転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!ーそれでも世界はのんびりを許さない   作:daisukenote3397

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第34話

ここはウエスの森。丸太小屋は跡形もなく焼け落ちていた。

 

「待たせたわね。ゴブロー、スザク」

家族たちが満身創痍の中、ついに森の賢者、エルフのフィーネが現れた。

その瞳には怒りと悲しみ、そして、憂いを帯びていた。

 

「フィーネ! 気をつけろ! オルガたちは普通じゃない!」

ゴブローが力を振り絞って叫ぶ。

「フィーネ! 姉さんを助けて」

スザクの悲壮な叫びが森に響く。

 

「俺たちは必要なことをする」

オルガは虚ろな目で淡々と呟く。

 

「これは......精神干渉のようね......」

フィーネは気付いているようだ。

 

「私は必要なことをする」

リリィが両手をフィーネに向かってかざす。

 

「ごめんなさい。みんな、少し我慢してね」

フィーネはそう言うと右手を伸ばした。

「束縛せよ。フリーズ!」

 

フィーネの束縛魔法があっという間に、オルガたちを束縛する。

強力な束縛魔法でオルガたちは身動きが出来ない。

 

ワン!ワン!

 

ハチが尻尾を振りながらフィーネの足下に近づいてきた。

「ハチ、お前は隠れてなさい」

フィーネは、ハチを両手で抱き上げる。

ハチはフィーネの頬をぺろぺろと舐める。

 

ワン!ワン!ワン!

 

「くすぐったいわ、ハチ」

フィーネがハチと目を合わせた瞬間。

ハチの瞳が真紅に濁った。

フィーネは、ハチから目が離せない。

ハチの瞳に吸い込まれそうな感覚がフィーネを襲う。

 

その瞬間。

 

「きゃははは!」

聴き覚えのある狂気に満ちた笑い声がフィーネの頭の中に響いた。

 

フィーネの視界がハチの瞳の更に奥に吸い込まれていく。

そこは、薄暗い研究室。ガラスの容器や様々な色の液体、見たこともない道具や分厚い本が机の上に乱雑に置かれている。

「......あたしの頭を覗くのは誰!

?」

メルティナが呟く。

「......セルティナ!? まさか!」

どうやらメルティナとフィーネの意識が繋がってしまったようだ。

「メルティナ! 今すぐオルガたちを解放しなさい!」

フィーネが叫ぶ。

「フィーネが......セルティナ?そんな馬鹿なことが......」

メルティナは動揺している。

 

「早く! みんなを解放して!」

フィーネが叫ぶ。

「う、うぁーーー! 止めろ! あたしの頭の中で話すな!」

 

突然、フィーネの視界が戻った。

目の前で純粋な黒い目のハチが尻尾を振っている。

 

「......どうやら精神干渉は解除されたようね。ホールド解除」

 

正気に戻ったオルガたちが、頭を振りながら立ち上がる。

「僕は何をしていたんだ?」

「フィーネ、私......ごめんなさい」

リリィが涙を流している。

「スザク......私を許して」

ホウオウが呟く。

「わらわとしたことが、操られるとは.....」

ミカエルが立ちあがろうとした瞬間、突然意識を失い倒れてしまった。

ホウオウ、リリィ、オルガも次々と意識を失い倒れていく。

 

「みんな! どうしたの!?」

呼びかけても返事はない。まるで深い眠りに堕ちてしまったようだ。

 

「フィーネ、丸太小屋が無くなってしまった。どうする?」

ゴブローが言う。

 

「家は作り直せば良い。それよりもオルガたちが心配よ」

 

その後、フィーネの魔法で新しい丸太小屋が作られた。

「流石にくたびれたわね。」

オルガ、リリィ、ホウオウ、ミカエルをリビングに寝かせて、取り敢えず一息ついたが、先は見えない。

 

「リリィたち、いつになったらおきるのかにゃ」

エリーゼが呟く。

「心配キー......」

「心配キキー......」

 

 

 

 

翌日。

 

イブとアイリスが帰って来た。

 

「ぼくらが居ない間に大変なことが起きたんだな」

「メルティナが仕掛けてくるとは......油断してましたわ」

 

「イブ、アイリス。オルガたちを起こす方法はあるの?」

フィーネが聞く。

 

「オルガたちは、メルティナの精神干渉を受けて、心が閉じ込められている状態。心の核を探して身体に戻せば元に戻りますわ」

アイリスが言う。

「どうしたら元に戻るの?」

フィーネが尋ねる。

 

「誰かが、オルガたちの精神世界に入って、心の核を探し出し、身体に戻すんだ」

イブが言った。

「ただし、一人の精神世界には一人しか入れない。心の核はそれぞれに違う姿をしてますが見れば分かりますわ」

アイリスが補足する。

「じゃあ、私たちがオルガたちの精神世界に入って心の核を取り戻せは目を覚ますのね」

フィーネが言う。

「そうだ。ただ決して楽じゃないぞ。」

イブが言う。

 

その後、家族で相談して、誰が誰の精神世界に入るかを決めた。

 

オルガの精神世界には、ゴブロー。

リリィの精神世界には、フィーネ。

ホウオウの精神世界には、スザク。

ミカエルの精神世界には、エリーゼ。

もしもの時にはアイリスが、外側から干渉する。

 

 

「もし、失敗すれば二人とも心が壊れて二度と目を覚まさなくなる。失敗は許されないぞ」

イブが念を押す。

 

「わかったわ」

「覚悟はできてる」

「必ず姉さんを取り戻す」

「頑張りますにゃー」

 

こうして、それぞれの精神世界での心の核探しが始まるのであった。

 

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