男女比3:1でも貞操逆転世界なのに「もう少し大きくなったら結婚しよう」でとうとう引き返せなくなった奴 作:陽波ゆうい
学園2日目。
王立学園カルリーネは、男女共同校である。
しかしながら男女比3:1という現状が影響して男子と女子の校舎は別々。
クラスには男しかいないし、先生も男。これはもはや、男子校だな。
とはいえ騒ぐことはなく、机に顔を伏せる人もいなくて……みんな、授業を真面目に聞いてノートも取っていた。
さすがというか、名門に集まる生徒ならば当然だよな。
もちろん、俺もその1人として、しっかり話を聞いていた。
4限目終了まで、残り5分ほど。
そのタイミングで、教壇に立つ担任の先生が教科書をパタンと閉じた。
「今日は、ここまでにしよう。みんな集中して聞いてくれたおかげで予定より進みがいいしな」
先生は明るい声でそう告げたが……。
「ただし、4限目はまだ終わっていない。今から昼休み時間の過ごし方について忠告するぞ」
次の瞬間には、表情を引き締めていた。
「やっぱり、口出しあるよなぁー」
「どーせ、女子とのことだろう」
「でも、せっかくの共学なんだからちょっとぐらい大目にみてほしいよなー」
クラスがざわつくも、先生がこほんっと咳をすればすぐに静かになった。
「じゃあ、話すぞ。昼休み時間中は、学食を利用してもいいし、時間内に戻れるのであれば、寮や自宅に1度帰ることも許可する。ただし……
先生は少しの間を置いてから、続きを話す。
「そもそも……男女で校舎を分けていることを考えれば分かるはずだ。それ以外についても、常識の範囲内で昼休み時間を過ごすように。俺からは以上だ。くれぐれも、問題は起こすなよ? ちゃんと内申点に響くからなー?」
要するに、数少ない女子に迷惑を掛けるような行為は禁止というわけだ。
いや、まあ男女問わず人に迷惑を掛けるのはダメなんだけど。
チャイムが鳴り、昼休み時間になった。
「先生はああ言っていたけど……逆にいえば、女子校舎や女子寮以外だったら、女子のこと見ていいってことなんだよなぁー!」
「下に降りれば、女子がウロウロしているかもだぜ!」
「俺、今日は自分で弁当作って持ってきたからすぐに行けるっ」
数人の男子たちは意気込んだ様子で教室を出ていった。
全く……懲りないというか、ああいうノリは前世でもあったよな。
嫌いじゃないし、懐かしさを感じるからいいけど。
「さて……昼休みなんだし、俺も早く移動しよう」
学食に行こうと決めている。
というか、そうするしかないのだ。
俺の住まいは……現状、女子寮にあるネリネ様の部屋の一室だ。
昨日は成り行きで断れず、そのまま一夜を明かしてしまった。
しかしながら、女子寮には男子は立ち入り禁止。
でもさっき先生は、昼休み時間と言っていたらから放課後とかはいいのか……?
って、こんなこと考えている間にも時間は過ぎているんだ。
早く行かないと学食が混むっ!
教室を出た、その直後だった。
「おっ、フェイ。まだ教室にいたかっ。ちょうど良かった……!」
「うん?」
そんな声を掛けられ、思わず足を止める。
「……先生?」
つい先ほど去ったはずの担任の先生が少し息を切らしながら立っていた。
しかも、その様子から俺を探していたみたいだ。
……なんでだろう?
「はい、これ。お前に渡してほしいと頼まれてな。今すぐ目を通すように。じゃあ、先生も昼休みがあるからっ」
「あ、はい」
会話もそそくさと切り上げられ、先生から1枚の折り畳まれた紙を受け取る。
その紙を開いて、目を通して……。
「じゃあ、行くか」
今からは学食ではなく。
その場所へと向かうのだった。