転生99回目のエルフと転生1回目の少女は、のんびり暮らしたい!   作:daisukenote3397

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第42話

 

ここはウエス国の森の中。

 

「勇者エルの魔王討伐の話はこんなところね。」

フィーネは、フゥッと息を吐いた。

「面白かった!フィーネ、ありがとう。」

リリィは、眼をキラキラさせている。

「ガルムは、そのあと何をしてたの?」

「ガルムは、エルドの町で弟子を取って剣術を教えて生活してたわ。」

フィーネは、遠くを見ながら話す。

「何か面白い話はないの?」

リリィが聞くと、フィーネは何かを思い出したように話だした。

「ガルムには、ゴラムという名前のゴブリンの弟子がいたの。ゴラムは復活した魔王を仲間にして、その後、魔神を倒した。」

「魔神を?!」

リリィが前のめりになってフィーネの話を聞いている。

「そう、ゴラムは魔神を倒して、エルドランドの英雄になった。師匠の私も嬉しかったわ。」

「その魔神が今、復活したってことなのかな?」

リリィが言う。

「そうだと思う。私も段々思い出してきたわ。」

フィーネがいつになく真面目な顔で話す。

「魔神の倒し方が分かれば良いんだけどね。」

リリィか言うと、フィーネはうなづいた。

 

 

「昔のことを思い出すと疲れるわ。」

フィーネはそう言うと、紅茶を一口飲んだ。

「魔神のことは、ぼくもあまり知らないんだ。ガルムの弟子の話が何か残っていれば良いんだが......」

イブが言う。

「遺跡から持ってきた本に書いてあるかも知れないね。」

リリィが紅茶を飲みながら言った。

 

 

数日後。

リリィが、遺跡から持って来た本を読んでいるとき、何かを見つけた。

「ねえねえ、フィーネ!これ見て!」

「どうしたの?リリィ?」

「この本見て!」

リリィが一冊の本をフィーネの前に持って来た。

『エルドランド双王記』と表紙に書いてある。

「フィーネが言ってたゴラムのことが書いてあるの!」

リリィが眼を輝かせている。

フィーネは、本を受け取って読み出した。フィーネにも分かる言葉で書かれている。

ゴブリンの剣士ゴラムとエルドランドの王女アンヌの冒険譚だ。二人は仲間と共に魔神と戦い勝利して、エルドランド王国に平和を取り戻した。

「ありがとう、リリィ。お手柄ね。」

フィーネは、本を読み終わると、そう言ってリリィの頭を撫でた。

「どうだった?フィーネ?」

「お陰で昔のことをかなり思い出したわ。」

「魔神のことも書いてあったけど、倒し方は分からないね。」

リリィが残念そうに言う。

「でも、かなり参考になったわ。」

フィーネは何かを掴んだようだ。

紅茶を飲んで一息ついた。

 

 

「フィーネ、何か分かったのか?」

イブが尋ねると、

「まあね。」

フィーネは、そう答えた。

「そうか。」

イブは何かを察したように言った。

 

 

翌日。

「オルガー!遊ぼう!」

「いいよ。アスレチックで勝負だ!」

オルガがフィーネの家に遊びに来ていた。

「リリィもオルガも元気ね。」

フィーネはロッキングチェアに座って紅茶をすすっている。

 

「フィーネも遊ぼう!」

リリィがこちらに手を振る。

「たまには一緒に遊んだらどうだ?フィーネ。」

イブが言う。

「えー。面倒くさいなぁ。」

「そう言わずに、行ってこい!」

イブがフィーネの背中を押した。

フィーネは嫌々ながらリリィの所に向かう。

「フィーネ!ブランコ乗ろう!」

「良いわよ。」

リリィとフィーネは並んでブランコに乗った。リリィの背中をモックが押し、フィーネの背中をオルガが押す。

「たーのしー!!」

リリィが、笑いながら言う。

ブランコの勢いが、ドンドン増していく。

「もっと押すキー!」

モックが調子に乗って更にリリィの背中を押す。するとブランコに乗ったリリィが、一回転してそのままモックを蹴飛ばした。

「キー!!」

モックが、遠くに飛んで行った。

「モック!リリィ、モックを探して来て!」

フィーネがリリィに言うと、リリィは慌ててモックを探しに行った。

「もう、大丈夫かしら?」

「モックは丈夫だから大丈夫だよ。」

フィーネとオルガは笑った。

「まだブランコに乗るかい?」

「そうね。もう少しだけ。」

フィーネは少し顔を赤らめた。

 

「フィーネさん。」

「何?オルガ。」

「あの、これからも遊びに来て良いかな?」

「もちろんよ。いつでも来て。」

「ありがとう、フィーネ。」

「オルガ、いつもありがとう。」

フィーネがオルガの方を振り向いて言った。オルガは顔を赤くする。

オルガがブランコを止めた。

「フィーネ、少し休もうか。」

「そうね。紅茶を飲みましょう。」

オルガとフィーネはロッキングチェアに座った。イブはリリィと一緒にモックを探しに行っている。

「フィーネさんの淹れる紅茶は美味しいなぁ。」

「オルガ、ありがとう。」

「毎日でも飲みたいくらいだよ。」

「毎日遊びに来ても良いのよ。」

「フィーネさん、僕はフィーネさんのことが、す......」

フィーネが、食い気味に話を被せる。

「オルガ!今日はいい天気ね!」

「そ、そうだね。」

「リリィたちは大丈夫かしら?」

「もうすぐ帰ってくるんじゃないかな?」

気まずい沈黙の時間が流れる。

「オルガ。」「フィーネ。」

二人が同時に話す。

「あの、」「あの、」

また、二人一緒のタイミングになってしまい、お互い苦笑する。

「オルガ、また会いに来て。」

「またすぐ会いにくるよ。」

オルガがフィーネを見つめて言った。

フィーネは節目がちに紅茶を一口飲んだ。

 

「フィーネ!モック見つかったよ!」

リリィたちが帰って来た。

 

オルガとフィーネの距離が少し縮まったのであった。

 

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