ー私の名は黒姫だ。銃弾に魔力を込めて魔法獣や魔術を撃ち出すもののことを魔砲使いという。そして私はその魔砲使いの一人だ。
私には夢がある...いや、叶えなくてはいけない願いがある。それはどんな犠牲を払っても遂げなくてはならない願いだ。そのためには力が必要だった。
私には詳細は知らないが母が纏っていた黒神木を生まれた時から纏えるようになっていた。母はそれをあまりいい顔をしなかったのを今も覚えている。だが今となってその顔の意味を理解した。それもそのはず、この黒神木は人の魂を吸収(または怨念を帯びた魂なら尚更いい)し魔力に変換し貯蔵する特性を持っている。貯蔵する量は限度はなく強いて言うなら殺す相手の数を心配しなくてはならない。傍目から見たら悍ましい能力だいうことが伺える。そして此処からは私オリジナルだが、黒神木を戦闘に用いることに成功した。手足のように扱うことが出来るようになった。強度は神族しか用いることが出来ない白神木と同等だ。
私の母は私達の島の中で上位に入る魔砲使いだった...いやっ、今だから言えるが最強の魔砲使いだったのだろう。私はそんな母に憧れて魔砲使いを目指した。母にいろいろ教わったが黒神木だけは人前で使ってはいけないという条件でだった。不思議に思いつつ魔力分配、魔力操作、実弾の早打ち、格闘技、学術等を多く学んだ。
全て教えてもらった内容をがむしゃらにそして楽しく自分らしく発展させることに成功した。当初は母から学ぶことが全て新鮮で楽しかったから出来たことだったと思う。でもそんな思い出も今では懐かしいとと同時に嫌な思い出も思い出すので無意識に殺気を飛ばしてしまう。
私達魔力持ちと神族との戦争は歴史の中では有名だ。だが、必ずと言っていい程魔力持ちが悪と断言されるがな。
神族との戦争理由は簡単だった。神族は信仰されることによって力を得る。基本、魔力量が多い魔力を行使する人達が神族を信仰することによって魔力無しの人と違って多くの力を神族は得ることができる。
だから、その島に神族の信者を増やすために鎖国を解けと一方的に通達してきたのだ。もちろんだが、私達は猛反発した。何よりも魔砲使いや魔法使い、魔術使い等の魔力を持って力を行使する人達はは本来交わることは出来ない。しかし、ある問題の解決のためにと掟によってこの島は成り立つに成功した。問題は様々だが最大が少子化だった。研究に没頭するあまり自分の世代でその研究を終わらせてしまうことが多々あるので、大切な技術を誰も受け継がないで消えて行くのはとても惜しいと皆が同じ見解に辿り着きそして出来た掟が子供を作る事そして技術を継承させることだった。これは時間がかかるようだが、しかし残せないでこの世に消える研究になるくらいだったら継がせる方が何倍もマシだということで決まった掟だ。また子作りが出来ない場合は一生涯を本にする魔法で記すことが義務つけられた。これは肉体をある魔法で行使することによって肉体に刻まれた経験と記憶を本に記すものだった。他にもいろいろあるが詳細は省く。
そして魔力を行使する人達にとって十年に一度に開かれる殺傷禁止の序列再検討大会の詳細を発表されると魔力持ちの人達は魅力的に見えたらしい。これは島の統治を任せられる権限を持つことが出来るようになる。
そうしたいろいろな苦難はあったが魔力を行使する人達は大陸中から集まり島を発展させて最低限のマナーは守りつつお互い手を取り合って過ごすことが出来るようになった。そして私の母「蒼姫」はその島の統治者でみんなの憧れだった。母は政治家とともにズバ抜けた魔力の持ち主で実力は誰も寄せ付けない程だった。
だからだろうか、自分を高める、一族の力を高める、そして継承させるために弟子または子供を育てる環境の中で信仰などをして何の力にもならないものに誰も時間を割くはずもなく、必然的に受け入れないものになったのだ。当然神族はそんなことも認めるはずもなく戦争状態になった。
我々神族を信仰出来ない人間等人間ではないと言って...。
私達の島「アルカディア」は異端の集まりと罵り各大陸から魔力を持たないが科学力で挑みに来た元同士人間だが神族の信者でもある人達が集まって、そして人間界を統べるために戦っている下位神は思い通りにならないアルカディアを殲滅するために敵同士であった下位神が結託し戦争を仕掛けに来たのだった。
とてもとても長い戦いだった。大気、海、地面、重力等あらゆるものを武器にしてアルカディアにいる住民の200倍以上の数を相手にした。疲弊しそうになっても私達が抜けられたら後ろの子供、弟子が蹂躙される。だから頑張れた...。けど、それにも終止符が打たれたのだ。いくら一人一人が一騎当千の力があるとしても所詮数で押されれば疲労が溜まっていく。魔力だって有限だ。それを回復させるポーションだって有限だ。だから必然的に倒れるのも時間の問題だった。そして何よりも下位神が殆ど参加していたのが最悪だった。人間なら結局科学が奇跡の業に拮抗するにもまだまだ発展が足りない。だから数は関係なく私達魔力持ちは一方的に蹂躙は出来るが、神族の参加が戦況をひっくり返した。下位神は正直名高い実力者には及ばない。今になって神族とサシで戦った事のある私だから言えるが、アルカディアにいた名高い実力者達の実力は中級神と同等、まして母に関しては上級神と同等と言えるだろう。しかし、先程も言ったが数で攻められた場合は戦況なんてすぐひっくり返る。拮抗に持ち込んで尚相手の数を多く減らせただけでも僥倖だったのだ。島で名高い実力者が次々に倒れていった。結界を張ってる人達も交代制で張っていたが魔力回復が追い付かない程の叩き込みをもらっていた。島の統治者の母は助けに行きたくても神族に邪魔されて行けない。そして母からの皆に念話が送られた。
「もうこの島は持たない...。転送山に移動し弟子達と子供達を異世界に飛ばす。その後に転送山を破壊し島と私達戦争の先導者は此処に残り島と共に封印に入る。神族どもに渡るぐらいだったら封印する。これは統治者蒼姫の決定だ。取り掛かれ!」この時の私の心情はどんなだったか、今でも思い出すと煮え返る程だ。
弟子達と子供達を転送山に案内するのは私だった。皆不安顔で時には行きたくないと泣き出す始末も出てくるが気絶させて行かせるしか方法がなかった。
転送山に送るメンバーが揃い私も一緒に行かなければならない。なぜなら私はアルカディアの統治者の娘そして母の研究の継承者なのだ。しかし転送寸前に飛び出して島に残ってしまった。そして後ろの転送山が崩れていった。多分時限式爆発を仕掛けていて、転送が完了したら爆発するようになっていたと思う。私は皆の助けになるように行ったが遅かった。その光景が結界を張っていた魔術師が生命そのものを魔力に変換し結界を再び張って血反吐を吐きながら倒れていた。母は先程までは結界の外に出ていたが今は結界の中にいた。よほど結界が強力なのか神族が攻撃してもビクッともしなかった。
母は残った名高い実力者達の中心にいて何を言ってるかわからないけど何かを唱えていた。母だけじゃなくて皆もだが物凄く魔力が減っているのはよくわかった。だからか呆然としていた自分を殴りたくなった。何故ならあれが母...いや皆との最後の光景になってしまったのだから...。母を中心に光りだし、そして辺り発光すると皆は消え島周辺や上空が流星のように光っていた。眩しくはないが外界から接触は不可能なようで辺りは先程の戦争状態ではなく、夜の森のように静まり還っていた。皆が使っていた武器だけが散乱していた...それ以外は無人の家だけが残っていたのだった。私は暫くの間立ち直れなくて、日々泣いていた。でもある日、母達が亡くなった広場に行ったら母の愛銃;旋龍が落ちていた。そして大事に抱えた母の形見を持ちながら静かに憎悪を高めていった。それからというもの15歳だった私は必死に魔砲と魔法と魔術等島に置いてある資料を読み明かし勉学に励んだ。勿論戦闘技能も高めていった。心が折れそうになる時は島の住民と異世界に一緒に行けなかった仲間を思いだし、最後に憎悪の対象である神族と魔力持ちではない人間を思いだし自分を励ましながら奮い立たせていた。