猿達の物語   作:おは

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南方の荒野で

遥か昔、人に隷属していたサルたちが一人の猿セモスに率いえられ反乱を起こした。人間は恐ろしい武器を使って

抵抗をしたがセモスの知略と勇気によって自由を勝ち取った。それから数千年後。猿は自分達をエイプと呼びクロテュス帝国と呼ばれる巨大な帝国を作り上げていた。

 

 

大理石の輝きもなければ、穏やかな木陰もない、あるのは荒地とした土地と時折飛んでいる鷹だけだ。せめて私の家族さえいればこの地獄のような場所さえ天国に思えるのだが。あの忌々しいセードーの小僧が私の至宝家族すら切り離してしまった。

 

と思いながら馬に座ったオランウータン男がゴリラとチンパンジーの部下を連れて荒野を進んでいた

 

そのオランウータン男の名前はヴァルス、没落した騎士階級出身で帝国の将軍の一人だ。優秀な将軍であったが。セモスの血を引くために、元老院大きな影響力を持つセードーにその才能を憎まれ。帝国の南部に広がる広大な荒地に送られた。

 

「将軍、そこまで悲観する必要はありませんぞ。なんでも南方の地にはたくさんの人間共が繁茂おります。

やつらを討ち取り奴隷としてセモヌウスに送れば。元老銀から賞賛されパレードをしながら帰ることができますぞ」

 

ヴォルスの様子を見たゴリラの男が身振り手振りをしながら答えた。

 

ゴリラの男の名前はジグ。ヴォルスが率いていた軍団の歩兵隊長だったのを軍団兵の訓練能力にほれ込んだヴォルスが元の軍団から引き抜いた

 

「将軍、この戦闘狂に賛成するのは癪ですが人間を討ち取ることができれば、元老院賞賛されるでしょう。問題は第16補助軍団の戦闘能力が著しく低いと言うことです」

 

チンパンジーの男がジグの身振り手振りを鼻で笑いないながら賛同した。

 

チンパンジーの男の名前はクファール。ヴォルスの率いていた軍団の装備品管理ををしていた。執務能力をヴォルスに見込まれ引き抜かれることになった。

 

「そのようだな。ただ、いいことが一つだけある、それは第16補助軍団は帝国でもっとも辺境の地にあることだ。俺たちが何をしようがセードーの干渉がないことだ」

 

と部下との会話を終わらせるとヴァルスは馬に拍車をかけた。

 

駐屯地の近くまで近寄ったヴォルスの目の前に映ったのは。防御をまるで考えてない、粗末なテントのぐちゃぐちゃな群れだった。

 

「ここが第16補助軍団の駐屯地か?人間の集落じゃないのか?とても軍団が駐留していると思えないぞ」

 

ヴォルスは目の前の光景に唖然としながら言った。

 

「将軍、確かにあれは16補助軍団のようですよ。その証拠に私達と同じエイプが見えますよ」

 

クファールが額に手を当てて言うと

 

「そうだなクファール。だがあれはエイプはエイプでも思えと同じような不適格者ばかりだな」

 

ジグがクファールのことを煽った。煽られたクファールはうなり声をあげた。それを見たヴォルスは獣のような唸り声を上げると

 

「ジグやめろ。いつもならお前ら二人の争いを見ていられるが、今は軍団兵から敬意を得られていない。いまそんなことをしていたら後々まで面倒なことになるぞ」

 

とヴォルスがジグ、クファール双方を注意するとジグ、クファールはお互いに相手をにらみ合った後に前を向いた

 

さて、軍制改革の部隊は整ったわけだが私の設計した武器の数々は役に立つのだろうか?

 

と思うながらヴォルスは軍団の駐屯地の門をくぐった

 

あわだだしく準備をはじめた軍団兵を見ながら

 

これまでさまざまな軍団を見てきたが、どんな軍団でも司令官が就任する際には良く見せた。この軍団はそれさえできていないとは、まともな装備もなければ、定員を割れている上に。規律すらない。セードーがわたしのことを送るわけか

 

とヴォルスが思っていると年老いた一人の唯一軍団の装備を整えた年老いたゴリラがしわがれた声で

 

「司令官に敬礼ェェェ!」

 

と叫ぶと軍団兵は各自バラバラなタイミングで胸に手を当てた」

 

「諸君、私が新しく軍団長に就任したヴォルスだ。諸君たちが私の指揮に従って行動すれば。勝者の栄光に包まれてセモヌウスに帰れるだろう。だがそのためには厳しい訓練と強固な軍律が必要だ。そのためには私はどんな手段でも行なう覚悟がある」

 

とヴォルスがと言うと、軍団兵からは歓喜の変わりにしらけた空気が漂ってきた。

 

なるほど、予想通り意欲もないか。だが全員が意欲がないというわけではないだろう。すくない割合だが意欲のあるものは必ずいる。そいつらを元に軍制改革を進めるか

 

と思いながらヴォルスは用意された司令官のテントに向かった

 

「これはひどいな、司令官に対する敬意がまったくないぞ」

 

とヴォルスは思わずつぶやいた。そこにあったのは山のように積まれた。ごみの塊だった。まずはこれの掃除をさせないとな

 

「ジグ、軍団兵を集めて、まずはここの掃除をするんだ。クファール、お前は軍団鍛冶に私が設計した武器を見せろ」

 

とごみの山を見ながらヴォルスは指示を出した。

 

 

「貴様ら、さっさと動け!司令官殿のテントを綺麗にするまで夕食は抜きだ!」

 

とジグが鞭を振り回しながら集めてきた軍団兵に怒鳴り、怠けている兵士に鞭を振っていた。

 

どいつもこいつもわたしのことを憎しみをこめた目で睨んでいるな。司令官のテントをごみ溜めに変えて痛んだこの程度の処罰済んでるんだありがたく思うべきだろう

 

とヴォルスが綺麗になっていくテントを見ながら思っているとクファールが息を切らしながら駆け込んできた。

 

「将軍、はぁはぁ。この軍団の隅々まで見て回りましたが鍛冶らしき人物。その鍛冶道具がありません」

 

なるほどこの軍団の装備がないこと理由が分かった。これで武器からの軍制改革はなしになったな。

 

と思いながらクファールの報告を聞いた。

 

「クファール、お前の話は分かった。次は軍団の物資の確認をしてきてくれ」

 

とクファールを次の仕事に向かわせたとき。

 

「将軍、テントの掃除が終わりました。しかしあのクズ共将軍のことを睨んでおりましたな。どのような処罰を与えましょうか?」

 

ジグの言うことも正解だが、あまりにも罰を与えすぎるのも、兵士のやる気を失わせる。今回はあのやる気のない連中に飴を渡したほうがやりやすくなるだろうな

 

「今回は罰を与える必要はないぞジグ。代わりに今回手伝った連中の食事を少し多めにしてやれ、そうすれば少しは意欲を出すやつがいるだろう」

 

「分かりました将軍、早速給仕長に伝えるしましょう」

 

とジグがテントから出て行った

 

地図がおかれたテーブルとつるされたハンモックだけのテントを見ながら

 

アナべラ、私が再び君と可愛い子供達の元に返るのは時間がかかりそうだ。だが待っていてくれ。かならずや凱旋将軍としてセモヌウスに戻ってくるぞ。

 

 

もうこんな時間か。軍団兵の食事に付き合って連中の考えを頭に入れとくかと思いながらヴォルスが外に出ると二つに輝く月がコーネリアスとシーザーが荒野を照らしていた。

 

ヴォルスが食事の場所に来ると軍団兵たちが一同に驚いた顔をしながらヴォルスの進んでいく姿を見守っていた。

ここだな、私のテントの掃除をした者達の場所は。と思うとヴォルスは粗末な椅子に腰掛けた。

 

「ぐ、軍団長なぜ我々だけ、食事の量がほかのものより多いのでしょうか?」

 

一人の兵士が恐れを抱きながらヴォルスに尋ねた。

 

「私は君達に私の指揮で従えば栄光を与えると約束した。そして君達は私の指示にしたがって、私のテントの掃除をしてくれた。その行動に対する私からの報酬だ」

 

とヴォルスは食事の場所にいる兵士達全員に聞こえるように話した。

 

ヴォルスの話を聞いたその兵士は

 

「ではこれからもそうすれば、もっと多くの褒章がもらえるわけですね」

 

欲望を感じさせる目つきでヴォルスに尋ねた。

 

「そうだとも君、私の指揮の元で勝利を重ねていけばより多くのものを与えよう」

 

とヴォルスが言ったとき。初めて軍勢から歓喜の声が上がった。

 

 

 

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