかなぁ)
そう思い、周りを見渡すとあるものが目に入った。
次に彼が取り出したのは……いや、拾ったのは、怪しい色の液体が入ったボトル。
「ドリンク」だ。
落ちてたドリンクを飲むと、何だか足が速くなった気がした。全身に力がみなぎってくる。
「これで……」
ヘンリーは走り出した。目にも留まらぬ速さだ。
警備員の横を通り抜けても、風が吹いたとしか思われないほどのスピード。
(よし! 今回は早くいけたな!)
……そう思った、直後。
「うっ……!」
胸に激痛が走り、ヘンリーはその場に崩れ落ちた。
ドクン、ドクン、……シーン。
心臓が限界を超えたのか、彼はそのまま深い眠り(永眠?)についてしまうのであった。
(今度はこれか……)
次に彼が取り出したのは、一本の
ヘンリーは大きく振りかぶり、警備員の背後に向かって投げ放った。
「よっと。」
ヒュンヒュンと風を切る音。ブーメランは見事、警備員の頭に命中した。
「バチン!」という音と共に倒れ伏す警備員。
「よし! これで……」
……そう油断したのが、運の尽きだった。
命中してもなお、ブーメランの勢いは止まっていなかったのだ。
――バチン!
乾いた音が響き、ヘンリーの額に「戻ってきた」ブーメランがクリーンヒットした。
ヘンリーは白目を剥き、よろめきながらそのまま屋上から転落していった。
(道具に頼るからいけないんだ。)
彼は道具に頼らずにいってみようと考えた。
ひたすら警備員が後ろを向くのを待ち続ける。
(……今だ!)
警備員の背後をゆっくり通り過ぎる。
………まだ気づかれてない、順調だ。
そしてドアの前まで来た瞬間、
「あっ!」
ツルッ!
転んでしまって尻餅をついた。
「お前は何をしようとしてるんだ?」
「あー……金の延べ棒を盗みに来ました。あっ今のは独り言なんで気にしないでください。」
「お前は自首しに来たのか?」
(大丈夫か?)
彼が取り出したのはポータルガン。彼が使ってきた機械系は大体ポンコツなものばかりだったから心配になっている。
(よし。)
自分の足元にポータルを置く。
そして狙いを定めて、撃つ。
「?」
警備員が後ろを振り向くが誰もいない。
それもそのはず、彼はもうすでに扉を開けて中に入ったのだから。
(完璧だ。)
そう思ったその時、
「おい!誰だお前は!」
エレベーターで上がってきた警備員に見つかってしまった。
(まずい!)
身の危険を感じた彼は、咄嗟に逃げ出す。
「待て!」
警備員が呼び止めるが彼の耳には入ってこない。
そうして警官とのチェイスが始まってしまった。