猿達の物語   作:おは

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初めの戦い

1920名か、5000人が定員だから。半分以下だな。そのおかげでこの中で意欲のあるものとそうじゃない者。歩兵と騎兵。優秀なものとそうじゃない者を分けるのはいつもより簡単になったがな

 

燃えるような熱気と蜃気楼が見える過酷な環境の中、ヴォルスは兵士の選抜を始めていた。選抜の方法は兵士同士の決闘に、グループごとの集団競争、騎乗ができるかどうかを調べることだった。朝早くからはじめた。選抜もすでに昼を過ぎ、もっとも暑い時間を過ぎたころ。

 

「将軍、やっと備蓄の確認が済みました」

 

過労と寝不足のせいでふらふらになったクファールが報告しにやってきた

 

「クファール、お前にしては遅いじゃないか。いつものお前なら今日の朝には報告していた思うが。一体なぜそこまで遅れたんだ。理由を教えてくれ」

 

とヴォルスが聞くと

 

「将軍、あまりにも備品の数が少ないのです。何者かが備品をどこかに横流していることは確実です」

 

備品を横流ししているやつがいるのか、外部からの協力を得られない下位の軍団兵じゃないな。そうすると最低でも

百人体長クラス、最悪だと元老院から派遣されている貴族の子弟か。これはやっかいだな。

 

「クファール、寝不足のようだな。寝ろ。お前が起きた後に調べてほしいことを伝えとく」

 

とヴォルスが伝えるとクファールはふらふらの体を引きずって立ち去っていった。

 

軍制改革の中核として使えそうな者は100人以下か、残り半分が今後しだいで俺に協力することになる連中だな。問題は予想以上に多い士官を中心とした。怠惰な連中だな、こいつらをどうにかしないと軍制改革の大きな支障となるな。まずは中核部隊をジグに引き入らせることにするか

 

と思うとヴォルスは軍団兵を投げ飛ばしていたジグを呼びよせると。ジグが投げ飛ばしていたあたりをを呼びさして

 

「ジグ、お前はあそこにいる一団を率いろ。まず連中に密集戦闘隊形を覚えこませるのだ。」

 

「将軍、やつらを訓練して、敵をなぶり殺しにする精兵まで育て上げましょう」

 

と言うとジグはヴォルスから立ち去ると大声で根が飛ばしていた軍団兵を集めていった。

 

 

夕日が荒野を赤く染め上げた頃、ヴォルスは選抜でつかれきっている。軍団兵を整列させるとそれぞれの部隊を

編成させた。

 

俺の手駒として使えるのはジグが率いている。筆頭100人隊だけか。ほかの連中はこの状況に絶望しているか、怠惰な連中だ。とても戦力にならないな。とヴォルスは首を振りながら、地面を見つめた。

 

 

夕刻が過ぎ駐屯地にかがり火がともされた頃、軍団の駐屯地が置かれた場所の粗末な地図をヴォルスが見ていると

睡眠をとったクファールがやってきた

 

「将軍起きましたのでさっきの指示を教えてください、一体何が必要なのですか?」

 

クファールが

 

「軍団の士官たちの情報を手に入れることはできるか、彼らに会う前に情報を手に入れて彼らに会うときに参考にしておきたい。運がよければ装備を横流ししている奴が誰か見当がつくかもしれない」

 

「分かりました将軍、ですが時間はかかりますよ」

 

「あぁ、分かっているさ。お前が時かかると言ったらかかるんだろう」

 

とヴォルスが言うとクファールは頭を下げて出て行った。

 

 

それから半月

 

その間ヴォルスは軍団兵の規律も見ながら。軍団兵を指揮する士官たちの様子を観察していた。

 

ある士官は兵士の訓練を監督する義務があるにもかかわらず。持ち場から離れて自分のテントに戻って愛人と楽しんでいた。もちろんその士官はすぐさま捕らえられると見せしめとして、全将兵のまえで怒り心頭のジグに皮が剥がれるほどの壮絶な鞭打ちをされたあと、セモヌウス送り返すまでの間駐屯地の牢屋に入れられることになった。

 

その結果、軍団内の空気が入れ替わったことと、これまでの精細のない訓練の動きからようやくまともな動きに生まれ変わったことを感じながらヴォルスが

 

次は士官どもだが、俺があの無能を追い出した結果俺に対する反発が強まってやがる。兵士の訓練はろくにやりもしないくせにろくでもないことには妙な取りやがってまったく忌々しい連中だ。だがこいつらどうにかしない限り

俺がアナベラ元に帰ることがどうにかしなくては

 

と思っているとヴァルスのテントに一人の兵士が息を切らしながら入ってきた

 

「し、哨戒兵が人間の集団を発見しました。数は約一万!」

 

一万かこちら側の5倍の数だな。普通ならここはいったん宿営地を引き払って有利な地点から

攻撃を仕掛けるべきなんだが、軍の忠誠を完全に手に入れていない状態で引けば。

俺に不満を持つ士官共が反乱を起こすだろう...これは賭けだな

 

「攻撃だ、軍団に攻撃命令を出せ!」

 

 

 

第16補助軍団はヴォルスの命令によって人間の集団の進行方向に布陣し人間側の行動を伺っていた

 

「将軍、勝算があると思っているのですか」

 

両腕のところどころに白い毛が生えたゴリラの士官がヴァルスの前に踊りででて両手を振りながら

彼を引きとめようとした。

 

この男、あの士官を刑罰出したときに俺に猛烈に反対したやつじゃないか。

ここでおれがこいつの提案に乗ればそれを事実にほかの士官共に働きかけて軍団の実権を手に入れ

俺がここで聞き入れずこの戦いに負ければ、敗北の責任を取らして俺を軍団から追い出すつもりだろうな

だが、俺には帰る場所があるんだこんなところでくたばってたまるか

 

「もちろん、勝算がなかったこんなところには布陣しないよ。だから安心してくれ」

 

ヴォルスがハッタリをかますとゴリラの士官は貪欲そうな流し目をしながらヨタヨタと立ち去っていった

 

 

さて、人間共もこちらに攻撃を仕掛けてくるようだな。激突が始まる前にこちらが有利なところを確かめて

おくとしよう。こちら側が勝っているのはまず身体能力これは当たり前だな。次に人間どもは俺達を恐れていることこれを利用しないことはない

 

次に人間共が有利なところは。まずその数だいくら我らのほうが身体能力が上だとしても相手にできるのは

それほど多くない。予想外なことに人間共のほうが良い装備を持っているなぁ...まずいぞいい武器はどんな獣でも討ち取れるからなぁ。

 

まず筆頭100人隊で敵を引き付け騎兵を側面からぶつけるそれしかない、ヴォルスがそう戦略を決めたとき、人間の集団と第十六補助軍団の激突が始まった。剣と盾を持ち皮のよろいを着たものたちと筆頭百人隊を除けば最前列以外は剣をしかもっていない第十六軍団ではどちらが蛮族かわからない状態だった。

 

ヴォルスの訓練によって稚拙ながら重ね合わせた盾の壁が突撃をしてきた人間達の波を受け止め無謀にも突撃してきたものたちに死を与える。こうして人間達に手痛い初撃を与えた軍団だったが人間達はまだまだたくさんいる。仲間達の復讐のために逆に士気を高め盾の壁に次々と挑みついに盾の壁を破ることに成功した。軍団兵達も血気がさかんなゴリラを中心に隊列を崩して人間と戦い始め戦いは混戦にもつれ込んだ。

 

くそ隊列を崩しやがって糞共が...だが今はそんなことを暇はないなすぐに連中の側面を突いて俺も戦うことになるのだからな...行くぞ!

 

人間達の集団の側面にヴォルス率いる騎兵隊が突っ込んだ人数は40人しかいない集団だったが屈強なエイプの肉体とそれを乗せる大型馬は巨大な鉄の塊のように人間の集団をタマゴのように粉砕した。

 

俺達の勝ちだな。後は予算の確保のために奴隷を多く捕まえるだけだ。

 

戦いは多くのもの予想を覆し第16補助軍団の完勝に終わり、ヴォルスは多くの奴隷を手に入れることになった。

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