■■県のケマモト村に窓により突如として出現した廃トンネルが報告されました。
補助監督の調査で未知の領域であると確認されました。
領域の外周がどれほどの大きさがあるのか確認出来ませんでした。
トンネルの入り口に看板が発見され、以下の内容が記されていました。
危険!!
・このトンネルは、入るたびに長さが変わります。
・出口が、どこにつながっているか、だれにもわかりません。
・トンネル内では、ひきかえすことはできません。
領域内はトンネルを進んでいくものと思われます。
領域を作り出せることから推定一級相当の呪霊が存在するとし、本件を準一級級術師に任せることとします。
同日、連絡を受けた準一級級術師を含めた複数の呪術師が到着し、領域内への調査が行われました。
トンネルに入るとどこからか「えーんえーん……」という少女の泣き声が聞こえ、すぐに止みました。領域内は直線状で一本の道のみが存在していました。
術師たちはトンネル内を進んだ所、蠅頭や四級呪霊と遭遇しました。そしてトンネルの出口にたどり着くと領域内から脱出し、突入地点に戻っていました。
再度、突入を試みた所、入ることが出来ませんでした。
翌日に再度、突入を試みた所、入ることが出来ました。一日に一度しか入れないことが判明しました。また、昨日よりも確実にトンネル内の長さが長くなっていたようです。さらに、道中、様々なものがあったようですが、安全のため触れていないようです。
また、奥に進むと三級相当の呪霊とも遭遇したそうです。
数日間の調査において、領域を作り出している呪霊に会うことはありませんでした。
調査を始めて数日がたったころ、術師たちが領域から戻って来ませんでした。彼らは死亡したとみなされます。
これにより、本件を一級案件に格上げします。
一級呪術師を含む術師数名が派遣され、調査が再開されました。
派遣されてきた一級呪術師を含む術師数名が数日後、領域内から戻って来ませんでした。死亡したと思われます。
この件を鑑みて本件を特級案件に格上げします。
よって、特級呪術師「五条悟」、一級呪術師「夏油傑」の両名を派遣する。
また、本件の領域を「えんえんトンネル」と呼称することとする。
◆◆◆◆
「で、その『えんえんトンネル』ってのを俺達で調査してこいってか」
バスすらまともに通っていない田舎の村に1台の黒塗りの車が停まった。
その後部のドアが開き、現れたのは二人の青年。
黒髪をだんご状に纏め、左目付近に一房前髪垂れ下げた、福耳の美青年。
白髪に、透き通った水色の瞳をサングラスをした、目に入れて痛くない優美な男。
『夏油傑』と『五条悟』である。
「とはいえ、このあたりにゃ呪霊の一匹だって見えないけど」
「田舎だからね、発される負の感情が少ないのだろう。だからこそ、こんな所に特級案件の領域が出現するのはおかしんだけどね」
「まあー、俺らにかかれば余裕っしょ。傑」
「そうだね。とっとと終わらそう」
二人の青年は、まるで遊びに来たかのように笑い合い、その場所に向かっていくのだった。
しかし、そうは簡単にいくわけがない。そこは『えんえんトンネル』。どこまでも続く幻なのだ。