転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!ーそれでも世界はのんびりを許さない   作:daisukenote3397

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第18話

 

ここはウエスの森の丸太小屋。

 

 

大きなテーブルに家族皆んなが勢揃いしている。

その中心にいるのはオルガとフィーネだ。

この日は、フィーネとオルガの婚約記念パーティーが開かれていた。

「皆んな、ありがとう!」

オルガが満面の笑みで話す。

「フィーネ、オルガ、おめでとう!」

リリィをはじめ、皆んなが次々に祝福の言葉をかける。

「良かったな、フィーネ」

イブがフィーネに話しかける。

「ありがとう、イブ」

フィーネは少し照れて笑った。

 

「オルガ、フィーネ。もし良ければなんだけど......私のお父さんとお母さんになってくれない?」

リリィがうつむき加減で恥ずかしそうに言った。

「リリィ......もちろんだよ!僕たちで良ければ。」

オルガがリリィを抱き寄せる。

「リリィ、あなたは最初から家族よ」

フィーネがリリィの頭を撫でる。

「ありがとう。フィ、お母さん。お父さん」

リリィの目に涙が浮かぶ。

「今まで通り、フィーネでいいわよ」

フィーネも涙を浮かべながら笑う。

「僕たちは、これからもずっと家族だ」

オルガも涙声で言う。

他の皆んなから拍手が起こった。

丸太小屋の家族の一体感が更に強くなったのだった。

 

その日は、遅くまでパーティーが続いた。

しかし、森の木々は不穏な空気を感じ揺れていた。

 

 

 

 

翌日。

フィーネはいつも通りロッキングチェアに揺られて微睡んでいた。

ザッザッザッザッ

複数の整然とした足音が近づいてきた。

「なんだ?」

スザクが気づく。

他の皆も異変を感じて、丸太小屋の前に集まってきた。

 

森の中から数人の兵士が現れた。

「あの服は......エルドランドの兵士?!」

ホウオウが言う。

「エルドランドの兵士がこんな所に何の用事だ?」

ゴブローがつぶやく。

 

エルドランドの兵士がフィーネたちの前に並び、リーダーらしき人物が話し出した。

「ウエスの森の賢者、エルフのフィーネ殿。エルドランド国王の勅命により、同居しているリリィと言う名の娘を我々に引き渡すよう命ずる」

エルドランドの兵士は手にした勅命を読み上げた。

「リリィをあなたたちに引き渡すですって? 何を言っているの?」

フィーネが語気を強める。

「リリィ様は、エルドランド国王陛下の実の娘、つまり、将来、女王陛下となられるお方。」

「リリィが女王?」

オルガが言う。その背後にはリリィがしがみついている。

「さぁ、リリィ様、我々と一緒にエルドランドに参りましょう」

兵士がリリィに向かって手を伸ばす。

 

「ちょっと待てよ! リリィは俺たちの家族だ。勝手なことを言うな」

ゴブローが苛立って言う。

「リリィがエルドランド国王の隠し子だってことは知っているわ。でも、国王はリリィと母親を捨てた。今更、都合が良すぎるわ」

フィーネが言う。

「その点については、国王陛下も心を痛めておいでだ。リリィ様に直接謝罪したいとおっしゃっている」

兵士がリリィに近づく。

「待てよ!リリィ本人の気持ちは無視か?」

ハクが憤って言う。

「では、リリィ様本人のお気持ちを聞きましょう」

兵士は引き下がらない。

オルガの後ろに隠れていたリリィが、自ら前に出る。その瞳には強い意志が宿る。

「リリィ!」

オルガが引き止めようとするが、リリィは振り返って横に首を振った。

 

「私がリリィです。ここにいるのは私の家族です。私はエルドランドには行きません」

リリィは力強く言った。

「リリィ......」

フィーネは涙ぐむ。

 

しかし、兵士は怯むことなく言った。

「国王陛下はご病気です。お命も危うい。せめて最後に陛下の望みを叶えて頂けませぬか?」

「病気......」

リリィは考え込んでしまった。

「リリィ......」

エリーゼがつぶやく。

リリィはフィーネの方を振り向いた。

「フィーネ、オルガ、皆んな。ごめんなさい。私、エルドランドに行く」

「リリィ!?」

スザクが驚いて言う。

「エルドランドの王様は、私の本当のお父さんだから......一人で可哀想。私がそばにいなくちゃ」

リリィの瞳は決意に満ちていた。

 

「では、リリィ様。参りましょう」

兵士に促され、リリィは歩き出した。

 

「リリィ! 本当に行くのか?」

ホウオウが叫ぶ。

リリィは振り返って微笑んだ。目には涙が溢れていた。

「皆んな! ごめんね。さようなら!」

リリィは泣きながら手を振る。

フィーネたちは、ただ茫然と見送るしかなかった。

 

「エルドランドの王女か、どおりでアンヌに似ているはずだ......」

ミカエルはつぶやく。

「フィーネさん、大丈夫ですか?」

アイリスが声をかける。

「リリィが自分で選んだことよ。私には何も言えない」

フィーネは力無くつぶやく。

「フィーネ......」

オルガがフィーネを抱きしめる。

 

 

 

 

リリィは森を出て馬車に乗り、エルドランド城に向かった。

 

フィーネたちはリリィの意思を尊重したい気持ちと納得出来ない気持ちの間で揺れていた。

 

 

 

 

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