特級呪霊 えんえん少女   作:ぶどうのプレッツェル

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タイトルは間違えていませんよ?わざわざゴールドにしたんです。


その瞳に映れば

 

 

 

夏油傑、灰原雄、七海建人は週末に『えんえんトンネル』が存在するケマモト村に来ていた。

 

 

「この様な場所にあるのですね」

 

「ああ、このような田舎には産土神信仰があったりするがここにはないな」

 

「そうなんですか!」

 

「えんえんトンネルはこの先だ。一日に一回しか入れないから今日中に行っておきたい」

 

「わかりました」

 

 

3人はえんえんトンネルの前に着く。

 

 

「しかし、懸念がある。えんえんトンネルに何回も入った私と一度も入っていない2人では何が起こるのかということだ」

 

「どうなると思うのですか?」

 

「最悪、分断だな。私が一人で、灰原と七海が2人で行くことになるかもしれない」

 

「ええっ!俺達行けるっすかね!」

 

「最初は蠅頭や四級呪霊ばかりだった。2人でも問題ないだろう」

 

「それなら安心ですね」

 

「まあそうだね。それでも分かれない方がいいが」

 

「行ってみないと分かりませんしなるようになりますよ!」

 

「ははっ。そうだね、行こうか」

 

 

3人はえんえんトンネルに突入していった。

 

 

◆◆◆◆

 

 

えーんえーん

 

どこかから泣き声が聞こえてくる。

 

 

「これは…」

 

「泣き声が聞こえるだろう?これが何なのかは分からない。入るたびに、ある程度進むたびに聞こえるんだ。声としてはおそらくえんえん少女なのだろうと思うけど」

 

「えんえん少女って何ですか!」

 

「それも分からない。出口で会えるのだがこの領域の主だと思われる存在だ。呪霊であるのかすら怪しいんだ」

 

「不気味ですね」

 

「攻撃したりはしてこないからいいのだがね。それよりも3人全員で入れたね」

 

「はいっす!」

 

「団体行動できるのは僥倖だ。早速行こうか」

 

「ええ」

 

 

3人は進み始めていく。

といっても3人とも実力者。道中の蠅頭や四級呪霊なんかは簡単に祓われていく。

さらに、ここに来た目的は夏油の呪霊を手に入れるためだ。物や人などは無視してゆく。

そうやって進んでいくと現れる呪霊の強さが上がっていく。

 

泣き声が4回聞こえた頃には準二級呪霊や二級呪霊が出てきていた。

 

泣き声が5回聞こえた時前から歩いてきたのは…

 

 

「なっ!特級呪霊!?まずい逃げ場がない。2人ともやるしかない!」

 

「「はいっ!」」

 

 

特級呪霊は火を繰り出し攻め立ててくる。

 

 

「特殊な何かがあるわけではないがシンプルに強い。術式は火を出すことでいいのか?」

 

「熱波も出してきますから私の術式で弱点を作っても近づけなくて意味がありません!」

 

「でも戦えてるっす!」

 

「いや、こいつは特級の中では弱いな。氷か冷気系あたりを出せばいい!」

 

 

呪霊を出し、凍らせる。それなりに耐性があると思われたがあっさりと凍る。

 

 

「ふう、簡単にはいかないと思っていたのにできてしまったね。まあ特級呪霊に変わりはないから取り込むか」

 

 

しっかりと取り込む。少し抵抗はあったものの取り込むことに成功する。

 

 

「よし!思わぬ収穫だ。これはいい戦力になる!」

 

「よかったですね。こちらは死ぬかと思いましたよ」

 

「ありがとうね2人とも。少し休もう」

 

「そうっすね!」

 

 

特級との戦闘は肉体的にも精神的にも疲れが出てきていたため、壁に寄りかかり休む。

 

 

◆◆◆◆

 

 

休憩し、気力を十分に回復した3人はまた歩を進めてゆく。

 

 

「ん?なんだ前に光っている何かが…」

 

 

イベント:遭遇、赤魔寝鬼ゴールド

 

そこにあったのは巨大な金色に輝く小判を抱える招き猫だった。トンネル内にギリギリ収まっているだけで少し屈んでいるようで窮屈そうだ。

 

 

「なんて大きさだ。これは勝てる勝てないの次元にないように思える」

 

「でかすぎるっす!それに金色でご利益がありそう」

 

「呪霊ですよ。そんなのあるわけないでしょう」

 

 

3人が警戒しているとトンネル内が不意に前が見えなくなるほど暗くなる。次に目を開けると巨大な招き猫は消えていた。

 

 

「なんだったんですかね?」

 

「分からない。あんな巨大なのにこの中で会ったことがない」

 

「考えても仕方ない、ですか」

 

「かっこよかったな!建人!」

 

「いや、どうでしょう?あの笑み、悪意があるように思えましたけど」

 

「消えてしまったし、これ以上分かることはない。行くしかないだろう」

 

「そうですね」

 

 

3人は進んでいったがこの後、大きなことは起こることなく出口に着く。

 

 

◆◆◆◆

 

 

光に包まれた先で目を開けるとやはりどこかの湖だった。

 

 

「これは見事な…」

 

「すっげーキレイ!」

 

「いやー、この景色を見るために来る価値はあるかもね」

 

 

ぽつりと佇むえんえん少女。

 

 

「あれがえんえん少女だ。襲い掛かってくることはないから安心していいよ」

 

「いや、安心できませんよ」

 

「まあまあ、話し掛けるのはいいっすかね?」

 

「大丈夫だ。会話は成り立たないかもしれないけど」

 

「よし!あのーすみませーん!」

 

「……」

 

「えっと、こんにちは!」

 

「……」

 

 

えんえん少女は俯いたまま、雄を無視し続ける。

 

 

「ダメっす!何も返してくれない!」

 

「なんでだろうかっと、時間か」

 

 

周りが白く染まってゆく。もうここから出る時間だ。

 

 

◆◆◆◆

 

 

「入口ですか、本当に不思議な場所ですね」

 

「ああ、普通は術者を倒したりしないと出ることは出来ないのだけどね。いや、縛りなのか?」

 

「いい子だね!」

 

「いや、それはないでしょう」

 

 

3人は帰路に着く。遭遇した招き猫にはどんな影響を与えるのだろうか。




赤魔寝鬼ゴールド 説明
全身が黄金でできた赤魔寝鬼。非常におめでたい存在とされその姿を瞳におさめるだけで100年間あらゆる幸運がじゃんじゃん舞い込むという。あまりのおめでたさに、本人も顔がゆるみっぱなしだがそれもまた、めでたきかな。


途中の特級はあつガルルです。この後でることはない。
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