転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第7話

 

ここはウエスの森の丸太小屋。

 

ノーザリアの偵察から戻ったホウオウとスザク。イストリアとノーザリアとの戦争が秒読み段階だと知ったフィーネたちは、その裏の三司祭の陰謀を防ぐために行動を起こす。エリーゼの力を借りてウエス国王にノーザリア国王との謁見の仲介を依頼した。

 

「お父様から返事が来ましたにゃ」

エリーゼが手紙を読む。

「ノーザリア国王の了解を得た。謁見を許可する。ただし、フィーネとリリィ、エリーゼの3名のみ」

「とりあえず、謁見は出来そうね」

フィーネはホッとした顔をした。

「でも、面会する人を指定して来たのは気になるな」

イブが言う。

「気をつけた方がいい。油断は禁物だ」

ゴブローが真剣な顔で言った。

 

「戦争か。人間は懲りないな」

ミカがつぶやく。

「とにかく、まずはウエス国王と会って、ノーザリアに向かおう」

ホウオウが言う。

「ところで、フィーネ。その左手の指輪は何?」

スザクが目ざとくフィーネの左手に煌めくリングを見つけた。

 

フィーネは、一度オルガの方を見る。オルガは無言で頷く。

「実は、私とオルガは婚約したの」

フィーネが顔を赤らめて言うと、

「おめでとう!」

その場の全員が声を合わせた。

「フィーネ、オルガ。本当に良かった」

リリィは、目に涙を浮かべてフィーネに抱きついた。

「オルガ!やるじゃないか!」

ゴブローがオルガの背中を叩く。

「よく分からないけど、良いことなんだよな?」

ハクは、状況を理解していないようだ。

「フィーネ、覚悟を決めたんだな」

イブが言う。

「エルフと人間か。わらわには分からんな」

ミカは、腕組みをして少し離れた場所から見ている。

 

「皆んな、ありがとう。私たち幸せになるわ」

フィーネが恥ずかしそうに言う。

リリィは、オルガにウインクした。

(私の夢が叶った......!)

「家族キー!」

「おめでとうキキー!」

モックとドンキーも喜びを爆発させた?

 

その日は、皆んな興奮して夜まで騒いでいた。

 

リリィとフィーネは、小屋の裏で星空を眺めている。

「フィーネ」

「何?リリィ」

「オルガには、前に言ったんだけど」

「ええ」

「私ね。フィーネとオルガの子供になるのが夢だったの」

「そうなのね」

「その夢に手が届きそうで、私、こんなに幸せで良いのかな?って思う」

リリィは涙声だ。

「リリィ、あなたは大切な家族よ。それは変わらない。ずっと」

フィーネはリリィの頭を撫でる。

「私ね。前世は良いことが無かった。友達も家族も、味方が誰もいない。ひとりぼっちだったの。だから、今の幸せが怖い......」

リリィの目から涙が溢れる。

「リリィ。私たちはずっとリリィの味方よ」

「私、この幸せも"嘘"なんじゃないかって、無くなっちゃうんじゃないか?って、いつも不安なの。」

「うん」

「ねぇ?フィーネはいなくならないよね?」

リリィはついにボロボロと泣き出した。

「リリィ、安心して。私はもういなくならない。リリィがお婆ちゃんになって孫が出来るまで、ずっと一緒よ」

フィーネはそう言って、リリィを抱きしめた。

「......絶対だよ、フィーネ......」

「もちろんよ」

 

フィーネとリリィの姿を離れた場所からオルガが見ていた。

オルガは指で涙を拭ってその場を立ち去った。

 

 

 

 

ノーザリア国。

 

城の執務室で窮屈そうにしているのは大臣のバロール。その正体は魔神教三司祭の一人軍事司祭バロールである。

「いよいよだ。」

その真っ赤な目からは狂気が滲み出る。

「ゲンブ......弟よ。お前の仇は撃つ」

ドンッ!

バロールは机を叩いた。

 

 

 

 

魔神城。

その最深部の研究室。

一人の少女が研究に没頭している。

「もうすぐ、おもちゃが完成する、楽しい!」

研究司祭メルティナは、無邪気な笑顔で何かの薬を調合している。その背後には、巨大な影が蠢く。

「バロール。ゲンブみたいに簡単に壊れちゃダメだよ。あなたもあたしのおもちゃなんだから。きゃははは!」

その目は狂気に満ちていた。

 

 

 

 

ウエスの森の丸太小屋。

 

フィーネたちは、旅の支度を進めていた。

「わらわのツノカバーはどこじゃ?」

「ぼくの荷物の中に変なものを入れたのは誰だ!」

「わらわの荷物を触るな!イブ!」

「ぼくのカバンに入れたのはお前だな!ミカエル!」

「何を言うか!」

「やるか!」

「いいだろう、表に出ろ!」

イブとミカエルが部屋を出ようとする。

が、ドアの前にはフィーネが仁王立ちで立っている。

「イブ!ミカエル!」

フィーネは鬼の形相で二人を睨む。

「ごめんなさい......仲良くします......」

イブとミカエルは大人しく旅の支度を進める。

 

「キー!」

「キキー!」

「にゃー!(猫)」

「待てー!(竜)」

留守番のモックとドンキー、エリーゼとハクが追いかけっこをしている。

「ハク!エリーゼ!準備は終わったの?」

フィーネが立ちはだかる。

「おいらとエリーゼは終わったよ」

「終わりにゃー」

「じゃあ大人しくしてて」

フィーネに促されて、ハクとリリィは人の姿に戻る。

 

 

賑やかに旅の支度を進めるフィーネたち。それぞれの想いを胸に、ついに世界の命運を賭けた旅に出発する。

 

 

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