転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第35話

 

ここはウエス国の森の中。

 

 

「これで準備完了ね。」

フィーネが、たくさんの小さな壺を荷車に積んでいる。壺には薬草がたっぷりと入っていて、独特の香りがしている。

「私もお手伝い頑張る!」

「頑張るキー!」

「頑張るキキー!」

「おいらも頑張るぞ!」

少し不安ではあるが、リリィたちも気合いが入っている。

「お願いだから、何かを壊したりしないでね。」

フィーネが釘を刺す。

「ぼくが見てるから大丈夫。」

イブが薬の壺を積みながら言う。

 

全部の荷物を積み終わって、フィーネたちは、町に向かった。

 

今日は、毎月開催されている町のバザールの日だ。フィーネも出張薬屋を出店する。

リリィたちは荷車に乗り、フィーネとイブ、ハクが荷車を引いていく。

歩くこと2時間。森を抜け、町に出た。バザールが開かれるのは、町の中心にある広場だ。

あらかじめ決められた場所に陣取り、早速、壺を並べ始める。

 

「フィーネ!お疲れ様。」

オルガだ、自分の畑で採れた作物を売るようだ。店先に野菜や果物が山になっている。

「オルガ。今日はよろしくね。」

フィーネがオルガの方を振り返って言うと、スザクとホウオウもやって来た。

「スザク!一緒に町をお散歩しましょう?」

リリィがスザクに駆け寄る。

「リリィ、良いわよ。オルガ!店の準備お願い!」

スザクが言うと、オルガは手を振った。

リリィにモックとドンキーも付いていってしまった。

「もう、仕方ないわね。」

フィーネが、諦め顔で言う。

 

「フィーネじゃないか!」

声に振り返ると、ゴブローがいた。

「ゴブローもバザールに参加するのね。」

ゴブローの店先には、紅茶の茶葉が並んでいる。

「ゴブリン村の代表でね。紅茶の茶葉を売りに来たんだ。」

ゴブローは鉢巻を巻いている。

「さて。そろそろバザールが始まるぞ。お互いに頑張ろう。」

イブがみんなに言う。

「頑張りましょう!」

フィーネたちは、自分の店に戻った。

 

合図の花火が打ち上げられる。

月一回の町のバザールが始まった。

 

フィーネの店は、風邪薬や痛み止め、腹下しの薬、傷薬など薬草を調合した薬を売っている。

 

鉱山の町でもあるこの町では、痛み止めや傷薬が飛ぶように売れる。フィーネが接客をして、イブが袋詰めをし、ハクが代金を受け取る。

 

お客さんの流れが途切れたところで休憩を取る。

 

「疲れたー。」

リリィがいつの間にか戻って来て、サンドイッチを頬張っている。

「リリィは、何もしてないだろ!」

ハクが、汗を拭きながら言う。

「この後は、リリィも手伝ってね。」

フィーネが諭す様に言う。

「お手伝い、頑張る!」

「頑張るキー!」

「頑張るキキー!」

モックとドンキーは手桶から水を飲んでいる。

「差し入れを持って来たよ。」

ホウオウが、差し入れの料理を持って来た。野菜たっぷりのスープだ。

「美味しいわね。これはオルガの味付け?」

フィーネが聞く。

「違うの、スザクが作ったのよ。」

ホウオウが言うと、皆驚いた。

「スザクに料理の才能があったとはな。ぼくもびっくりだ。」

イブが感心して言う。

「オルガと特訓してたからな。」

ホウオウがスープを一口飲んで言う。

「まあ、私には敵わないけどね。」

フィーネが悔しそうな顔をして言う。

 

 

バザールが盛り上がる中、一人の男が町に現れた。男の皮膚は全身焼け爛れていて、その眼は復讐に燃えていた。

 

 

「ぼくは疲れたから少し散歩してくるぞ。」

イブが一人で店を離れて、何処かに行ってしまった。

「ちょっと!イブ!仕方ないわね。」

フィーネは、そう言うと接客に戻った。

「イブ探して来ようか?」

リリィが言うが、フィーネは首を振った。

 

 

 

 

「さっきから、変な気配を感じる。」

イブは、そうつぶやいて、周りを見回す。

町外れの鉱山の辺りに来た時だった。

ビシッ。

イブの体に何かが当たった。

腕から血が出ている。

何だろう?と思った瞬間。

ドカッ。

イブの意識が飛んだ。

 

 

その頃。

「ねぇ、フィーネ。イブ遅いね。」

リリィが心配そうに言う。

「リリィ、大丈夫よ。女神なんだから。」

フィーネは言うが、リリィはそれでも心配なようだ。

 

「モックが探しに行くキー!」

「行くキキー!」

モックとドンキーが手を挙げながら言う。

「じゃあ、モック、ドンキーお願い。イブを探して来て。」

「わかったキー!」

モックとドンキーは、そう言うとさっさと走って行ってしまった。

「モックとドンキー、大丈夫かな?」

リリィが心配そうに2人が走り去った方を見ていた。

 

 

バザールも終盤を迎えた頃。

イブもモックもドンキーもまだ帰って来ない。

「何処で油を売ってるのかしら?」

フィーネも流石に心配になって来たようだ。

 

「私が探しに行こうか?」

様子を見に来ていたスザクが言うと、

「スザク、お願いしても良い?」

フィーネが頭を下げた。

「じゃあ、探して来るわ。」

スザクは、そう言ってイブたちを探しに行った。

 

 

大柄の謎の男が、スザクの後を付けていることに誰も気づいていなかった。

 

 

そして、バザールが終わり。撤収作業が始まっても、イブたちは戻らない。

 

「イブもスザクもどうしたのかしら?」

フィーネがつぶやいた。

「嫌な予感がするわ。」

ホウオウは、妹の心配をしながら、何か妙な胸騒ぎを感じていた。

 

 

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