転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!ーそれでも世界はのんびりを許さない 作:daisukenote3397
漆黒の闇の中、バチバチと音を立てて燃え上がる炎の柱。
それを黙って見つめているオルガ、リリィ、ミカエルの眼は真っ赤に染まっていた。
「逃げるキー!」
「危ないキキー!」
間一髪で難を逃れたモックとドンキーは、立ち昇る炎を見上げている。
バキバキッ!
音がして煤まみれの猫が飛び出してきた。
「一体、何が起こったにゃあ!?」
エリーゼだ。美しい白い毛並みがすっかり煤にまみれてグレーになっている。
バキバキバキバキッ!
丸太小屋は見る影もなく崩れ落ちようとしていた。
「フィーネ! ハク! まだ中にいるにゃ!」
その時、
ドーン!
真っ白い竜が丸太小屋の屋根を突き破り空に舞い上がった。その手にはぐったりとしたフィーネをしっかりと握っている。
竜はウエス湖の方に飛んで行った。
バチバチと音を立てて燃え上がる炎。ついには、丸太小屋は跡形もなく崩れ落ちた。
オルガ、リリィ、ミカエル、そしてハチは、それを黙って見つめていた。
「オルガ! 一体何が起きたにゃ!」
人の姿に戻ったエリーゼが問い詰める。
「丸太小屋に火をつけた」
オルガは抑揚の無い声で言った。
「何でこんなことを......」
エリーゼはオルガを睨みつける。
「必要なことだからだ」
オルガが言う。
エリーゼは、オルガたちの方に歩いて行く。
「オルガ! 今なんて言ったにゃ!」
エリーゼの眼は怒りに満ちている。
「これは必要なことなの」
リリィが生気を失った顔で言う。
「オルガ、リリィ。許せないにゃ!」
エリーゼがオルガに近づくと、
「近寄るな」
オルガはエリーゼの身体を両腕で乱暴に押し返した。エリーゼはバランスを崩して地面に倒れてしまった。
「束縛せよ、ホールド」
リリィが魔法を放つ。エリーゼは束縛され動けなくなった。
その頃、異変を察知したゴブロー、ホウオウ、スザクがそれぞれ丸太小屋へと急いでいた。
「一体何があった? フィーネ、リリィ、無事でいてくれ!」
ゴブローは火柱の上がる場所に急いだ。
その頃。ウエス湖。
間一髪、炎を逃れたハクはフィーネを寝かせ、人間の姿に戻っていた。
ハクは煤にまみれているが無事なようだ。
フィーネは煙を吸ってしまったせいか、意識を失っていた。
「フィーネ! 大丈夫か!」
ハクはフィーネの顔に耳を近づける。
呼吸の音が聞こえる。
「息はしてるな。良かった」
ハクは安堵した。
「丸太小屋に戻らなくちゃ。フィーネはここで休んでてくれ」
ハクはそう言うと竜の姿に変身して丸太小屋の方に飛んで行った。
丸太小屋は見る影も無く焼け落ちていた。
「オルガ!許さないキー!」
「酷いキキー!」
モックとドンキーがオルガとリリィに向かって行く。
「束縛せよ、ホールド」
リリィは無慈悲に魔法をかけた。
モックとドンキーは動けなくなった。
「さあ、行こう」
オルガたちがその場を立ち去ろうとしたその時。
「フィーネ! リリィ! 無事か!」
森の中からゴブローが現れた。
オルガたちがいるのを見て、ゴブローが叫ぶ。
「オルガ! 一体何があったんだ?」
ゴブローは、ただならぬ気配をかんじていた。
「俺たちが火を付けた」
「何だって? 嘘だろ?」
ゴブローは愕然とした。
「ゴブロー帰って」
リリィが冷たく言い放つ。
「帰らないなら殺す」
ミカエルが言い放つ。
「何だと? どうしたって言うんだ? お前たち」
ワン!ワン!
ハチが何かを察知して吠える。
白い竜が空から舞い降りた。ハクだ。
「オルガ、リリィ、ミカエル、何をした?」
ハクが鋭い目で睨む。
「私とミカエルで丸太小屋に火をつけた」
リリィが言う。
「リリィ! 何でそんな事をした!」
ハクが語気を強めて言う。
「必要だから」
リリィが無表情に答える。
「必要だから? そんな訳あるか!」
ハクは怒りに震えている。
ガサガサ!
その時、森の中から二人の影が現れた。
「一体、何があったの?」
「フィーネたちは無事?」
ホウオウとスザクだ。
「事情はわからないが、オルガとリリィとミカエルが丸太小屋に火をつけたみたいだ」
ゴブローが状況を説明する。
「フィーネは無事だ。今は湖で休んでる」
ハクが言う。
「オルガ......何で、火をつけたの?」
スザクが問いかける。
「必要だから」
オルガは淡々と答えた。
「なんて事......」
ホウオウは余りの出来事に絶句している。
ワンワン!
ハチが尻尾を振りながらホウオウに近づいてきた。
ホウオウは思わずハチを持ち上げる。
「お前は、安全なところに行きなさい」
ホウオウがハチに話しかけた時。
目が合った。
その瞬間、ハチの真っ赤な目から視線を外せなくなる。
吸い込まれそうな真紅の目。ホウオウの瞳が真っ赤に染まった。
「姉さん? どうしたの?」
スザクの問いかけに答えず、ホウオウはハチを抱きかかえたまま、ミカエルの横に歩いて行った。その目は虚ろに赤く染まっていた。
「私たちは必要な事をする」
ホウオウは抑揚の無い声で言った。
「姉さん! 何を言っているの?」
スザクは動揺している。
オルガがゆっくりと剣を抜いた。
リリィとミカエルは魔力を集中する。
そして、ホウオウはスザクに向かってその剣を構えた......
ウエスの森の木々が騒めく。
事態は最悪な方向に向かおうとしていた。
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フィーネ
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リリィ
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ドンキー
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スザク
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ホウオウ
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ハク
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エリーゼ
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ミカエル
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ゲンブ
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ビャッコ
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